千年の扉

桃青

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☆戸田稔の日記

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 俺は、・・・俺は遥さんの事が好きなのか?

 遥さんはきっと、今悩んでいる。彼女と話していると、その事がよく分かる。
 俺はそんな彼女に寄り添い、そしてそっと抱きしめて・・・って、

 待って!違うって!
 俺にはそんな不純な動機があるわけじゃない、ただ純粋に、彼女の力になりたいと思っているだけだ。
 ―いや、それとも下心があるのか、本当の所は・・・?

 くそ、自分で自分の心が分からない。
 誰かこの俺の走り出してしまった妄想を止めて欲しい。

 でも遥さんに対して、男としての妄想、それもセクシャルな妄想をした事があるのは認めるが、(認めるのかよ!)それ以上に、
 彼女を大切にしたいと俺は思っている。

 そう思う事が恋なのか・・・。
 ―これは恋なのか?

 俺は自分の中に、様々なエゴがあることを認めるよ。人を好きになったり、嫌いになったり。何かを大切にしたり、逆に見捨てたり。
 まぁ、そんな自分勝手な感情でさえも、永遠なんてものはなくて、川の流れのように常に流動しているわけなのだが・・・。

 でも彼女と俺の関係というのは、そんな俗っぽさの上で、通じ合う何かがあるような気がするのは、気のせいなの?
 
いや、それは単なる俺の思い込みなのか?

俺が今好きなアイドルの嵐の曲に、こんな歌詞があった。

あなたが望むなら、この身を捧げよう。
降りかかる悲しみを全て預けて。
春を迎えるように抱きしめあいとけてゆけるなら、―何もいらないのに。

・・・そう、今の僕はまさにこんな気持ちだ。この歌を、彼女に何も言えない僕は、せめて日記の中で、遥さんに捧げたいと思う。
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