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九回戦(海ルート) ギシアンルーレット! 後編!
しおりを挟む夢を見た。また、幸せな夢だ。カイと一緒にいる夢。家庭を築いて、幸せに一生を過ごす夢。
カイが男で、オレが女で、オレが孕んだ胎を幸せそうに撫でて____って、違うだろっ!
意識がゆっくりと浮き上がる。
身体が怠くて熱い。それでいて、胎の中が満たされていて心地良い。
五感がゆっくりと鮮明になる。肌と肌が打ち合う音、熱い息遣い、淫媚な香り。全ての輪郭がはっきりしていく。
あれ、オレ、いまどうなって……っ!
目を開けると、薄暗い部屋の中、カイの顔がすぐ目の前に。
「っ、カイっ……おまっ……っ!♡」
しかも、自分の股座がデカマラに串刺しにされていた。驚きと共に一気にゾクゾクとした快感が走って頭が沸騰する。
「あっ、起きたのか。ごめん、ちょっと、勝手に何回かやっちった……」
「はっ……ぁっ?♡なんでっ、ぇっ…………♡」
尻の穴まで、何かうにうに動くモノで塞がれている。多分、オレの部屋にあった玩具だ。ちょろまかして来たのか。
「何でって……サクマが頑なに避けてたからだよっ」
「あ゛ぅっ♡♡」
ズンっと奥を突かれて、肺の空気が一気に外へ押し出された。苦しくてそこから頑張って息を吸おうとするけれど、ダメだ。尻穴が埋まっていてただでさえ呼吸し難いのに、巨根の先端がオレの一番奥をぶちゅぶちゅ付いたり離れたりするせいで、腹がひくついて上手く呼吸出来ない。
「ぁ゛っ♡かっ……ぃっ♡っ、ぁっ……めぇ゛っ♡」
指先に力を入れてカイの身体を引っ掻いてもがいた。が、向こうはそれをものともしない。
「こっちはずっとムラムラしてたのに、取り合ってくれなかっただろっ。疲れるまではしゃいで遊んですぐ寝てさ。分かりやすく避けてくれたじゃんっ」
余りの攻撃性に、酸欠の危機に瀕した脳味噌はある可能性に気付く。
「おまっ……ひょっとしっっ、おまもりっ…………っ♡」
「ああ、うん。なんか落としたっぽい。エアホッケーで白熱してた辺りかなっ!」
たんッ! 強烈な突きで最奥と尻肉が叩かれると共に乳首を摘まれた。おまけに首筋に吸いつかれ、脳裏で白い閃光が迸る。
「っっあ゛ああぁっ♡♡ひあ゛あああぁっ♡♡♡」
訳も分からず身体は達した。既に幾度も刻み込まれているらしい。イキ癖が付いていて止まらない。
____しくじったっ……セックスをさけるあまり、コイツのヘンカをみのがしたっ……♡
ぺろくちゅっ。耳元が舐められ、卑猥な音が頭に染み込む。同時にあちこち愛撫されながら腰をグラインドされて、理性は急速に溶かされてく。
「んぁ゛っっっ♡♡っ、ぉ゛っ…………っ♡♡♡」
ダメだ、オレも、快感に呑まれ、てっ…………っ♡♡♡
そして腰使いが激しいピストンに変化したかと思えば、挿し込まれたデカマラは根本から膨れ上がって、どくっ! とオレの膣壺の奥に熱くて濃厚なマグマが叩き付けられた。
「お゛っ!♡♡♡ お゛おぉおおぉ……♡♡♡」
余韻の中、身体が変わっていく。荒々しい息遣いが交差する中、オレの方はゴツく、硬く。上に乗るカイの方は、軽く、柔らかくなる。
「はーーっ……はぁっ……!」
痺れた頭はそのまま狂おしい程の性欲を生み出し、オレは今度はそのまま上に乗るカイをひっくり返して犯した。
「ぅあ゛っ❤︎ぁ゛っ❤︎あ゛ああぁあぁ❤︎❤︎」
ぐちゅぐちゅ、ギシギシ、アンアン。二日目の朝は、鳥の鳴き声ではなく淫らな営みの音で始まった。
✳︎
「っ……っ…………♡」
「あ゛ーー…………」
疲労もあってか、三周程でカイもオレも枯れ果てて行為はこっちが女にまた戻った所で止まった。
「いったいっ、どんだけヤればっ……ケッチャクつくんだよ…………♡」
「っ、知らないよっ……もう、運次第だと思うけど…………」
そこで丁度、コンコンとドアがノックされたのでカイが応対した。
「あっ……すみません。っ、はい……有難う御座います」
直ぐに帰って来た。何か怒られたりしたのかと思えば、普通にスタッフさんが御守りを見付けてくれたらしい。その手にタッパー入りのそれが戻っていた。
「名前書いといて良かったな……」
「だね……」
取り敢えず目先の問題が解決してお互いホッと一息吐いた後、ホテルのバイキング形式の朝食を食べに行く事に。
「お、ベーコン美味い」
「だな……」
あまり食欲が湧かない。気取られまいと最低限取り揃えて来たけど、味噌汁をただ見つめぼんやりとしてしまう。
「サクマ、まだ疲れてる?」
そこへカイがそれとなく心配そうに尋ねて来た。まだ自分は余裕があると言いたげな顔をして。
「ああ……まあな……」
「…………なんか、ほんとごめん」
____しまった、違う違う。
一瞬、妬ましく思ってしまって驚いた。何なんだ、オレらしくもない。
これも疲れてテンションが下がってるせいだ。空元気でも絞り出さないと。オレからノリの良さを取ったら何が残るんだ。
「はは、良いって良いって。旅は道連れ世は情け、って言うだろ。気を取り直してこうぜ」
そうして今日のプランを伝えて、オレ達二人は再びの海へ。快晴の青空の下、満を辞して女体時のオレの水着のお披露目タイムと洒落込む。
「そらっ、どーだカイ!」
なお前回とは違う場所だ。岩場に囲まれた砂浜は狭く、人は皆無。なので、オレ渾身のコーデである清楚なお嬢様風の白のハイネックビキニを拝むのは彼だけ。
「……いや、水着は似合ってるけどさ、サクマお前…………」
来て早々、カイが顔を顰めた。理由は分かっているが、「ふん、何だ?」と聞いてやる。
「最初からここにしろよっ!」
ここは所謂穴場スポット。岩場と岩場の間の隠れた場所にある海岸だ。地元の人間しか知らない様な場所だが、何度かこの辺の人間と交流して場所を把握してる。この曜日のこの時間ならブッキングもほぼ無い。オレ達とっては絶好の場所と言えよう。
「ははは、そうは言ってもいきなりこっちじゃつまらな……ああわかったわかったごめんって尻叩くのはやめっ」
パァンと一叩き入った所で、仕切り直し。
「あっ、あくまでちゃんとした場所じゃないからな……静かにな……」
「分かってるわ、そんな事。はぁ……俺の恥ずかしい過去を返せ……」
ったく、お怒りごもっともとは言え叩く事無いだろうに……
不満に少し頬を膨らませ、ひり付く尻を撫でた。すると、ぞくぞくぞくっ。変な甘い震えが背筋を走り抜け、「んぃっ♡」と鼻にかかった雌声が出る。
「うわっ、何だ。急に変な声出すな」
元凶にドン引きされた。お前のせいなのに。
ただ、この一幕で明確に気付いて青褪める。このカラダ、やべえ所まで開発進んでる、と。
セックス中なら何度かあったけど、こんな何でもない時に尻を叩かれて勝手に悦ぶとか____本格的にマゾい雌豚みたいじゃねえか。
女は多かれ少なかれ皆マゾだったりするけど、ここまでの女は流石に相手にした事がない。幾ら何でもおかしい、カイが見ているAVみたいなファンタジーじゃないんだぞ。
「んで、どうするんだよサクマ。何するんだ?」
カイはそんなこっちの気も知らずにあっけらかんとそう聞いてくる。
ああ、本来ならちょっと釣りする予定だったけど、そんな気分じゃないな……。
「あー、うん。まあ、疲れもひと塩だし……暫くはちょっとゆっくり日光浴もいいかな? って思ってんだけど……どう?」
「おー、気が合うな。そうしよう……ぶっちゃけ滅茶苦茶疲れてるし」
という訳で、昨日とは違いパラソル無しでビニールシートだけ敷いて、二人共そこに寝そべる事に。
「はぁ……あっ、そうだ」
そして日焼けすると言うのならばオレが取り出すのは勿論、サンオイル。
「これは取り敢えず塗らないとなー……塗り合いっこ、する?」
ちょっと軽く揶揄った。しかしそこはやはりカイ。「いや、気分じゃない。お互い自分で塗ればいいだろ」とノリ悪く冷ややかに否定を決め込む。
「っ、ま、まあ、そーだよな」
____あれ、今オレなんで、ちょっと残念に思ったんだ? ジョークだぞ、ジョーク。
さっきから何かがおかしい。今は御守りもあるし、身体だって疲れてる。なのに、心身にセックス中以上のズレを感じる。
とはいえこのまま何も塗らない訳にはいかないので、自分でサンオイルを手に取って身体に塗り広げていく。
「んっ……♡」
ヤバい。カラダが明らかに発情してる。何処を撫でても刺激でビクッと跳ねてしまう。
「お前わざとエロい声出してんのか?」
カイに訝しまれてしまった。いや違うよ、何て返事をしたらガチに取られかねない。照れ隠しの為に敢えて「へへ、そうだよ」と悪戯っぽく笑って演技する。
「誘って、とっとと男の身体に戻りたいからな……人気の無い場所に来たのもそのためっ、っ♡」
その瞬間、オレの身体はカイに押し倒された。
「おっ……やる気か……っ?♡」
「いや、でも気が変わった」
カイの王子顔が冷徹なモノへと変わる。サドスイッチが入った時のいつもの表情だ。ガタイと相まって圧が凄まじくて、いつもその顔をされると身体が強張ってしまう。
と、その隙に手に持っているオイルの容器を取られた。
「あっ、ちょっ……!」
「塗り合いっこ、したいんだろ? やってやるよ」
水着を捲り上げられ、臍にたらーっとオイルを垂らされる。冷たくて「ひゃっ♡」と無駄にエロい声が出て身体が跳ねた。
が、カイはそれを意に介さず、垂らしたオイルをその掌で塗り広げていく。
「いやっ、塗り合いっこってっ……そういうんじゃっ、っ♡ほんとにっ、ジョーダンでっ♡」
腹部を起点に柔らかな肌の上を彼の掌が滑る。敏感な箇所を避ける様に動いているにも関わらず、しばしば痙攣が走って胎の奥に響く。
「カイっ、ストップっ♡ストップだってばっ♡」
必死にそう言って手を止めようとする。けれど相変わらず女の身体は非力な上、快感で腑抜けて力が入らない。両手なのに、対して力も入れてなさそうな腕を全く止められない。
「ははっ、そのスケベ声も演技か? よく演技出来てるよすごいすごい」
「いやっ、もう演技じゃっ、ねぇっ……♡」
分かっているだろうに。サドい言動にも拍車が掛かって来た様だ。「俺の見てきたどのAV女優よりも上手いぞ」なんて軽口を平気で吹いて、余裕をアピールし始めた。
____ムカつくっ……のに、抗えねえっ……♡
最初の頃はこんな事は無かったのに。今ではもう簡単にペースを握られて、一方的に追い込まれてしまう。
「あっ……ほんとにっ、もうっ……よせっ…………♡」
限界が近付いてきたオレは焦る。が、カイは無慈悲に今まで避けていた敏感な箇所、両胸へと手を滑り込ませ、痼り勃った乳首を人差し指と中指で挟みながらぎゅっと揉んだ。
「ぁ゛っっっ♡♡♡っ、ふう゛ぅっっっ♡♡♡」
イかされた。愛撫だけで、それも一番敏感な股座に一切触れずに、いとも容易くイかされてしまった。
「うわっ、何だよ。今度はイった演技?」
「っ、ちがっっ……つのっ♡いーかげんにっ……しろっ…………♡♡」
余韻の中、声を押し殺して懸命に睨み付けた。分かっている、我ながら馬鹿だと思う。でも、やってしまう。相手を更に刺激してしまうのに。
「背中も塗るぞほらっ」
「くあっ♡」
ころんっと転がされてうつ伏せにされると、背中にまたオイルを垂らされる。それだけでオレの身体はつま先までピンと張り詰めて、息も出来なくなる。
「っはっ……はっ……ぁっ♡」
「首の所なんか日焼けし易いからな、よく塗っとかないと」
本来なら何でもない様な場所も感覚が鋭敏で、背筋から首筋にかけてスーッと掌を沿わされ海老ぞったり、太腿や脇腹、二の腕なんかでもぞくりと震えてしまう。最早ブルーシートの下の砂の感触ですら気持ち良くて、逃げ場なく身悶えするばかり。
「後はここ塗って……おわりっ」
「ぅあ゛っっっ♡♡♡」
最後、わざとらしく尻たぶを指圧されまたイった。オレは白んだ視界の中シートの上に沈む。
「ぁ゛っ……ふぁ゛っ…………♡」
引かない快感の波の中、手が離れてく。じゅくじゅくと疼く股座に触れないままに。
「よし、じゃあ交代な、今度はそっちが塗る番」
____こいつっ……こいつぅ……♡
少し間隔を空けて彼は隣に寝そべり、こっちが言葉通りに動くのを待ち始めた。仕返ししてひーこら言わせるなら願っても無い展開。なのに、オレの頭の中は何で弄ってくれないのかとか、ぐずぐずの割れ目を早く掻き回したいとかそんな事ばっか考えてしまって、まともな行動が思い浮かばない。
くやしいっ……♡
「ふーーっ……♡っ……くぅっ……♡」
涙で鼻がツンとした。ここでオナニーなどしてしまったら、もう男に戻れない気がして。悔しさで欲求を噛み殺して、オレは何とか身体を起こす。
肌の上をサラサラと滝の様な汗が滴り落ちる。ただでさえ暑いのに、身体が火照って酷いことになってる。
「うわっ、すごい汗……ほれ飲み物、水分補給はしっかりしとけよ?」
カイは寝っ転がったまま横に添えたクーラーボックスから飲み物を取り出してオレに差し出した。すっとぼけた顔をして、あくまで余裕ぶっこくつもりだ。
ぜってえ悩殺してやるっ……!
「っ、ありがとっ……んぐっ、っ、っ……っはぁっ♡」
アク○リを勢いで豪快に飲み干すと、オレはそのままペットボトルを箱の中に戻してオイルを手に取り、カイの上に跨ろうとした。しかし、
「っ、おっ、おまえっ……♡」
海パンを持ち上げ張られた巨大テントを前に止まってしまう。
「涼しい顔してっ、なんてアホみたいなボッキしてやがるんだっ……♡」
「そりゃ、生理現象だしな」
なんて奴だ。わざと見せつけてるのか、あまりに堂々としている。この短期間で自分のガタイの使い方を学習したんだろうか。
____こんなの……反則だっ……暴力だっ♡
このデカマラの前では嫌でも敗北を意識してしまう。本能的に敵わないと思わされる。身体が、胎の奥が思い出して、キュウっと切なくなる。
「くっ……!♡」
でもそうはいかない。認められない。この外見だけで隠キャなヒッキーのメスにされるなんて。
複雑な思いを胸に、オレはカイの腹にドンっと腰を下ろしてやった。「おっふ」と喉から空気が抜け情けない声を出す彼を見て、ざまぁ、と思ったのも束の間。
じゅくんっ♡
「っ、ぁっっ♡♡」
汗か愛液か、それとも両方か。じっとり濡れそぼった柔らかな女陰が、カイの硬く逞しい腹筋に当たって強烈な灼熱感と衝撃を発した。
そうだった。女のまんこは、意外とお尻側に付いて____
少し腰を滑らせると、くちっと卑猥な水音が微かに立つ。水着の中はもう自前のローションでヌルヌルぐちょぐちょだ。
「っ♡っ、っ~~~♡」
身体がくの字に曲がって痙攣する。片手で口を押さえて必死に声を堪えたけど、ダメだ。これじゃオイルなんて塗れない。
視覚、聴覚、触覚。全部が暴力的だ。更に嗅覚も、海の潮とオイルの良い香りに濃厚なメスの匂いが加わって、独特の媚臭が鼻を犯してくる。脳味噌が痺れる。
ガクガク震えたまま動かないオレに、カイは「おい、どうした? 早く塗れよ」と表情を崩さず催促して来る。
ふざけんな、今それどころじゃ無い、なんて言えない。その上催促されてしまっては、もう逃げられない。
「っ……ふっ…………♡」
唇を甘噛みしながら何とかオイルを手に取って、カイの胸板にとろーっと垂らす。ダメだ、その様を眺めていると、よりいやらしい気分が加速する。
が、追い詰められた思考はそこで開き直る。
____いや、でも良いんだこれで。挿入して来ないなら……このまま悩殺して、コイツに海パンの中に射精して貰えば良いんだ。
「ふぅっ…………♡」
たぷっ、前に倒れて、豊満な胸肉を彼の胸筋に乗せた。そして、そのまま全身を使って前後に動いてオイルを塗り広げる。水着は早々にズレて、生乳が擦れる。
「うおっ、バカかよっ、何やってるっ」
「ナニってっ……塗り合いっこ、だよっ♡っ♡」
これが本来万人が想像する形だ、と教え込む様にじっくり、たっぷりと自分の柔らかい肉を相手の硬い肉に押し付ける。ただ、同時に向こうからも教え込まれる。オスとしての優秀さを、屈強さを。
「はっ……はぁっ……♡」
上半身と一緒に硬い逸物に沿って腰が媚び諂う様にへこへこ勝手に動く。尻コキしてヌいてやろうという意図は辛うじてあるものの、その実欲しているだけ。
「ふーーっ……♡ふーーっ……♡っ♡」
遂にはボーッとして、浅ましい快感に耽り狂ってしまう。
「おいサクマっ、サクマこらっ……!」
「んっ……んんっ……んぅっ♡」
カイの声が遠い。腰が止まらない。密着しているだけで満たされて、もう____
「はぁっ……しょうがないなっ」
その時、遂にカイが動いた。急に海パンがずり下ろされ、滾る巨根が露出。尻の谷間に生の感触が伝わって、「はっ⁉︎♡ぅあっ⁉︎♡」とオレは軽くイク。
「ぁ゛っ♡♡っっっ♡♡♡」
情けなく痙攣して腰の力が抜ける。その隙に、カイはその震える腰を抱き止めて、そっと割れ目に巨根を滑り込ませて来た。
「くぁっ♡っ、あ゛ぁっっ♡♡♡」
先端が挿入り始めるともう戻れない。自重に従ってずぷぷ……っと沈んでく。抜こうと思っても腰が上がらず、凹凸が綺麗にハマったかの様に密着してしまう。
「ぁ゛っ……くっ、ぅぅっっ♡♡」
胎の中で主張する強烈な圧迫感。それが、不思議と馴染んで仕方無い。気持ち良い。
「はぅぅっ…………♡」
「ほらっ、オイル全然塗れて無いぞ、動けよ」
ぱちんっ。カイは恍惚として動けないオレの尻を叩いて、鬼畜なセリフで追い立てる。ぱちんっ、ぱちんっ。何故か快感が走って、頭がおかしくなりそうになる。
「あ゛っ♡っ♡わかっひゃっ♡うごくーっ♡うごくかりゃっ……ぅぅっ♡」
ゆっくりと蛞蝓みたいに前後に動く。しかし、自分の雌壺が剛直に吸い付いて全然離れない。
「ぅお゛っ、ぉ゛っ……♡っっ♡」
声を我慢出来ない。一つ力を入れる度、内臓も意識もひっくり返ってしまいそうになる。
「全然動けて無いぞー、もっとがんばれ」
「っ、ばかやろっ、ぉっ♡おまえのっ、ふとすぎてっ……うごけなっ……っっ♡♡」
それでもオレは彼の精液を搾り取ろうと懸命に腰を使った。しかし、幾らやっても射精してくれず、先に疲れ果ててしまう。
「くぉっ♡っ、くそっ♡なんれっ……♡」
「いや、お前体力無さ過ぎ……我慢出来るんだよ、それくらいならもう」
「っ……♡がまんっ、すんなよぉ……♡」
もう泣き言を言うしか無くなったオレに、カイはとうとう告げる。
「流石に焦ったいわ、もういい。抜くぞ?」
ここまで素っ気無いのは初めてで、心が張り裂けそうになった。
「っ!♡ まってくれっ♡オレっ、もっとがんばるからっ♡」
と、その時だ。岩陰の向こうから、何やら複数人の人々の談笑する声が近付いて来た。
「っ!」
「っん゛うぅぅっ!♡♡♡」
カイは大慌てでオレの口を抑えながら抱き抱えて、岩陰へと身を隠す。
「っ……おいっ……穴場なんじゃなかったのかよっ…………」
「っ……っっっ♡♡」
抜くとか言った癖に、隠れる過程でも逸物は挿されっぱなしだ。
「ったくっ……バレたくなかったら静かにな」
暫し息を殺して身を隠した。しかし、意味は無かった様に思う。
「っっ♡♡っっっっっっ♡♡♡」
「っ……静かにって言っただろっ……ほらっ……」
「っ♡ったらっ……こしっ、うごかすなっ……っっ♡♡♡」
「俺は動いてないっ……お前が勝手に動いてんだよっ……バレちまうぞっ……そんなんじゃっ……!」
「っもうっ♡バレてっ……はなれてくよっ♡♡」
濡れたブルーシートは隠せない。アレを見た時点で、まともな人なら立ち去る。現に、人の声はすぐに離れて行ってしまった。
「何で、そういう時だけ変に頭回るんだよっ……っ!」
ただ、助かった。重い身体を起こしてくれたお陰で、より必死に動ける。
「くぉっ……!」
彼に寄り掛かって首元に吸い付きながら、狂った様に腰を打ち付ける。
「んぉ゛っ♡んっ♡んんっ♡っ♡ちゅっ♡っっ♡」
その健気な頑張りに、漸くカイは応えてくれた。今まで頑なに身じろぎ一つしなかったのに、「何だっ……やれば出来るじゃないかっ!」と、急に突き上げて来る。
「んぅ゛っっっ⁉︎♡♡♡」
「そんなに欲しいならっ、くれてやるっ!」
そしてブルーシートの上に戻って、バックからずんっ、ずんっ、ずんっ。脳天まで響くピストンを繰り返す。意固地なオレは最後のプライドを胸に何とかペースを取り戻すべく元の騎乗位に戻すも、そうしたら今度は腰を引き込む様に突き上げられてしまい、結局主導権を完全に失ってただ犯される状態に。
「ぉ゛っ♡ぉっ♡ぉぉっ♡ぉっ♡んぉっ♡っ♡はぉぉっ♡」
イキ潮を吹き散らし、意識が白んで倒れそうになっても腕で支えられて、何度も、何度も何度もイかされる。
____ぁっ、だめだっ……やっぱ、かてねぇっ…………♡
心が挫けたその時、
「くっ……射精すぞっ……!」
「ぉ゛っ♡っ♡ぅっ♡ぅ゛ぉっ♡ぉっ、っ♡お゛ぉおおぉおおおお♡♡♡」
合図と共にペースが上がって、熱い白濁が解き放たれた。快感で満たされて、溢れてイク。頭が真っ白で何も考えられない。
「ぉっ……お゛おおぉ…………♡♡」
その状態は暫く続いた。カイの逞しい身体の上でふわふわと浮いて、どれくらい経っただろうか。もう戻れないかと思ったけど、漸く落ち着いた所で、オレの身体はいつも通り元のシャープなシルエットに戻り始めた。
そこで、ふと思ってしまった。
____なんでっ……もどりたく、ないのに…………。
瞬間、肉体に少し力が張ってくるのと同時に、腹の奥で今までずっと燻ってた熱い何かがブワッと全身に広がった。
「っ、ぁ…………?」
何か、張り詰めた糸が切れたみたいだった。感情と欲求が胸の中で暴れ回って、今にも爆発してしまいそうだ。
「はぁ……っ、サクマっ、重い……一回どい、て……⁉︎」
カイがオレの方を見て「ちょっ、お前っ……!」と目を見開いて騒がしくリアクションする。
「なん、だよ……っ」
「カラダっ! 淫紋が……!」
恐る恐る起き上がって自分の身体へ視線を落とすと、何と、オレの腹から全身にピンクの淫紋が広がって禍々しく輝いていた。
なんだ、これっ……!
「はぁっ……はぁっ……!」
熱くて、苦しくてもどかしくて、正気でいられない。
「っ、サクマ落ち着けっ……深呼吸しろっ……っ!」
「ぐっ……おおぉっ……」
全部ぶち撒けたい。全部、ぜんぶぜんぶ。
「あ゛あああぁっ! カイいいいいぃっ!」
「あっ、うっ……!」
焦燥のままにオレは反り勃った逸物をカイの割れ目に強引に捩じ込もうとした。しかし、上手く挿入らない。にゅるっ、にゅるっと上辺を滑ってしまう。
____あれっ、何でだっ? なんで挿入らないっ?
大パニックだった。自分が今までやって来たセックスのやり方みたいなものが、全く分からない。頭では覚えている。なのに、身体がその通りに動いてくれない。イメージが致命的なまでにズレてる。自分の逸物のサイズが、兎に角柔らかく、小さく感じる。張って張って仕方無いのに。
「ぐうぅっ、なんでだよっ! 何でっ、挿入ってくれないんだっ! うっ、ううっ!」
焦れば焦る程、視界が歪んで訳が分からなくなった。その癖鬼頭は余りにも敏感で、滑る度に急速に込み上げてきて____何と、びゅくっ、と、挿入も果たせずにオレは暴発してしまった。
「へっ、えっ?」
「う゛っ、ウソっ……まてっ、まてまてまてっ⁉︎ ダメだってっ! 止まれよっ! とまっ、てっ……!」
身体がまた変化し始める。あの、エロいギャルの肉体に変わっていく。
「うあ゛っ……あああぁ…………」
完全に変化が終わると、オレの頬を大粒の涙が伝う。感情の整理が付かなくて、子供みたいに泣きじゃくってしまう。
「っ、サクマ…………」
哀れみの眼差しを向けられた。惨めさが一層増して、同時に変な快感が湧き上がる。
「くあっ、やめろっカイっ!♡ そんな目で見るなぁっ!♡」
そして次第に、オレの口から今まで抑えてきた事が溢れ出てくる。
「くそっ、くそっくそっ!♡ お前ズルいんだよっ!♡ 根暗で隠キャな癖にっ、オレの欲しいものっ……ルックスにっ、頭の良さに体力にっ、デカマラにっ……大体持ってやがるしっ……こんなのっ、勝てる訳無いじゃんっ……!♡」
それは単に敗北宣言だった。突然に感じられたかもしれないけど、もう限界だったんだ。
「オレは女になんてなりたくないのにっ……!♡ こんな状況でっ、お前と自分、比べざるを得なくなってさっ……っ♡男として勝てないのっ、散々、わからされてっ……!♡ ふざけんなよっ!♡ ふざけんなっ……ふざけんなっ!♡」
認めるしか無い。オレは、自分が思ってる以上に追い詰められていた。カッコ悪い、滑稽な自分を押し殺して、必死に経験をアピールして、コイツに、勝とうとしていたから。
もうどう見られても仕方無いので、洗いざらいぶち撒けた。本心を、馬鹿な自分を。
「……そうか」
「……はっ?」
カイの反応は、ただ真剣だった。ただ真面目な顔をして、起き上がってオレを抱き締めて来た。
「なんだよそれっ……♡笑えよっ♡笑ってくれよっ♡」
「笑わないよ。俺だって、サクマとはちょっと違うけど、女と男の狭間でキツかったし」
「はぁっ?♡ちげーよっ、そんなんじゃっ……そんなんじゃねぇっ……♡」
頭が撫でられる。最後の反抗心が溶かされて、グズグスになってしまう。
「ぁっ……やめろっ……♡なでんなっ……やさしくっ、すんなっ……♡」
「嫌だよ。今のお前最高に可愛いし」
「やめろっ……おまえのそれっ、ヤバいんだってっ……♡」
「どうヤバいの?」
「っ……おんなになんてっ、なりたくないのに……おまえのっ、おんなになりたくなってきてっ…………っっ♡」
蕩けた頭のせいで、滅茶苦茶恥ずかしい事を口にしてしまった。それを自覚した瞬間、オレは押し倒される。
「っ……もうっ、すきにしてくれっ……♡」
カイが挿入って来る。身体と心が、開かれる。
「ぁ゛っ……ぁぁ゛っ…………♡♡♡」
股はもう十分過ぎる程濡れていて、あっさり受け入れると共に簡単に深くイかされた。気持ち良過ぎて息が出来ない中、更に頭や胎を優しく撫でられて、オレはもう夢見心地になってしまう。
「はぉ゛おおぉーー…………♡お゛おおぉ………♡♡」
「っ……動くぞっ」
ぶちゅっ、ぶちゅっと、酷くはしたない音が立つ。その度にイク。男の時には味わえない、味わってはいけない快感を深々と刻み込まれる。
「ぉ゛っ♡んっ♡んぅっ……っ♡んっ♡んぉ゛っ♡んお゛おおぉっ♡♡かっ、かてないっ♡こんな゛っ♡♡っぉ゛ぉっ♡」
「勝ちとか負けじゃ無いだろっ、馬鹿サクマっ! はぁむっ……ちゅっ」
「んんっ♡♡じゅっ、っ♡っ、ぇぅっ♡♡っ♡はぁっ、んっ♡♡っ♡っっっ♡♡♡」
突かれて、抉られて、キスされて、なでられて。あらがえない。かてない。もうムリだ。しぬ。オトコとしてしぬ。
「っはっ♡んっ♡もっ、い゛ぃっ♡♡まけたっ♡まけたかりゃっ♡♡ゆるしっ、ゆるしへぇっっ♡♡♡」
「はぁっ、ダメだ、孕むまで許さん」
「そんにゃっ……あ゛ぁっ♡♡んあ゛あぁっっ♡♡♡」
胎の中を掻き回され、心まで溶かされて女に再構築される。もう取り返しがつきそうにない。それを知ってか知らずか、剛直がトドメの膨張を始め____
「ヤバっ……射精るッ…………!」
「らめやっ…………んお゛っ♡♡♡っお゛おおおぉ♡♡♡♡」
ドクンっ♡ドクッドクッドクッ♡胎の中で大きく脈打ち、マグマを最奥へ放った。
____ぁ…………♡
瞬間、全身に広がっていた熱が胎に収束して、人生最高の多幸感と共にオレは溶けてイった。
✳︎
人気の無い穴場の海岸で、真っ暗な闇を切り裂く様にシャーっという音と共に光の尾が隣の棒の先から放たれる。
「おー……意外と綺麗」
「っ……♡」
自分の事じゃないと分かっているのに、不意に心が跳ねた。
「おい、なにぼーっとしてるんだサクマ。お前が花火やろうって持って来たんだろ?」
「あっ、あぁ……」
結局、オレの身体は女のまま元に戻らなくなってしまった。ついさっき、陽が沈むまでダラダラとセックスして何度も中出しされたのに変化が無かったのだから、多分もうこれで決まりなんだろう。
「っ……はぁ…………」
今は気分を誤魔化す為に、予めプランとして用意してた花火セットを持ち出して楽しもうとしている所だ。しかし、どうしてもこれから先を考えてしまってイマイチノリ切れない。
____ほんとどうしよ……セフレに何て話せば良いんだよこれ……。
「あっ、おいバカっ。花火向ける方向ちゃんと見ろ」
「うっ、悪い……」
「っ…………」
微妙な雰囲気の中、ぽつりぽつりと取り留めのない会話を交わしながら、手持ちタイプの花火を減らしていく。線香花火以外のそれが尽きると打ち上げ花火や特殊系の花火を消費して、そして最後に線香花火だけが残った。
「やっぱり締めはこうなるんだよなぁ……」
静かにパチパチと散る火花を眺めていると、漸く避けていた話題にカイが触れる。
「……なあ、サクマ……お前、戻らなくなったって事は……」
パチンっ。動揺が手に伝わって火球が砂浜に落ちて弾けた。間を持たせる為に慌てて次の線香花火を付けながら、少しはにかんで答える。
「……ああ、多分、孕んじゃったんだろうな、はは……責任取ってくれよ? なんちて」
「責任は取るよ、ちゃんと」
どくんっ。そのセリフを聴いた瞬間、胸が張り詰めて熱くなる。日に焼けた肌の火照りが気になり始めてしまう。
「おまっ……そういうのっ、軽々しく言うなよっ」
「いや、サクマ程無責任じゃないから。本気だよ」
「っ…………♡」
やめて欲しい。今、マジで身体と心が変なんだから。カイのちょっとした言動が刺さって、そわそわしちまうから。
「ちょっと、落とすペース早すぎない?」
「っ、うるせぇっ……♡」
きっと長続きしない線香花火で動揺はバレバレだ。でも、やってないと、何かに集中しようとしていないと、なんだかダメになる気がしてやめられなかった。
が、それにも終わりが来る。最後の一本、そこへ腕を伸ばした瞬間、カイと手が重なった。
「あっ」
「あっ……っ♡」
即座にサッと引こうとしたけど、掴まれてしまった。
「っ、なんだよっ……んむっ♡」
そのまま引き込まれて、キスされた。真っ暗で何も見えない中、その感触と音だけが鮮明に刻み込まれて、お腹の奥がまたキュンとする。
「んっ……っ……ぷぁっ♡っ……いきなりやめろよっ……♡こわいだろがっ……♡っ……!♡」
その時ふと、胸の先に違和感がじんわりと広がる。何かが漏れ出て濡れる様な、そんな感覚だ。
「っ……うそっ……っっっ♡♡」
間が悪い事に、カイの手が丁度胸を揉んだ。瞬間、張り詰めたものがそこから解き放たれる。
「ぅ゛っ♡♡ぅあ゛ぁっ♡♡♡」
踵が浮いて身体が伸び上がり、カイの方に倒れ込んでしまった。それによってより胸が圧迫されて、甘く切ない放出が続く。
「ぁ゛っ……っっ~~~っ♡♡」
甘い匂いに包まれる。その匂いで、互いに確信する。
「っ、そっか……オレ、ママになるんだ……っ♡」
「……そうか」
その日から、オレは男だったのに、カイの奥さんに、お腹の子のママになって、本当の女になった。
「せきにん……とれよなっ♡」
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