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 どちらかに集中しようとすると、すぐにもう一方が自分を忘れるなとばかりに主張する。
 勝手にセシルに性欲などないように思っていたけれど、意外なことに彼はねちっこく執拗にアイリーンの胸を触っていた。
 何度も乳首を虐められたせいか、いつの間にかアイリーンは胸を揉まれるだけでも快感を感じるようになっていた。アイリーンが自身の胸の飾りが既に赤く腫れ上がっているだろうと思ってしまうほど、ずっとセシルによって快楽を与えられていた。
 バラバラに与えられる快感にアイリーンは絶えず嬌声をあげ続ける。
 
「アイリーン、気づいてたか、もうとろとろなこと」
「ひゃっ、そっんなとこでぇ、喋っちゃ、いやっ」

 セドリックが脚の間で喋るので、アイリーンの秘所に彼の吐息がかかる。それさえも視界を奪われたアイリーンには刺激となって、腰をそらす彼女にセドリックが口の端をあげる。

「えっろ、指入るよ、もう」
「んんっ」

 ぐっ、とセドリックがアイリーンの中を割り開くように指を進める。
 まだ指一本だというのにきゅうきゅうとアイリーンの膣内は彼を締め付けた。

「はっ、あつっ」
「いやぁ、言わないでそんなことっ」

 ゆっくりと指を抜き差ししながらもセドリックはアイリーンの淫芽を舐めることをやめない。
 まだ膣内での快感を得られないアイリーンも、セシルによる胸への刺激とセドリックの口淫による刺激で違和感を覚える暇もなかった。

 そのうちただの圧迫感だったのが、何か込み上げるような快感に変わり、アイリーンは乳首と陰核と膣内の3点を刺激されて達した。

「はっ、ふっ」

 弓なりに体をそらせ、熱い息を吐くアイリーンに、どちらかが口付けした。

「もういいんじゃないか」
「ああ」

 どちらからともなく言い合う。ここまできてその言葉の意味が分からないほど、アイリーンも純粋ではない。

「ん、これ、やなの」

 ぐずぐずに蕩けきった声音でアイリーンは目を覆う布を外すようねだる。

「だってどちらか分かったら、アイリーンは選んでくれないだろ」
「ちゃんと選ぶからぁ、顔が見えないの嫌なの……」

 アイリーンが言い終えるや否や、布が外され、目の前にいたセドリックに口付けされた。
 しっかりと腰に手を回され、口内に舌が入ってくる。
 あんなに恥ずかしかったキスも、ずっと顔も見えずに愛撫され続けていたせいか、顔が見えるだけで安心する。

「はぁっ」
「セドリック」
「ん」

 アイリーンが落ち着いて息をしようとしていると、目の前にいたセドリックがセシルにその場を譲る。
 アイリーンがよほど不思議そうな顔をしていたのか、セシルが苦笑しながらアイリーンに腰を寄せた。

「セドリックとどちらが先にするか話して決めたんだ。どちらが最初になるかっていうのは男にとって大事なことだから」
「そういうものなの?」
「うん、キスはセドリックが先だったでしょ」

 だから今度は僕、とセシルの声がアイリーンの耳をくすぐった。
 そしてそっと彼女を押し倒す。トンっとベッドに背がつくと、頭側からセドリックが顔を覗かせる。

「ほんとにとろとろ、アイリーン、いい?」
「っ……聞かないで」

 顔を真っ赤に染め、そらすアイリーンを見て、セシルが満足げに笑った。
 セシルは蜜口に先端を押し当て、くちゅくちゅと音を立てながら進める。今まで何も受け入れたことのないそこが広げられていく痛みに、アイリーンの顔が苦痛に歪んだ。
 眦から溢れた生理的な涙に、セドリックが唇を寄せ、そのままアイリーンの胸の飾りを舌で舐め上げる。
 ゆっくりと時間をかけ、セシルが奥へと挿入していく。痛みを感じ、眉間に皺が寄るたびに、セドリックが胸を愛撫したり口付けを繰り返すおかげで、アイリーンはあまり痛みを感じずに済んだ。

「ふっ」

 セシルの荒い息遣いにアイリーンが顔をそちらに向ける。
 額に汗をかき、何かに耐えるような息遣いをするセシルが心配で、アイリーンは汗を拭くために体を起こそうとしたところで、いつの間にかアイリーンの下腹部とセシルのお腹がぴたりと合わさっていることに気がついた。

「ごめん、もう我慢できない」

 ぐりぐりと何かを探すようにセシル自身がアイリーンの膣内をかき回す。突然のことにアイリーンは驚いたが、ゆっくりと時間をかけてほぐされたせいか、思っていたよりも痛みも違和感も感じなかった。
 安堵したアイリーンがもう一度セシルの顔を確認しようとした時、アイリーンは下腹部に切ないような不思議な感覚を覚えて、思わず体が跳ねた。
 その動きを見逃すセシルではない、アイリーンが反応した場所をぐりぐりと集中的に責める。

「ここ? 気持ち良い?」
「きゃんっ、あっ、あぁ」

 先ほどまで苦痛に耐えていたとは思えない、可愛らしい声をあげるアイリーンに、セシルは腰を止められなかった。

「アイリーン、大好き。愛してる」
「んっ、私も、セシルのこと、あっ、んん、大好きっ」

 口付けの合間に愛を囁かれ、アイリーンは脳まで溶かされたように感じた。
 徐々に早くなっていくストロークに、いやらしい肉がぶつかり合う音に、アイリーンは髪を振り乱して喘ぐ。一際強く奥を突かれ、アイリーンがぴくんと痙攣した。

「あ、いやっ」
「はぁ、ごめん。アイリーンの中があんまりにも熱いから」

 白濁がアイリーンの中に溢れ出す。その刺激までが快楽となり、アイリーンはぴくぴくと体を揺らす。
 ずるっと体内からセシルが抜かれ、アイリーンが喪失感を覚えながら、安堵のため息をつくと、すぐにセドリックが彼女の腕を引き、抱き起こす。
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