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第39話
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ミリタス侯爵家嫡子のゴールディアとスミール伯爵家次男ビュワードの婚約は、王宮からも認められ、あっという間にすべて調えることができた。
「さてユワ君、ゴールディアと一緒に学院に復学してもいいし、ミリタスから通える学院に編入してもいいが、どうしたい?ちなみに今まで通っていた学院の学長は私に代わって、教師たちも殆ど入れ替わっている。生徒たちもつまらんことはしないだろう」
「・・ではこのまま復学します、ディアと」
「本当?本当に、一緒に通うの?」
「ああ、いいかな?」
「もっちろん大歓迎よ!」
アクシミリオが思いついた。
「ふむ、復学と言っても勉強もだいぶ進んだはずだからクラスを替えよう!ゴールディアと同じ教室にな」
「そんなことして大丈夫ですか?」
ビュワードは心配そうに首を傾げるが、アクシミリオは言い訳するように続ける。
「ゴールディアがいれば、何か起きそうになっても大丈夫だからな」
ビュワードは少しも悪くないのだから以前のような態度は許されないと、生徒たちを徹底的に教え込んでいる。だからもう馬鹿なことを言う者など、教師にも生徒たちにもいないはずだった。
翌週から、ビュワード・スミールは復学すると決めた。
初日、ゴールディアの馬車に一緒に乗り込む。少し緊張していたビュワードを心配したゴールディアが覗き込むと。
「隣りにディアがいると思うとすごく頑張れる気がするよ。大丈夫だ!」
ビュワードは安心させるように、頷いてみせた。
ゴールディアの馬車は学院の車寄せに滑り込むと、たくさんの貴族家の馬車の一番奥で止まる。
扉が開くと、いつもは護衛の騎士がゴールディアを支えて下ろすのだが、今朝は違う。
開けられた扉から信じられないほど美しい令息が降りてきて、ゴールディアの手を取り下ろしてやったのだ。
「「「え、あの方を見て!転校生かしら」」」
ざわめきを気にすることもなく、ビュワードがゴールディアをエスコートして校舎へ歩き始める。
「まずは職員室にね」
「今の担任はシルヴィア・モート。ミリタス領出身で、私もよく知ってるのよ」
「それなら安心だ」
にこにこっとビュワードが笑うと、女生徒の悲鳴が聞こえた。
「なんだ?騒がしい」
自分が騒ぎのもとだなんて少しも思わないビュワードが、警戒しながらぐるりと見渡すと、「キャッ!」と小さな黄色い声があちこちから響き、それに釣られてどんどんと女生徒たちが集まり始めている。
「ふふっ、ユワ様があんまり素敵だから、令嬢たちが大騒ぎだわ」
それを聞いたビュワードの方がびっくりした。
「え?わ、私が?違うと思うが」
「いいえ、あれはユワ様を見たからに違いないわ。でもざーんねん!どんなに恋い焦がれても、もうわたくしのユワ様なんだから」
ゴールディアは見せつけるように、ぎゅっとビュワードの腕に掴まると、視線を交わして見つめ合った。
「さてユワ君、ゴールディアと一緒に学院に復学してもいいし、ミリタスから通える学院に編入してもいいが、どうしたい?ちなみに今まで通っていた学院の学長は私に代わって、教師たちも殆ど入れ替わっている。生徒たちもつまらんことはしないだろう」
「・・ではこのまま復学します、ディアと」
「本当?本当に、一緒に通うの?」
「ああ、いいかな?」
「もっちろん大歓迎よ!」
アクシミリオが思いついた。
「ふむ、復学と言っても勉強もだいぶ進んだはずだからクラスを替えよう!ゴールディアと同じ教室にな」
「そんなことして大丈夫ですか?」
ビュワードは心配そうに首を傾げるが、アクシミリオは言い訳するように続ける。
「ゴールディアがいれば、何か起きそうになっても大丈夫だからな」
ビュワードは少しも悪くないのだから以前のような態度は許されないと、生徒たちを徹底的に教え込んでいる。だからもう馬鹿なことを言う者など、教師にも生徒たちにもいないはずだった。
翌週から、ビュワード・スミールは復学すると決めた。
初日、ゴールディアの馬車に一緒に乗り込む。少し緊張していたビュワードを心配したゴールディアが覗き込むと。
「隣りにディアがいると思うとすごく頑張れる気がするよ。大丈夫だ!」
ビュワードは安心させるように、頷いてみせた。
ゴールディアの馬車は学院の車寄せに滑り込むと、たくさんの貴族家の馬車の一番奥で止まる。
扉が開くと、いつもは護衛の騎士がゴールディアを支えて下ろすのだが、今朝は違う。
開けられた扉から信じられないほど美しい令息が降りてきて、ゴールディアの手を取り下ろしてやったのだ。
「「「え、あの方を見て!転校生かしら」」」
ざわめきを気にすることもなく、ビュワードがゴールディアをエスコートして校舎へ歩き始める。
「まずは職員室にね」
「今の担任はシルヴィア・モート。ミリタス領出身で、私もよく知ってるのよ」
「それなら安心だ」
にこにこっとビュワードが笑うと、女生徒の悲鳴が聞こえた。
「なんだ?騒がしい」
自分が騒ぎのもとだなんて少しも思わないビュワードが、警戒しながらぐるりと見渡すと、「キャッ!」と小さな黄色い声があちこちから響き、それに釣られてどんどんと女生徒たちが集まり始めている。
「ふふっ、ユワ様があんまり素敵だから、令嬢たちが大騒ぎだわ」
それを聞いたビュワードの方がびっくりした。
「え?わ、私が?違うと思うが」
「いいえ、あれはユワ様を見たからに違いないわ。でもざーんねん!どんなに恋い焦がれても、もうわたくしのユワ様なんだから」
ゴールディアは見せつけるように、ぎゅっとビュワードの腕に掴まると、視線を交わして見つめ合った。
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