只人♂はアレなダンジョンで助けようとしたポンコツクソエルフ♀に身体を入れ替えられてしまった!

あかん子をセッ法

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 決定的な出来事は、いつだって突然起こる。

 そして大抵、偶然にしか見えない。

 なんの前触れもなしに落ちたり、刺されたり。逆に宝を拾ったり、勝利したり。サイコロの目次第でしかないように感じられてしまう。

 けれど、ことダンジョンにおいて、人々は皆悪意によって、穴の底へと導かれている。抗わなければ、否、抗ってもなお、迷宮の主側の意図に沿うことになる。
 はたして偶然、突然と、呼べるものなのだろうか。
 必然であり、因果の上のものでしかないのではないだろうか。

 もしそうだとしたら、俺は。
 ここに足を踏み入れた時点で、こうなる運命だったのでは。
 




 ────お。

 痺れる。
 爪の先から頭のてっぺんまで。
 甘く、深く、熱く。余韻は残って、延々と苛まれる。

 ────い。

 声がした。
 少しずつ、いや、一気に意識が引き摺り戻されていく。

 「──おい、いい加減起きろ!」
 「んひゃぁあっ⁉︎」

 瞼を開き、身体を起こそうとした。
 が、手脚は縛られており、力は上手く入らない。中途半端な腹筋運動のような形で終わった。

 「あ」

 が、体感する。薄布一枚のみ羽織っただけの身体。その全体の重怠さと、灼熱感。揺れて弾む胸と尻の肉。残る腹の奥の異物感。
 官能の火花が生じ、たちまち俺はまた快楽の泥濘へと引き摺り込まれて────ぱちん! 両頬を弾かれた。
 さらに続け様にごつんっ! と額を打ち合わされ、痛みで強引に引き戻される。

 「戻ったか?」
 「ぐっ、う」

 睨み返し、目が合った。

 こいつ、さっきまでの俺の、あのざまを見てたんだよな。
 動揺が走り、心臓が跳ねる。どう思われているのか。何を言われるのか。次の言葉が恐ろしくなって、顔は熱くなり、身体は強張った。

 が、特段、想像していたような言葉はなく、額が離されて、視界が開ける。
 するとようやく、異様な周囲の状況が目に入った。

 「は? 白?」

 壁も天井も純白。空気は一切流れがないにも関わらず清浄を保っている。
 先ほどまでの血みどろとは比べるまでもなし。今まで見てきた場所とも、明らかに作りが違う。

 「どこだ? ここは?」
 「ったく、しっかりしてくれ」

 くたびれた様子の俺の姿、もといリウカは、怪訝な顔をしつつも説明してくれた。
 曰く、あの張型の条件を満たしたことで、台座に転移魔法陣が現れ、そこから転移して辿り着いた場所だという。

 「はーー、なるほど……じゃあ、まだリドルのつづき、なのか?」
 「ちがうだろう、多分」

 特異さでそう思い至ったが、連続性は見当たらなかった。
 どの程度検討が付いているのか尋ねると、彼女は頭を横に振って嘆息する。

 「生憎、ケモドワ娘ともう調べ尽くしたが、この空間にはほとんど何もない。表現するならそれほど広くはない、魔術師を閉じ込める四角い箱だ」
 「と、いうと」
 「魔法が使えない。使おうとすると、術式を組んだそばから分解される」

 試してみたが、確かに。組み上げる時間も極小の探知の魔法すら、生成に至らず不発に終わった。
 理解して、肩を落とし、身を震わせる。
 つまりはまた、小細工なしでこのカラダと────

 「だから倒錯しても仕方ない、なんて言うとでも?」
 「はっ」

 だめだだめだ、耐えろ。

 「まあ、私もキツい。一刻も早く出たい……が」
 「だめ、なのか」
 「そうだ。逃がす気はないらしい。転移は一方通行で、出口がないんだ」

 話を盛りそうな彼女だ。少し疑ったが、純白の部屋にはいくつもの血の跡が残っている。漏れはなさそうだ。

 「ちゃんと、探しはした……んだな」
 「ああ、つまらん場所だよ、まったく」

 部屋の隅、丸くなってすやすやと寝息を立てている、獣化状態のままのレノワを見て、ほっと息をついた。
 が、そこでふと、床に触れた指先が何かを感じ取る。

 「んっ、?」

 何かの凹みだ。徐に輪郭をなぞると、掌のような形をしているのがわかる。
 しかも、少しヒリヒリする。なんだ、これは。

 「おいっ、なんかあるぞ」
 「なに?」

 灯台下暗しというか、俺をここに転がしてしまったから、隠れて見えなかったのか。

 ひょいとどかされて、確認される。
 「ほんとだ」と、きょとんとした反応が見て取れた。

 なお俺もまた、実際に目視して少し目を丸くした。
 なぜか。少し触れた箇所が赤く染まっているのだ。いや、というか、それだけじゃない。排水溝に向かって水が流れるように少しずつ、周りの血痕がここに向かって流れてきて、蓄積していっているように見える。

 「あからさまだな、これは……」

 動力を、侵入者に依存してるのか。あるいは、何か別の魂胆があるのかもしれない。

 「レノワさんを起こして。やるよ」
 「いや、もう少し待っても」
 「待ってても、おそらく近いうちに動きだす」

 どのみち始まるなら、自分たちのタイミングでだ。
 正気も、いつまで保てるかわからないのだから。



 「じゃあ、やろう」

 身構える一同。俺は後ろ手のまま、細くしなやかな掌を、そっと窪みに置いた。
 瞬間、魔力を吸われる感覚に襲われる。下腹部で燻る官能に刺激が走り、堪らず「んんっ」といかがわしい声を漏らしてしまう。

 「おい、貴様」
 「ぅ、っ、だいじょっ……!」

 ほんの微量の吸収で、仕掛けは動き出した。
 部屋の形は変わり、壁からは板書と鏡が、床からは泉が滾々と湧く人1人分の大きさの噴水と、無駄に質感の良さそうなベッドがせり出してきて、各々白を基調としながらも赤やピンクの色が付き、どことなく淫猥な雰囲気を醸し出す。
 構えていた俺達は、徐々に各々脱力していく。

 「あ、あー……」
 「そうか、そうきたか」

 板書に、1000という数字が浮かんだ。
 続けてそのすぐ下には、ピクトグラムのようなデザインの絵が現れる。
 男と思わしき者が立ち、女と思わしき者の口元に股間を押し付けているような、そんな絵だ。

 「は」

 眩暈がした。
 先ほどの時点でそんな気はしていたが、あの主。いよいよ仕留めに来ている。

 不可避のギミックで嵌め殺すとか、そんなのありかよ────

 「この泉、飲めば命は、繋げそうだが……っ」

 確認したレノワオギトの尻尾がしなだれて、ふらついた。

 甘くすえた、どこかクセになるような妙なニオイが充満していく。
 吸い込むと、くらりと目眩に襲われた後、ずくんっ。未だに異物感のある腹の奥が、強烈な疼きを発した。
 股の割れ目からぷちゅり、淫蜜が溢れる。背を丸めて悶え、蹲ってしまう。

 「っ、ふーーっ、ふーーっ、うううっ」

 床を打つ、額からの汗。浅く荒い吐息が漏れて、発情を隠せない。
 そこへ「どうする」と、震えを押し殺した様子のドワーフ娘の声が尋ねる。

 「おそらく、あれの指示通りにその、シないと、ダメなんだろ?」

 この場には、男体が一人、女体が二人いる。
 絵面の再現には、男体である俺の身体のリウカは必ず参加しなければならないが、女体の俺とレノワオギトは、どちらか片方だけで事足りる。
 彼女は赤ら顔で小首を傾げる。

 「どっちが、スる?」

 今すぐ俺がしたい。
 叫びそうになった口を抑えた。

 もうおかしいよ、俺も、彼女らも。
 狂気的な現状を嘆き、叫びたくなったが、それも抑えた。

 「……はぁ」

 必死に息を整え、のぼせ上がった頭で答えを出す。

 「リウカ、えらべ」
 「あ?」
 「この状況、お前に、選択権がある。嫌悪感の、少ないほうを選択しろ」

 そのほうが、きっと早く済む。

 「…………」

 暫しの沈黙の末。
 彼女は、レノワのほうを選んだ。



 ベット横、向き合う二人。上がる鼓動。飲まれる生唾。
 今更言葉は交わされない。小さな身体に不釣り合いな、大きな股間のテントの前、諦観しきった眼で彼女、もしくは彼は膝をつき、ねっとりと糸を引く、小さくも肉感のある口内をひけらかした。
 応えるが如く、ズボンが降ろされる。

 ぼんっ。

 丈夫な布が勢いよく弾ける音と共に、禍々しい肉塊が露わになった。

 「う」

 たじろぐ間も無く、開いた粘膜へそれが捩じ込まれる。「んぶぅっ」と心底苦しげな声が漏れたのも束の間、厚ぼったい唇を押し広げ、小柄な割には太めの首がぼこんと膨らんだ。
 乱暴を働いた側の表情が快楽に歪む。片目を細め、「ふぅーっ、くううぅっ」と必死に堪えた風に息をつくが、顔はもう真っ赤だ。こめかみから浮き出た血管が脈打つのが見えた。

 「んぐっ⁉︎」

 獣耳の生えた頭が掴まれ、ふっ、ふっ、ふっ、と、吐息に合わせ、玩具のように前後に動かされ始めた。
 ぐっぷぐっぷ。空気を多分に含んだ水音が鳴り響き、「んう゛っ、うううう!」と悲痛な悲鳴が上がるが、容赦はなく、止まらない。寧ろいっそう激しさを増していく。

 「ん゛っ、んっ、んぶっ、うっ、う」

 獣耳ドワーフ少女の目尻から頬へ、涙が伝った。
 息ができず、今にも意識を失いそうなのだろう。瞳はしばしば光を失い、天井を仰いでいる。
 しかしながら、苦しげだった声は徐々に甘く上擦って、表情もどこか艶やかさを増していっているのは気のせいか。

 「う゛っ、んんんっ、じゅっ、ちゅじゅっ」

 いや、気のせいではない。あれは、どうみても自分から動かしている。舌で舐って、口内で逸物を愉しんでいる。さも飴玉を頬張って、味わっているかのように。
 しかも、喉元の形が変わるたび、瞳の色が快感を映しているように見える。
 悦んでいる。ここまで頼もしかった彼が、彼女が。見る影もない。

 なんて浅ましいのだろう。なんて憎たらしいのだろう。なんて気持ちよさそうで、なんて、なんて────────ふあっ。

 「っ……はー……?」

 ふと、息をするのも忘れて、その様を眺めることに没頭していた自分に気がついた。
 じんと頭が痺れる。全身の肌が熱い。部屋の角に寄りかかって、硬い壁に柔らかな肩と頬が当たっていると、その冷たさが心地良く感じられる。

 「あ……」

 下腹部が狂おしいほどに疼く。いつの間にか両内腿を擦り合わせている。股の間が張り詰めて苦しい。両胸の先も、布の下で張り痼り存在を主張している。呼吸で動くたび擦れて、甘く痺れて止まない。
 生殺しだ。もどかしさで、縛られた両手がわなわなと震え、口の端から涎が垂れていく。

 何で選んでくれなかったんだ。羨ましい。俺もあんな風に────じゃない。くそっ、くそくそくそ。
 爛れた心が痛いほどにひりついて止まない。ありえない考えがいちいち浮かぶ。
 ダメだ。感覚遮断が切れてから、完全にどうにかなってしまっている。理性が、全然維持できない。

 相当にまずい。このままじゃだめだ。

 板書から、意図は読める。
 あのピクトグラム以外の行為をしても、おそらく横の数字は変化しない。
 快感に呑まれ、好き勝手に行為に及ぶようになれば────永遠にここから出られなくなる。

 「おれ、だけでもっ……うあっ」

 身を捩ると、弛緩した身体はくたり、前方へと倒れ込んでしまった。
 歯を食いしばって顔を上げ、板書に意識を向け続ける。押し寄せる淫猥な五感情報に苛まれながらも、必死に、健気に、蕩ける視界を維持する。
 と、「うぐっ!」という男女の少し大きめな反応が重なった瞬間、数字が二つ減ったのを目の当たりにした。

 彼女らのほうへ視線を向ける。
 びくん、びくんと。大きな痙攣が巻き起こり、互いの身体が波打っていた。

 数字は、絶頂回数か。
 条件が判明すると共に、絶望感で視界が揺らいだ。

 これを、あと"998"回だって? 笑わせるなよ、おい。

 ピクトグラムが変化していく。
 今度は、逸物を胸の間で挟んで扱く形だ。

 二人はそれを確認する素振りを見せない。
 一方は口からずるりと逸物を引き抜き、力無く倒れていく相手を抱き留めると、今度は後ろへ回って、その身を抱き寄せる。
 もう一方は咳き込みながら首を垂れて、それを受け入れてしまう。

 「ふたりとも、ちょっと」

 リウカのほうが、「なんだ」と心底怪訝な顔で返事した。

 「板書、かわってる。ちゃんと、みろ」
 「みたいだな」

 そう答えつつも、彼女は手元の膨らみの愛撫に夢中だ。行動を変えようとはしない。

 「おい」
 「もう少し待て、こういうのには順序というものがある」
 「そんな、場合じゃ」

 レノワオギトの背筋が反って、「んんっ」と甘く悩ましげな声が漏れた。
 無駄に洗練された、エロい手つき。こねくり回すような動作。踊る媚肉。ひくり、ひくり、動く獣耳と、くねくね、くねくね、悶える尻尾。
 忠告すべきなのに、俺の意識はそちらへと引っ張られてしまう。

 「っ、ふぅ゛っ」

 きゅうううぅっ。刺激を勝手に想像して、へその奥が切なく締め上げられた。
 堪らず腰を折ると、下腹部はいっそう痙縮して止まらない。
 口の中に甘ったるい唾液が溢れて、放り出された舌先から伝い落ちる。

 「はーーっ、っーー~~」

 煩わしい。早鐘を打つ心臓の音が、荒い吐息が。

 「うぅ、っ、くぅっ」

 助けを求めるような視線を送ってしまった。
 幸か不幸か、向こうはまるでこちらを見ていない。手元の可憐な花を愛でることに必死だ。
 花も同じ。2つの蕾を弄ばれているだけにも関わらず、「は、ううぅっ」と喘ぎ、快感を全身で表現して、間も無く、息を詰まらせ痙攣する。

 うらやましい。俺も、あんなふうに────

 「ふーー、ふーー……っ」

 荒い吐息を、不意に押し殺し。
 起伏に乏しく、柔和であるにも関わらず張り詰めた股間を床に押し付け、骨盤を浅ましく動かしてしまった。

 「んんんっ!」

 官能が迸り、頭の芯が灼き焦がされる。あまりに酷く、危険な感覚に身震いした。
 しかし、一度覚えるともう止められない。くいくい、くにくに。浅ましく圧迫と摩擦を再開してしまう。

 「あっ、はっ……うぅ」

 身体を逸らす。胸が揺れる。先端が、はだけて床に落ちた布と擦れる。いっそう心地良い。
 へその奥が締まる。快感が体液となって滲み出す。ぬめって滑りが良くなる。
 股間の痼りの感覚が顕著になってきた。より甘い。より切ない。

 「ふっ、っ゛」

 燻っていた淫らな腰の炎が、爆発的に燃え盛る。
 頭の中はあっという間に白んで、身は灼かれ、そして弾けた。

 「っ! っ゛、っーー~~~~!」

 一時的に、頭は少し晴れる。
 涙で滲む視界は、奇跡的に板書を捉えた。
 数字は、変わっていない。

 やっぱり、無関係な行動じゃ、減らないんだ……。

 力無く、床に伏せった。
 濡れている。汗だけじゃない。甘くさい、母乳のニオイがする。

 「はーーっ、はーーっ、はは、ふ」

 絶望と快感に、心が屈しかけたそのとき。

 「おいこら」

 声がかかった。

 「あ」
 「何を勝手にやっている」

 徐に見上げる。
 いつの間にか、顰められた俺の顔に見下ろされていた。
 余韻に打ち震えながら、「なに、って?」と声を絞り出す。

 と、相手は心底呆れた様子で嘆息した。

 「お前、自分の浅ましい行為を見ながら興奮できるのか?」
 「は……?」

 俺はレノワの姿に惹かれていたんだが、何を言っているんだ。こっちとそっちじゃ事情が違うだろ。身体だって、遮断が無くなった今はもうそっちのほうがずっとマシじゃないか。自分の行為が、目に入ったって────

 言い訳が一通り脳裏を巡った後、改めてふと我に帰り、恥じた。

 彼女と俺がもし逆の立場だったら────そうだ、自分の自慰行為を、眺めることになるんだ。

 想像してしまった。
 床に伏せって、浅ましく自慰に興じる自身の姿を。

 余裕がなくて、忘れてた。
 いや、でも、

 「ッ、でも、おまえ」
 「ああ、そうだったが……私が不覚にも興奮していたのは、苦境においても歯を食いしばり、耐える姿だ。堕落した姿じゃない」

 冷水を浴びせられた気分になると同時に、決して感じてはいけない相反する熱がぞくりと込み上げるのを感じた。
 何も言い返せない。恥ずかしさのあまり涙が溢れてきてしまう。その涙すら恥ずかしくて堪らない。

 「ふっ、ふぐっ」

 はあ、と、このダンジョンに入ってから何度聞いたかわからない嘆息が吐かれる。
 顔を見られない。俺は唇を噛み、目を伏せた。

 すると、気配が近づく。何をされるのかと一瞬身を強張らせた。
 が、熱い肌に感触は訪れない。ただ両手を縛る縄が解けて、自由になった。

 「見るに耐えん。こうなったらもう同じだ」

 はたり。身体は持ち上げられ、纏っていた布が落ちる。

 「え……?」

 理解が追いつかない。
 抱え上げられ、運ばれている。
 理由を尋ねようとした。しかし、早鐘を打つ胸の奥で言葉はつかえて出てこない。

 なんだ? この……胸が、張り裂けそうな、これっ。

 そうこうしているうち、ベッドの上に下ろされてしまった。やたら優しく、ふんわりと。

 「は? え?」

 沈み込む。柔らかなシルクのような肌触りに包み込まれている。
 なんで、どうして。頭がはたらかない。馬鹿みたいな心地良さでふわふわして、何も考えられない。
 続け様に隣に獣耳ドワーフ娘が下ろされ、そばで力ない蕩け顔を晒す。

 「んあ、はへぇっ」
 「レノワ、さん?」

 うわ言のような吐息からは、雄と雌の混ざり合った淫靡な性臭が香った。
 一体どういう状態なのか。声をかける間も無く、ベッドが揺れて、小柄な影が俺達の前に覆い被さる。

 「三人でやるぞ。そのほうが早い」

 その表情は、至って冷静なようでいて、この上なく猛っているような、そんな仏頂面であった。
 
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