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27.打ち明け話
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「信じ難し。だが、いくらお金があってもいいと思うから、暇しててもあれだし、楽~で、気晴らしになるような仕事を、少ししておけばいいのでは」
「そうだね。考えておく」
「君、君」
「何? 」
「それだけじゃないじゃろ。ま、マックを食べようや、冷めないうちに」
「久し振りだな、マック。最近は食で贅沢をしていたから、ジャンクでチープなものはあまり食べていなくて」
「何という発言。一億円当たると、やっぱり違うな。ほれ、君の好きなフィレオフィッシュ。ナゲットもな、バーベキューソース付き」
「ありがと。おいしいね」
「二人で食べると、美味しさ二割増し。人とワイワイするのって、いいよな。で、どうした」
「……ん。俺、変? 」
「変、ではないが、何かがとち狂っていそう。違うか」
「そうかもしれないな。みのりには本当のことを話した方がいいかもしれない。信じてもらえないかもしれないけれど、俺、後三年、いや違う、もう二年半か、それ位で死ぬんだって」
「二年半? 余命宣告? 何かの病気で? 」
「いや、占いの結果だ。で、その定めの元に、宝くじで当選した」
「何を言っているのかよく分からないが、私はあることを思いついて、すすむさんの家に来たのだ。私達、結婚しないか? 」
「みのりの方も無茶を言う。は? 本気? 俺今、あと二年半しか生きないって言ったでしょ? 」
「占いなぞ、信じるな」
「それに俺達って近頃……、冷えていたじゃないか」
「確かにな。だから会いに来た。私達の熱量を確かめるために。結婚できるかどうか知るために」
「どうして急にそんな気持ちになったの。寂しかったりした? 」
「寂しさも薄っすらと存在するが、私達の縁、私達の付き合いは、そういう結果に結びつくものではないかと、ふと思った」
「結婚はできない。というか、しない方がいい」
「どうして」
「多分、だけど、この占いは当たっているよ。俺に未来はもう存在しないから、みのりは別の人と幸せになってもらいたいんだ」
「ふむ、切ない。でもな、もしすすむさんが本当に死ぬのだとしたら」
「うん」
「だからこそ一緒にいたい。最後の時まで、共に過ごしたい」
「みのりって意外と、そういう奴だよな。はは。ありがとう。でも結婚はやめよう」
「もし、二年半後も生きていたら」
「その時はその時でまた考える」
「ずっしりと重い運命を、背負ってしまったんだな、すすむさんは」
「でも、今は幸せなんだよ。やりたいことをやりたいようにできる時間も、お金もあるから。こんな自由、十数年は体験していないものね。虚無的でありながら、毎日が凄い満足感で過ぎてゆく」
「素晴らしい。何ということだ。ハッピー、ハッピー」
「みのりは最近どうしていた? 」
「ん、普通だよ。何気なく過ごしている」
「そうだね。考えておく」
「君、君」
「何? 」
「それだけじゃないじゃろ。ま、マックを食べようや、冷めないうちに」
「久し振りだな、マック。最近は食で贅沢をしていたから、ジャンクでチープなものはあまり食べていなくて」
「何という発言。一億円当たると、やっぱり違うな。ほれ、君の好きなフィレオフィッシュ。ナゲットもな、バーベキューソース付き」
「ありがと。おいしいね」
「二人で食べると、美味しさ二割増し。人とワイワイするのって、いいよな。で、どうした」
「……ん。俺、変? 」
「変、ではないが、何かがとち狂っていそう。違うか」
「そうかもしれないな。みのりには本当のことを話した方がいいかもしれない。信じてもらえないかもしれないけれど、俺、後三年、いや違う、もう二年半か、それ位で死ぬんだって」
「二年半? 余命宣告? 何かの病気で? 」
「いや、占いの結果だ。で、その定めの元に、宝くじで当選した」
「何を言っているのかよく分からないが、私はあることを思いついて、すすむさんの家に来たのだ。私達、結婚しないか? 」
「みのりの方も無茶を言う。は? 本気? 俺今、あと二年半しか生きないって言ったでしょ? 」
「占いなぞ、信じるな」
「それに俺達って近頃……、冷えていたじゃないか」
「確かにな。だから会いに来た。私達の熱量を確かめるために。結婚できるかどうか知るために」
「どうして急にそんな気持ちになったの。寂しかったりした? 」
「寂しさも薄っすらと存在するが、私達の縁、私達の付き合いは、そういう結果に結びつくものではないかと、ふと思った」
「結婚はできない。というか、しない方がいい」
「どうして」
「多分、だけど、この占いは当たっているよ。俺に未来はもう存在しないから、みのりは別の人と幸せになってもらいたいんだ」
「ふむ、切ない。でもな、もしすすむさんが本当に死ぬのだとしたら」
「うん」
「だからこそ一緒にいたい。最後の時まで、共に過ごしたい」
「みのりって意外と、そういう奴だよな。はは。ありがとう。でも結婚はやめよう」
「もし、二年半後も生きていたら」
「その時はその時でまた考える」
「ずっしりと重い運命を、背負ってしまったんだな、すすむさんは」
「でも、今は幸せなんだよ。やりたいことをやりたいようにできる時間も、お金もあるから。こんな自由、十数年は体験していないものね。虚無的でありながら、毎日が凄い満足感で過ぎてゆく」
「素晴らしい。何ということだ。ハッピー、ハッピー」
「みのりは最近どうしていた? 」
「ん、普通だよ。何気なく過ごしている」
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