りぷれい

桃青

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43.新世界へ

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 部屋の窓辺に立ち、ふと、窓の外を眺めた。外は暗い。それに対し、今私の家は明るく、温かい。この感じがずっと、永遠に続いたらいいと思う。でもそれは無理な願いだ。母と別れ、私はもう私の道を歩き始めている。しっかりと、確かに。もはや全てのことは、母のせいでも、父のせいでもなく、私次第になっているのだ。
(さようなら、お母さん)
 私はもう一度、この言葉を繰り返し、心の中で言ってみた。別離が違和感なく、しっかり私に染み込んでいく気がした。
 世界では色々な出来事や、様々な感情が存在していて、人は毎日そういうものにもみくしゃにされつつ、生きている。母がいるこの家族風景は、私にとってのベースであり、しかし真実はここではないどこかに存在している。
 そろそろそれを、探しに行くときなのかもしれない。

 世界という名のカオスへようこそ。
 そして幸せな幻に、別れを告げようじゃないか。

 ―ようこそ、現実世界へ。

 私は微かに笑った。それから胸に決意を抱きつつ、窓のカーテンを閉めた。
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