83 / 126
呪われたエザリア
ロレンスの微笑み
しおりを挟む
ロレンス・カイザール侯爵はムユーク王国宰相でもある。
数年前に、のちに赤髪の魔女と二つ名で呼ばれるようになったグルドラ・ルストが引き起こした冤罪事件で、アレス第一王子の婚約者だった妹エディアを亡くした。
ロレンスの両親は心労から病に倒れてしまい、失意の中で侯爵位を継ぐと、悲しみ苦しみを忘れんばかりに猛烈に働いて、生来の優秀さと血統の良さ、そして誰も言わないが悲劇の侯爵への忖度もあり、あっという間に宰相に引き立てられたのだ。
以来、牢から忽然と姿を消したグルドラ・ルストを執念で追い続けてきた。
「え?面会できると?それは格別なご配慮を賜り、有り難く存じます!」
メクリム国王にゴリゴリと押しまくった癖にと、チューグは白けた目で見ている。
「それでいつ?」
「はあ。こちらも準備がございますので、明後日でお願いしたいのですが」
「勿論それで結構でございます」
宰相ともあろう身で、こんな長逗留して大丈夫なんだろうか?
機嫌良さそうなロレンスを見るチューグの視線に「何か?」と尋ねられ、焦って「お国は大丈夫なのですか?」と思っていたことを口にしてしまった。
「あ、ああ。お心配りに感謝申し上げます。我が国は仇討ちが認められておりましてね、特に貴族にとり仇打つこと叶わぬ方が蔑まれるのです。
故に、例え私が政を支える宰相であろうとも、この件を優先することが許されているのですよ」
メクリム王国でも勿論敵を討つという概念はあるが、それが出来なかったからといって蔑まれることはない。
国が違えば考えも違うものだとチューグは溜息を飲み込んだ。
「それに誰よりかわいい妹を失ったのだ」
最後に小さく呟いた声が震えていた。
ロレンスの事情を知り、懸念していたような、ロレンスがグルドラを密かに生かす可能性はないと理解したチューグは、ミヌークスとロンメルンと準備を整え、ロレンスをグルドラの牢へ迎え入れた。
「グルドラ・ルスト」
今日は麻痺魔法を解除しているが、長く麻痺させられていたせいか、焦点が合わないグルドラがのっそりと目を向ける。
「・・・だ・・れ」
耳を澄まさねば聞こえないほど小さく、掠れた囁き声が、グルドラのかさついた唇から漏れる。
「ムユーク王国のロレンス・カイザール侯爵だ」
眉を寄せ、顰めた顔。
「カイザール?あは。ははっ、あの女の」
「そうだ。おまえが陥れ、命を散らしたエディアの兄ロレンスだ」
「仇でも取りにきたのか?それはざーんねん。私はいつでもおまえたちの手などすり抜けてみせる」
その態度にミヌークスが怒鳴りつける。
「おい、妹御を冤罪に陥れ、害しておきながらカイザール卿に謝罪の気持はないのかっ!」
「ふっ、何を謝る?弱いものが死ぬのは仕方ないこと」
「なっ!」
ロレンスが気色ばむのを、チューグが諌めた。
「カイザール卿、お待ちください。さてと」
今度は吊るされたグルドラに向き合うと、チューグは少女のようにその首を少し傾け、ぷっと笑って見せる。
「なんと惨めな姿よ。我らの手などすり抜けるとな?おお、やってもらおうではないか。ほら今すぐやってみせろ」
チューグがミヌークスをちらりと見、ぱちりと片目を瞑ると、ミヌークスはポケットから取り出したポーションを一息で飲み干してから、魔法陣に新たに魔力を流し込んだ。
実はその魔法陣を発動させるとかなり魔力を吸い取られてしまう。
チューグに勧められた魔力回復ポーションは不味くて嫌だと、魔力切れ寸前で抵抗するミヌークスを見かけたロンメルンが、セインのポーションを分けてやったのだ。
そのミヌークスの驚いた顔といったら!
爽やかな味なのに魔力が満たされたと、今やミヌークスのマントのポケットには常にセインのポーションが入れられている。
「うっぐぐっ」
グルドラから声にもならない苦しげな声が漏れ出す。
「ほら、すり抜けてみせるのだろう?ところで我がメクリムにも天才魔導師がいると考えたことはないのかね?
おまえが衛兵たちに仕掛けた術式すべて解明し、おまえのすべての力を封じる新たな術式を生み出すような魔導師が」
ミヌークスの術に拘束され、顔を上げたくとも上げられないグルドラは、目を吊り上げる。
足の爪先でも、手の指先でもほんの少しでも動かせれば詠唱ができなくとも魔術や呪術を発動できるのに、まるで体が棒にでもなったみたいにピン!と強張って動かないのだ。
さっきまで話ができた口も舌も動かない。
溺れたように苦しげに息をするのが精一杯で、逃げ道が見つからない事態を初めて経験するグルドラは、目を皿のようにして床を睨んだ。
だが衛兵を操るため影魔法で床に写し描いた魔法陣も、それに流し入れた魔力の痕跡もきれいに消し去られて見つからない。
「聞け、赤髪の魔女よ。メクリムはおまえから供述を引き出すのは諦めることにした。
我が国最高の魔導師を魔女の護衛として、ユーク王国までカイザール卿に同行させ、引き渡すことと決めた。
喜ぶがいい。生まれ故郷に戻れるのだぞ!
我が国王陛下はなんと慈悲深き方なのだろうな」
ぎりぎりと歯を食いしばる音がする。
グルドラは一体どんな顔をしているのだろうと、ロレンスが一歩踏み出そうとすると、チューグがその腕を掴み引き寄せた。
「入れません。いや、入れますが、一歩踏み込むと魔女と同じ目に遇いますぞ」
「ああ、これは失礼をした。ところで先程のグルドラをムユークに護送下さるというのは本当ですか?」
「ええ。我らはカイザール卿が近々仇を討たれること間違いなしと考え、そう決めましたが、よろしいか?」
そのときロレンスに広がった笑みを、チューグは忘れることはないだろう。
幸せそうな、うれしそうな、それなのにどこか冷たく残酷さをも感じさせる微笑。
(この男は敵にはしたくないな。これで恩を売れれば安いものだ。それに卿が討ち果たせば必然的に呪われた者たちは解呪される。一石二鳥とはこれ、このことだ)
諦めたとは言ったが、念のために再度パルツカ、イルキュラ、サリバーの探索を行い、すべての仕掛けを撤去したと確認ところで、漸くカイザール一行とミヌークス、そしてミヌークスのお目付役に、セインの魔力回復ポーションを大量に持ったロンメルンが同行。
赤髪の魔女は故郷へと引っ立てられて行った。
数年前に、のちに赤髪の魔女と二つ名で呼ばれるようになったグルドラ・ルストが引き起こした冤罪事件で、アレス第一王子の婚約者だった妹エディアを亡くした。
ロレンスの両親は心労から病に倒れてしまい、失意の中で侯爵位を継ぐと、悲しみ苦しみを忘れんばかりに猛烈に働いて、生来の優秀さと血統の良さ、そして誰も言わないが悲劇の侯爵への忖度もあり、あっという間に宰相に引き立てられたのだ。
以来、牢から忽然と姿を消したグルドラ・ルストを執念で追い続けてきた。
「え?面会できると?それは格別なご配慮を賜り、有り難く存じます!」
メクリム国王にゴリゴリと押しまくった癖にと、チューグは白けた目で見ている。
「それでいつ?」
「はあ。こちらも準備がございますので、明後日でお願いしたいのですが」
「勿論それで結構でございます」
宰相ともあろう身で、こんな長逗留して大丈夫なんだろうか?
機嫌良さそうなロレンスを見るチューグの視線に「何か?」と尋ねられ、焦って「お国は大丈夫なのですか?」と思っていたことを口にしてしまった。
「あ、ああ。お心配りに感謝申し上げます。我が国は仇討ちが認められておりましてね、特に貴族にとり仇打つこと叶わぬ方が蔑まれるのです。
故に、例え私が政を支える宰相であろうとも、この件を優先することが許されているのですよ」
メクリム王国でも勿論敵を討つという概念はあるが、それが出来なかったからといって蔑まれることはない。
国が違えば考えも違うものだとチューグは溜息を飲み込んだ。
「それに誰よりかわいい妹を失ったのだ」
最後に小さく呟いた声が震えていた。
ロレンスの事情を知り、懸念していたような、ロレンスがグルドラを密かに生かす可能性はないと理解したチューグは、ミヌークスとロンメルンと準備を整え、ロレンスをグルドラの牢へ迎え入れた。
「グルドラ・ルスト」
今日は麻痺魔法を解除しているが、長く麻痺させられていたせいか、焦点が合わないグルドラがのっそりと目を向ける。
「・・・だ・・れ」
耳を澄まさねば聞こえないほど小さく、掠れた囁き声が、グルドラのかさついた唇から漏れる。
「ムユーク王国のロレンス・カイザール侯爵だ」
眉を寄せ、顰めた顔。
「カイザール?あは。ははっ、あの女の」
「そうだ。おまえが陥れ、命を散らしたエディアの兄ロレンスだ」
「仇でも取りにきたのか?それはざーんねん。私はいつでもおまえたちの手などすり抜けてみせる」
その態度にミヌークスが怒鳴りつける。
「おい、妹御を冤罪に陥れ、害しておきながらカイザール卿に謝罪の気持はないのかっ!」
「ふっ、何を謝る?弱いものが死ぬのは仕方ないこと」
「なっ!」
ロレンスが気色ばむのを、チューグが諌めた。
「カイザール卿、お待ちください。さてと」
今度は吊るされたグルドラに向き合うと、チューグは少女のようにその首を少し傾け、ぷっと笑って見せる。
「なんと惨めな姿よ。我らの手などすり抜けるとな?おお、やってもらおうではないか。ほら今すぐやってみせろ」
チューグがミヌークスをちらりと見、ぱちりと片目を瞑ると、ミヌークスはポケットから取り出したポーションを一息で飲み干してから、魔法陣に新たに魔力を流し込んだ。
実はその魔法陣を発動させるとかなり魔力を吸い取られてしまう。
チューグに勧められた魔力回復ポーションは不味くて嫌だと、魔力切れ寸前で抵抗するミヌークスを見かけたロンメルンが、セインのポーションを分けてやったのだ。
そのミヌークスの驚いた顔といったら!
爽やかな味なのに魔力が満たされたと、今やミヌークスのマントのポケットには常にセインのポーションが入れられている。
「うっぐぐっ」
グルドラから声にもならない苦しげな声が漏れ出す。
「ほら、すり抜けてみせるのだろう?ところで我がメクリムにも天才魔導師がいると考えたことはないのかね?
おまえが衛兵たちに仕掛けた術式すべて解明し、おまえのすべての力を封じる新たな術式を生み出すような魔導師が」
ミヌークスの術に拘束され、顔を上げたくとも上げられないグルドラは、目を吊り上げる。
足の爪先でも、手の指先でもほんの少しでも動かせれば詠唱ができなくとも魔術や呪術を発動できるのに、まるで体が棒にでもなったみたいにピン!と強張って動かないのだ。
さっきまで話ができた口も舌も動かない。
溺れたように苦しげに息をするのが精一杯で、逃げ道が見つからない事態を初めて経験するグルドラは、目を皿のようにして床を睨んだ。
だが衛兵を操るため影魔法で床に写し描いた魔法陣も、それに流し入れた魔力の痕跡もきれいに消し去られて見つからない。
「聞け、赤髪の魔女よ。メクリムはおまえから供述を引き出すのは諦めることにした。
我が国最高の魔導師を魔女の護衛として、ユーク王国までカイザール卿に同行させ、引き渡すことと決めた。
喜ぶがいい。生まれ故郷に戻れるのだぞ!
我が国王陛下はなんと慈悲深き方なのだろうな」
ぎりぎりと歯を食いしばる音がする。
グルドラは一体どんな顔をしているのだろうと、ロレンスが一歩踏み出そうとすると、チューグがその腕を掴み引き寄せた。
「入れません。いや、入れますが、一歩踏み込むと魔女と同じ目に遇いますぞ」
「ああ、これは失礼をした。ところで先程のグルドラをムユークに護送下さるというのは本当ですか?」
「ええ。我らはカイザール卿が近々仇を討たれること間違いなしと考え、そう決めましたが、よろしいか?」
そのときロレンスに広がった笑みを、チューグは忘れることはないだろう。
幸せそうな、うれしそうな、それなのにどこか冷たく残酷さをも感じさせる微笑。
(この男は敵にはしたくないな。これで恩を売れれば安いものだ。それに卿が討ち果たせば必然的に呪われた者たちは解呪される。一石二鳥とはこれ、このことだ)
諦めたとは言ったが、念のために再度パルツカ、イルキュラ、サリバーの探索を行い、すべての仕掛けを撤去したと確認ところで、漸くカイザール一行とミヌークス、そしてミヌークスのお目付役に、セインの魔力回復ポーションを大量に持ったロンメルンが同行。
赤髪の魔女は故郷へと引っ立てられて行った。
10
お気に入りに追加
266
あなたにおすすめの小説
元王太子妃候補、現王宮の番犬(仮)
モンドール
恋愛
伯爵令嬢ルイーザは、幼い頃から王太子妃を目指し血の滲む努力をしてきた。勉学に励み、作法を学び、社交での人脈も作った。しかし、肝心の王太子の心は射止められず。
そんな中、何者かの手によって大型犬に姿を変えられてしまったルイーザは、暫く王宮で飼われる番犬の振りをすることになり──!?
「わん!」(なんでよ!)
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)
【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです
【完結】婚約者が好きなのです
maruko
恋愛
リリーベルの婚約者は誰にでも優しいオーラン・ドートル侯爵令息様。
でもそんな優しい婚約者がたった一人に対してだけ何故か冷たい。
冷たくされてるのはアリー・メーキリー侯爵令嬢。
彼の幼馴染だ。
そんなある日。偶然アリー様がこらえきれない涙を流すのを見てしまった。見つめる先には婚約者の姿。
私はどうすればいいのだろうか。
全34話(番外編含む)
※他サイトにも投稿しております
※1話〜4話までは文字数多めです
注)感想欄は全話読んでから閲覧ください(汗)
初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―
望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」
【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。
そして、それに返したオリービアの一言は、
「あらあら、まぁ」
の六文字だった。
屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。
ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて……
※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。
取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので
モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。
貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。
──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。
……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!?
公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき@バカふり160万部突破
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
「あなたみたいな女、どうせ一生まともな人からは一生愛されないのよ」後妻はいつもそう言っていましたが……。
四季
恋愛
「あなたみたいな女、どうせ一生まともな人からは一生愛されないのよ」
父と結婚した後妻エルヴィリアはいつもそう言っていましたが……。
私の頑張りは、とんだ無駄骨だったようです
風見ゆうみ
恋愛
私、リディア・トゥーラル男爵令嬢にはジッシー・アンダーソンという婚約者がいた。ある日、学園の中庭で彼が女子生徒に告白され、その生徒と抱き合っているシーンを大勢の生徒と一緒に見てしまった上に、その場で婚約破棄を要求されてしまう。
婚約破棄を要求されてすぐに、ミラン・ミーグス公爵令息から求婚され、ひそかに彼に思いを寄せていた私は、彼の申し出を受けるか迷ったけれど、彼の両親から身を引く様にお願いされ、ミランを諦める事に決める。
そんな私は、学園を辞めて遠くの街に引っ越し、平民として新しい生活を始めてみたんだけど、ん? 誰かからストーカーされてる? それだけじゃなく、ミランが私を見つけ出してしまい…!?
え、これじゃあ、私、何のために引っ越したの!?
※恋愛メインで書くつもりですが、ざまぁ必要のご意見があれば、微々たるものになりますが、ざまぁを入れるつもりです。
※ざまぁ希望をいただきましたので、タグを「ざまぁ」に変更いたしました。
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定も緩くご都合主義です。魔法も存在します。作者の都合の良い世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる