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フララ3
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「たらったらーん。らんらんららん。たらったー」
そんな歌を歌いつつ、部屋中をゆらゆらと歩き回り、しばらくしてからふと我に返って、立ち止まると、スタスタと私とシュリの元へやってきて言いました。
「何だか、世界がピンク色に染まりました。すごく、すごく、幸せな気持ちでした。
―ああ! 嘘でしょう? 」
彼女はかげろうのような羽をパタパタさせて、叫びました。
「私の、私の羽が、ピンク色になっている! 」
私とシュリは唖然として、フララの羽を見つめました。確かにその羽は、優しい白から儚いピンク色へと、変色していました。私はショックを受けながら言いました。
「この草、変容を促す作用もあるんだ……」
フララは私達を見、羽を見ることを何度も繰り返し、それから幸福そうに言いました。
「よかった」
「よかった? 」
私とシュリは声を揃えて言い返しました。
「私、ピンク色が大好きなんです。生まれた所も、育った場所も、いつもピンクの花に囲まれていたし、幸せの記憶はピンクとしっかり結びついていて……。私の羽がその、ピンク色になれるなんて! これからは羽を見るだけで、幸せな気持ちになれる気がします」
そう言ってフララはうっとりと羽を眺めてから、シュリに言いました。
「シュリ様、ありがとうございます」
「え、……ええ。問題は解決しましたか? 」
「はい。私はもう大丈夫。お花は滅びない、心配することはないって、ほかの花の乙女たちにも伝えますね。では失礼します。ららら~、ららっらら~」
フララはスキップしながら大部屋を出ていき、私とシュリはどちらからともなく、ゆっくりと見つめ合い、シュリの方から言葉を発しました。
「トイ、この草は、あんな変化まで起こすのですか? 」
「……そうみたい。私も全く知らなかったんだよ」
「どうもこれは、使うのに少しの注意が必要のようですね。一度起きた変化は、元には戻せませんから」
「魔法を使えば、戻せるかもしれない」
「私は哲学的な意味も含めていったのです、トイ」
「多分、『変容』がキーワードなんだ」
「む? 」
「シュリが言っていた、壊れた繫がりを取り戻すために、変容がカギになる。この草はそれを促しているんじゃないかな。
シュリ、今日はこれで帰るよ」
「そう……ですね。私もうかつにこの薬草を使えなくなってしまいましたし」
「この次来るときは、もっとこの凄い草を持ってくるつもり」
「期待しています」
私はシュリにペコリと頭を下げると、バックパックを背負って、光が射し込んでいる大部屋を後にしたのでした。
そんな歌を歌いつつ、部屋中をゆらゆらと歩き回り、しばらくしてからふと我に返って、立ち止まると、スタスタと私とシュリの元へやってきて言いました。
「何だか、世界がピンク色に染まりました。すごく、すごく、幸せな気持ちでした。
―ああ! 嘘でしょう? 」
彼女はかげろうのような羽をパタパタさせて、叫びました。
「私の、私の羽が、ピンク色になっている! 」
私とシュリは唖然として、フララの羽を見つめました。確かにその羽は、優しい白から儚いピンク色へと、変色していました。私はショックを受けながら言いました。
「この草、変容を促す作用もあるんだ……」
フララは私達を見、羽を見ることを何度も繰り返し、それから幸福そうに言いました。
「よかった」
「よかった? 」
私とシュリは声を揃えて言い返しました。
「私、ピンク色が大好きなんです。生まれた所も、育った場所も、いつもピンクの花に囲まれていたし、幸せの記憶はピンクとしっかり結びついていて……。私の羽がその、ピンク色になれるなんて! これからは羽を見るだけで、幸せな気持ちになれる気がします」
そう言ってフララはうっとりと羽を眺めてから、シュリに言いました。
「シュリ様、ありがとうございます」
「え、……ええ。問題は解決しましたか? 」
「はい。私はもう大丈夫。お花は滅びない、心配することはないって、ほかの花の乙女たちにも伝えますね。では失礼します。ららら~、ららっらら~」
フララはスキップしながら大部屋を出ていき、私とシュリはどちらからともなく、ゆっくりと見つめ合い、シュリの方から言葉を発しました。
「トイ、この草は、あんな変化まで起こすのですか? 」
「……そうみたい。私も全く知らなかったんだよ」
「どうもこれは、使うのに少しの注意が必要のようですね。一度起きた変化は、元には戻せませんから」
「魔法を使えば、戻せるかもしれない」
「私は哲学的な意味も含めていったのです、トイ」
「多分、『変容』がキーワードなんだ」
「む? 」
「シュリが言っていた、壊れた繫がりを取り戻すために、変容がカギになる。この草はそれを促しているんじゃないかな。
シュリ、今日はこれで帰るよ」
「そう……ですね。私もうかつにこの薬草を使えなくなってしまいましたし」
「この次来るときは、もっとこの凄い草を持ってくるつもり」
「期待しています」
私はシュリにペコリと頭を下げると、バックパックを背負って、光が射し込んでいる大部屋を後にしたのでした。
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