三年で人ができること

桃青

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65.永遠

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 俺達は出会う運命だったのだろうか。父が語った運命論を真っ向から信じたわけではないが、みのりと深くなれることが運命だとしたら、神様の采配も悪くないものだ。みのりが言ったことを考えてみると、確かに俺達の作った記憶が、思い出色に染まってゆく。いや、みのりとの記憶だけではなく、良いことは良かったし、悪いこともそんなに悪くなかったよなと、今は思えるのだ。全てに対し、微笑み返しできるような、そんな気持ちになっている。

 この世に生まれて、世界について分かったとは、とても言えないけれど、何かを学び、何かを理解した。少しでもそれができたなら、全てOKだったと言えると思う。そんな気がした。実はこの世に存在するということは、とてつもなく凄いことだ。この地球という世界では、常に色々な物や事が、ダイナミックに動いていて、その中で自分の体がちゃんと機能して、心臓をトクントクンと鳴らしながら、この世を渡ってゆく。誰もが愚者であり、かつ冒険者である。そこから生まれる思いや記憶たちは、どんなものであろうと、壮大な世界の産物だ。これを特別と言わなくて何というのだろう。
 俺は言った。
「みのり」
「ん? 」
「俺達の交わした誓いは、永遠かな」
「きっとそう」
 そう言い合って、互いにニコッと笑った。それから運ばれてきた料理をがっつくことにしたのだった。
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