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秘匿性TS被害少年の淫蕩.2 兄弟、失われる尊厳
しおりを挟む「にいさんっ……やめっ、んぐっ」
少年は精一杯もがいた。しかし成す術も無く、両手は後ろ手に縛られ、口は塞がれてその声はくぐもる。
「んんんううぅっ! んっ、うぅーっ!」
無理矢理仰向けにされ、改めて腹部にのし掛かられた。痛い、重い。そんな言葉も布に遮られ形にはならない。
「…………」
兄は依然として一言も話さない。黒縁眼鏡の奥の瞳だけがギラギラと鈍い輝きを放っている。
渦巻く困惑と不安、その只中、
「んんんんっ、っ⁉︎」
唐突に、胸を揉まれた。
えっ、ええええっ⁉︎
もぎゅっ、もみゅっ。遠慮無しに揉みしだかれ捏ねられる。乱暴な扱い。しかしカラダは堪らずくねって、艶っぽい反応を返してしまう。
「んんっ、ふっ………んんんっ⁉︎」
理解出来ない事が立て続けに押し寄せ、助けを求めるよりも疑問ばかりが先に湧く。
なんでっにいさんがっ…………まさかっ、にいさんなのっ⁉︎ でも、えぇっ……⁉︎
が、湧いても湧いても、立ちどころに刺激の暴力で瞬く間に散らされる。一向に解決しない。
「んっ、んんんんっ、んんっ!」
なに、これっ……やっぱりカラダ、へんっですっ。さっき薬、飲んだのにっ、いつも以上にっ……!
横乳を押し潰されるだけで痺れが末端へ駆け巡る。余りにも過剰で、それが生じる度熱い耳元と頬から火を吹く様な感覚に見舞われる。
「ふーっ……んっ…………! んーんー、んーんーー!」
羞恥と恐怖が追いつき、瞳に涙が滲む。
なんでっ……にいさんなんでっ! いやだっ、かあさん! 助けてっ、かあさん!
胸中で救いを求め始めたその時。
「なんで、って、思ってるよな?」
遂に兄の口が開いた。彼はポケットからスマホを取り出し操作した後、画面を突き出し荒々しく、それでいて押し殺した声で言う。
「いつもな、見てたんだよ……聴こえない訳ないだろ? この部屋でも、トイレでも、風呂場でもっ……あんな、激しくやっててさっ……!」
映っているのは、トイレで大股を広げ衣服の中に手を突っ込んだ少女のあられもない痴態だった。
いっ、いつの間に撮られてっ……⁉︎
とその時、きゅっ。乳首が摘まれた。痛い、筈なのに。
「んぅっ、ふうううううっう゛うぅ~~~~っ!」
カラダは海老反り、呆気なく浅く達してしまった。
「うおっ、うそだろっ」
「ん゛んんんっ、ん゛んーーーっ………」
「病院から出された薬飲まないとこんなになっちゃうのか」
「ん゛っ、っ……?」
兄はその手に薬をぶら下げた。
「ほら、中身。偽薬と入れ替えといたんだよ。態々同じ色のカプセル用意しちゃいました。偶然楽に手に入って助かったんだよねこれが」
「んっ、ううぅっ…………!」
あれっ、母さんが用意したんじゃ無かったんだっ……だとしたら、最初から計画して、こんな事をっ……?
「いやでも、まさか敏感になる病気って……こーんなすけべな物だとは思わなかったよ」
そう語ると、続け様に「オムツの中も……ほらっ」と兄。部屋着を捲り、オムツの中へ片手を突っ込む。
くちゅっ。
「っ、っっ~~~~!」
「やっぱり。もう汁でぐちょぐちょだ。笑えるねほんと。実はこんな事の為にオムツ履いてるんです、なんて知ったら母さん泣くよ?」
中は既に濡れそぼっている。少しの動きではしたない音が立ち、腰は細かく震えてしまう。
「って事で、分かるよな? この事、人に教えればどうなるか」
「んっんっ……んぅっ! ふっ、っっ!」
脅し文句と共に鋭敏な突起が掌で包まれ、割れ目のスジが太い手指になぞられた。それだけでもゾワゾワして腰が浮くのに、兄の指先は更なる暴挙に出る。
「はっ……こんな状態ならもう、挿れても痛くないだろっ」
そう嘲笑混じりの呟きが聴こえた瞬間、つぷんっと慣れない感覚が。
「んっっ⁉︎」
直ぐには理解出来なかった。痺れた股座とは、別の場所に異物感が訪れたから。
____これっ、おしりの、穴っ……⁉︎
気付いた事を見計らったかの如く指は動き出す。ぬぽぬぽぬぽぬぽ、溢れ出した潤滑液の滑りを利用して、浅く出入りする。
「んっ? っ、んんっ、っん、っっ?」
言葉は発せないものの、揺れる瞳と漏れる吐息から困惑の色が滲み出す。その様子に兄は、
「ふふっ、ふふふふっ……」
と悦にいった気色の悪い笑みを浮かべた。
っ……普段寡黙でっ、賢そうな兄さんがっ……うそだっ……こんなの兄さんじゃないっ……!
「んっ……っ…………!」
印象と余りに掛け離れたその邪さと不快感に視線が一気に鋭くなる。と、「おや、なんだいその目は」と彼。
「お前はそんな目をして良い立場じゃないだろっ……!」
ずぷっ!
「ん゛っ⁉︎」
強い語気の篭った耳元への囁きと共に、指が一気に深々と挿し込まれた。突然の衝撃に息が詰まる。
「お前が悪いんだぞっ、そんな物欲しそうな顔して、誘うからっ……!」
「ん゛っ、んっ…………!」
指はすかさず肛門内を探る様に弄り回す。すると、程なくその刺激が腹の奥へと響き始める。
「んっ……っ、っっ……?」
あっ、れ…………?
「ふっ、ぅっ……んっ、っ……?」
身体が意図せず跳ねる。更に空いたもう片方の手によって胸の先が転がされると、熱っぽくて重たい痺れが徐々に大きくなって、いつもの自慰の時と同様、頭がぼーっとしていく。
「ここかよ、ここが気持ち良いのか?」
「んっんっ……ふっ、ふぅっ⁉︎」
奥の肉壁がぐっと押し込まれた刹那、電流が走って腰が浮く。
「やっぱここか」
その反応を見るや否や、指先はそこを執拗に責め続ける。ぐいぐいくにくに、押して擦ってのマッサージを繰り返す。
「ん゛んっ! ふっ、ふぐう゛ううぅっ!」
腰っ、ガクガクっ……なにっこれぇっ……! 中々届かないっ、奥を弄ってる時みたいな、感覚がっ……!
未知の性感では無い、既知のものが別角度から襲って来る様な感覚。翻弄されずにはいられない。
お尻で、こんなのっ……おかしいよぉっ…………!
「んんうっ! んんううぅっ!」
痙攣が止まらない。やめてと必死に首を振って懇願するも、兄は聞く耳持たず。
「はははっ、騒いで母さんを呼ぼうって魂胆かな? 無駄だよ、ついさっき風呂入ったから。母さんが長風呂なのは知ってるだろ?」
と唯一の望みを否定すると、「だから、存分にメスイキしていいよっ」と容赦無い責めを継続。結果として重厚な痺れはあっという間に飽和して、絶頂直前の切迫が少年を襲う。
ああああいやだぁっ! お尻のっ! お尻の穴でなんてっ……! こんなとこで、イッたらっ……っっ!
必死で耐えようと息んだ。が、しかし、
「ん゛うっっ⁉︎ っ、っ、っ、っっっ~~~~~っ!」
抵抗も虚しく達した。それも深く、強く。
「ふっ、んっ…………んんんっ……!」
「ははっ、すっごっ、締まってるっ、ほんとにイッてるよっ」
痙攣に合わせてキツく強く締めてしまい、悟られる。未だ余韻から抜け出せない中、強引に指をにゅぽっと引き抜かれた。
「んぅっ……っ……!」
兄は一度挿入していた指のニオイを嗅いだ後、腰を上げ一言。
「ーーっ、はぁー……時間も無いし……もういいか」
そう呟き、ズボンを降ろした。いきり勃った逸物が一度引っ掛かった後、勢い良くゴムを弾いて露出する。
「んふっ……ん゛っ…………!」
もういやですっ……逃げ、ないと……っ!
身体にのし掛かっていた重みから解放された少年は、今のうちとベッドの上から逃れようと試みる。が、しかし、未だ体幹が痙縮していて思う様に力が入らない。身を捩りうつ伏せになる事すら苦労する。背中とベッドとの間で圧迫され痺れている腕を使いやっとの思いで転がるも、膝立ちも出来ない。腰が抜けてすぐへたってしまう。
いやですっ……助けてっ、かあさんっ……!
「んっ……ぐっ、ぅっ…………!」
それでも張って逃れようとするが、その時にはもう手遅れ。
「はいはい、逃げない逃げない」
部屋着のズボンに手を掛けられ、中のオムツ諸共ずるりと剥かれてしまった。
「んんっ⁉︎」
「うわっ、糸引いてる……酷い」
そう口にしつつ、兄は逃げられない様に腰を持ち、濡れた会陰に鬼頭を押し付け、股座から尻穴にかけて往復する様に滑らせる。
「もうこれローション要らずだね」
「ん゛う゛うぅっ!」
尻を捩って挿入を避けようとしても、プリンの如く肉が震えて誘った動きにしかならない。パンッと叩かれ、いやらしい手付きで揉まれた後、「ほんと良い尻……じゃあ、挿れるよ」と無慈悲に告げられ、ただ身を強張らせる。
ぐっ。尻の穴が圧迫された。指よりもずっと太い、肉の棒で。
う゛っ、そんなの、はいる、ワケっ……。
ずっ、ぬぶぅーっ。
「ん゛ぅっ⁉︎ っ、っっ、んう゛うううぅっ…………!」
出口の筈の穴がこじ開けられた。何故か覚えのある熱くて硬い棒状の異物が、挿入ってはいけない場所に強引に挿入って来る。
やだっ……やだやだやだああああああああああああ…………!
どんなに拒んで喚いた所でもう止まらない。ずぬっ、ずぬぬぬぬっ。奥深くまで滑り込んでいく。
「ん゛っ…………う゛っ……!」
ごすんっ。根本がぶつかって止まった。臀部を陰毛が擽る感触と共に「おっ……ふぅーっ……」と背後で漏れる恍惚な吐息が首筋にかかる。対し、此方は強烈な圧迫感で息も吐けず、串刺しにされた感覚で身じろぎ一つも取れない。
っ……くる、しいっ……いたいっ…………。
玉のような冷や汗がシーツに落ち、暗転していく頭が、ショックからか前に挿入された時の事を鮮明にフラッシュバックする。結果、最悪のタイミングで事実を認識してしまう。
ぼくっ……もう、既に一度、犯されてっ…………あれっ、でも今っ、あの時よりっ、くるしいっ…………ほんとに、息がっ………たす、けっ……。
「う゛っ……う゛ぅ…………」
瞳の光が失せていく。が、肉欲に支配された相手はそんな事お構い無しに抽送運動を開始。ずぬっ、ずぬっとゆっくりだが乱暴に、丸く柔和な尻肉へ杭打ちする。
ずぬっ、ずんっ、ずんっ、ずんっ!
「う゛っ、ぉっ、っ……っう゛っ」
音は遠く、帳の降りた視界の中苦痛だけが肉体に響いて、塞がれた口と鼻から勝手に嗚咽と液が漏れる。
「締め付けがっ、強過ぎるっ……中々っ、動かし、難いっ……」
突かれれば抉られ、引き抜かれれば捲られる。尻穴から自身が掘削されていく。あまりの苦痛に、少年には祈る暇すら許されない。
「ふっ、ふっ、ふっ、ッ」
「う゛っ、ぅっ、っ、ぅ゛っ」
肌同士が打ち合わさる音と共に両者の対照的な息遣いが応酬する。暫し緩急を付けながら繰り返されるも、長くは保たなかった。
「くっ……はぁっ、ダメだっ、もうもたないっ、でるッ!」
「んっ、ぅっ、うっ、う゛ッ」
往復していた剛直が深々と突き刺さって止まった。かと思えば、脈打ち、膨らみ、そして先端から一気に熱を放出。
ぐーーっ、どくんっ! どくっどくっどくっどくっ____
「ん゛っ……っ、っ…………⁉︎」
「くっ、お゛ぉッ……!」
腹の奥に灼熱感が広がる。痛い、苦しい。しかし、何故かその熱さは甘く痺れて心地良い。
っ……あっ…………?
一つ脈打つ度、身体が一緒に跳ねてしまう。
うそっ、どうして、ですかっ……っ? こんな、ひどい事、されてるのにっ……。
「っ、ふぅっ……」
暫くすると、ずりゅんっ。刺さっていた棒が引き抜かれて「んっ」と声が漏れた。患部は空気に触れてズキズキと痛む。が、その脈打つ痛みの周期にも、何処か落ち着いた快感を見つけてしまう。
っ、ぇっ、なに、これぇっ……?
最中、兄は息を整えつつ動き出し、その尻を隠す様にオムツを上げて履かせ直すと、その他行為によって乱れた場所を元に戻し始めた。
「っ……んっ…………」
熱感を生じる部分が包み込まれ、冷やされる。強張った身体が弛緩してベッドに沈み込んでいくと、漸くゆっくりと呼吸が出来る様になって、穏やかに微睡んでしまう。
「はーっ、悪かった、ちょっと余裕無かった……ああ、今回はここまでか。今度はもうちょっとゆっくりやって気持ち良くなろうな」
先程までの酷い仕打ちが嘘の様に、優しい声色で兄はそう言って頭を撫でて来る。
これっ……なんでぇっ……?
分からない、怖い。普通に考えればそれだけなのが正しい。なのに、同時に何故か静かにぞくんと感覚が込み上げ、カラダの芯に沁み渡る。何でもない感触が温かくて、愛おしく感じてしまう。
こんなことっ、ダメなのにっ……ぼくっ、カラダっ、こわれたの……か、な……。
汗と涙と涎で濡れた頬に触れる掌と、尻の穴から溢れて垂れていく汁の熱を味わいながら、意識はゆっくりと闇に沈んでいく。
に、い、さ……____
その時を境に、日常は一気に暗転した。
ある日の朝食後、登校三十分前。梅雨でじめっとした日が続く中、除湿が効いて涼しい兄の部屋にて。
「っ……にいさんっ……くすりっ、かえしてよっ…………」
ドアの前、両太腿を擦り合わせながら瞳を潤ませる少年に対し、その目の前で兄は無言でズボンの社会の窓を開けて逸物を露出し、堂々とベッドの上に鎮座する。
「っ…………」
「ほらっ、欲しいんだろ? 無いと歩くのも辛そうだぞ」
顔を顰めつつ、渋々腰を降ろして彼のそれに顔を近付ける。が、そこまで。放つ臭気と行為の屈辱に耐えられず目を背けてしまった。すると、「仕方ないなぁ、手伝ってやるよっ」と兄。他所を向く頭を向き直らせ、鼻を摘んで口を開けさせてから舌を引き出すと、強引にそこへ肉棒を押し込んだ。
「んぶっ、んううぅっ!」
「本来なら全部奉仕して欲しい所だけど、優しい兄さんだからな俺はっ」
「んぐっ、ん゛んっ、んんっ!」
彼は此方の顔をがっしり掴みながら腰を使って喉奥を突いて来る。風味や刺激から反射的に吐き気が生じて嗚咽が漏れ、嫌悪に震え涙は溢れるが、向こうはお構い無し。ただ己の欲望のままに出し入れを繰り返した末、ぐっと引き寄せて喉奥深くで獣欲を解き放った。
「んぐっ⁉︎ んぶう゛ううううううぅっ!」
生臭さが一気に押し寄せる。が、吐く事は許されず、そのまま胃の中へと流し込まれていく。
息っ、できなっ…………。
堕ちる寸前、ずるりと肉棒は引き抜かれた。咳き込み、吐き出す。
「っはっ、ごぼっ! お゛ぇっ! ぅえ゛っほっえ゛っほっ!」
「あっ、ちょっと、吐いちゃダメだろ。何やってんの」
床に朝ご飯混じりの白濁の吐瀉物が落ちて水溜りを作る。
「お゛ぇっ! っ! んなのっ……むりっ、だよっ……!」
「へー、そっか。じゃあ薬は無しね。仕方ない」
「えっ……そんなっ……ごっ、ごめんなさっ……」
「謝る気あるの? だったら土下座して、ちゃんと床にこぼしたそれ舐め取ってくれたら許してあげるよ」
慌てて謝る此方を見下し、兄はここぞとばかりに悪辣な笑みを浮かべた。対し、「っ…………! 掃除はっ、ちゃんとするからっ……」と瞳を潤ませながら返すと、その笑みは一気に凍り付いて冷淡になる。
「ふーん、あっそ。普通の掃除なら自分で出来るからいいよ。俺は大学まで時間あるしな。そうと分かればほら邪魔だ出てけ」
「うっ、うそっ」
「嘘じゃない出てけ」
「あ゛っ、う゛ぅっ!」
乱暴に廊下へ摘み出されてしまった。尻餅をついてへたり込み、そこから暫く立ち上がれず放心する。
口の中っ、気持ち悪い……っ。
と、そこへ「そろそろ学校の時間じゃないのー? 大丈夫ー?」と母。階段を登って二階廊下に上がると、ただならぬ雰囲気を感じ取り此方へ駆け寄って来る。
「っ! 大丈夫⁉︎」
「う、ううん……ちょっと、体調悪くって……」
「ああっ、もうっ。だったらきょうは学校は休みなさい。連絡しておくから……立ち上がれる?」
「っ、むり、みたい……」
口は封じられている。母に本当の事は話せない。友人にも言えない。助けを求める手段が、無い。
恵まれていると思っていた環境が、音を立てて崩壊していく____
またある休日の午後、家の居間。家族四人並んで映画を鑑賞する、微笑ましい時間の最中には。
「ーーっ……っ、ぅっ……」
少年は尻穴を埋める様にずっぽりとフィットした物の振動に悶え苦しみ、両親に気取られまいと必死に息を殺していた。
「っ…………ーーっ……」
勝手な行動は隣の兄によって許されず、ただただ耐える事を強いられている。立ち上がれば即画像をネットに晒す、と。
トイレも、行きたいっ……のにっ……。
何とか楽に座っていられる体勢を探す事にばかり気を取られて、画面に少しも集中出来ない。ただ一人、そわそわとソファーの上で身体を揺らしてしまう。
「…………ッ」
一番向こうの母へ助けを求める視線を送る。しかしその手前で遮る兄の何食わぬ横顔がそれを許さない。手元のコントローラーを操作して、振動をより強める。
っ……くるっ……きますっ、もうっ…………!
口を両手で押さえて堪えようとした。が、達する寸前、振動が止まる。
「ぁっ……ぇっ…………?」
恐る恐る兄の方を窺うと、互いに横目に視線が合う。ニヤリ、一瞬その目元は笑って、正面に戻る。
っ、くっ、うぅっ……!
その後少しすると、再び振動が再開。直ぐにイキそうになり、身体を支える為についた腕がピンと伸びる。が、そこでまたしても寸前で停止。
「っっ~~~…………!」
完全に、弄んでっ、愉しんでるっ……!
「……ふっ」
静かに彼はほくそ笑み、間を開けてまた再起動。そしてまた寸前で停止。繰り返し、繰り返し、しつこく行う。
「っ……! ぁ、くっ、にぃ、さっ……!」
そのうち絶頂よりも先に尿意が限界を迎えた。ゆるりと首を振り手で制止しようとするも意味は無く、
だめっ、もれちゃっ、ぁっ……ああぁっ…………!
オムツの中に盛大に小便を漏らしてしまった。
「ぁっ、あぁっ…………」
流石に量が量だ。「……? なんか臭うな」と父に気付かれる。
「っ、映画止めて! 弟が漏らした!」
「あらやだっ、また?」
「っ…………ごめん、なさいっ……」
______脅され、犯され、排泄や睡眠等生活上の自由も全て奪われる。
蹂躙されるのはいつも尻穴と口内。生きる為に必要な箇所ばかり。毎朝口での奉仕を要求され、毎晩尻穴を抉られて。人として最悪の状態に貶められる。
夜中、幼馴染と電話している最中も。
「____あれっ、どうしたの?」
「っ、なんでもっ、ないっ……よっ……」
乳首を摘まれながら、背後からぱんっぱんっぱんっと、リズミカルに突かれる。痛みはもう感じない。代わりに奥を潰される度、破滅的快楽のパルスが背筋を走って脳天まで突き抜ける。
「いや、喋り方変だし……なんか、変な音するけど」
「ぉっ、ふっ、気のせいっ……だよっ……ははっ、っ、ぁっ、もう、眠いから、ちょっと、寝るねっ、続きはまた明日っ、学校、でっ……っ゛、っっっーーー……!」
通話を切ると共に絶頂して蹲った。その耳元で、「よく頑張った、えらいえらい」と囁く悪魔。此方の痙攣に構う事無くより激しく奥を突く。
「ーーっ……ぉ゛っ、ぉっ、っ、ゃっ、ぁっ……!」
「バレてるかもしれないのにまた明日、なんてねっ……余裕があって大変よろしいっ」
「ぁ゛っ、ぃってるっ……いってるからっ、やめっ……んぉおっぉっ、お゛おぉっっ……!」
一度始まれば途中で気絶しても気にも留められず、向こうが満足するまで決して終わらなかった。最早ただの欲望の捌け口であり、扱いは道具そのもの。にも関わらず、意に反して身体はそんな扱いに慣れて、寧ろそれに悦びを感じる淫らな物へと変わっていく。
浴室の鏡の前でも。
っ……ううっ、ちくびっ、ちょっと黒くなってきた……?
映る姿も、必然的にそう変化していく。もう嫌だ、変わりたくない。そう思っても、直後背後に現れる影によって願いは黒く塗り潰される。
「っ⁉︎ にいさんっ、なんでっ……ぇあ゛っ⁉︎」
「いいだろ偶にはっ……ここなら掃除、要らないだろ?」
背後を取られればされる事は一つ。腰を掴まれ、肉棒を尻穴に捩じ込まれる。
「んあ゛っ……ああ゛ぁああぁっ…………」
「はあっ……、いいね、馴染んできたっ」
逃げ場は無い。兄が居る時は居間でも玄関でも廊下でも階段でも洗面所でも、家の中なら何処でも犯される。犯されて、犯されて侵されてオカサレテ____その度より簡単に、劣情を受け入れる肉体にされる。
唯一、学校に居る時間だけは……などという事も無い。昏い情欲に染め上げられた心身に安らぎは訪れない。
いつもの旧校舎トイレの個室の中。夏服のワイシャツを開け放つと、露出した胸の先の黒ずんだ突起にぽつり、白い水滴が出来て滴り落ちる様を目撃する。
「っ……! うそっ……」
張り詰めた胸の先の濡れた感触と、甘い香り。ただの汗だと思っていた、もとい思いたかったそれは、何と母乳だった。
汗のにおい、胸のとこ、甘いと思ったらっ……えっ、て事は、ぼくっ……。
湧き上がる不安と恐怖。しかし、改めて確かめる為にぷっくり膨れた乳輪ごと乳首を摘めば、ちーっと噴き出る乳白色と共に頭は真っ白に。
「ぁっ……! っっ、ぁっ、っ~~っ~~!」
そうして乳汁が漏れ出す様になってからはもう、身体の何処かしらが疼かない時間は無くなった。授業中であろうと痒くなって、掻いて、快感を得ずにはいられなくなる。
「っ、はーーっ……っ…………!」
バレない様に弄る背徳的興奮にも目覚め、より深みへとハマっていく。結果、殆どの時間身体を慰める様になり、授業は全く頭に入らなくなった。
家にいるよりはマシと意地になって登校し続けていたものの、夏休みが近付く程徐々に限界が近づいていく。
期末試験一週間前。気怠さ漂う、晴れた暑い日の事。
「どこ行くの?」
「ぇっ……」
人気のない所へふらふらと向かう所を、遂に心配する幼馴染と親友に押さえられてしまった。
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「っ、そんな、ことっ……」
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____その通りだ。頼りにならない。だって、気付いてくれないんだから。僕はこんなカラダになってるのに。
彼らはすぐ近くにいるのに、何処か遠くに感じる。ささくれ立った感情が腹の内を刺す。
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僕は……ぼく、は…………。
「…………ほんとに、ごめんっ」
一片の涙粒と共に一言そう残して、逃げる様にその場を去っていく。
もう、だめなのかな…………。
俯きふらふらとトイレの個室に向かうその瞳から、希望の灯火が消えようとしていた。
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