一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?

たまご

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第5章 神の息吹。

再び。

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「帰る前に、わらわの加護を授けよう」

「……え?」

 いや、待って!
 すでに「精霊の加護」持ちのくぅに、火の神様の加護までついたらエラい事になる!
 世界が燃えつきる!!

「心配せずともよい。お主や猫達に、魔法が効きにくくなるだけじゃ」

 つまり魔法耐性がつくという事か。
 それなら、ありがたく受け取ろう。
 くぅ以外は魔法耐性なかったし。

「それと、これを持っていくがよい」

 そう言って、火の神様が取り出したのは赤く光る結晶だった。

「炎水晶ですか?」

「魔炎石じゃ」

 初めて聞いたな。

「それ一つで、国が買えるぞ?」

 受け取った私に、火の神様は悪戯っぽく笑ってみせた。

「……は?」

「まぁ、あれじゃ。サナとナルシを救ってくれた礼じゃ」

 そう言った火の神様が本当に優しそうに笑ったので、断りきれなかった。
 少し面倒くさいけど、火の神様はサナ達が大事でたまらないのだろう。

「ありがとうございます」

「ナロクの所に行って、武器と合成してもらうがよい」

 並みの鍛冶師では、扱いが難しいらしい。

 ……でも、私の武器ってナイフと草刈り鎌くらいなんだけど。

 んー?

 草刈り鎌に火属性をつけたら、雑草の根まで焼ききれるから意外といいかも?
 いや、でも、それってもはや武器じゃないような……。

 まぁ、いいか。

「ありがとうございました」

「うむ。また来るがよい」

 ものすごくヒマな時に、またお邪魔しますね?

 ナロクの所に向かう前にスキルを確認する。

「火の神の加護」 魔法耐性。

 うん、私にも猫達にもついているな。

 元々、魔法耐性を持っていたくぅは「魔法無効」になっていた。
 ますます魔王に近づいているな……。
 その内、最終形態とかありそうだ。
 ……くぅだと、冗談で終わらなさそうなところが怖い。

 カンカンと金属を叩く音が聞こえてきた。

 ここが、ナロクの工房か。

「こんにちは」

 中に入ると、むわっとするような暑さだ。

「おぅ、お前さんはサナ達の友達の……」

 チャビの暴走で若返ったナロクには、ここ百年ほどの記憶がない。
 どういうわけか、サナ達の事だけは覚えていたが、私に二人の捜索を依頼した記憶はなかった。

「《猫の冒険者》じゃな!」

 うん、微妙に違う。
 相変わらずだ。

「魔炎石との合成をお願いしたいんですが」

「ほぅ、魔炎石か」

 珍しいものを持ってきたな、とナロクは目を輝かせた。

「よし、引き受けた」

 ところで、とナロクは私の顔を見た。

「サナ達には、最近会ったか? 怪我なんぞ、しとらんかったか?」

「……」

「冒険者として売れてきたせいか、あまり帰って来んのじゃよ。まぁ、サナ達なら大丈夫じゃとは思っているんじゃが」

 ……ここにもいたか。

「よつば、〈魅了〉!」










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