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第4章 地下迷宮。

魔導人形。

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 何だ、これ。

 隠し扉を開けると、地面に巨大な魔方陣が描かれているのが目に入った。
 中心は、ずいぶん遠い。

 せりが振り返った。
 牙をむき出している。

〈気配察知〉? 今度は何だ?

「サナ! つかさ! 来るぞ、ゴーレムだ!」

 ナルシが叫ぶのと同時に、岩で出来たロボットのようなものが壁から現れた。

「りゅうたろう! せりをお願い!」

 りゅうたろうが、せりを守るようにゴーレムの前に立ちふさがった。

「くぅ!〈水魔法〉!」

 くぅのまわりに水が渦を作る。
 同時に、数百の剣が空中に現れた。
 水と共に勢いよく繰り出された剣が、ゴーレムの体を貫く。

 りゅうたろうが飛びかかり、ゴーレムの体にのしかかって砕いた。

 サナとナルシも、それぞれ武器をふるってゴーレムを倒している。

「隙をみて、逃げるぞ!」

 ナルシが叫ぶ。

「え?」
 
 りゅうたろう達が倒したはずのゴーレムの体が再生されていく!
 マズい、このままではキリがない!

 ……いや、待て。
 魔導人形、だよな?

 なら。

「よつば、ゴーレムを〈解除〉!」

 よつばが前足をちょいちょいと動かすと、ゴーレムががらがらと音を立てて崩れていった。

「つかさ達と一緒で助かったよ」

 ふぅ、とサナがため息をついた。

 あれ、なんだ……?
 今、何か……?

「ゴーレムは、この魔方陣を守っていた……?」

 せりが、魔方陣を前足でぱすぱすと叩いた。

「これは……」

 魔方陣の一部が消えている。

「これ、変じゃないかい?」

 サナが眉をひそめた。

 消えかたが不自然だ。
 まるで、削り取ったかのようだった。

 残っている部分を見てみると、▼■□●と書かれてあって読めない。
 これ、確か魔導の塔の時……。

「古代神語だね」

「え? サナ、読めるの?」

「いや。でも、兄貴は読めるよ」

 ナルシがしゃがんで、文字をのぞき込んだ。

「火の竜とのけん、いや、契約……。あとは、削られていて読めない」

 火の竜との契約?
 実際には、炎の竜は存在しないはずじゃなかったのか?

 せりが移動し、またぱすぱすと地面を叩いた。
 見てみると、そこも不自然に魔方陣が消えていた。

 サナ達と確認してみると、消えていたのはその二ヶ所だけだった。

「だけど、これ、誰かが意図的に消しているよね?」

「俺も全部は読めないが、おそらく大事な所だけ消してあるようだ」

 ……誰が、何のために?









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