【完結】TS×4 〜突然淫らな少女のカラダにされたけど、誰にも気付かれない少年の話〜

あかん子をセッ法

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秘匿性TS被害少年の淫蕩.1 疼き、蝕まれる日常

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 夜。真っ暗な自室のベッドの上で少年は、全くもって少年らしからぬすえた恥辱に苛まれていた。
 
 瞳を閉じて脳裏に浮かぶのは、あの白濁と血液で汚れたオムツ。

 ____間違いありません。あの時。あの電車の中で、僕は何かをされた。とんでもない存在に、何か酷いことを……。

 「っ……」

 その何かを思い出せないのに、確信があった。状況証拠だけでは無い。奇妙な事に、カラダだけが覚えている。

 「はーーっ……はーーっ…………んぅっ」

 だめです……薬が効いていても、また、思い出そうとしただけでっ、お臍が……お腹の奥が疼きますっ。

 オムツの下の熱っぽい股座に指が向かう。いつもの突起を弄るが、それだけでは満足いかない。

 奥……おなかの、奥…………。

 人差し指にぐっと力を入れて、割れ目の隙間に挿し込んでいく。

 「ぁっ、ぅっ……っ~~~…………」

 全身が快感に打ち震えた。指が柔肉の中に埋もれる感触と共に、その肉が指を抱き締め、悦ぶ感覚が脳髄を侵す。

 「ぁーー……っ、ぁぁっ…………」

 女ったらしい、吐息混じりな艶っぽい声が漏れる。高めで少し掠れた、幼めで愛らしくも、不相応にいやらしい声。未だに自分が発していると信じ切れない、声、声、声。

 「あっぁっ…………んっ……」

 指が中を掻き混ぜる。水音と共に擦れて爛れた熱感が生じ、身悶える。

 ものたりないっ……もっと、もっと奥っ…………。

 より心地良い場所を探し求めて指先は潜行していく。が、上手く当たらない。指を中指に変えて、再度突っ込む。しかし、やはり届かない。その前に柔らかな外側の股肉に、他の指が突っ掛かってむにゅっと押し返されてしまう。

 「っ……ふっ、ぅっ………」

 もどかしさで脳が茹ち、フラッシュバックする。太くて硬い、滾った肉の棒を挿れられるあの感覚が、また鮮烈に蘇る。

 「っ、ぁっあ゛っ……あぁっ…………んんっ……」

 指が暴れる。結局弄るのは、張り詰めた突起とその裏奥。割れ目の中の天井の、少しざらついた部分。指の腹で擦れば忽ち身体の芯を電流が走り、脳天まで焼いて溶かす。そして間も無く膨れ上がって、

 「ぁっ、ぁっ、クるっ…………っっ! っっっ、っっ~~~っ」

 弾けて、溢れた。指も、腹の奥も全てが締め付けられ、快感が搾り出される。真っ暗な部屋が、瞼の裏が白黒する。

 「っっ、っーーっ、ぁ゛ぁっ」

 しかしそれで終わらない。カラダは冷めてくれない。寧ろ更に深い刺激を求め飢える。
 故に少年は繰り返す。疲れ切って、穏やかに眠るまで。

 ✳︎

 理不尽に心を挫かれた少年は、日々怯え、より苛まれる様になった。何故自分がこんな目に遭うのか、誰がこんな事をしてるのか、次はいつ異変が起きるのか。考えただけで怖くなると共に、自身でも理解出来ない、暗い情欲の炎に身を焦がす様になってしまった。

 しかし、そんな中でも周りを心配させまいと気丈に振る舞い、変わらぬ日常を懸命に演じようとし続ける。そうでもしないと、押し潰されてしまいそうだから____

 「なにその顔……寝てないの?」

 ある朝、登校直前の玄関先。幼馴染と目が合うなり、目の下のクマを指摘された。が、彼は無反応。彼女を見つめたまま、暫しぼーっとしてしまう。

 「……おーい」
 「っ、えっ? あっ」
 「大丈夫かー?」
 
 気付いてから思い出したかの様に「あっ、あはは」と少年。大丈夫、大丈夫だよ、と分かり易い作り笑いを浮かべる。

 「ほんとぉ?」

 訝しむ彼女に追従する様にして、見送りに来た母も背後から「……ほんとに大丈夫? 休んでも良いんだよ?」心配そうに言葉を投げ掛けた。対し、少年は態度を崩さず、今度はしっかり笑顔で返す。

 「大丈夫だって……有難うお母さん、いってきます」

 が、そんな健気な振る舞いを嘲笑うが如く、日常は蝕まれていく。先の様な劇的な異変が度重なって襲い掛かって来る訳では無い。そうなるのではないかと身構える少年自身の心によって、少しずつ、少しずつ浸食されていく。
 
 ある日の通学時、朝の満員電車の中。

 幼馴染と共に居るにも関わらず、上の空な少年は靄の掛かった記憶に苛まれる。

 ____今、ここでされたら……。

 ずくんっ。腹の奥が疼く。また、快感のみが蘇る。

 「っ……はぁっ…………」

 何か来る気がして身構えた。しかし、何も来ない。

 「…………ねえ、やっぱ顔色ヤバいよ。帰った方がいいって」
 「だっ、だいじょうぶ、だいじょうぶだから……」
 「ほんとか……?」

 幼馴染の心配する声に、自分に言い聞かせるが如く返事する。しかし、狂おしい程の熱と恐怖で息は上がり、頭がぼーっとして正気が保てない。

 「はーーっ……っ、っっ……」

 前の人で圧迫された胸を擦り付けてしまう。静かに、バレない様に意識しながらも、ぐっ、ぐっと、つま先立ちで。

 「ぁっ……っ…………」

 もどかしいっ……もどかしくて、たまりませんっ……。

 葛藤の中、遂には大胆にも股座を前の人の脚に擦り付けようとしたその時。電車のドアが開いて、人流と共に前の人が出て行く。

 「っ……!」
 
 酷く切なげな表情をしてしまった。その横顔に「ねえ」と幼馴染。慌てて我に帰り「なに……?」と聞くと、彼女は言う。

 「降りる駅だよ。降りないの?」

 夢中で気付けなかった。「っ、あっ……降りますっ……!」とひっくり返った声で、慌てて降車する。その脚は内股だった。

 「…………」

 訝しむ幼馴染。ハッとした少年は、

 「ごめん、ぼーっとしてて……っ、ちょっと、トイレ行ってくるね。先、行ってて……」

 そう言って逃げる様にトイレへ駆け込み、そこで情欲を発散した。

 帰りの電車も勿論同じ。人が少ないお陰で朝よりはマシなものの、その揺れが、光景が、殊更に劣情を誘い身体を狂わせる。人前であるが故我慢するも、不意に達する事もあった。

 「んっ、っっっ~~~~っ」

 尚、そういった時も決まって咳払いで誤魔化し、駅のトイレで本格的に解消した。降車駅トイレの個室は実質、彼にとっての聖域となっていった。

 ただし、それだけで何とかなる日もあれば、ダメな日もある。

 またある日の二時限目、国語の授業中。

 「はっ、はっ……」

 ____ちょっとっ、朝のが、足りませんでした……。

 熱っぽいカラダが揺れる。腰は前後し、前のめりになって机の角で胸の先を擦ってしまう。

 「はっ……っ、っっ」

 机が……高い位置になってっ、丁度良いのが悪いんです……っ、一番後ろですし、ちょっとくらいなら、気付かれませんよね……。

 頭の中で筋違いな理由を付けて正当化し始めると、周りの音は遠ざかり、もう歯止めが効かなくなる。

 ああっ、だめですっ、もうっ、いじりたいっ。いじりたいいじりたいいじりたいいじりたい____

 「……おい! おーい!」
 「っ、んぇ……?」

 突然、大きな声で呼び掛けられ引き戻される。視線を上げると、教師がいつの間にか目の前に居た。

 「大丈夫か? さっきからフラフラフラフラ……顔赤いぞ? 保健室行くか?」
 「っ! っ、だいじょうぶれふ……」
 「……ノート、真っ白だぞ」
 「ぁっ、すみませっ……っ」

 慌てふためき、少し滑稽な返事になってしまったせいか周囲からクスクスと笑い声が聴こえた。恥ずかしさに思わず顔を覆いたくなる。

 「はぁ……笑い事じゃないぞ。おい誰か、連れて行ってやれ」

 「あっ、はいじゃあ俺が」と名乗り出る保健委員。それを「っ、大丈夫です、一人で行けます……」と制止して、一人席を立ち教室を出て行こうとする。しかし、衣服が擦れて甘い痺れが走り、歩行がままならない。

 「いや、ふらついてんじゃん。肩貸すよ、ほら」
 「っ、ごめんっ……っ」

 結局助けを借り、接触箇所からの刺激に悶えつつ保健室へ。そして、

 ____いっかいすっきりすれば、戻れるからっ……。

 「っ、っ、っ~~~……!」

 ベッドの上、布団を被りながら枕で口を抑え、乳首を弄り、股を掻き、何度も達した。

 「ふーーっ……っ…………」

 達して満足すると、抗い難い睡魔に誘われて眠りに堕ちる。そして、

 「…………っ! しまったっ……!」

 次に気付いた時には時刻は既に昼過ぎ。少年は真っ青になって、ふらつきながらも授業に戻っていく。

 当然ながら決して毎度、という訳では無いにしても、こういった醜態を晒す事も増えていった。といっても体調不良と見なされるばかりで、その本質に気付く者は居ない。幸か不幸か、淫害はこれまで通りの活動が出来るギリギリの範囲で推移し続け、小さな異常の連続で済んだ為、病弱の一言で全て片付いてしまったのだ。

 その上、劇的な変化を齎すであろう異変もあれ以降は中々起きず終い。幾ら身構えても起きないまま刻一刻と時間が過ぎていく。
 そうなると、人間は慣れる生き物である。変わってしまった日常に順応しようとしてしまう。
 
 淫蕩した日々が当たり前になる。何も悪い事ばかりでは無い。性感に慣れる事で気絶はグッと減り、心理的負担は徐々に麻痺して軽くなっていくのだから。

 しかしその都度少年の中で、何かが確実に壊れていく。蝕まれ、取り返しのつかない形へと____

 そうして、純潔の喪失から実に二週間が経過したある日の放課後。

 「一緒に帰るぞ」

 親友に捕まった少年は首を傾げた。

 「えっ、部活は……?」
 「少しくらいなら休んで大丈夫だろ。アイツは休めないみたいだから、頼まれちゃってさ」
 「っ、いいのに」
 「心配かける方が悪い。大人しく同行しろ」
 「わかりました……」

 久々に親友と一緒に帰路につく。暫し和気あいあいとした時間が過ぎていくかに思われた。

 「っ…………?」

 が、帰りの電車の中、揺れと共にいつもの感覚が蘇る。

 ____っ……やっぱ、だめですね……。

 身体が強張ると共に動悸が酷くなって、脚が震えて立っていられなくなる。

 「っ……はぁっ…………」

 と、そこへ親友。「おっと」と、少年の肩を支えた後、そのまま崩れていく彼を抱き留めた。

 「大丈夫か⁉︎」
 「っ、ありがと……っ!」

 ____手が、胸、触ってっ……?

 何故か覚えのある感覚だった。カラダがビクッと跳ねてしまう。

 「はっ……?」

 この感触……何か、覚えがっ……。

 「おいおいしっかりしろっ……すげー顔色悪いぞ?」
 「っ……きみっ、なの……?」
 「はっ? 何が?」
 「…………?」

 一瞬過ぎった考えを口にしたが、相手はピンと来ない様子でただ首を傾げる。胸に埋もれた支える手も、特に変に動く様子は無い。

 「つーか重いぞっ……よいしょっと。ほらっ、ちゃんと棒に捕まっとけ」
 「う、うん……」

 気のせい、ですよね…………。

 その後は発作が酷く碌に足腰が立たなかった為、親友に甲斐甲斐しく介抱される事に。いつもの様にトイレで済ませるのも少し不安な程だったので、無理を言ってそのまま自分の家の前まで肩を借して貰ってしまった。
 ドアの前で改めて礼を言う。

 「ありがとう……」
 「ほんとに一人で大丈夫か? オレも家に」
 「大丈夫だって……っ、じゃ、また明日……」
 「お、おう……」

 遮る様にしてドアを閉めた。罪悪感も束の間。ふぅっと息を吐いた後、発情した身体を引き摺って二階に上がり、自室のベッドに身体を沈めれば、乳首に貼っていた絆創膏を剥がして思い切り乱れだす。

 触られてたとこっ……じんじんするっ……。

 「んぁっ、んっ、ん゛んんっ……んぅっ!」

 家にはまだ誰も居ないと思い込み、胸を捏ね、秘部に指を突っ込み、自重無しに喘ぐ。

 「あっ、おくっ、とどいてっ、ぇっ、っ、っあ゛ぁっ、あ゛~~~っ!」

 割れ目の奥底の痼りに、今回は届いた。コリュッという感触と共に、危険な電流が脳を焼き達する。

 「あ゛っ、っっっ~~~、はあぁっ!」

 深い絶頂だった。中々戻って来られず暫し明滅する視界の中痙攣した後、はたっと強い脱力感に襲われる。

 「はーーっ……っ…………」

 あまりの気怠さにそのまま眠ってしまおうか。そう考えたその時だ。ドアの方から視線を感じた。

 「ぁっ……っ…………」

 今更息を潜めるも、時既に遅し。少し空いた隙間から此方を覗いている兄と目が合った。

 「っ⁉︎ あっ、わああああ⁉︎」
 「…………」

 彼はサッと目を逸らし無言で立ち去っていく。少年は大声を出すも、咄嗟の事でその場から動けなかった。

 ____やっ、ヤバい。見られちゃいました、よね……?

 向こうにはどんな姿で映っていたのか。定かでは無いが、気が気でなくなってしまう。

 えっ……どうしよう。いやでも、どうしようっていっても……えええっ。

 慌てふためくもどうする事も出来ず、睡魔にも負けて一睡。暫くすると母に起こされ、あれよあれよと夕食の時間へ。

 恐る恐る食卓に向かうと、当然ながら兄とばったり顔を合わせる事に。ただ、向こうは一瞥もせず、何事も無かったかの様に黙々と食事を進めていく。

 立ちすくむ少年へ「ほら、あなたも早く食べなさい」と母。仕方なく、彼は席についていただきますと一言添え箸を動かした。

 ____何も、言って来ない……?

 不気味だった。

 元々口数は少ないので、おかしくはないのですが……。

 異様な雰囲気のまま兄は食事を終えて「ご馳走様」と手を合わせると、食器を片付けて二階へと上がっていった。暫くして少年もその後に続く。と、そこへ母。

 「ああ言い忘れてた。お風呂、わいてるよ。先入る?」

 色々丁度良かった。「入ろうかな」と返して、彼は部屋着とタオルを用意し浴室へと向かった。

 ✳︎

 「っ…………」

 服を脱ぎ、慣れた手つきで濡れて糸引くオムツを剥がしすぐそこのゴミ箱に捨てる。

 「はぁ……」

 ____毎度毎度、自分が嫌になります。

 溜息混じりに戸を開け中に入る。姿見に映るのは、日に日に妖艶さを増す、幼い顔に不釣り合いな肢体を持つ少女の姿。

 「っ、うぅ……」

 なんか、またちょっとおっぱい大きくなった気が……乳輪、こんなに膨らんでましたっけ? 乳首ちょっと埋もれ始めてる……お尻も、なんかここまでむにむにじゃ無かったと思うんですが……。

 尻肉に手を回そうとした瞬間、首筋がピキッと張った。

 「っ! つーー……」

 ずんって前に重いからなんでしょうね……運動もあまり出来てませんし、そのせいで余計肩凝りが……。

 肩を回すとそれにつられて乳房が揺れる。汗ばんでいるせいか下乳がベタつく。むわっと立つ香りもちょっと酸っぱい。

 暑くなってくるとより不衛生ですし……なんなんですか、このカラダ……。

 胸のある女性はこんな大変なのか。いや、流石に自分のが酷過ぎるだけだと思いたい____などと幻滅しながら、風呂桶にお風呂のお湯を取ってそっと流した後、入浴し再び大きく溜息を吐いた。

 「…………はぁ」

 ____どうしよう。

 身近な不満で逸らしていた目を現実に戻した少年は、今後の展開を想像し不安になる。

 兄さんなに考えてるんだよ何で何も言わないのせめて茶化してよ無言は怖いよおおおおお!

 湯船に顔を付けて思いを泡の中に吐き出した。

 「っ、ぷぁっ」

 そして水面から出て息を吸い込むと、今一度整理する。

 いや、でもよく考えたら……何も言えない、か。気まずいし、僕が兄さんの立場だったらちょっと見なかった事にしちゃう、かも……?

 改めて悲しくなって来る。後悔しても仕切れない。

 あーー何で気を抜いてしまったんでしょうか……暫くよくやってたのにぃっ……!

 クラスメイトや他人に晒す恥とは訳が違って、胸の奥がちくちくする。全然落ち着かない。

 「うーー……」

 あーでもない、こーでもない。ぐるぐるぐるぐる、思考が巡った末、頭も身体も茹った。湯船を出て、全身を丁寧に洗い風呂桶に溜めたお湯で濯ぐ。

 っ……ちょっとムラムラしてきました……ついさっきやらかしたのに、なんなんですかもう。

 乳首が疼き始めた所でふと思い出す。

 そういえば、まだ薬飲んで無かったかも……。

 その場での自慰も考えたが、スッキリしてそのまま寝たいという願望が勝った。浴室を出て敏感な箇所を避けつつ慎重に身体を拭く。

 「……あっ」

 母が気を利かせて薬を置いてくれた様だ。ありがたく飲ませて貰い、少年はその場で新しいオムツを履き、部屋着を着て歯磨きまで済ませた。
 
 「っ……よしっ……」

 これで部屋に戻ればもう、いつ眠っても問題ありませんね。あっ、でも宿題……まあ、土日にまとめてやればいっか。今日はもう、気分じゃありませんし。

 風呂後の自分のニオイにうつつを抜かし、ぼーっとしながら階段を上がって自身の部屋へ戻っていく。

 あれ、なんかヤバい……すごく心臓がバクバク鳴って、胸の先っぽがじんじんします……。

 一つ歩みを進める度淫情が湧き上がる。何か変だと感じても何が出来る訳でも無く、部屋の前に辿り着き、ドアノブに手を掛けた所でピークに達した。頭はベッドの上で快楽を貪り果てるイメージ一色になり、視界は濡れて息が苦しくなる。

 「はっ、っ、はっ……っ!」

 一息にドアを押し開き部屋の中へ入った。瞬間、ベッドの上に座る先客の姿があり、少年は目を疑う。

 「えっ……にい、さん…………?」
 「…………」

 兄だった。相変わらず読めない無表情のまま、彼は徐に此方を向く。

 あれ……部屋を間違えた? いや、間取り、僕の部屋だし……ってことは、えっ⁉︎

 ピンクに染まって鈍くなった頭が呆気に取られる中、向こうは急に立ち上がって此方の腕を取り引き込んだ。

 「ひあっ⁉︎」
 
 押し倒されて情け無い声が出る。未だ無言のままの兄に、マウントを取られてしまった。

 「っ、えっ、なんでっ……?」
 「…………」

 物言わぬ圧と共に魔の手が伸びる。最悪の予感に、少年は蒸気した頬に涙を伝わせ、その身を震わせた。
 
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