一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?

たまご

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第8章 運命神の《ことわり》。

集中してください。

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「フラー?」

 エルフ達が空を見上げながら首を傾げる。

「災いを呼ぶ鳥って言われている」

 羽毛は青く、尾羽の先だけが白い。
 巨大な凶鳥の群れだ。

「家畜も作物も、それに人も食べる」

「人を喰うのか……!」

「一羽でも逃がしたら大変な事になるな」

 ただ、ドラゴンなどとは違ってただの鳥だ。
 うちの猫達なら狩るのは簡単だ。

 だが、以前よりも更に数が多い上に魔物達の群れもいる。

「狩ればいいのか」

「なら、我らエルフも得意だ」

 弓矢を手にしたエルフ達が、誇らしげに胸を張る。

「じゃあ、そっちはお願い」

「任せておけ」

 無限収納からドラゴンちゃんを呼び出す。

「りゅうたろう!」

 私の声に振り返ったりゅうたろうが、ひらりとドラゴンちゃんの背中に飛び乗った。
 そのままドラゴンちゃんは空へと舞い上がり、フラーの群れへと立ち向かっていく。

「合わせろ!」

 エルフ達が弓矢をかまえる。

 りゅうたろうを乗せたドラゴンちゃんはフラーの周囲を飛び回り、群れを固まりにする。

「放て!」

 魔力を込めた矢がフラーの群れを射ぬく。
 ばたばたと落ちていくフラーに、りゅうたろう達がとどめをさした。

 よし、あっちは大丈夫そうだな。

「みんな、いくよ!」

「にゃお……」

「……にゃん」

 ん?

 猫達から先ほどまでの勢いがなくなった。
 ちらちらとフラーを見上げている。

 まさか、フラーを狩りたい、とか……?

 いや、魔物に集中してくださいよ!
 私一人で倒せるわけないでしょうが!

 真面目に魔物退治にいそしんでいるのは、よつばだけだった。

 ああ、フラーは食べられないんだったな。
 というか、よつばがくわえているそれ、食べられるのか……。

「くぅ達は魔物を倒して!」

 しぶしぶといった感じで、猫達は魔物退治を再開した。
 おこんなどは諦めきれない様子で時折空を見上げている。

「にゃーおー……」

 面倒くさそうに、チャビが〈雷魔法〉を魔物達に落とす。

「あぉぉぉ!」

 りゅうたろうだけがフラーを狩っているのが気に入らないのか、くぅは私を睨みながら魔物達に炎をまとった岩を降らせている。

 キングはどうやら空を飛べる魔物がいないか物色しているようだ。
 影を操ってフラーを狩りに行こうとしているのだろう。

「真面目にやりなさい!」

 頼むから集中して!
 片手間で魔物退治しないでください!!





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