ネコと寄り道

桃青

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ささやかなはじまり

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 1.

岬は玄関の扉を開けた。
「ただいま~。あっ、そこにいたの」
 玄関先では目をまん丸くした黒ネコがちょこんと立って、岬を出迎えている。岬は靴を脱ぎながらネコに話し掛けた。
「ミチ、今日もいろいろあったよ。疲れた」
 ミチという名のネコはウミャーと鳴いて答えてから、家の奥へ走っていった。岬は微笑んで、ミチに聞こえないよう小さく呟いた。
「分かっているんだか、いないんだか」
 自分も家に上がると、台所まで行って冷蔵庫の中を覗き、冷えたお茶のペットボトルを取り出してリビングへ持っていき、ソファーに鞄を放り投げて上着を脱いでから、どっかと座り込んだ。気付くとミチは目の前にあるテーブルに陣取り、悩ましげな目つきでじっと岬を見つめている。岬は鞄の中からスーパーで買ってきた弁当と割り箸を取り出し、ふうと息を吐いてからミチに話し出した。
「今日来た人の中でね、一番印象に残っているのは身綺麗な女の人。ご主人からDVを受けているんだって」
 ミチは大あくびをする。岬はかまわず続けた。
「その男の人に、ばか、アホ、さいってー、出ていけ、そしてどこかで死んでしまえ、……って言えたらね。でも相談員である私がそれを言ってはいけない。私がまずやるべきことは、アドバイスではなく話をよく聞くこと」
 いつの間にか、ミチは岬の足の上に乗っていて、真っ直ぐな瞳で岬を見つめていた。岬はこしこしとネコの頭を撫でながら言った。
「それから何が起こっているのか見極める。それがとても大事。大概の相談者は自分でそれができていないんだ」
 ウッ、ミャーと答えたミチに頷いて見せてから、岬はお弁当に箸をつけて質素な夕食をとりはじめた。

 高野岬は「ネコの寄り道」という相談所の相談員だった。心の病を中心に取り扱う相談所で、二人の同僚とボスの精神科医とで何とか運営を切り盛りしていた。心の問題を扱っていると、相談者とともに相談員も時として崖っぷちを歩かなければならないことがある。岬はそんな時にもぶれない自分を確立し、メンタル的にタフでいることが求められた。岬は生まれつき感じやすいたちで、思い悩む人たちのカオスに巻き込まれることもしょっちゅうあったが、この仕事をやっていくにあたって一つの技を身につけていた。それは頭を切りかえる術だ。これ以上このことについて考えないと判断したら、前の思考を切り離して次の思考に移る。どんなに辛い考えが自分を支配していても、料理を作り始めたらそのことしか考えない。そして料理を思いきり楽しんでしまう。自分の心を自分の思い通りに操る方法とも言えるが、これができない人はカウンセラーには向かないだろうと、岬は常々思っている。

 お弁当を食べ終え、部屋着に着替え、ミチとじゃれあっているところに、電話が掛かってきた。出てみると相手は、同じくネコの寄り道の相談員である、佐倉夏だった。
「岬、今何やってた?」
「あの、お弁当を食べていた」
「おいー、私たち独身女子なんだからさ、自炊ぐらいして女度を上げておかないと。年だっていい年なんだし」
「夏はまだ若い。今年で三十三でしょ」
「岬は四十でしょ。結婚限界ラインに来てるってば!」
「……で、これは何の電話?」
「そうそう、あのね、ちょっと仕事の相談を」
「何か問題でも?」
「問題じゃないんだけれど、今日私のところへ男の子が相談に来たの。木村勇って名前で中学二年生なんだけれど」
「木村勇」
「外見はわりかしかわいい子だよ。特に深刻な問題を抱えているようには見えないんだけれど……、ちょっとやっかいなのよね」
「やっかい」
「何ていうかな、人を小馬鹿にしているような、そうね、ひねているっていうか……、とにかく一筋縄ではいかない子なのよ」
「ふーん」
「で、私は完全に彼になめられている気がするの。川崎先生にもどうしましょうって相談してみたんだけれど、そうしたら岬に木村くんのことを任せてみたらどうか、って勧められて」
「私に?」
「そう。私もいろいろ考えてみたのね。でも相談相手をチェンジするっていうのは、確かにいいアイデアだと思ったの。だから岬にお願いできないかな、と」
「そんな大事な話を、なぜ電話で言うの」
「それは私も今さっきそのことを決めたばかりで、明日彼が来たら、すんなりバトンタッチしたかったから。今から話しておけば、岬にも心の準備ができるでしょ。で、どう?」
「いいよ、別に。私でいいなら」
「よかったあ。岬、頼りになるう~」
「そうでもない」
「じゃ、詳しい話は明日職場で」
「分かった」
 そこまで話して電話を切ると、ミチがきょとんとした顔で岬を見上げていた。ミチをちらりと見てから、岬は独り言を言った。
「木村勇。どんな子だろうね」
 岬は中学生時代の自分を自然に思い出した。そのころの自分にはたった一人の友達もいなかった。歌を忘れたカナリアみたいに、うまく喋ることができなくて、周囲の人たちが自分から逃げていったのだ。悩ましく、孤独で暗かった時代だった。でもネコの寄り道で働くようになって、やっと友達、いや、心から信頼できる仲間ができた。それは職場の同僚の佐倉夏と近藤和子だ。岬は彼女たちの顔を思い浮かべ、温かい気持ちになる一方で、中学生時代を生き抜く難しさについて考えた。精神科医である川崎先生は、なぜ自分を男の子の相談相手に選んだのだろう? 明日そのことを聞いてみようと思いつつ、岬は寝る支度を整え始めた。

 次の日、ちんまりした白い建物の三階にあるネコの寄り道へ行くと、待合室ではすでに三人の人たちがいて、あちこちに配置されたゆったりした椅子に座り、自分の順番が来るのを待っていた。この部屋の風変わりなデザインは、川崎先生が相談者を思いやって考案したものだ。岬はお客に会釈して、診察室の扉を軽くノックしてから中へ入っていった。部屋の中では川崎先生が書類の整理をしていて、ふと岬に目をやり、淡々と言った。
「なんだ、高野さんか」
「先生、少しお話したいことが」
「いいよ、言って」
「佐倉さんが受け持った中学生の男の子、木村勇を私の担当にしなさいと言ったのは、なぜでしょう」
「ああ、そのこと。それは僕からぜひ話しておきたい。彼はね、メンタルの病じゃないけれど、今人生、平易に言うと生きる意味を探して、必死で戦っている」
「はい」
「その姿勢が高野さんとそっくりなんだよね。人生と戦うっていうスタンスが共通していると思うんだ」
「戦う」
「だからあなたなら彼のことをよく分かってあげられるはずだ。彼に今必要なのは同志で、あなたならいい同志になれる気がする」
「同志」
「というわけで、任せてもいいかな?」
「……分かりました。やってみます」
 ちょっと川崎先生と見つめ合い、岬は軽く頭を下げてから部屋を出た。それから診察室の隣にある事務室へ入っていくと、夏と和子がすでに来ていて、二人で立ち話をしていた。和子はふっと岬に目をやり、こう訊ねてきた。
「今待合室で、何人くらいの人が待っている?」
「三人」
「そう。まぁ程よい人数かな。これ以上混まないことを祈るね」
 そこで夏が話に割り込んできた。
「岬ぃ、昨日電話で話した木村くんのことなんだけどさあ」
「それはもう大丈夫、川崎先生と話したから」
「あ、そう。なら私が話すべきことは特にないか。私の意見で岬に変な先入観を持ってもらいたくないし」
「そうだね。ところで二人で何の話をしていたの」
 和子は眼鏡を押し上げ、目をキラリと光らせて言った。
「私の夫にまつわる話」
「ハハハ、和子はさ、結婚すると相手の許せないことが色々目に付くようになる、ってハナシをしていたのよ」
「ふーん」
「で、私は和子に言ったの。ネコの寄り道の相談者を思い出してごらん、って。そんな些細なことで悩むなんて馬鹿馬鹿しいことが、よーく分かるでしょ、ってね」
「……。例えばご主人の何が気になる?」
「あの人、凄い甘党でさ。出張のお土産に必ずご当地まんじゅうを買ってくるのよ。みかんまんじゅうとか、ずんだまんじゅうだとか、買ってきては目をキラキラさせて私に渡すんだってば」
「はは、和子は大の辛党だもん。そこへまんじゅうときた」
「そうなのよ。それで多少は私の気持ちをくんでよ、って話にいつも発展していくわけ」
「私はそのご主人が何か好き」
「岬もそう思うでしょ。なんかさぁ、可愛い話だよね」
 そう言い合い岬と夏がくすくす笑うと、和子はむっつりとした顔をしたが、ふと時計に目をやり、生真面目な表情になって言った。
「時間だ。相談開始。川崎先生のところへ行こう」
 すると岬と夏も真顔になって、三人で診察室へ向かった。

 その日岬が担当した相談者は比較的ライトな悩みの人が多かった。軽い鬱症状の人や、話し相手が欲しいおばあさん、自分に自信が持てない働き盛りの男性などで、岬が人生に対して前向きになれるよう、そっと背中を押ししてあげると、自力で先を進んで行けそうな人ばかりだった。自分と話すことで相手が明るさを取り戻していく様子を見ていると、岬はこの仕事をやっていてよかったと、いつも心から思った。そして午後四時を回ったころに噂の人物がやってきた。
 川崎先生から手渡されたカルテに目を通しつつ待合室を眺めると、窓際の席に座り、遠い目で窓の外を眺めている少年に目が留まった。岬は彼の側に行き、
「木村くん?」
 と訊ねると、彼は目を丸くして岬を眺めてから、コクンと頷いた。
「相談室へどうぞ」
 そう言って岬が先へ進むと、彼はふてくされた感じで岬の後についてきて、部屋に入り、ずぶりとソファーに腰を落ち着けて、しばし互いに牽制していたが、まず岬から話し始めた。
「何か話したいことがある?」
 木村くんは下を向いて、岬の言葉などまるで耳に入りませんとでも言いたげな、そっけない態度をとっていたが、ぽつりと言った。
「人生がつまらないです」
「人生がつまらない」
「生きがいがないし」
「生きがいがない」
「あなたオウムみたいだね、俺の言葉を繰り返してばっか」
「私は高野岬といいます」
「……。違う言葉も喋れるんだ」
 それからちょっと沈黙が続いた。その間を利用して、岬は素早く木村くんを観察した。憂いを秘めながらも輝きを湛えた目に、クールな顔立ち、清潔感のある着こなしに、中学生にしては高めな身長。思春期の女の子たちがのぼせそうな外見だ。それと同時に岬の中で自分が中学生時代に経験した初恋の記憶が蘇ってきた。その頃クラスメートだった、色白で冷たい印象の男の子にがっしりハートを掴まれ、だが彼は残酷なほど岬に気がなく、彼を見るたび、胸が甘く苦い思いで満ち溢れたものだ。そんな思い出を確かめていると、唐突に木村くんが喋り出した。
「高野さんは恋人いるの?」
「うん? いないよ」
「もてないんだ」
「かもね」
「じゃあ話は変わるけど、友達ならいる?」
「うん、いる」
「友達と話していて、楽しいもんなの?」
「楽しいというよりも、まず気持ちが軽くなるのが先。そして別れた後で、会ってよかったな、話をしてよかったなと、いつも思う」
「俺は友達なんていない」
「そう」
「それに欲しいとも思わないよ」
「あら、そう」
「付き合いって面倒なものだし、人に頼らない自立した人間に俺はなりたい。自分のことなら全て自分でできるような、さ。そうしたら本当の意味において自由になれるでしょ」
「自由になりたいの」
「もちろんなりたい。自由さえ手に入れたら、俺はきっと幸せになれる」
「そう」
 そして二人の間に再び沈黙が訪れたが、その静けさの下で、木村くんと深い場所で通じ合っていることを、岬は確認している気がした。それにしても中学生という若さで、人生がつまらなくて生きがいがないというのはどういうことだろう? 彼は今自分に、そして社会に絶望しているのかと思いながら、岬は訊ねた。
「木村くん、人生がつまらないってどういうこと?」
「世の中全体がつまらないんだ。つまらない学校、つまらない娯楽、つまらない人々に、つまらない商品。だから楽しみや夢なんてどこにも生まれないし」
「ときめくことが何もないの」
「ない。そんなもの存在しない」
「なら、見方を変えたらときめくかも」
「見方を変える。それってどうやって?」
「物事には必ず二面性があるもの。それは表があるなら必ず裏もあるということ。だから表面的なことだけに囚われず、裏も探ってみれば、新しい何かが見つかったり」
「じゃあ俺ぐれようかな」
「えっ」
「人生のまっとうな道から外れたら、自然に裏が見えてくるでしょ。人生が劇的に変わるじゃん」
「そんなことはお勧めしていない」
「ちゃんと分かっているよ。ちょっと言ってみただけだって」
 彼は冷めた微笑を浮かべて、岬を意味深な目つきでじっと見つめた。

 木村くんの相談を終えて事務室へ帰ってくると、夏が一人で事務作業にいそしんでいた。その背中に岬は声を掛けた。
「大変そうだね」
「大変よ、ネコの寄り道はむちゃくちゃ人手が足りないんだから。岬も手伝ってよ」
「うん」
 それから並んで鎮座して二人で書類の整理を始めたが、ふと手を止め、岬は言った。
「夏、私木村くんと話した」
「そう。どんな感じだった?」
「あの子、面白いね」
「面白い~? 面白いっていうより、ひねているでしょ」
「確かにそれはある」
「中学生は難しい年頃だけど、だからこそ素直な心は大切にするべきだと思うの。難局を乗り切るときに、いつだって答えを導き出すのは、自分について素直になることだから」
「ふむ。含蓄のあるお言葉。今度夏からの伝言だと言って、木村くんに伝えておく」
「そう言うとあの子、耳も貸さなくなると思うわ」
 二人は思わず忍び笑いを漏らした。その後、それ以上彼について話すことはなく、話題は他愛のない世間話へ移っていったのだった。

 仕事を終え、岬は家へ帰ってきて玄関の扉を開けると、家の奥に向かって声を掛けた。
「ミチー、ただいまー」
 だが返事がない。どうしたのだろうと思い、リビングまで行って灯りをつけると、ミチは座布団の上で気持ちよさそうに眠っていた。岬は出来合いのサラダとパンをそっとテーブルに置いて、自分の部屋で部屋着に着替え、再びリビングに戻ってくると、いつの間にかミチはテーブルの上にちょこんと立って、大あくびをしていた。岬はそんなミチの頭を撫でてからテーブルの前に座り、ネコに話し掛けた。
「ミチ、話を聞いてくれるかな」
「ウニャ」
「今日ね、顔は可愛いけれど性格が可愛くない中学生の男の子と話をした」
「ニャニャ」
「ちょっと印象的な子だった。なんだか彼の残像が頭から離れないんだ」
「ニャオン」
「……違う、別に惚れているわけじゃない。四十の女が中学生を恋人にしたいなんて思いません。私にそういう趣味はないし」
「ニャッ」
「でもね、自分の抱えている絶望に真っ直ぐ立ち向かう姿勢がとても健気なんだ。川崎先生が言ったように、目に見えない何かと必死に戦っている感じがした」
「フミャッ」
「彼の幸せってどんな形をしているんだろう。そして大げさに言うならば、本当の幸せって何だろうか……。あっ、ミチ」
 その時ミチは岬にお尻を向けて尻尾をくねくねと動かしていたが、また座布団の上に陣取り、丸くなって目を閉じてしまった。岬は小さく息を吐き、箸でサラダをつつきつつ呟いた。
「幸せ、か」
 それは途方もなく大きなテーマであり、かつ実に些細なことでも感じられる身近なテーマでもあった。世界が幸せになるのは素晴らしいことだが、実をいうと岬は、自分の小さな幸せをこつこつと積み上げていく方が楽しいと、いつも感じていた。自己中心的な生き方だろうかと自問自答しながら、自分は間違ってなんかいないという確かな思いもこみあげてきた。
 岬はつらつらとそんなことを考えつつ、一人と一匹しかいない静かな空間で夕食をとりはじめた。
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