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第1章 異世界探索。
初耳ですけど!?
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「皆さん、ご無事でなによりです」
「お騒がせしました……」
無事にくぅを回収した事を伝えるために、私達は女神様の神殿のある神聖王国クリスタルに来ていた。
キングの〈空間転移〉で一瞬だし。
くぅがされたであろう事を考えると、街を修復する気にはなれなかったが、大好きな姉猫のくぅと再会できたチャビがごろごろいい始めてしまったので、アレキサンドライトの街は真新しい状態になっている。
いつも通り街の人々が眠りこけている間に、私達はアレキサンドライトから逃げ出した。
……まぁ、ほかの人に罪はないからな。
「ところで、つかささん達はこれからどうします?」
「そうだねぇ……」
ずっと、ここにいてもいいんですよ、と女神様はりゅうたろう達に話しかけている。
まぁ、まったりと暮らすのも悪くはないけれど。
「とりあえず、大陸中を旅してみようかな」
猫達を探して右往左往していたから、のんびり見物も出来なかったし。
そう言うと、女神様は無言で私の持ってきたお土産へ視線を向けた。
い、いや、それは……。
…………。
自分だって「美味しいですね」って、嬉しそうに食べてたじゃないか!
「あと、猫神様にもお礼をしたいし」
猫達が無事だったのは、猫神様のご利益もあったのだろう。
「それはいいですね」
女神様がにっこりと笑う。
「つかささんを、この世界に転生させたのも猫神ですし」
「……え?」
転生って、女神様がさせてくれたんじゃなかったのか?
「私には、世界を越えて転生させるほどの力はありません」
ああ、そういや女神様は力があまり強くないとか言っていたな。
「でも、何で猫神様が?」
「つかささんが、亡くなる瞬間に猫さん達の事を考えたからじゃないですか?」
本来は猫の神ですし、と女神様はそう言った。
……そういうものなの?
「では」
女神様は膝をつき、祈るように手を合わせた。
私も、慌てて姿勢を正した。
「この者達の、この世界での幸運を!!」
第一章 完
「お騒がせしました……」
無事にくぅを回収した事を伝えるために、私達は女神様の神殿のある神聖王国クリスタルに来ていた。
キングの〈空間転移〉で一瞬だし。
くぅがされたであろう事を考えると、街を修復する気にはなれなかったが、大好きな姉猫のくぅと再会できたチャビがごろごろいい始めてしまったので、アレキサンドライトの街は真新しい状態になっている。
いつも通り街の人々が眠りこけている間に、私達はアレキサンドライトから逃げ出した。
……まぁ、ほかの人に罪はないからな。
「ところで、つかささん達はこれからどうします?」
「そうだねぇ……」
ずっと、ここにいてもいいんですよ、と女神様はりゅうたろう達に話しかけている。
まぁ、まったりと暮らすのも悪くはないけれど。
「とりあえず、大陸中を旅してみようかな」
猫達を探して右往左往していたから、のんびり見物も出来なかったし。
そう言うと、女神様は無言で私の持ってきたお土産へ視線を向けた。
い、いや、それは……。
…………。
自分だって「美味しいですね」って、嬉しそうに食べてたじゃないか!
「あと、猫神様にもお礼をしたいし」
猫達が無事だったのは、猫神様のご利益もあったのだろう。
「それはいいですね」
女神様がにっこりと笑う。
「つかささんを、この世界に転生させたのも猫神ですし」
「……え?」
転生って、女神様がさせてくれたんじゃなかったのか?
「私には、世界を越えて転生させるほどの力はありません」
ああ、そういや女神様は力があまり強くないとか言っていたな。
「でも、何で猫神様が?」
「つかささんが、亡くなる瞬間に猫さん達の事を考えたからじゃないですか?」
本来は猫の神ですし、と女神様はそう言った。
……そういうものなの?
「では」
女神様は膝をつき、祈るように手を合わせた。
私も、慌てて姿勢を正した。
「この者達の、この世界での幸運を!!」
第一章 完
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