ネコと寄り道

桃青

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ロマンスの音

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 岬は人と一緒にいることも決して嫌いではないが、基本的に一人で生きていくことを愛していた。何もかも自分のことは自分自身で責任を負う、その姿勢が生きているという感じがして好きだったし、一人ならばそうやって人生を歩んでいくことに、横槍が入らないのも好きだった。それが原因なのだろうか、岬は過去に何人かの男性とお付き合いをしたが、結婚に至るまで話が進んだことがない。ある程度まで関係が進むと、いつしか岬は(もうおしまいにしよう)と思い始め、自ら別れを告げたり、また男性の方もごく自然な流れで岬から離れていくのだった。
 そんな自分の性を寂しいと思ったこともある。人間として欠陥している部分があるのではないかと考えたこともある。でも岬が岬らしくあることによって生み出されたこの現実を、否定するつもりはなかった。自己否定はなにも生み出さないものだ、屈折した喜び以外は。
 そして彼女は男の人とお付き合いをすることに、気がつくと消極的になっていた。もう四十歳になってシミが目立ち始めた自分が、若い女性の輝きに勝てるとは到底思えなかったし、男性の自分に対する態度も落ち着いたものになってきて、この先の人生で恋や愛で浮かれるようなことはないのではないかと、ぼんやりと考えていたのだった。

 岬は重いキャリーバッグを片手にエレベーターから出てきて、ネコの寄り道のドアの前に立ち、中に入っていったそのとき、ふと視線を感じて顔を上げると、ピカピカの笑顔を湛えた川本さんの存在に気がついた。岬は驚きながら軽く会釈をすると、キャリーバッグを受付の前に置いて彼の元へ行き、話しかけた。
「今日はどうされましたか」
「はいっ、あのですね、僕の……、僕の相談に来ました」
「何か悩みごとでも」
「そんなもので頭の中がうじゃうじゃしています。だから頭の整理ができたらいいな、と思って。高野さん」
「はい」
「高野さんが、……なんだっ、僕の相談相手になることって、その、」
「できますよ」
「そうか、よかった。じゃ、また後でよろしくお願いします」
「こちらこそ」
 そう言って別れを告げてから、再びキャリーバッグを持ち、事務室に入っていくと、和子と夏がにやにや笑って岬を見つめていた。
「二人ともどうしたの。少し薄気味悪い」
 そういう岬に彼女たちは顔を見合わせて口々に言った。
「夏、何かすがすがしいような、甘酸っぱいような、青春の香りがしないかい?」
「確かにネコの寄り道らしくない空気感が漂っていますねえ~」
「だから二人とも何が言いたいの」
「川、本、さ、ん」
「うんうん」
「今日来ているね」
「彼がさ、事務室に、今日高野さんはいらっしゃるでしょうかっ? ……ってキラッキラの目をして聞きにきたんだよね」
「うん」
「だから?」
「なんて鈍いのかしら、岬は」
「そうだよね」
「もしかして彼が、私に気があるとか考えているの」
「なんだ、気付いていたんだ」
「……どうせうまくいかない。今まで私の恋愛がうまくいった試しがない。第一彼は相談者でしょ」
「『彼は相談者』だって。なんて切ない響きなの」
「メロドラマだね」
「いつまでもお馬鹿なこと言ってないで、さぁ仕事に取りかかろう」
「逃げたな、岬は」
「みたいだね」

 川本さんの相談の順番は二番目だった。川本さんと先生の面談が終わったあとに、岬は先生に呼ばれ、あなたをご指名だから相談に乗ってあげてと言われて、カルテを片手に彼の元へ向かった。そして分厚い本を読みながら、緊張気味に待っている川本さんの肩を軽く叩くと、彼はパッと顔を上げ、岬を見てにっこりと笑った。岬も微笑み返し、言った。
「では、相談を始めましょう」
 そして二人で相談室へ入っていき、腰を落ちつけると、川本さんは目を丸くして言った。
「今日はネコがいないんですか?」
「お望みなら連れてきますけれど、いつもネコと一緒に相談をするわけではないんです。ネコの方も疲れてしまうから」
「あ、僕はどっちでもいいんですよ。ただネコが高野さんによくお似合いで、いつも一緒なのかと……」
「微妙な褒め言葉……、というか、褒めてます?」
「う~ん、どうかなあ。あっ、あのですね、高野さん、夕利が少し変わりました」
「どういう風に?」
「話し方はぎこちないですが、以前みたいに笑うようになりました」
「笑うようになった」
「やはりネコの寄り道という、自分のありのままの姿で解放できる場所ができたから、安心したんじゃないかな。また行きたいと言っていたので、近いうちに来ると思いますよ」
「そうですか。川本さんは、彼女の意思を尊重してあげてほしい。今の状態の夕利さんに口出しや指図をして、過保護になるのはよくないです」
「……分かりました。高野さん」
「はい」
「僕の話をしても……?」
「どうぞ」
「愚痴を、言ってもいいですか?」
「どうぞ、思いきり愚痴ってください。ここはそういう場所であり、愚痴が外に漏れる心配もありません」
「そうですか。それなら……。僕がまず話したいのは、生徒の親についてです。近頃子供の言い分にきちんと耳を傾ける親が少ないんですよ。親のスキルが下がっているというか」
「スキルが下がっている」
「僕はですね、僕の家庭教師という立場は―」
 それから川本さんの滔々とした仕事についての一人語りは、どこまでも続いた。愚痴というものは、岬の経験上というか一般的にも、多かれ少なかれ人をうんざりさせるものだが、驚くべきことに、川本さんの話は隅から隅まで面白かった。大した話術だなと岬は尊敬の気持ちで彼の話に耳を傾けていたが、さらに驚いたことに、彼はそのことに全く気付かないどころか、自分を話し下手だと思い込んでいるのだった。そこで岬は話に夢中になっている川本さんへ、少し横やりを入れてみることにした。
「で、いわゆる萌えキャラの使われ方なのですが……」
「川本さん、川本さん」
「え? あ、はい」
「ちょっとお聞きしたいことが。家庭教師に話術は必要ですか?」
「ええ? うーん。どうかな。でも僕に勤まるくらいだから、特に必要ないのかもな」
「でも生徒を教えるためには、話さなくてはならない。川本さんにとって、話すことは苦痛ですか」
「正直深く考えたことはないですね。でも、思う存分愚痴って気付いたことですが、僕はもしかして、この家庭教師という仕事が、好きなんじゃないでしょうか」
「そうでしょう。深く考え、大切に思っているからこそ、愚痴というのか、ここまでの話ができるのだと思いますが」
 そのとき二人の視線がふっと嚙み合った。そして少しの空白のあと、どちらからともなく静かに笑いだした。
「は、ははは、僕、盛大に喋りましたね」
「ふ、ふふふ、なかなか面白かったですよ」
 それからしばらく、二人の笑いは低い調子で止むことがなかった。

 川本さんとの面談を終えて事務室へ戻ってくると、夏が一人で書類と向き合い、格闘している真最中だった。岬はすっと夏の隣の席に座り、
「手伝おうか?」
 と言うと、夏は無言のまま頷いて、いくつかの書類をぐいっと岬に押し付けた。書類を受け取って、岬が内容に目を通し始めると、夏はふと書き物の手を止めて、さりげなく岬を観察してから、
「変わった」
 と呟く。岬は眉間にしわを寄せ、聞いた。
「何が?」
「岬の雰囲気が変わったよ」
「どんな風に?」
「やわらか~くなって、温かみが増して、少し光っている感じ。川本さんとはどうだったの」
「うんと、変わったことは何も。普通に話して、笑い合って、」
「正直に言っちゃいな。彼のことが好き?」
「好きな方だとは思うけれど、恋だの愛だのそういうレベルではない」
「今はね。これから二人の関係はどうなっていくのでしょうか? 楽しみだな」
「私と川本さんの関係性を、勝手に娯楽にしないでほしい」
「あはははは。さ、仕事に戻ろう」
「夏、話題を変えたね?」

 それからあと、その日は平凡に流れていった。本来決して平和になる場所ではないはずなのに、争いの神様が中休みをしたみたいに、来る人も、岬達も、どこかのどかだった。たまにはそんな日もある。
 そして午後四時を過ぎたころ、受付票を見て、上村夕利の予約が入ったことを知った。さらにほぼ同時に木村勇も予約を入れていた。岬は微妙な気持ちになりながら、
「これは運命の神様が微笑んだかな」
 と呟き、窓からそっと待合室の様子を覗くと、夕利と木村くんは並んで座り、木村くんの話に夕利がリラックスしたムードで笑みを浮かべている様が見てとれた。木村くん、なかなかやりおると心でうなりつつ、時刻を確認してから、岬は二人の元へ行って声を掛けた。
「夕利さん、木村くん」
 すると二人ははっとして岬を見つめ、子供らしい物問いたげな目をした。岬は続けて言った。
「夕利さん、今日は一人で来たの」
「はい。一人で来たかったんです」
「そう。どうしようね、木村くんと夕利さんの二人の予約が同時に入っちゃって……。順番にやろうか」
「ねえ、上村さんと僕と高野さんの三人で、面談をやれば?」
「え? それは夕利さんが……、」
「私は別にいいです」
 夕利のその言葉に岬は目を丸くした。前回あれだけ他人に対して敷居が高かったのに、木村くんに対してはここまで無防備なのだ。岬は心の中でポンと手を打ち、
(これは使える)
 と思った。そしてちょっと待つようにと言いおいてから、川崎先生の元へ行き、戻ってくると、ニコッと笑って二人に声を掛けた。
「先生がね、面白そうだからやってみれば? と言ったので、三人で話し合おうか」
「はい」「うん」
 そしてどこか楽しげに、相談室へ入っていったのだった。

 それから夕利のミチは? の一言で、岬がせかせかしながらミチを連れてくると、ミチの喜びのニャアニャアという鳴き声と、木村くんのめずらしく元気な話し声と、夕利の笑い声で、相談室は若くはつらつとしたパワーで満ちてきて、まるで中学校の教室みたいになった。
「なんか、ネコの寄り道じゃないみたいだ」
 岬は誰に言うともなくそう言ったが、しばらく二人の会話の様子を見守ったあと、少しの間が開いた隙に話に割り込んだ。
「何の話をしていたの?」
「ん? 哲学論だよ。何をしているときが一番幸せか? っていう命題について」
 木村くんはやや得意げに言ったが、岬はその言葉を混ぜっ返した。
「それって哲学論?」
「大まかに言えばそうでしょ。高野さんは何をしているときが一番幸せ?」
「うーん、うーん、うーん。サイダーを飲んでいるときと、コーヒーを飲んでいるとき。大好きな飲み物を飲みながら、ぼーっとしているときかな。木村くんはどう」
「俺がどんなとき幸せかって?」
「そう。十個上げて」
「十個も? そうだな、まず一つ目は、テレビを見ているとき」
「テレビ好きなのね」
「世界のニュースを見るのが好きなんだ。あと……、肉を食っているときと、本を読んでいるときと、クラッシックの音楽を聴いているときと、」
「もういいよ」
「おい、聞いておいてそれはないでしょ。今次々と幸せを思いついて、」
「夕利さんはどう」
「?」
「夕利さんの幸せは何?」
 岬にそう問われた夕利は、口を半開きにして、ぼんやりした目をしてから、ぽつりと言った。
「私が私であれたら幸せ」
「木村くんの数倍哲学的だね」
「高野さん。今の私に、……学校では誰も喋ってくれない。それが、とても辛い」
「うん」
「でも、だからって自分を曲げたくない」
「おっ」
「親とか、友達とか、世間とかを気にせずに、ありのままの私でありたい。そうすることは罪ですか?」
「罪ではないと思うけれど、でも自分を貫くことで誰かを傷つけることはあると思う」
「そうなんだ。でも……」
「うん」
「私、強くなりたいです。たとえ誰かを少し傷つけてしまったとしても、それでも私は私なんだって、さらりと言えるようになりたい。そして人に頼らず、一人で立っていられるくらい強くなりたい」
 すると木村くんはにやりと夕利に笑いかけ、言った。
「俺も同感」
 岬は木村くんと夕利を交互に見て、自然に笑みがこぼれた。中学生というのは、こんなに真摯な考え方をするものだろうか。自分が中学生のころも、自分自身では全く気付かなかったが、大人たちにはこんな風に、ピュアな存在として映っていたのだろうか。岬はふと夕利から目を逸らし、彼女の膝の上で丸くなっているミチを見つめながら言った。
「夕利さん、あなたはちゃんと喋れているよ」
「え」
「だから大丈夫」
「……」
「そのままで大丈夫」
「……でも、人を傷つけてまで自分を貫くのなら、」
「うん」
「自分の方がどこかへ消えちゃった方がいいのかなって……。時々どこかへ行ってしまいたいと思うことがあります」
「衝動的に?」
「はい」
「上村」
 突然木村くんが口を開いた。その時彼がみせたひんやりとした表情に、岬はどきりとし、何と冷静で大人びて見えることだろうと思った。彼は静かに言った。
「それでも生きたくはないか?」
「死にたくは……ないけど」
「なら生きるべきだよ、どんな手段を使ってでも。そしてあなたが生きようとすることを、誰も責めるべきではない。そうだろう?」
「うん」
 そう答えた夕利は泣きそうな顔をして下を向いた。そうしてしばらく膝の上で丸まっているミチを撫ぜていたが、ふと木村くんの横顔を眺め、呟いた。
「そうだね。……きっと木村くんが正しいと思う」
 岬はしんみりした気持ちになり、二人の様子を傍観者として交互に見守っていた。大人の自分が踏み越えて入れない何かが、そこには存在していた。青い若さの匂いがする。岬が遠い昔にいらないものと判断し、自分から切り離すようにして何処かへ捨ててきたものだ。

「ただいまだよ、ミチ」
 そう言って岬は玄関で鍵を閉め、靴を脱いでから、キャリーバッグのふたを開けた。するとミチはニャニャニャと言って、バッグから飛び出し、一目散にご飯のある場所へ駆けていった。岬も自分の部屋へ行って、荷物の整理をしてから部屋着に着替え、お弁当を持ち、再びリビングへ姿を現すと、ミチは部屋中を猛ダッシュで走り、ニャウンニャウンと喜びの雄叫びのような声を上げていた。岬はテーブルの上にお弁当を広げてからドスンと座り、
「今日もいい一日でした」
 と言うと、やっと落ち着いた気持ちになって、ご飯を食べ始めた。
「今日は平和だったね、ミチ。大変な相談者さんも来なかったし」
「ニャウ~ン」
「やっぱり今日の目玉は木村くんと夕利さんでしょう。どうもあの二人は気が合うみたいだ」
「ニャ」
「気が合いすぎて子供を作ったりしないといいんだけどね。まだ、まだ結婚するには早すぎる。学生は真面目に勉強した方がいい。大人になるとますますそう思うよ」
「ニャニャ」
 それから岬はぼーっとして、ちびちびとお弁当をつまんでいたが、ふと箸を止めると言った。
「これからあの二人はどうなるのかな」
 今日の夕利は彼女にしてはよく喋った。そしてめずらしく、木村くんもどこか楽しそうだった。二人が関係を持つことが、お互いにプラスに働いている、それは火を見るより明らかだと岬は思った。
「ま、とりあえず二人に任せてみよう。今日の仕事はここでおしまい、ということで」
 そう言って岬はテレビをつけ、大好きな旅番組にチャンネルを合わせてから、テレビの世界へ没頭していったのだった。

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