おとぎの世界で

桃青

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フララ2

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「あなたは誰? 」
「トイと言います。薬草師です。なぜ花が滅ばないかというと、種子を作るために花は必要不可欠で、植物が生き続けるために、種子を作ることをやめることはないから、結果として花も滅ばない」
「でも、なんで今、お花が枯れているのですか? 」
「例えて言うと、紅葉が奇麗に色づいて、美しく朽ちていく時と、葉が色づく前に、クシャッと枯れてしまう時があるでしょう? 」
「はい」
「それと似たようなもので、植物自体に悪い所はなくても、その時の気候、もしくは何らかの環境が原因で、花だけが影響を受けて枯れているの」
「なら、は、ハッ、花は、来年も咲きますか? 」
「もちろん。花は植物にとって、未来に繋がる手段なのだから、必ず咲く。花が枯れるのは、あくまで表面的な出来事なんだよ」
 シュリは大変冷静な様子で話を聞いていましたが、ふと思いついたように、口を挟みました。
「フララ」
「はい、シュリ様」
「もし良かったら、あなたに試してもらいたいことがあるのです」
「それは、何でしょう」
「幸福になる薬草を、少しだけ食べてもらいたいのです」
「幸福になる、薬草? 」
「効果は一時的なもの―、ですよね、トイ? 」
「……多分そのはずなのだけど」
「シュ、シュリ様、今私は、とても心が不安定なのです」
「フララ、見れば分かりますよ」
「もう一度、安定した幸せな気持ちを取り戻したい。それから、落ち着きたいんです」
「なら、食べてみますか? 何が起こるか、完全に保証はできないのですが」
「―ハイ。試してみます、私」
「トイ、葉っぱを用意したら」
「あ、ああ、うん」
 私は急いでバックパックを漁り、袋の中から光る草の葉を、そっと一枚だけ取り出して、フララに渡して言いました。
「この草を口に含んでみてくれる? 」
「ハイ」
 フララは大きな瞳をさらに大きくして、深呼吸してから、ぱくっと草を食べたのです。すると……。
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