一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?

たまご

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第8章 運命神の《ことわり》。

共闘。

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 エルフ達が弓矢をかまえる。

「りゅうたろう、大きくなって」

 ひらりと肩から飛び降りたりゅうたろうは、地面に着くまでに虎ほどの大きさに姿を変えた。

「くぅ、チャビ、福助。魔法で攻撃」

「にゃお……」

 威厳たっぷりに、くぅが一歩前へと踏み出した。

「おこん、よつば、キング。無理しない程度で攻撃」

「にゃん!」

 やる気満々のおこんが、近くの木でばりばりと爪をといだ。

「せり」

「にゃあああ!」

 毛を逆立てたせりが大きな声で鳴いた。

 来たな!

「放て!!」

 エルフ達が一斉に矢を放つ。
 魔力を込めた矢は凄まじい早さで空を切り、魔物達の群れへと突き刺さった。
 矢から逃れた魔物達は怯むどころか、勢いを増しながら近付いてきた。

「もう一度!!」

 エルフ達が再び矢を放った。
 だいぶ数は減ったようだ。

「腹の底に、気合いを入れろ!」

 私の言葉にエルフ達が唇を引き結ぶ。

「くぅ!」

「うなぁぁぁぁおぅぅぅぅ!」

 くぅの雄叫びに、空気がびりびりと震えるようだった。
 くぅの〈威圧〉で、明らかに魔物達の勢いは衰えた。
 エルフ達は顔を青ざめさせながらも、何とか耐えてみせた。

「行くよ!!」

 私は大鎌を握り直した。

「くぅ!」

「にゃお!」

 くぅが〈剣魔法〉で作り出した数百の剣が、魔物に向かって放たれた。

「福助!」

「にゃ!」

 福助の回りをきらきらしたものが踊るように跳ね回った。
 福助の〈風魔法〉が、くぅの作り出した剣の速度を上げた。
 魔物達に剣が突き刺さる。

「チャビ!」

「にゃお!」

 チャビの〈雷魔法〉が、魔物に突き刺さった剣へと落ちた。
 焦げ臭い匂いをさせながら、魔物達が倒れていく。

「放て!!」

 エルフ達の放った矢が止めをさした。
 だが、魔物達の途切れる様子はない。

 おこんが魔物達の足元を素早くすり抜けながら、〈引っ掻き〉で麻痺させていく。
 りゅうたろうは魔物達の中に飛び込み、片っ端から前足で殴り飛ばす。
 よつばは〈魅了〉で魔物を操って同士討ちをさせ、キングは〈影魔法〉で拘束する。

 私は大鎌を振るって、魔物を倒していった。

「にゃあああ!」

 せりが空を見上げながら大きな声で鳴いた。
 黒い雲のようなものが近付いてきている。

 あれは。

「フラーか!」

 フラーの群れが、迫ってきていた。











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