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第5章 神の息吹。

猫です。ぱーとふぉー。

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「魔物の買い取りをお願いしたいんですけど」

 火の神様に会うため火山都市ガーネットにやって来たのだが、その前にギルドに立ち寄った。

「はい、どうぞ」

 若いドワーフがにこにこしながら、カウンターの上の物を脇に寄せた。

「……あー、多分、乗らないと思うんですけど」

「あ、そうですか、すみません。じゃあ、床でも大丈夫ですよ?」

 うーん。これは、はっきり言った方がいいか……。

「ドラゴンなんですけど」

「……え?」

 一瞬ぽかんとしたあと、若いドワーフは、ああ、と頷いた。

「鱗とか牙ですか? いや、翼とかしっぽだと大きいですね」

「本体です」

「…………え?」

 片方の翼はりゅうたろうが噛みちぎったのでぼろぼろだが、全体としては状態がいいはずだ。

「あの、お一人で、ドラゴンを……?」

「いえ、猫です」

「……………………え?」

「うちの猫が、狩りました」

「ね、こ……?」

 ああ、これは完全に理解の範疇を越えたな。
 仕方ない。

「ギルドマスターに、《猫を連れた冒険者》が来たと伝えて下さい」

「は、はい……」

 ごめんな、若いドワーフくん。
 新人さんっぽいのに、変なのが来て。

「おう、お前さんか」

 以前、サナ達の捜索依頼を受けた時に二人の養い親であるナロクと口論していたドワーフのギルドマスターが、奥から顔を出した。

「お久しぶりです」

「そういや、お前さんのおかげで噴火を防げたんだって?」

 ありがとうな、とギルドマスターは笑った。

「いや、うーん、あれも猫が……」

「で、魔物の買い取りだって?」

 マイペースだな、おい。
 まぁ、いいけど。

「ドラゴンなんですけど、どこに出したらいいですか?」

「ドラゴン? まるごとか?」

「はい」

 そりゃすげぇな、と言ってギルドマスターはあごを撫でた。

「ギルドの中じゃ無理だしなぁ」

「ですよね」

 よし、とギルドマスターは膝を打った。

「広場でやるか」

「ええ? 大丈夫なんですか?」

「ドラゴンなら素材として欲しがるやつも多いから、皆の前でやった方がいいだろ」

「ああ、なるほど」

 ここガーネットは、鍛冶師や細工師が多い。
 ドラゴンはめったに獲れないので、欲しがる人はいるだろう。

 あまり目立ちたくはないが。
 まぁ、今さらか。
 この先もドラゴンを獲ってくる事は増えるだろうから、今のうちに慣れておこう。

 りゅうたろう達に先を越されたくぅが、やる気満々なんだよな……。








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