一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?

たまご

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最終章 望む世界。

望みどおりに。

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 キングの〈空間転移〉で森へやってきた。

 まだ夕暮れ前で時間がある。
 テントを張って、少し休んでおこうかな。

「ん?」

 猫達が、目をきらきらさせながら私を見上げていた。

「いいよ、行っておいで」

 そう言うと、猫達は我先にと森の中に駆け出していった。

「あんまり遠くまで行かないでよ!」

 とは言ったものの、ムダだろうな。
 仕方がない。
 こういうのは久しぶりだからねぇ……。

 まぁ、この森にいる魔物くらいなら私だけでもなんとかなるだろうし。
 さて、私もテントの中でゆっくりするとしますか。
 
 コーヒーを淹れ、お気に入りの焼き菓子を用意する。
 一口飲んで、息をついた。
 コーヒーは、以前女神様が猫達のご飯をあちらの世界から仕入れる時に、おまけとしてくれたものだ。
 今は女神様も大変なようだから、猫達のご飯を手に入れてくれるだけでもありがたい。

「…………」

 状況が大きく変わった。

 国や都市がこぞってドワーフ達の造る武器や魔道具を求め、それが元で大小さまざまなもめ事が起こっているらしい。
 サナやナルシはそれに巻き込まれるような形になっていて、今は身動きが出来なくなっている。

 エルフは長達の意思により、前と同じように、いや、前よりも他種族との交流をしなくなっていた。
 自分達の住む翡翠の森を守る事を最優先とし、遊撃部隊の派遣も見送るようになった。

 このままでは、いずれ……。

 私は大きく息を吐き出した。

 人々は断絶し、やがてゆっくりとこの世界は衰退していくのだろう。
 残るのは歯向かう心をへし折られた人々だ。
 そして、彼らは「全てを運命だと思って受け入れる」ようになる。

 運命神の望みどおりに。

「…………」

 むかつく。すっげぇ、むかつく。

 何が運命神だ。
 単に、世界が自分の思い通りにならないのが気に入らないだけの話だろうが!
 ほかの神様達が直接手出しが出来ないのをいいことに、むりやり自分の望みどおりの世界を創ろうとしているのだ。

 一人でやってろ、ばか神!

 ミーコさんは、運命神の《ことわり》を書きかえる猫を探していて、うちの猫達を見つけた。

「……やってやろうじゃないの」

 私と猫達が、運命神の《ことわり》を書きかえてみせる。
 運命神の思い通りになんか、させてやるもんか!








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