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第4章 地下迷宮。

それでも。

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「あれ? でも、チャビさんの暴走に巻き込まれると、記憶も消えるんじゃ……?」

 ナロクが若返った話をすると、女神様は首を傾げた。

 そうなのだ。
 ドワーフの寿命がいくら長くても、記憶は消えてしまう。

 けれど。

「サナとナルシ以外の事は、百年くらい覚えていないんだって」

「お二人の事は覚えていたんですね」

 愛ですね! と女神様は目をきらきらさせて言った。

 愛、ねぇ……。
 サナ達が、火の神の娘の血をひいている事も関係あるかもしれないが。

 それでも。
 自分にとって一番大切なものだけは、残るのかもしれない。
 魔導の塔の連中には、何もなかったんだろう。

「私だと、猫か……」

 大体、転生の理由も猫だったしな。

「女神様。猫神様に会えないかな?」

「ちょっと、難しいかもしれませんね……」

 猫神様は、気まぐれにほかの世界と行ったり来たりしていて、所在がはっきりしないらしい。

 それで、決まった神殿もないのか。
 大体、どこの街に行ってもそれなりに信仰はされているようだが、クリスタルにある女神様の神殿のような立派な建物はなかった。

「どこの神殿でも大丈夫ですよ」

 女神様が、にこにこしながら言った。

 神様なので、どこからでも祈りは届くらしい。
 ただ、聞いてくれるかどうかは、猫神様の気分次第との事だ。

 人には、真珠国の神様の件を勝手に押し付けておいて……。

 まぁ、仕方がない。
 神様といえど、猫だもんなぁ……。



 
             第4章 完


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感想 9

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