一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?

たまご

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第6章 消えた村。

急襲。

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「りゅうたろう、ドラゴンちゃんと上空で待機」

 ドラゴンちゃんの背中に、ひらりとりゅうたろうが飛び乗った。
 これで盗賊の気はそらせるだろう。

「せり、〈隠密〉」

 せりを抱きかかえる。
 せりと一緒に、私の姿も見えなくなったはずだ。

「キング、〈空間転移〉」

 村の中に移動すると、突然現れたドラゴンに大騒ぎになっていた。

「おかしら、どうします!?」
「ド、ドラゴンなんて、どうすりゃ……」

 上空ではドラゴンちゃんが旋回している。
 下からは、背中に乗っているりゅうたろうの姿は見えない。

「騒ぐんじゃねぇ!」

 座ったまま怒鳴り付けているあの男が、こいつらのリーダーか。

「村の連中を喰わせりゃいいだろ。腹一杯になりゃ帰るさ」

 そう言って、品のない笑い声をあげた。

 ……クズだな。

「頼む! 村のみんなには、手を出さないでくれ!」

 縛られていた男の人達が叫んだ。
 顔が腫れ上がり、身体中アザだらけだ。
 足が変な方向に曲がっている人もいた。

 チャビがちらちらと私の顔を見た。
 うん、分かってる。
 私はチャビの頭を撫でた。
 もう少しだけ、待っていて。

「もちろん、一番最初に喰わせるのはお前らだ」

「……」

「逆らったら、あいつらのいる建物に火をつけるからな」

 人質がいるのか。

 男の人達は、悔しそうに盗賊どもを睨み付けた。

「なんだ、その目は!」

 蹴られた男の人が吹っ飛んだ。

 !
 
 いや、まずは人質を解放してからだ。

「よつば、村の中にいるやつらを〈魅了〉」

 村人は閉じ込められているようだから、今いるのは全て盗賊の一味だろう。

 よつばは、もふもふのしっぽをぴんと立てて歩きだした。

「あん、なんだ、ありゃ?」
「猫じゃねぇか、ほっとけ」

 こういう時、猫はいいな。
 怪しまれずにすむ。

 しばらくして、よつばが戻ってきた。

「にあん!」

 よし、終わったか。

「行くよ!」

 突如、姿を現した私達に盗賊どもはぎょっとした様子だった。

「な、なんだ!?」
「てめえ、どっから来やがった!?」

 答える義理はないな。

「チャビ、〈雷魔法〉!」

「にゃお!」

 轟音と共に、雷が落ちた。

「おこん、行け!」

 おこんが盗賊どもを引っ掻いて回る。
 チャビの〈雷魔法〉とおこんの〈引っ掻き〉を組み合わせると、麻痺の確率がほぼ百パーセントになるのだ。

「こいつ、《猫を連れた冒険者》か!」
「逃げろ!!」

 おこんが引っ掻きそこねた連中が慌てて逃げ出した。

 橋もないのに、どこに逃げる気だ。
 まぁ、逃がす気もないけどな。

「キング、〈影魔法〉で拘束!」

「にゃう!」

 キングが鳴くと、盗賊どもの影が地面に張り付いたように動かなくなった。
 それと同時に、本体も一歩もそこから動けなくなった。

 あとは。

「くぅ、やっておしまい」

「あぉぉぉ!」

「あれは、まさか、《黒の魔王》!?」
「ひぃぃ!」

 盗賊どもに、容赦なく火をまとった岩が降り注ぐ。

「ぎゃあああ!」
「助けてくれー!!」

 ふむ、駆除完了だな。













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