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243 引き込まれていく
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爽やかな昼・・・の目覚めを客間で迎えたデーリン。
ドレイファスはとうに学院だ。
ドリアンは登城しており夕方まで帰らないと言われて、時間を持て余す。
聞きつけたマーリアルが茶に誘ってくれた。
美しい庭で、マーリアルが用意させた菓子に目が吸い寄せられてしまう。
「これはなんですか?」
「わたくしが開いた王都の店にて販売しております、公爵家自慢の菓子ですわ。ぜひお試しになってください」
食べ方がわからず、おそるおそるフォークを刺し入れるとふわっと!信じられないほどやわらかく沈み、またふわっと持ち上がってくるのだ。
簡単に一口大に切り分けることができ、フォークで刺して口に運んだ。
「んむっ!」
もぐもぐと口が高速で動いたと思うと、まわりに聞こえるほど大きく、ゴックン!と喉がなった。
微笑みを浮かべたマーリアルの指先が小さく震えている。
「如何でした?パンケークのクレーメがけといいますのよ」
デーリンは医学院を避けて山の中で隠遁生活を送っていたことを、ほんの少しだけ、いやものすごく後悔した。
フォンブランデイル公爵家に招かれて、まだ一晩というのに、初めての食べ物ばかりどんどん出て来る。
そのどれも頬が落ちそうなほどの美味!
こんなものが生み出されていたと知らず、のんびり山の中で山菜と魚で生きていた自分を怒鳴りつけたいくらいだ。
「素晴らしい!素晴らしいですよ!初めて食べたが、なぜこんなにも柔らかく?それに蕩けそうにあまいっ!今まで知らなかったなんて、あーっ人生の損失だっ!」
ほほほと貴族スマイルを浮かべたマーリアルがデーリンを釣り上げていく。
「デーリン様がそんなに気に入ってくださるなんて、とてもうれしいですわ!まだ公開していないレシピがたくさんございますから、ご滞在の間はなるべく独自レシピの料理をお出しするよう申しつけておきますわね」
デーリンは幼い頃から甘いもの好きで、大人になってもそれは変わらなかった。
甘いものだけでなく、酒も、酒に合う料理も好き。
ようするに食いしん坊なのだが、山の中にいるうちに、手に入る物で満足するようになっていただけ。
一皿をあっという間に平らげた後でぷるんが運ばれてくると、皿を持ち上げて小さく揺らし、そのぷるぷる震えながら形を保とうと踏ん張る姿に歓声をあげる大男。
愛おしいものが壊れていくのを惜しむような、悲しそうな顔で匙を差し入れ、口に運んだ。
「うっ!うううっ!うっまい!これも蕩けて消えたぞっ」
さっきまでぷるんが乗っていた匙を見つめているデーリンに、とうとうマーリアルが笑い出した。
「ふふふふっ。よほど気に入られたようですね?これは食堂で料理人に声をかければいつでも出してくれますから、おあがりになりたくなりましたらご自由にどうぞ」
「いつでも?いつでも食べさせてくれる?本当に?」
「ええ、本当ですわ。私も大好きで、ティータイムは先ほどのクレーメがけのパンケークかこのぷるんを頂きますのよ」
その贅沢さに、久しく貴族らしい生活を忘れていたデーリンは圧倒されていた。
夕方、ドレイファスたちが学院から戻って来ると、早速ドレイファスが客間を訪ねた。
「先生、今よろしいでしょうか」
「ドレイファス様、おかえりでしたか」
「はい。先程帰りました。あの、せっかくなので植物について教えてほしいんですが今日からでもいいでしょうか」
やる気満々の公爵令息を前に、否ということはない。
まして契約済なのだ。
「どうぞ」
座っていたソファの向かい側を掌で示し、自分もずれて向かい合って座ると、ドレイファスが切り出してくる。
「まず、世界のどこにどんな植物が生えるのかがわかる地図を作りたいんです!」
「地図?」
「そうです。そうすればあれが欲しいと思ったときにすぐに手配できますよね?それと群生地」
確かにそうだが、そんなもの作るのが大変なだけではとデーリンは首を傾げる。
「その場所の土の成分や天気の特徴なんかを一目でわかるように整理して」
ドレイファスの話しはどんどんと熱を帯びていく。
「それが食べられるのか、食べられるならレシピとかも」
デーリンの心に引っかかるワードが発せられた。
「食べられる?」
「はい、食べられるもの食べられないもの、薬や毒もわかる地図を作りたいです」
「いいですね!・・・膨大な調査が必要になりそうだが、まずは領内の地図に取り組んでみましょうか」
広大な公爵領内の植物分布を地図に起こすなど、一月ではとても足りそうにないと、チラリと頭を掠めた。
公爵家のレシピだけでも自分も知らない物が次から次から出てくるのだ。詳細に調査したら、実は食べられる、実はすごく美味しいものがもっと見つかるかもしれない。
そう考えたら、好奇心は止められなかった。
─長い付き合いになりそうだ─
しかし養う家族がいるわけでもない気楽な身。
論文すら出せなければ医学院の椅子を失うかもしれないが、何故だかそれもどうでもよいような。
楽観的な気持ちになり始めていた。
その夜ドリアンに、今後の勉強とそれに伴うフィールドワークについて説明した。
一通り説明し終えた時、ドリアンがドレイファスに奇妙なことを訊ねる。
「デーリンに畑のことは話したのか?」
「まだです」
「そうか。もう神殿契約も済ませているから、構わないぞ。ああ鍵魔法を頼んでおいてやろう」
「はいっ、お願いします」
父子の間ではそれで通じるらしいが、デーリンには何のことだかわからない。
よほど変な顔をしていたのだろう、気づいたドリアンが吹き出した。
「明朝デーリンにも説明するが、今夜は間に合わないのでな、悪いが悶々としたまま一晩過ごしてくれ」
「そんなあ!」
こどものような悲鳴をあげるデーリンに、ドレイファスもちょっとこどもっぽいと笑いを堪える。
「いや、これは言葉で説明してもわからんと思うんだ。一晩待てば明日には間違いなくわかることだから我慢してくれ。ドレイファス、今夜のうちにカイドに手配しておくから、明朝デーリンを連れて行ってやれ」
気のせいか、ドリアンがニヤッとしたように見えたが、訊ねる間もなくドレイファスに腕を取られてしまう。
「デーリン、明日は寝坊しないよう今夜は早く休めよ」
最後の一言は余計だと睨みつけたが。
ドリアンは俯いて肩を揺らしていた。
翌朝。
朝食前にドレイファスが護衛のレイドを連れて、デーリンを迎えにやってきた。
「先生おはようございます!ドレイファスです。せっんせいっ!」
一際大きな声で呼ばれ、慌てて起き上がるデーリンは今朝も寝坊である。
「い、今行きますっ」
ボサボサの寝癖はそのままに、とりあえず着替えだけして廊下へと飛び出していくと、完璧に身繕いしたドレイファスが待ち侘びていた。
「お待たせして申し訳ないっ!」
「大丈夫です!では行きましょう先生」
とてもうれしそうなドレイファスに連れられて、向かったのは屋敷の一番奥。
ドリアンと一人の男が立っていた。
「デーリンおはよう」
「おはようございます」
幼馴染から雇い主に、明確に態度が切り替わったデーリンに、満足気なドリアンがカイドを紹介した。
「鍵魔法をかけるカイドだ。とりあえず一日の鍵でいい。様子を見て少しづつ長くしていけばいい」
「かしこまりました」
カイドと呼ばれた男は、デーリンに向けて何かを呟いた。
じわっと何かが自分に触れ、包み込まれた気がする。
「それではこちらへどうぞ」
扉を開けると地下に下りる薄暗い階段が見える。
「え?ここ?」
「はいっ!ここを行きますよ先生」
暗がりに怯んだデーリンだが、元気いっぱいのドレイファスに手を引かれ、渋々階段を下りていった。
ドレイファスはとうに学院だ。
ドリアンは登城しており夕方まで帰らないと言われて、時間を持て余す。
聞きつけたマーリアルが茶に誘ってくれた。
美しい庭で、マーリアルが用意させた菓子に目が吸い寄せられてしまう。
「これはなんですか?」
「わたくしが開いた王都の店にて販売しております、公爵家自慢の菓子ですわ。ぜひお試しになってください」
食べ方がわからず、おそるおそるフォークを刺し入れるとふわっと!信じられないほどやわらかく沈み、またふわっと持ち上がってくるのだ。
簡単に一口大に切り分けることができ、フォークで刺して口に運んだ。
「んむっ!」
もぐもぐと口が高速で動いたと思うと、まわりに聞こえるほど大きく、ゴックン!と喉がなった。
微笑みを浮かべたマーリアルの指先が小さく震えている。
「如何でした?パンケークのクレーメがけといいますのよ」
デーリンは医学院を避けて山の中で隠遁生活を送っていたことを、ほんの少しだけ、いやものすごく後悔した。
フォンブランデイル公爵家に招かれて、まだ一晩というのに、初めての食べ物ばかりどんどん出て来る。
そのどれも頬が落ちそうなほどの美味!
こんなものが生み出されていたと知らず、のんびり山の中で山菜と魚で生きていた自分を怒鳴りつけたいくらいだ。
「素晴らしい!素晴らしいですよ!初めて食べたが、なぜこんなにも柔らかく?それに蕩けそうにあまいっ!今まで知らなかったなんて、あーっ人生の損失だっ!」
ほほほと貴族スマイルを浮かべたマーリアルがデーリンを釣り上げていく。
「デーリン様がそんなに気に入ってくださるなんて、とてもうれしいですわ!まだ公開していないレシピがたくさんございますから、ご滞在の間はなるべく独自レシピの料理をお出しするよう申しつけておきますわね」
デーリンは幼い頃から甘いもの好きで、大人になってもそれは変わらなかった。
甘いものだけでなく、酒も、酒に合う料理も好き。
ようするに食いしん坊なのだが、山の中にいるうちに、手に入る物で満足するようになっていただけ。
一皿をあっという間に平らげた後でぷるんが運ばれてくると、皿を持ち上げて小さく揺らし、そのぷるぷる震えながら形を保とうと踏ん張る姿に歓声をあげる大男。
愛おしいものが壊れていくのを惜しむような、悲しそうな顔で匙を差し入れ、口に運んだ。
「うっ!うううっ!うっまい!これも蕩けて消えたぞっ」
さっきまでぷるんが乗っていた匙を見つめているデーリンに、とうとうマーリアルが笑い出した。
「ふふふふっ。よほど気に入られたようですね?これは食堂で料理人に声をかければいつでも出してくれますから、おあがりになりたくなりましたらご自由にどうぞ」
「いつでも?いつでも食べさせてくれる?本当に?」
「ええ、本当ですわ。私も大好きで、ティータイムは先ほどのクレーメがけのパンケークかこのぷるんを頂きますのよ」
その贅沢さに、久しく貴族らしい生活を忘れていたデーリンは圧倒されていた。
夕方、ドレイファスたちが学院から戻って来ると、早速ドレイファスが客間を訪ねた。
「先生、今よろしいでしょうか」
「ドレイファス様、おかえりでしたか」
「はい。先程帰りました。あの、せっかくなので植物について教えてほしいんですが今日からでもいいでしょうか」
やる気満々の公爵令息を前に、否ということはない。
まして契約済なのだ。
「どうぞ」
座っていたソファの向かい側を掌で示し、自分もずれて向かい合って座ると、ドレイファスが切り出してくる。
「まず、世界のどこにどんな植物が生えるのかがわかる地図を作りたいんです!」
「地図?」
「そうです。そうすればあれが欲しいと思ったときにすぐに手配できますよね?それと群生地」
確かにそうだが、そんなもの作るのが大変なだけではとデーリンは首を傾げる。
「その場所の土の成分や天気の特徴なんかを一目でわかるように整理して」
ドレイファスの話しはどんどんと熱を帯びていく。
「それが食べられるのか、食べられるならレシピとかも」
デーリンの心に引っかかるワードが発せられた。
「食べられる?」
「はい、食べられるもの食べられないもの、薬や毒もわかる地図を作りたいです」
「いいですね!・・・膨大な調査が必要になりそうだが、まずは領内の地図に取り組んでみましょうか」
広大な公爵領内の植物分布を地図に起こすなど、一月ではとても足りそうにないと、チラリと頭を掠めた。
公爵家のレシピだけでも自分も知らない物が次から次から出てくるのだ。詳細に調査したら、実は食べられる、実はすごく美味しいものがもっと見つかるかもしれない。
そう考えたら、好奇心は止められなかった。
─長い付き合いになりそうだ─
しかし養う家族がいるわけでもない気楽な身。
論文すら出せなければ医学院の椅子を失うかもしれないが、何故だかそれもどうでもよいような。
楽観的な気持ちになり始めていた。
その夜ドリアンに、今後の勉強とそれに伴うフィールドワークについて説明した。
一通り説明し終えた時、ドリアンがドレイファスに奇妙なことを訊ねる。
「デーリンに畑のことは話したのか?」
「まだです」
「そうか。もう神殿契約も済ませているから、構わないぞ。ああ鍵魔法を頼んでおいてやろう」
「はいっ、お願いします」
父子の間ではそれで通じるらしいが、デーリンには何のことだかわからない。
よほど変な顔をしていたのだろう、気づいたドリアンが吹き出した。
「明朝デーリンにも説明するが、今夜は間に合わないのでな、悪いが悶々としたまま一晩過ごしてくれ」
「そんなあ!」
こどものような悲鳴をあげるデーリンに、ドレイファスもちょっとこどもっぽいと笑いを堪える。
「いや、これは言葉で説明してもわからんと思うんだ。一晩待てば明日には間違いなくわかることだから我慢してくれ。ドレイファス、今夜のうちにカイドに手配しておくから、明朝デーリンを連れて行ってやれ」
気のせいか、ドリアンがニヤッとしたように見えたが、訊ねる間もなくドレイファスに腕を取られてしまう。
「デーリン、明日は寝坊しないよう今夜は早く休めよ」
最後の一言は余計だと睨みつけたが。
ドリアンは俯いて肩を揺らしていた。
翌朝。
朝食前にドレイファスが護衛のレイドを連れて、デーリンを迎えにやってきた。
「先生おはようございます!ドレイファスです。せっんせいっ!」
一際大きな声で呼ばれ、慌てて起き上がるデーリンは今朝も寝坊である。
「い、今行きますっ」
ボサボサの寝癖はそのままに、とりあえず着替えだけして廊下へと飛び出していくと、完璧に身繕いしたドレイファスが待ち侘びていた。
「お待たせして申し訳ないっ!」
「大丈夫です!では行きましょう先生」
とてもうれしそうなドレイファスに連れられて、向かったのは屋敷の一番奥。
ドリアンと一人の男が立っていた。
「デーリンおはよう」
「おはようございます」
幼馴染から雇い主に、明確に態度が切り替わったデーリンに、満足気なドリアンがカイドを紹介した。
「鍵魔法をかけるカイドだ。とりあえず一日の鍵でいい。様子を見て少しづつ長くしていけばいい」
「かしこまりました」
カイドと呼ばれた男は、デーリンに向けて何かを呟いた。
じわっと何かが自分に触れ、包み込まれた気がする。
「それではこちらへどうぞ」
扉を開けると地下に下りる薄暗い階段が見える。
「え?ここ?」
「はいっ!ここを行きますよ先生」
暗がりに怯んだデーリンだが、元気いっぱいのドレイファスに手を引かれ、渋々階段を下りていった。
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