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第6章 消えた村。

理由。

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「全てを、元に戻したいらしい」

 そう言って、ミーコさんはやれやれという風にため息をついた。

「それ、誰なんですか……?」

 一瞬、神様達は目を合わせた。

「運命神だよ」

 運命神……って、確か、山岳都市オニキスにさびれた神殿があったよな?
 何だっけ……。

「『全て、運命だと思って受け入れろ』……?」

 いやいや、言っている事とやっている事が違いすぎやしませんかね!?
 しかも、元に戻すって言いながら村を魔物に襲わせてどうするんだよ!

「暴走していると言えば分かりやすいかのぅ」

 農耕神様が困ったような表情を浮かべている。

「言っている事は前から変わっておらんのじゃが、手段を選ばんようになってしもうた」

 ……まさかとは思うが。

「真珠国の御神体や、エルフ達の虹雲の卵が盗まれたのは……」

「あやつが、そそのかしたんじゃろうな」

 やっている事がメチャクチャだろ!

 いや、待て。
 守護するものを奪ってから、黒い霧で魔物をおびき寄せるつもりだったのか?
 じゃあ、何で普通の村が魔物に襲われた……?

「今じゃ、この世界の半分は異世界にルーツを持っていてねぇ」

 まさか、それを全滅させるつもりだった……!?

「すでに、やつは《ことわり》を書きかえてしもうたようじゃからな」

 そう言って、火の神様はため息をついた。

「《ことわり》って、何の事ですか?」

「分かりやすく言えば、運命神の書いた筋書きってところだな」

 私の質問に海神様が答えてくれた。

 んー?
 運命神には、この世界の未来を決める事が出来るという力がある。
 そして、世界の半分を滅ぼそうとしている……。

 うん、分かった。ここまでは理解した。

 多分、前にラーラ達が言っていた「《ことわり》をはずれたもの」とは、運命神にとって滅ぼすべきものという意味なのだろう。

 おそらく、ラーラ達の村は違う世界にルーツを持つのだ。
「さきみ」の力を持っているラーラには未来が見える。
 だから、隠れて住んでいたのか。

「神様達でどうにか出来ないんですか?」

 私の言葉にミーコさんは顔をしかめた。

「運命神が書きかえてしまったようだからねぇ」

「神同士が干渉すると、力が大きすぎての」

「ほかの世界ごと消滅しかねんのじゃよ」

 つまり、手の出しようがない……?

「だから、必要だったのさ」

 そう言って、ミーコさんはじぃっと私の方を見た。
 いや、ミーコさんだけではない。
 海神様も農耕神様も火の神様も、みんな私の方を見ている。

 まさか……。

「猫が」

 ……………………。

 やっぱり、メインは猫だったのかよ!!








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