おとぎの世界で

桃青

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小さく出発

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 シュリが長い青色の髪をなびかせて、風を巻き起こしながら帰っていくと、私は風のせいで散らかった物を片付けながら、呟きました。
「どうしよう」
 さらに気を落ち着けるために、汚れた皿を洗いながら言いました。
「何かとてつもない約束をした気がする」
 皿を大きなザルに入れて、乾くようにしてから、スケジュールの書かれたノートを見に行って、確認すると、今日の仕事の予定はこれで終わりでした。
「私は本当に、父と母に会うのかな……」
 と独り言を言いながら、薬草の在庫を確認していくと、残り少なくなっているものがあり、窓の外を見て、すっかり雨が止んでいることを知って、そっと呟きました。
「薬草を取りに行こう。心を落ち着けるために」
「トイ! 」
「何、シシ」
「連れてゆけ! 」
「シシを? 薬草取りに? 」
「少し邪魔! 」
「分かっているじゃない。置いていった方が―」
「予言! 」
「予言? 」
「草の、予言! 効能、発見! シシ! シシが! 」
「それって、……シシが新しい草の効能を見つけるってことかしら。だとしたら、とてもありがたい」
「だから! 連れてゆけ! 」
「分かった。なら、今から準備するから」
 そう言い、私は物置部屋へ直行しました。必要な物が一式入ったバックパックと、ガラクタの中から見つけ出した小型な鳥籠を持ってきて、あーとか、ひーとか、騒いでいるシシを鳥籠の中へ入れると、バックパックを背負い、言いました。
「行くか」
 私は鳥籠を片手に持ち、大きく扉を開けました。

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