TSっ娘、創作の種火 もとい怪文書501〜1000

あかん子をセッ法

文字の大きさ
上 下
221 / 326

721 揉ませてやるけど

しおりを挟む
 するとモー・キンムーが、ラー・キンムーに向かって言った。

「あれは金になるぜ、兄貴」

 ラー・キンムーが口の端を上げてうなずいた。

「そうだな。いい土産になりそうだ」

 俺は、そんなふたりを鼻でせせら笑った。

「ふん、俺からこれを奪い取れると思っているのか?」

 ラー・キンムーが恍惚の表情を浮かべて言った。

「お前はつまらん小僧だが、ひとつだけ素晴らしいことがある。それは、お宝を持っているということだ!」

 ラー・キンムーが言うなり、凄まじい勢いで俺に襲いかかってきた。

 俺はすぐに蒼龍槍を後ろ手に引いて構え、間合いをはかる。

 ここだ!

 俺は力強く蒼龍槍を前に出す。

 と、ラー・キンムーが待っていたかのように上に向かって跳び上がった。

 蒼龍槍が空を切る。

 と、その後ろにモー・キンムーが!

 上からラー・キンムー、目の前にはモー・キンムーという二段構えの攻撃が迫る。

「死ねい!」

 ラー・キンムーが上から真っ直ぐ指を伸ばした手刀でもって、俺を指し貫こうと試みる。

 俺はすんでのところでそれを、ダッキングしてかわした。

 頭のすぐ上をラー・キンムーの手刀が通り過ぎる。

 だが目の前にはモー・キンムーが、俺の動きを予測していたかのように下段蹴りを繰り出していた。

 俺はその足を、蒼龍槍で薙ぎ払おうと渾身の力でもって横殴りした。

 すさまじい衝撃音と共に、モー・キンムーの右足が砕けた。

 モー・キンムーがたまらず絶叫した。

「おのれ!」

 弟の仇とばかりに、ラー・キンムーが踵を返して俺に襲い掛かる。

 俺はすぐさま立ち上がり、振り向きざまに蒼龍槍を振るった。

 再びの衝撃音が鳴り響く。

 蒼龍槍はラー・キンムーの脇腹にめり込み、肋骨数本を葬った。

 ラー・キンムーのけたたましい悲鳴が上がる。

 俺は肺腑の中の空気を一気に吐き出した。

「ふう~」

「やりおるの。さすがじゃ」

 俺の背から、バーン翁が語りかけていた。

 俺は振替し、肩をすくめてみせた。

「なあに、大したことじゃないさ」

 バーン翁が相好を崩した。

「そうかそうか。だがなかなかの相手だったとは思わないか?」

 これには俺もうなずくしかなかった。

「ああ。こいつら、Sランクだと思う」

 バーン翁がうなずいた。

「うむ。野良のSランクじゃな」

「Sランクってのは、数が少ないんじゃなかったのか?」

 俺が抗議するように言ったことで、バーン翁が笑みを見せた。

「わしのせいじゃないんだから、文句を言うな」

「でもさあ、三人もだぜ?たぶんSランクっていっても、ぎりぎり合格ってところだと思うけど、それにしてもだぜ」

「まあそれに関しては、わしも興味津々じゃ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

兄になった姉

廣瀬純一
大衆娯楽
催眠術で自分の事を男だと思っている姉の話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)

チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。 主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。 ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。 しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。 その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。 「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」 これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...