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第6章 消えた村。

依頼の増加。

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「つかささん、ギルドからの指名依頼があります」

 受付の女の子が、書類を出してきた。

「ギルドからっていう事は、また調査?」

「はい。いつもなら川向こうの村から品物を売りに来る時期なのに誰一人来ない、と」

 近くの街からギルドに連絡があったらしい。

 最近、この手の依頼が受ける事が多い。

 一瞬で遠くまで行き来が出来て、戦闘能力も申し分なく、なおかつ回復も出来る。
 そんな連中を遊ばせておく道理はない、とここのギルドマスターは豪快に笑って言った。
 無限収納があるから、物資の運搬も可能だ。

 まぁ、どこかのアホな金持ちにドラゴンを生け捕りにしてこい、と言われるよりはましだしな。
 ちなみに、その金持ちはよつばの〈魅了〉で、身寄りのない子供を保護している施設に財布の中身を全て寄付させた。
 どうやら全財産の三分の一を持ち歩いていたらしく、しばらく寝込んだらしい。

「川向こうっていう事は、橋が落ちたとかもあるよね?」

「そうですね。川の氾濫や土砂崩れなどの可能性もあります」

 魔物ならギルドの管轄だが、自然災害は街や国が対応に当たる。

「その場合は?」

「住人の安否を確認しだい、ギルドに戻って状況を報告して下さい」

 あとはギルドが引き継いでくれるらしい。

「分かった。この依頼、引き受けました」

「お気をつけて」

 キングの〈空間転移〉で、川の近くまで移動した。

 川の流れは思っていたよりも早い。
 橋は向こう側から落ちたらしく、こちらの方に残骸がぶら下がっていた。

「あー、やっぱり橋か」

 この世界の通信技術は、向こうと比べるとだいぶ遅れている。
 橋が落ちて孤立し、外部と連絡が取れなくなったのだろう。

 んー?
 氾濫したってわけでもなさそうだが。

 せりがイカミミの警戒状態になった。
〈気配察知〉だ。

 ……この感じだと、盗賊か。 

 わざわざこんな辺鄙な場所に来て、ご丁寧に橋まで落としている。
 おそらく、お尋ね者だろう。

「……急いだ方がいいな」

 村人を救出しつつ、盗賊を捕まえなくてはならない。
 さて、どうするか。

 ふ、とため息が出た。

 私のスローライフは、いつになったら出来るのか……。




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