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185 カルルドの気持ち
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ヨルトラは、想像していたとおりの答えをドリアンに届けに行った。
「うむ、そうかそうか。それならよかった。ランカイドも嫌とは言うまい」
ソイラス子爵は豊かな貴族である、数年後の婚姻の際には相当な持参金を持って現れることだろう。
ドリアンから呼び出しが来て、ランカイドが公爵家を訪れると、ご機嫌なドリアンとマーリアルに迎えられた。
不審に思うランカイドを見極めたようなマーリアルが、まったくなんということもないという体で話を切り出した。
「カルルドに婚約を勧めたい相手がおりますの」
ど直球である。
「カルルドにですか?」
「ええ。なかなかよいお話ですわよ。カルルドもきっと喜びますわ」
「カルルドがですか?」
ランカイドの知る限り、今のところ蜂にしか興味がないようなのだが。
疑うような目にマーリアルが笑う。
「大丈夫ですわ、お帰りになったらカルルドに訊いてみてくださいな。ソイラス子爵家のモルトベーネ嬢は如何かとお訊ねになってね」
「は、はあ」
─ソイラス子爵家?
傘下に入った貴族の一つ。
北西部に領地を持ち、確か結構富裕な一族だったはず。
どこかの夜会で会った記憶があるが、よく思い出せない。そこの令嬢とカルディにどんな繋がりがあってこの話が来たのだろう?─
帰りの馬車で考えるも答えは出ないまま。子爵家の屋敷に着くとエミル夫人を執務室に呼んだ。
「ドリアン様のお話はどんなことでしたの?」
「カルディの婚約だと」
「まあ!マーリアル様かしら?」
ふたりは目配せし合う。
間違いなくドリアンよりマーリアルの方がそういった分野では暗躍しそうである。
「だろうな」
「お相手はどちらの方と?」
「ソイラス子爵家の令嬢をどうかと」
「あら!そうでしたか。それならカルディもいやとは言わないかもしれませんわね」
ランカイドが不思議そうな顔をエミルに向けた。
「ソイラス家の令嬢を知っているのか?」
「ええ。カルディの同級生ですわ。ドレイファス様の茶会でもソイラス子爵夫人とご令嬢とご挨拶致しましたのよ」
「じゃあエミルは賛成?」
「そうですわね、カルディがいいと言えばの話ですけれど賛成ですわ。
とっても元気の良いご令嬢で、虫も怖くないらしいとカルディから聞いたことがありますの。相性の良いご令嬢かもしれませんわよ」
珍しく饒舌なエミルからいろいろと聞かされ、初めて知ることが多くあった。
「とりあえず、カルディを呼んで話してみよう」
「万一カルディが嫌だと言ったら、お断りなさいますの ?」
「ううむぅぅ、ドリアン様までが乗り気なんだ。難しいかもしれんな」
カルルドが呼ばれ、ランカイドとよく似た顔をひょこっと覗かせる。
「お呼びですか?」
ランカイドが手招きしてそばに座らせた。
「折り入って話があるんだ」
利発そうな瞳で父を見上げる10歳の次男に、言い辛いような気がして切り出せずにいると
「カルディ、同じクラスにソイラス子爵様のご令嬢がいらしたわよね?」
エミルが切り込んだ。
「モルトベーネ嬢のことですか?」
「そう!モルトベーネ嬢ってどんなご令嬢なのかしら」
「んー、面白いですよ。蜂でも芋虫でも蝶でも全部手掴みしちゃってすごいんです!」
虫も掴めると聞いてはいたが、その話はランカイドとエミルの想像以上だった。
「そ、そう」
「学院でも庭園で一緒に虫捕りするのですが、モルトベーネ嬢の方がたくさん採ったりして、びっくりしちゃうんです」
「そうなのか!」
一体どんなお転婆令嬢なのだろうと、夫妻は視線を交わし合う。
「そんなご令嬢は他にはいないし、とにかくすっごく面白いんです」
エミルが目配せをし、ランカイドが頷く。
「そうか。・・・なあカルディ?そろそろ婚約者を決めようかと思うんだが」
「えっ!!」
「貴族としては決して早くはないぞ」
ついに来てしまった。
カルルドは呆然としながらも、父の次の言葉を待った。
早くから親に将来を決められてしまうのは貴族のこどもの宿命である。仕事も親のあとを継ぐしかないことだってあるが、幸いカルルドは既にトロンビーと出逢っていて研究者の道を爆進中である。
「ドリアン様からご提案があってな。今話にあがったソイラス子爵家のご令嬢をどうかと」
びっくりした顔を上げたカルルドの脳裡にシエルドの言葉が蘇っていた。
『知らない変な令嬢より仲よしの令嬢のがいいに決まってる』
「お、お父さま」
「いやか?ドリアン様がとても乗り気で」
「いえ、いいと思います。それに」
「ん?何だね」
「あ、いや、なんでも」
モルトベーネとならずっと楽しく一緒に居られそうだと思ったことなど、恥ずかしくて言えなかった。
「では話を進めてもよいのか?」
「・・・はい」
照れくさそうな、ちいさなちいさな声だったが、ランカイドにははっきりと聴こえた。
「そうか・・・。ではドリアン様にお願いしておこう」
エミルやマーリアルが言ったとおり、カルルドは嫌がるどころか、頬を赤らめて了承した。
次男は蜂さえいればいいのだろうと思っていたランカイドは、嫡男エーメがいつまでも相手が決まらないのに余裕で先を越していくカルルドを複雑な思いで見つめていた。
「明日ドリアン様にお会いしてくるが」
胸中がなんとなく靄つくランカイドの様子に、エミルが訊ねる。
「何か心配ごとですか?」
「んー、いや、エーメも決まっていないのになあと思ってな」
嫡男エーメは17歳になる。
そろそろ婚約者がいないとおかしい年頃なのだが、見た目普通、今や人気のスートレラの嫡男でありながらなかなか決まらないのは、はちみつのせいでもあった。
エーメは自らはちみつを持ち、貴族に売り込みに回っている。
グゥザヴィ商会との取引や交渉は、決してスートレラに不利になるような契約にはならないのだが、領主代理として取引には必ず立ち会って流れを把握し、自らランカイドに報告しているのだ。
商人さながらのエーメを知ると、所謂商会長の妻が当たり前のように行っている仕事を自分もやらされるのではないかと、相手が尻込みしてしまう。
もちろんその度にそんなことはさせないと伝えるのだが、ここまでのすべての申込みに全敗していた。
「エーメが心配だ」
ランカイドの言葉に、エミルが思いついたように言う。
「そうだわ!エーメのこと、ドリアン様とマーリアル様にお願いしてみたらどうかしら」
マーリアルのことだ。
頼まれたらさぞ楽しそうに、自分が見込んだ令嬢を探し出すに違いないとエミルは確信があった。
「そんなことをおふたりに?」
「カルルドとソイラス様のご令嬢のことも、傘下貴族のためにと自発的に一肌脱いでくださったのですもの。傘下の嫡男の縁組ならなおのこと、重要と考えてくださるのてはないかしら」
言われてみればそのとおりだと頷く。
「エーメのお相手が決まるまで、カルルドの婚約をお待ち頂けるかも訊いてきてくださいませ」
おとなしいが芯のしっかりしたエミルがいろいろと指示を出すと、ランカイドは先ほどまでの不安や緊張が、嘘のように消えていくのを感じた。
「うむ、そうかそうか。それならよかった。ランカイドも嫌とは言うまい」
ソイラス子爵は豊かな貴族である、数年後の婚姻の際には相当な持参金を持って現れることだろう。
ドリアンから呼び出しが来て、ランカイドが公爵家を訪れると、ご機嫌なドリアンとマーリアルに迎えられた。
不審に思うランカイドを見極めたようなマーリアルが、まったくなんということもないという体で話を切り出した。
「カルルドに婚約を勧めたい相手がおりますの」
ど直球である。
「カルルドにですか?」
「ええ。なかなかよいお話ですわよ。カルルドもきっと喜びますわ」
「カルルドがですか?」
ランカイドの知る限り、今のところ蜂にしか興味がないようなのだが。
疑うような目にマーリアルが笑う。
「大丈夫ですわ、お帰りになったらカルルドに訊いてみてくださいな。ソイラス子爵家のモルトベーネ嬢は如何かとお訊ねになってね」
「は、はあ」
─ソイラス子爵家?
傘下に入った貴族の一つ。
北西部に領地を持ち、確か結構富裕な一族だったはず。
どこかの夜会で会った記憶があるが、よく思い出せない。そこの令嬢とカルディにどんな繋がりがあってこの話が来たのだろう?─
帰りの馬車で考えるも答えは出ないまま。子爵家の屋敷に着くとエミル夫人を執務室に呼んだ。
「ドリアン様のお話はどんなことでしたの?」
「カルディの婚約だと」
「まあ!マーリアル様かしら?」
ふたりは目配せし合う。
間違いなくドリアンよりマーリアルの方がそういった分野では暗躍しそうである。
「だろうな」
「お相手はどちらの方と?」
「ソイラス子爵家の令嬢をどうかと」
「あら!そうでしたか。それならカルディもいやとは言わないかもしれませんわね」
ランカイドが不思議そうな顔をエミルに向けた。
「ソイラス家の令嬢を知っているのか?」
「ええ。カルディの同級生ですわ。ドレイファス様の茶会でもソイラス子爵夫人とご令嬢とご挨拶致しましたのよ」
「じゃあエミルは賛成?」
「そうですわね、カルディがいいと言えばの話ですけれど賛成ですわ。
とっても元気の良いご令嬢で、虫も怖くないらしいとカルディから聞いたことがありますの。相性の良いご令嬢かもしれませんわよ」
珍しく饒舌なエミルからいろいろと聞かされ、初めて知ることが多くあった。
「とりあえず、カルディを呼んで話してみよう」
「万一カルディが嫌だと言ったら、お断りなさいますの ?」
「ううむぅぅ、ドリアン様までが乗り気なんだ。難しいかもしれんな」
カルルドが呼ばれ、ランカイドとよく似た顔をひょこっと覗かせる。
「お呼びですか?」
ランカイドが手招きしてそばに座らせた。
「折り入って話があるんだ」
利発そうな瞳で父を見上げる10歳の次男に、言い辛いような気がして切り出せずにいると
「カルディ、同じクラスにソイラス子爵様のご令嬢がいらしたわよね?」
エミルが切り込んだ。
「モルトベーネ嬢のことですか?」
「そう!モルトベーネ嬢ってどんなご令嬢なのかしら」
「んー、面白いですよ。蜂でも芋虫でも蝶でも全部手掴みしちゃってすごいんです!」
虫も掴めると聞いてはいたが、その話はランカイドとエミルの想像以上だった。
「そ、そう」
「学院でも庭園で一緒に虫捕りするのですが、モルトベーネ嬢の方がたくさん採ったりして、びっくりしちゃうんです」
「そうなのか!」
一体どんなお転婆令嬢なのだろうと、夫妻は視線を交わし合う。
「そんなご令嬢は他にはいないし、とにかくすっごく面白いんです」
エミルが目配せをし、ランカイドが頷く。
「そうか。・・・なあカルディ?そろそろ婚約者を決めようかと思うんだが」
「えっ!!」
「貴族としては決して早くはないぞ」
ついに来てしまった。
カルルドは呆然としながらも、父の次の言葉を待った。
早くから親に将来を決められてしまうのは貴族のこどもの宿命である。仕事も親のあとを継ぐしかないことだってあるが、幸いカルルドは既にトロンビーと出逢っていて研究者の道を爆進中である。
「ドリアン様からご提案があってな。今話にあがったソイラス子爵家のご令嬢をどうかと」
びっくりした顔を上げたカルルドの脳裡にシエルドの言葉が蘇っていた。
『知らない変な令嬢より仲よしの令嬢のがいいに決まってる』
「お、お父さま」
「いやか?ドリアン様がとても乗り気で」
「いえ、いいと思います。それに」
「ん?何だね」
「あ、いや、なんでも」
モルトベーネとならずっと楽しく一緒に居られそうだと思ったことなど、恥ずかしくて言えなかった。
「では話を進めてもよいのか?」
「・・・はい」
照れくさそうな、ちいさなちいさな声だったが、ランカイドにははっきりと聴こえた。
「そうか・・・。ではドリアン様にお願いしておこう」
エミルやマーリアルが言ったとおり、カルルドは嫌がるどころか、頬を赤らめて了承した。
次男は蜂さえいればいいのだろうと思っていたランカイドは、嫡男エーメがいつまでも相手が決まらないのに余裕で先を越していくカルルドを複雑な思いで見つめていた。
「明日ドリアン様にお会いしてくるが」
胸中がなんとなく靄つくランカイドの様子に、エミルが訊ねる。
「何か心配ごとですか?」
「んー、いや、エーメも決まっていないのになあと思ってな」
嫡男エーメは17歳になる。
そろそろ婚約者がいないとおかしい年頃なのだが、見た目普通、今や人気のスートレラの嫡男でありながらなかなか決まらないのは、はちみつのせいでもあった。
エーメは自らはちみつを持ち、貴族に売り込みに回っている。
グゥザヴィ商会との取引や交渉は、決してスートレラに不利になるような契約にはならないのだが、領主代理として取引には必ず立ち会って流れを把握し、自らランカイドに報告しているのだ。
商人さながらのエーメを知ると、所謂商会長の妻が当たり前のように行っている仕事を自分もやらされるのではないかと、相手が尻込みしてしまう。
もちろんその度にそんなことはさせないと伝えるのだが、ここまでのすべての申込みに全敗していた。
「エーメが心配だ」
ランカイドの言葉に、エミルが思いついたように言う。
「そうだわ!エーメのこと、ドリアン様とマーリアル様にお願いしてみたらどうかしら」
マーリアルのことだ。
頼まれたらさぞ楽しそうに、自分が見込んだ令嬢を探し出すに違いないとエミルは確信があった。
「そんなことをおふたりに?」
「カルルドとソイラス様のご令嬢のことも、傘下貴族のためにと自発的に一肌脱いでくださったのですもの。傘下の嫡男の縁組ならなおのこと、重要と考えてくださるのてはないかしら」
言われてみればそのとおりだと頷く。
「エーメのお相手が決まるまで、カルルドの婚約をお待ち頂けるかも訊いてきてくださいませ」
おとなしいが芯のしっかりしたエミルがいろいろと指示を出すと、ランカイドは先ほどまでの不安や緊張が、嘘のように消えていくのを感じた。
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