【完結】TSF蠱惑のダンジョン 〜魔王幹部末席追放の蟲使いが目論む下克上。勇者TS肉体改変洗脳支配計画〜

あかん子をセッ法

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堕憶、壁尻

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 ダンジョンの奥底より、悪辣な嘲笑が反響する。

 「グクッ、グッハッハッハッ! これは傑作だ! グハハッ、ッ、オエッ! ゲホッゴホッ!」

 笑い過ぎて咳き込んでいる。最中、その後ろで、女のか細い声が静かに憂う。
 「ユイッ……ユウッ……」

 それを聴いてかの者は振り返り、また嘲笑った。
 「グフッ……ヒヒヒッ! 教え子が揃って堕ちていく様はどうだ? 悲しいか? 

 くちゃあっ、女を包んでいた蟲が気色悪い音を立てながら開いて、その中から金色の髪と長い耳が露わになる。

 「うっ、ううっ……」

 悔恨、憤怒、悲哀。全てに満ち満ちたその瞳から、ぽたりと涙が溢れ落ちた。尚、足元の蟲が蠢き、侮辱するかの如くそれを舐め取る。

 「最早何も言えんか! グフフフッ……! 甘美、甘美なり! 蟲達も喜んでおるわ! あの小娘、真っ先に支配下に置いたが大正解だったなぁ! ヒッヒッヒッヒ!」

 ____回想。視点、ユイ。

 「先生! ユウがっ! 先生!」
 「…………っ」
 ユウが動かなくなった。それに構う暇も無く、二人を抱えたまま、苦しそうな顔で必死に逃げるダリア先生。

 「先生!」
 
 しかし、それも限界だった。彼女は立ち止まってユイを下ろすと、その背にユウを預けて言う。
 
 「ユイっ、ユウを、お願い」
 「そんなっ! 私も」
 「大丈夫、すぐ追い掛けるから」

 覚悟の表情を汲んだ少女はもう、その言葉を信じるより他無かった。

 「……分かった」
 「いい子だね……さあ走って、振り返らずにっ」
 「うんっ……!」

 ユイは走った。後方で爆ぜる魔法の音に後ろ髪を引かれながらも、背負った責任に背を押され、必死に前へ走り続けた。

 ただ、意識が前と後ろにばかり行っていたのかも知れない。

 「あっ……!」
 足元に、気が向いて無かった。故に何かに足をかけ、勢い良く転倒してしまった。しかも、悪い事はそれだけでは無い。

 「うっ……はっ、ユウ!」

 背負っていたユウが勢いで投げ出された先は、急勾配の斜面であった。
 「うそっ……ユウっ!」
 焦るユイはまたも気付けなかった。自身の足元、転んだ原因は蟲であり、それが自身を飲み込まんとしている事に。

 「っ、あっ」
 飲み込まれるまで気付けなかった。

 暗転。場所が変わる。

 「……ん」
 「ユイっ……ユイっ」
 
 先生の声がして目を開けると、すぐ前に彼女の顔があった。
 
 「っ……せんせっ……!」
 「ユ、イっ……」
 
 身体が動かない。拘束されてる。多分、先生もだ。

 「ユイっ、ユウはっ……! 一緒に、逃げてっ、て……!」
 
 言われて、ユイの目に涙が浮かぶ。

 「ごめんなさい先生……! ううっ、逃げてたら、転んじゃって……それで、ユウだけ、落ちてっ……」
 「自分を責めないで……謝るのは先生の方。不甲斐ない私のせいで、こんな事に……」

 刹那、
 「グックックックッ……」
 下卑た笑い声が二人の会話に割り込んだ。

 「っ、誰!?」

 先生が声を上げると、闇の中から浮き出るが如く、醜悪な老人が現れる。

 「お取り込み中の所悪いが、感謝を込めて挨拶したいのだ。よいか?」
 「…………」

 しゃがれた声がこの他丁寧に尋ねて来た故に、二人ともただ沈黙し、様子を伺ってしまった。

 「返事が無いのは肯定と見ようか。グッフッフ……ワシの名はコアーク。このダンジョンの主だ」
 「っ!」
 
 張り詰める空気の中、彼は両手を広げて宣う。
 
 「ようこそ地の底へ! 愛すべき我が蟲の苗床達よ!」

 その瞬間、「っ、いやああああ!」とユイは悲鳴を上げる。気付いてしまったのだ。

 「むしっ、むしがっ! あっ、ああああああ!」

 闇の中、ぼんやりと浮かぶ全てのシルエットと、全身を拘束しながら、その隅々まで弄って来る気色の悪い感触。360度、全てが蟲、蟲、蟲。

 「ユイっ……気を、しっかりっ……でないと、のまれっ……!」
 「いやあ゛ああああああっ! あ゛あぁっ!」

 とてもでは無いが耐え切れなかった。当然ながら正気を失った所に、悪は漬け込む。

 「おやおやお労しい。少女には些か刺激的過ぎましたかな?」

 彼は彼女に歩み寄り、暴れたいのに動けず、「ああああっ……! あ゛あああっ……!」とただ嗚咽を漏らし涙を流すだけのその頬を撫でる。
 「っ……貴様っ! ユイに触るなぁっ!」
 「蟲はお嫌かね? ユイ殿」
 「いやぁっ!! いやあ゛あああああああ!!」
 
 怒るダリア。狂うユイ。そこへ、コアーク。

 「では、大好きになって戴かねばな」

 そう言って口を開けると、「コハァーッ」と怪しく発光する桃色の吐息をユイに吹き掛けた。
 
 「いやあ゛ああぁ……っ、うぇほっ、ごほっ」
 狂乱する彼女はそれを大量に吸い込んだ。すると、その顔色が目に見えて変化を起こす。

 「や……あっ……♡」
 ____なに、これっ……あたまとおなか、なんかっ、ずきゅん、って……♡

 真っ青だった顔に赤みが刺し、見開いていた瞳はとろんとする。次第に恐慌は落ち着き、どちらかというと微睡んだ状態に。

 「っ、ユイに何をっ!」
 「何、楽しめる様にしただけだ。これから始まる事をな。ちょっとしたサービスだよ」

 パチン。指が鳴らされたのを合図に蟲達が動き出す。

 「うあ゛っ!?♡」
 「くぅっ!?」

 始まったのは、紛れも無く洗礼であった。二人は共に穴という穴を陵辱され始めたのだ。

 「うっ! っ、くっ……!」
 
 尚ダリアは気丈に耐えているのに対し、ユイの反応は明らかだった。

 「うあ゛っ♡ はっ、あ、ああぁっ!♡」
 「ユイっ、だめっ! 正気に戻って! ユイっ!」
 「センセッ?♡ なんなのこれぇっ?♡ なんなのぉっ?♡ きもちわるいっ、のにっ♡ うぅっ♡♡」
 
 眼前至近距離で、教え子がはしたなく喘ぐ。あまりの光景に、ダリアの心は揺らいだ。

 「コアークッ! っ、やめてっ! ひどい事するなら私だけでっ!」
 「グッフッフッフッ……名前を覚えて頂けて光栄だが、しかしそれが今罷り通ると思うかね?」
 「っ……! なんて悪趣味なっ……っ!」

 ぐちゅっぐちゅっぐちゅっ。蟲の蠢く不気味で淫猥な音と、少女の嬌声が絶え間無く交差する。

 「ユイっ、っ、耐えてっ……そしたら必ず、先生がっ……っ♡」
 「はう゛っ♡ センセッ♡ もうむり゛っ♡ あたし、しんじゃうっ♡♡」
 「だめっ、耐えてっ♡ 耐えなきゃっ……だめっ♡」

 それはやがてエルフの清純な身体をも蝕み始め、甘美なデュエットとなっていく。

 「なんか、バクハツしそうなのっ♡ 頭チカチカって火がついてっ♡♡ もうだめなのっ♡」
 「だめっ!♡ っ♡ ユイおねがいっ、がんばってっ!♡」
 
 ____頑張ってって、どうやって頑張ればいいの? こんなのがんばったってムリだよっ、こんな、こんなきもちいいのっ♡

 「ごめんなさいっ♡ ごめんなさいセンセっ♡♡ ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっっ♡♡」
 「だめっ!♡ ゆいだめっ!♡ だめっ!♡♡」
 「むりれすっ、ごめっ♡ っ♡ んうっ♡♡」

 ごめんなさい先生、ごめんなさい。ユイは己の不出来を只管繰り返し恥じながら上り詰め、達した。

 「あ゛っ、はあ゛ああぁあああ!!♡♡♡♡」
 「ゆい゛いいぃっ!♡♡♡」

 同時に先生もまた、静かに達してしまった。はしたなく伸びるユイの舌。それが絶妙な距離で届かず、その切なさと背徳に打ち震える。

 「グックックックックッ……! 脆弱ッ! あまりにも惰弱ッ!」

 コアークはそう笑いながら、変幻自在の蟲舌を使い、二人の舌を横から同時に舐った。

 「っ!♡♡」
 「んぅっ!?♡」

 ジュウジュウと熱い何かが両者の舌を侵蝕していく。ダリアは引っ込めようとしたが、蟲舌は吸い付き絡んで離れず逆に引き出され、ユイは最早淫蕩して自ら差し出す始末。両者ともただ情欲を貪られる。
 
 じゅくっ、じゅっ、じゅちゅっちゅっ。下品な音が暫し繰り返され、そして、ちゅぱっ。

 「っハァ……」
 「っえぁ……♡♡」
 「っ……!♡」

 漸く離れ、粘っこく引いた糸と共に三者三様の吐息が漏れた。
 
 彼が離れていった所でそれが何なのか、ユイとダリアは互いに知る事となる。

 「はぁっ♡ っ……刻、淫っ……♡」
 「っ……?♡♡ っ??♡♡」

 両者、先から露の滴る桜色の熱い舌の上に、脈打つ奇怪で卑猥な紅色の紋様が浮かんでいた。

 「なんだ、知っておるのか。堅物に見えて中々好きモノではないか、少し見直したぞ」
 「ち、違うっ、っ!♡ ただ知ってるだけだっ!♡」
 「キヒヒヒッ、真偽などどうでもよいわ。ただ、ワシのを普通の刻淫と努努勘違いせんようにな」
 
 「っ……!♡」
 突如ダリアは異常な渇きを感じ始め、口をキュッと結んだ。舌だ。舌が、何かを欲して疼いている。

 「へあっ……♡ せんせぇ……♡ さっきの……♡ さっきの、もういっか……っ!♡」

 ユイの方は、どういう訳か瞳に知性が舞い戻り、「あっ……あぁっ……!♡」と失意に沈んでいく。

 「どう、いうっ……♡」
 「グクククク……それはこれから目の前の少女でお見せしよう……」

 彼がそう口にすると、ユイの方に纏わりつく蟲が一斉に怪しく光り始め、一層激しく蠢きだす。首から上は耳の穴等ごく一部の侵蝕だったものが、広がって目の上まで覆う様に。
 
 「うっ……いやっ! やだぁっ!♡♡」
 「ユイっ!!♡」

 彼女の身体は強烈な快楽を注ぎ込まれ、しかし身悶える事も叶わず、ただ染め上げられていく。

 ____なにこれっ、やだっ!♡ 頭のナカ、やらしい、エッチな言葉で埋め尽くされっ……!♡ カラダの、ナカまでっ……!♡♡

 「っ!♡ せんせぇっ!♡ やだっ!♡ こんなのやだっ!♡ たすけてっ!♡ ねえせんせぇっ!♡♡」
 「や、やめてっ!♡ なんでユイをっ! やめてえええっ!♡」
 
 ____わたしっ、塗り潰されてっ……!♡♡
 
 「たす、けてっ……♡ せんせっ……♡ ユ、ウ……♡♡」

 悲痛な叫び声は、やがて虚しく鎮まった。

 「あっ……ああっ……っ♡」

 ____あれ……先生? どうしてそんな悲しくて、辛そうな顔してるの……?♡

 ユイの身体から蟲達が離れていき自由になる。解放感に身を震わせるその肢体は、最早元の穢れなき姿に非ず。

 「っ♡ はぁっ……♡ わたし、オトナになったみたい……♡♡」

 成長途上の細く小さな身体に不釣り合いな、過剰に女性的な肥大化した胸と尻。その言葉の通り、まるで強引に大人にされたかの様なシルエットだ。更にその上に、全身を埋め尽くさんと広がる無数の淫紋が刻み込まれ、それが闇の中で真紅と桃色と交互に妖しく浮かび上がっている。

 「ユイっ……っ♡」
 「ねえせんせ?♡ なんで泣いてるの?♡♡ わたし大人になったんだよ?♡ 喜んでくれないの?♡♡」

 快楽以外何も知らないと言わんばかりの妖艶無垢に輝く瞳は、もう元のユイでは無い事を如実に物語っていた。

 「グフッ! グッハッハッハッハッ! 存外馴染んだな、小娘よ! 蟲との相性が良かったか!」
 「あっ、あるじさまっ♡ ありがとうございますっ♡ ごほうびはっ♡ ごほうびはありますか?♡」
 「グヒッ、いやしんぼめ。この後やるわ少し待てい」
 「わあっ♡ ありがとうございます♡」

 コアークに媚びを売る彼女を見て、ダリアは静かに涙を飲む。舌の刻淫の影響でその涙の味すら何処か甘美で、心理は闇に蝕まれていく。
 
 「これぞ我が『刻淫蟲』の力よ! どれだけ力のある者も、この蟲に身を犯されればワシの奴隷だ! 思考も感覚も全て掌の上! グッヒッヒッヒッヒ」
 「さすがですっ♡ コアークさまばんざいっ♡」
 
 理不尽を前に、彼女は呻く事しか出来なかった。

 「ううっ……こんなの、あんまりよっ……♡」

 彼はそれを尻目に悪辣に嗤って、隷属化したユイに告げる。

 「小娘よ、今なら分かるだろう? 勇者がまだ生きていると」
 「…………っ!♡ ほんとだっ……♡ ユウっ!♡ よかったっ♡ よかったぁっ♡♡」
 
 ユイの目から涙が溢れる。その瞬間、彼女は心から喜んでおり、奥底には僅かな希望の光が窺えた。

 尚、コアークはそれすらも悪用する。

 「よし。では、命令だ。奴を迎えに行って来い」
 「っ!♡」
 「ユイっ!? それはだめっ!♡」

 微かに残った希望が反抗する。

 「でも、あるじさまっ、わたし、全裸は恥ずかしいし……それにご褒美がまだっ……♡」
 「ほれっ、これをやろう」

 言い訳を見通していたかの如く、蟲達が要望の物を運んで来る。杖と、ローブだ。ローブの方は蟲達にそのまま着せられた。

 「これっ……っ!?♡♡」

 布の内側、何かに全身を這い弄られる。気持ちいい。全身をコアーク様に包まれたみたいだ。

 「どうだ? それはワシの血を分けた蟲だ。最早お前はワシと一体になったも同然よ」
 「うっ、うれ、しい……っ♡♡」
 「おおそうか。では行ってくれるな?」
 「っ……♡」
 「グヒッ、よく考えてみろ。彼奴に背負わされたのは身に余る勇者という使命。このまま魔王討伐の為に戦い続ける運命にあるのだ。不幸だと思わんかね?」
 「ううっ……♡」

 ダメよユイ、口車に乗ってはいけない、などと後ろから聞こえる声が遠のいて行く。

 「ワシならば、彼奴を幸せに出来るぞ?」

 ____そうだ。ユウも、ユウだって、あるじさまのモノになった方が幸せなんだ。

 「……はい♡ わかりました♡ 行ってまいります♡」
 「そうかそうか。帰って来たら今度は褒美をくれてやるぞ」
 「っ、ごくっ……♡」
 
 本当のご褒美。聞くだけで全身が期待して、細胞が沸き立ち、疼き出す。

 「なに、随時指示は出す。お前は従うだけでいい……」
 「はいっ、はいっ♡♡」
 「よし。では行って来い」

 「ダメっ!♡ いかないで、いかないで……ユイっ!♡」
 
 ____そうして、私は先生の声を無視して、主様の、私の為に、ユウを……♡

 現在。すっかり可愛くなったユウを撫でていると、身体中の蟲達が主の要望を伝えて来た。

 「っ♡ さすがにゆっくりし過ぎか♡ ふふっ♡ じゃあ……」
 
 最中、ユウ。快楽の海に浸かり、顔だけ出したまま揺蕩う彼の意識が静かに揺れる。
 
 ____カラダが熱い。
 
 「うっ……♡」
 
 モヤがかかってる。いつからだろう。ずっと夢の中にいるみたいに、頭がぼーっとしてる。

 「ふぅっ♡ よーし♡ これ以上はあんまりゆっくりしてられないね♡ そろそろ動こっか♡」

 甘やかす様な声の方を見ると、こっちに手を差し伸べるユイが見えた。それすらもぼんやりしてるけれど、「うんっ……♡」と何となく返事をして、その手を取りぐっと起き上がる。

 ゆさっ♡

 「っ♡」

 立った途端、揺れる胸の重さを感じた。先っぽが服と擦れる感触で変な声が漏れてしまう。
 今のえっちな声、自分が出したのか……? なんか、恥ずかしい。

 ____ん? あれ? というか、その前に。

 「……オレ、男なのに……何でこんなとこにおっぱいがあるんだ……?♡ しかも、この格好……♡」

 思った事をそのまま口に出しながら、たわやかな胸を揉む。
 「んぅっ♡♡」
 あれ? これ、きもちいい。ほんとに自分の……?

 「もう♡ ユウはオトコじゃないよ♡ かわいいかわいいオンナのコだよ?♡ 」
 「ちがうよユイっ♡ オレはオトコで、勇者で……っ!♡」

 刹那、頭がズクンッと脈打ち痺れる。
 「へあっ……♡」
 かんがえ、まとまらなっ……♡

 更に、追い打ちをかける様に、
 「こーんなえっちなむにむに♡ オトコには付いて無いでしょ?♡」
 とユイに正面から胸を揉まれた。「あうっ♡♡」と意図せずいやらしい声を漏らしてしまうと、もう自分が何なのか、訳が分からなくなる。

 「さっき沢山教えた筈なのになぁ?♡ おかしいなぁ?♡」
 「うっ♡ ユイっ♡ もみもみやめっ♡♡ 変な気分になるっ♡♡」
 
 揉まれる度、じわっ、じわっ♡ って、先っぽから何か漏れてっ、あったかくなってっ……♡

 「むう……コクインチュウ、だっけ?♡ うーん、難しいなぁ……♡」

 ユイが何を言ってるのか、全然分からないっ。
 「ゆいいいっ……♡♡」

 身体をくねらせると、ようやくパッと離してくれた。

 「んー、ま、いっか♡」
 「っ、はぁーっ……♡ はぁーっ……♡」

 熱く息を荒げる中、彼女は今度はユウの手を取って、ぴちっとした生地の上から愛おしげにすりすり、すりすり。

 「歩きながらもう一回♡ いや、何度でも♡ じっくり、たっぷり♡ 分かるまで♡ 教えてあげる♡」
 「くぅっ……♡♡」

 そう甘く囁かれ、ぞくりと震える彼の腕をユイは笑顔で引いて歩き出す。ダンジョンの終点、彼の地の底を目指して。
 
 「はぁっ……♡ っ……♡」

 ____フラフラする。
 暫く歩いて気付いた。足が、身体が殆ど勝手に動いている。力なんてもう全然入らなくて、膝だってガクガク震えているのに。何か、装備に歩かされてるみたいだ。

 「かわいいユウー♡ ユウユウユウー♡ おんなのこー♡」
 
 頭に響く。他は遠いのに、ユイの甘ったるい声だけが響いて来る。変な歌すら染み込んで、離れない。

 「すべすべお肌にぷにぷにおてて♡ ぷりぷりお尻にむちむちおっぱい♡ かわいいかわいいおんなのこー♡」
 
 全身がむず痒くなる。言われた所を意識してしまう。堪らない。

 「なあっ、その歌……やめてくっ♡」

 発言の途中、抱き寄せられたかと思えばはむっ、と唇を被せられ、遮られた。口を閉じるのが間に合わず、抱かれる腕力にも敵わずに彼女の舌に好き勝手されてしまう。

 「んむっ♡ ちゅっ、えろっ♡ はむっ♡ っ♡ 」

 上顎を舌先で撫で回され、それに抵抗しようとすれば舌を絡まされる。引こうとすれば唇と舌で此方の舌を甘噛みされ、また引き込まれて元通り。達人と素人の鍔迫り合いめいた一方的なやり取りが繰り返され、ユウはちゅくちゅく卑猥な音が立つ度頭に電流が走り、忽ち陶酔して「んふぅうううっ♡♡ んっ♡ んんっ♡」と悶えてしまう。
 
 「んっ……ぷはぁっ……♡」
 「んはぁっ♡♡ はぁっ……♡」

 キスが離れると、濡れた唇を指でなぞられる。

 「ぷるぷるリップもおんなのこ♡ かわいいえっちなおんなのこ♡」

 ____イカれてる……っ♡
 何をされるか分からない。今がどうなっているかも分からない。正気も抵抗心も、全て簡単にふやけてしまう。

 「あるじさまぁー♡ やっぱりもうちょっと時間が欲しいよぉ♡ だめぇ?♡」

 また歩き出したかと思えば、ユイが自分以外の何処かに向かって媚びた声で言っている。あるじさま? 誰? そんな疑問も、さっきのキスのせいで億劫で、口に出さないでいると蕩けていく。

 「それはそうだけどぉ……♡ ユウともいっぱいエッチな事したくて……我慢出来ないんだもん♡」

 もじもじする彼女のローブが、何か蠢いている気がするのは気のせいだろうか。

 「ユ、イ……?♡」
 
 刹那、「ほんと!?♡」と彼女は目を輝かせた。

 「うん♡ うんっ♡ わかりました♡ ありがとうございます♡」

 お礼を口にするとすぐ、ユイはユウをお姫様抱っこの形で抱え、風の如く何処かへ向かい走り出す。

 「ユイっ、どこに、向かって……っ!?♡」

 まただ。また抱き寄せられて言葉をキスで封じられた。今度は寸での所で唇を閉じ、歯を噛み締めて舌の侵入は防いだ。
 しかし、彼女は強かだ。閉じているならと締める唇に舌を強引に捻じ込むと、歯茎と唇の裏とを執拗に舐め回したり、上唇を柔らかな上下の唇ではむはむ挟んで来た。こそばゆさに耐え切れず顎の力が緩むと、その隙に抱き寄せる為に首の後ろに回していた手をするりと前に回して下顎を掴み、くいと下ろして歯の防御を無力化。また舌を飛び込ませ、先程の展開に。
 
 「んむっ!?♡ はっ、はむっ♡♡ んぅっ♡♡ ちゅっ♡ れおっ、ちゅっ、くちゅっ♡♡」

 頭が痺れて、蕩け、てっ____
 
 「んふぅううううっ!♡♡♡ んんんっ!?♡♡」

 イッちゃった……キスだけでっ……?♡ っ?♡♡ イク?♡ イクッて、こんな、言葉……っ♡

 更にユイがオーガズムで酔い痴れ伸びている彼の舌を吸い上げながら「んっ、ちゅぱっ♡♡」と離すと、脳天から爪先まで電流が走って全身が痙攣。

 「んはっ♡♡♡ はあっ♡♡ ああぁっ……♡♡♡」

 そのままユイの腕の中でぐったりしてしまった。

 暫くして。
 「…………っはぁっ♡ んーっ、あっ!♡」

 ユウが惚けている間に到着したらしく、彼女は立ち止まって彼を下ろした。

 「んっ……?♡」
 
 目の前の岩壁に、丁度人一人が通れる程度の小さな穴が空いている。その向こうには豪華な装飾の宝箱が。

 「ユウ♡ あれとって♡ いい物入ってるかも♡」
 「っ、そんなっ、オレ身体つらいし、ユイが……っ♡」
 
 近づいて来るユイに反射的に目を瞑って身構えるユウ。唇を結ぶが、スッと頬に手を添えられ、撫でられる。
 
 あ、あれっ?♡

 「ふふっ♡ かわいっ♡ またちゅーされたい?♡」
 「……っ♡」

 辛うじて首を振った。

 「なら、行けるよね?♡」
 「っ、わかったよっ……♡」

 半ば脅される形で承諾し、複雑な気分そのままに穴へ。
 
 「っ……♡」
 しかし、数歩進んだ所で微かに残った理性が抵抗する。こんなの、露骨な罠だ、と。

 「……ユイ、これ罠じゃっ♡」
 ぴしっ。振り向いた瞬間、また頬に手を当てられ、すりすりされる。

 「やっぱり♡ ユウはすごいね♡ 本来、そんな風に口答え出来る状態じゃ無い筈なんだよ?♡」
 「えっ?♡ っ♡」

 擦る動きが変化。今度は頬をむにむに弄ばれる。

 「あるじさま曰くー、思考は十分鈍ってるけど、忌々しい勇者の加護?♡ が働いて、寸前で自我を護ってるのかも?♡ なんだって♡ わたしが下手な所為じゃないんだ♡ よかった♡」
 「っ♡ ユイ、だれとしゃべってっ!?♡」

 口を開けた瞬間に、舌を摘まれた。

 「可哀想なユウ♡ 変な加護の所為で素直になれないんだ♡ かわいそ♡」
 「えうっ♡ っ♡」

 粘膜を弄びながら挑発的な憐れみの表情を向け、彼女は言う。

 「でも大丈夫♡ 『宝箱、取りにいって♡ ユウ♡』」
 「っ!♡」

 ちゅるんっ、と舌から手が離されると、ユウの身体は勝手に壁穴の方へ歩き出した。
 
 「へっ!?♡ なんっ、でっ!?♡」
 ____装備が、蠢いてるっ!?♡
 身に纏っている全てのモノに全身を弄られ、手足が操られる。

 これっ、最初から全部仕組まれてたのかっ……?♡ うそだろ、ユイっ……なんでだよっ♡
 
 「ゆい゛っ!♡♡ っ♡ かはっ♡ っ……はう゛っ!♡♡」
 抵抗しようとすると、力を入れた箇所に強烈な快感が走って脱力してしまう。彼女の方にすら向けない。くすくすと笑う声だけが横から聴こえて、頭を揺さぶってくる。

 「んっ♡ く、うぅっ♡」
 そうこうしてるうち、身体は壁穴に到達。前屈みにされ、胸を擦りながら壁の向こう側へ。

 っ……手が、届いたっ……♡
 箱に触れた瞬間身構えたが、来ない。一瞬ホッとした。が、しかし。

 「ん゛っ!♡ あっ、あれっ……?♡」
 腰が引っ掛かったのか、それより先に進めなくなった。いや、これは引っ掛かったというより。

 「か、壁の穴が……狭くなってっ……♡」
 
 身体の自由がある程度戻った。力を少し入れられる様になったので、元に戻ろうとする。しかし、びくともしない。完全に固定されてしまっている。振り向けるので確認するが、やはりといった感じで、穴の隙間が無くなっていた。

 「なんなんっ、だよっ♡ こ、れ゛っ!?♡♡」

 困惑の最中、ぱちゅんっ、と唐突に胸を丁度良く包む何かが下から襲い掛かって来て背筋が反る。

 「ひっ、ううっ!?♡♡」

 それだけでは無い。目の前の宝箱、その後ろの壁面がずるりと崩れた。壁だと思っていたそれは、長い管の様な蟲の塊だったのだ。

 「ぎゃあああぁぅっ!?♡」
 その内の一匹が、悲鳴を上げた口の中に飛び込んで来た。
 「お゛う゛ぅっ!?♡」
 そいつはそのまま喉の奥まで突っ込んで、大量の熱いドロドロを放出。
 「う゛っ♡ おヴッ!?♡ んゔううぅっ?!♡」
 粘液は収まり切らず、入り切らなかった分が溢れ出る。その最中も管蟲は奥へ奥へと入っていくので、ユウは只管吐き気と不快感に襲われ続ける。

 「ん゛う゛ううううっ!♡ んヴううっ!?♡ お゛っ、んぐっ♡♡ ジュヴっ、うううう!♡」
 
 ずるずるっ、ずるずるずるっ! 侵入って来る。喉の奥すら越えて、身体のずっと奥まで。

 「お゛ぐっ♡ ん゛っ、んんんんんっ!♡♡ んお゛っ♡ おヴっ!♡ ジュッ、おうう゛ううううっ……♡」
 
 ううううおぼれるくるしいくるしいきもちわるいしぬしぬしぬううううっ……っ♡

 酸欠症状が深刻化。強烈な刺激と相まって意識が明滅、混濁する。

 「あ゛うっ……うヴうううっ……ヴっ……んぐっ……♡」
 気絶と覚醒を繰り返す内、徐々に身体が弛緩。脱力した体内を蟲はよりスムーズに進んでいき、遂にはずぽっ、と彼の尻の穴から出てしまった。

 「うぅっ……っ!♡ んヴっ♡ んう゛うぅ……♡」

 想像を絶する苦痛にただ嗚咽を漏らし涙を流すユウ。しかし、それを通り越すと蟲は何やら行ったり来たりを繰り返す様になり、身体は呼吸を合わせる事に慣れ、並行して与えられ続けている快感が上回り始める。

 「ん゛っ、ん゛っ……?♡ っ♡ じゅぶっ、ヴっ♡ んふぅっ?♡ んヴっ♡♡ んんんっ!?♡♡」

 ずちゅっ、ずちゅっ、ぐちゅっ♡ 食道粘膜全てに自らの粘液を擦り付けるが如く、捻れたりしながら前後に動く。苦痛を伴う筈のそれが何故か苦しく無くなってきて、寧ろ。

 ____なにっ、これ゛っ♡ カラダ、ナカっ、あついっ♡♡

 「ん゛ぅっ?♡ ぐっ♡♡ じゅっ♡ ぶぶっ♡ んふぅっ、ヴっ、ふう゛ううっ♡♡」
 
 異常だ、ありえない。そう分かっていても、心地良さを伴った灼熱感に振り回され身悶える。さながら身体の内側に芯を通され、そこから快楽という熱で身を解される様な感覚。ユウは調理される食材の気分だと一瞬思ったが、すぐ訂正する。こんな食され方はあり得ないと。

 尚、そうなると苦しみで一時意識から外れていた胸から訪れる刺激、快感が一気に強くなる。

 「んんんぅっ♡♡ んんっ!♡ んうっ……っ♡♡ っ♡♡♡」

 全体を吸い揉み上げられながら、先っぽの周りを舐られる。一番敏感な先っぽはにゅぽにゅぽ扱かれて、その都度熱い快楽が迸る。

 「ふう゛っ♡♡ っ♡ ヴっ♡♡ んう゛っ、ゔぅっ、じゅぶっ♡♡♡」

 身体のナカに与えられた熱が胸に集まって、発散されて。そのサイクルが繰り返される。ただ与えられる量の方が膨大故に溜まるばかりで、悶え苦しみ、無意識に弓形になった身体が胸を張ると、直後。ぎゅーっ♡

 「んふぅっっ!?♡♡♡ っ!♡♡ う゛ううううぅ……!♡♡♡♡」

 絞られている。胸の先からびゅくううううっと強く放たれる熱が、身を焦がす様な深く長い絶頂を与えてくる。

 「んんんんっ!♡♡♡  んぅっ♡♡」

 身を震わせていると、その時。もみっ♡
 「ん゛ぅっっ!?♡♡♡」
 完全に意識外からの刺激。お尻を揉まれた。人の手、ユイだ。両手で揉んだり擦ったりしてる。ユウの敏感な身体はその度に反応して跳ねてしまう。

 「んぐっ!♡♡ あ゛うっ、ゔっ!♡♡♡ ヴうぅっ、ううううっ!♡♡♡♡」

 やめてゆいっ!♡♡ ひどいよっ♡ いじわるしないでくれっ!♡♡ たのむからっ!♡♡♡

 そんな心中の懇願が届く筈も無く、責めは更に過激さを増す。

 「ん゛ん゛っ!?♡♡♡」

 ユイの片手が離れたかと思えば、おまっ、アソコに、何か当てがわれた。
 ____そんなっ、まさかっ♡♡
 動きの連動性から察する。お尻から貫通している管蟲、その先端だ。

 「んう゛うぅ!!♡♡♡ んぐっ、う゛うううっ!?♡♡」
 
 必死に首を横に振る。意味も無いのに。

 ずぶっ♡ 
 「ん゛っっっ!!?♡♡♡♡」
 挿入る。ずぶっ、ずぶぶぶっ♡ 挿入っていく。
 「んぐぅっ、ヴっ、うううっ!!♡♡♡」
 ずんっ!♡♡

 「んお゛っ?!♡♡♡ お゛ヴうううううっ!!♡♡♡♡」

 最奥到達。そこを突かれた刹那、衝撃が脳天まで突き抜けた。身体は激しく痙攣し、股からは汁が大量に漏れ出す。同時に胸からも熱が迸り、身に余る快感を享受した頭は即淫蕩した。

 そして当然ながらそれで終わりでは無い。蟲もユイも満足していないのだ。行き止まりに行き着くなり、ぐっちゅぐっちゅと抽送運動を再開する。

 「んぐっ!?♡♡ ん゛っ……っ♡♡♡ んヴっ♡♡ んふっ、うっ、ふう゛っ!♡♡♡」

 蕩けたユウの身体がかき混ぜられ、より淫らな色に染まっていく。対し、蟲はまだ先を目指しているのか、先端でぐいぐいと奥を押し上げ続けた。

 「ふう゛ぅっ!♡♡ っ♡ っ、あ゛ふっ、うぐっ♡♡ んぐううぅっ♡♡ ふううぅっ、ふううぅっ♡♡♡」

 ただ、最奥の扉は硬く閉ざされており、蟲の力では開けない。ただ小突き上げユウを悦ばせるに留まり、暫しそのまま繰り返された。
 が、そんな時だ。外のユイはなんとユウの蟲が出入りしている局部挿入口、その下方に自身の股を押し付け始めた。

 「んう゛ううううっ!?♡♡ ふう゛っ!♡♡」

 加重により更なる力が加わり、奥の扉がメリメリ音を立ててこじ開けられていく。

 ____おくっ、待っ♡ それ以上、はぁっ♡♡
 「あ゛っ……う゛あ゛っ……♡」
 圧迫感で息が出来ず、苦しみで顔を歪めたのも束の間。
 
 メリッ、メリメリッ、ずぽっ♡

 「っっっ!!?♡♡♡♡」

 挿入ってしまった。本来なら、決して侵入を許してはいけない場所に。

 「ヴぁっ……♡♡♡ あぐっ……♡♡♡」

 頭が理解する前に抽送は再開され、ナカで蟲が行き先を求めて暴れ始める。

 「ぐう゛っ!♡♡♡ う゛っ、うお゛っ♡♡ おヴッ……ふあ゛っ!♡♡ っ♡ うヴぅっ!♡♡♡」

 お腹の中に火が付いたみたいな、痛みに近い快楽が襲い掛かる。明らかに暴虐の部類であり、どうしてこれに性的快感を見出しているのか、ユウは到底理解出来ず思った。

 ____こんなの、オレのカラダじゃ、ないっ♡♡♡

 そう思わずに自身を保つ事など不可能だった。爆ぜる性感の火炎に身を焼かれながら、僧侶の念仏の如く心中で必死に唱える。オレのカラダじゃない、こんなのは、オレのカラダじゃないと。

 (……がう……ちが……よ!♡)

 そこに、声が割り込んで来る。

 (……がうよ、ユウ!♡ ちゃーんと、ユウのカラダだよ!♡)

 ユイの声だった。これまで彼女の声ばかりが頭に響いていたのは、どうやらそういう事だったらしい。

 (どう、して……♡)
 (あっ♡ やっと繋がった♡♡ よかったぁ♡)

 自分の獣めいた嬌声よりもはっきりと聴こえる、幼馴染なのに馴染みの無い、甘ったるい吐息混じりの声。

 (にしてもこれよくないね♡ まさか声が届かなくなるなんて思わなかったしっ……そもそもユウの顔が見えないんだもん♡ んっ♡ ユウはきもちいい?♡)
 (っ……ちが、うっ……♡)
 (ちがくないってば♡ 感じてるでしょ?♡ ほら♡ カラダはイってるよ?♡ きもちいい♡ きもちいいっ♡ って♡)

 ちがう。

 (おまえなんて、ユイじゃ、ないっ……♡)

 身体と心が限界を迎え、ユウは心中で言い放った。

 (…………)
 沈黙が返る。が、しかし。代わりに沸々と伝わって来た。彼女の怒りと哀しみと、それと共に湧き上がる嗜虐的情欲が。

 それが臨界に達し、遂にはユイの荒々しい息遣いだけがぶつけられ始める。

 「はぐっっ!!?♡♡♡♡」
 蟲の動きが変わる。否、変わったのは尻を鷲掴み、股を使って蟲を押し込んで来るユイの動きだ。より激しく、乱暴になっていく。

 「うぐっ!?♡♡♡ ふっ♡♡ ん゛っう゛っヴっ、んぅっっ!??♡♡♡」

 (い゛っ……ぐぁっ♡ これむりっ♡ やめっ♡ っ♡)
 ____あ゛っダメだっ、これ、こわされ゛っ♡♡

 ごめん、許して、などと一転して先程の事を蕩けた頭の中で謝るが、その場限りの謝罪など今更だ。不信はしっかり伝わってしまった。寧ろ乞い願う度ペースが上がり、力強くなる。

 ゆ、いっ……たす、け……っ!♡♡

 瞬間、どびゅっ!♡ 

 「うぐっ、うぐう゛ううううううぅっ!!♡♡♡♡ ん゛ヴううううううう!!♡♡♡♡」
 
 ナカで熱が弾け、忽ち満ち、上に下にと溢れていく。びゅくっ!♡ びゅーっ!♡ どぷっ!♡

 「っっっ!!♡♡♡♡ っヴっっっ……!!♡♡♡♡♡」

 はれつ、すりゅっ……っ!♡♡ うぅっ……♡♡♡

 苦痛と快楽とで侵蝕され、心身共に壊れていく自分。それが何かによって無理矢理整形され、形を保たれる。鬼気迫る渦中、ユウは本能的に加護を実感した。

 (っ……はぁーっ……♡ はぁっ……♡ ユウが、わるいんだよ……♡ ひどいこと言うからっ……♡)
 向こうはやっと念を形にしてくれた。しかし、返事など出来ない。今度はこちらが、形にならないから。

 「う゛っ……うヴっ…………っ♡♡♡」
 ごぷりごぷり、身体から溢れ出す注ぎ込まれた粘液の感触に理性が洗い流されていく。それが気持ち良い。
 「うぐっ…………ふ、う゛っ……っ……♡♡♡♡」
 気持ち良過ぎてどうにかなってしまいそうだ。でも、なってしまいそう、で止まる。

 強烈な快楽により振るいにかけられ、加護の輪郭がはっきりしていく。

 (はあっ、かわいそうなユウ……♡ こーんなモノに、囚われちゃって……♡)
 
 ぞくり。その境目が指でなぞられた気がした。揺らぎ、震える。

 (っ……♡♡ く、うっ…………♡♡♡)
 (今出してあげっ……えっ、なーに?♡ あるじさま?♡)

 全てを明け渡しかけたその時、横からノイズが入った。荒く不鮮明だが、忘れもしない。ダンジョンの主、コアークの声だ。

 《ソレハ、オマエノヤクワリデハナイ》

 「う゛…………?♡♡♡」
 言葉の意味が分からず惚けるユウ。対し、ユイは何処か歓喜した様子で告げる。

 (ユウ♡ つぎ、いこっか♡)

 次。まだ次があるなんて。虚ろな彼の心に、静かに絶望の影が差した。
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