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翠玉の章・溺愛√(ハッピーエンド)
エピローグ・トキノハナと翠玉の君〜永遠の約束〜 1
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「カナタ様、それはないですわ」
「うん、ないねー。こっちの気持ちガン無視ー!」
非難ごうごうでカナタを責め立てるのは息のあったいつものロイヤルカップルだ。
私には一生縁がないと思われた場所の、紫と銀を基調にした調度品が素敵な客間で。
大層大怒りな様子の2人と、暖簾に腕押しなカナタを眺めながらのお茶会が開催されている。
「そんなこと言われましても、火急的速やかにお知らせしましたし?」
「火急的って何かしら!? カナタ様の速やかは10日近く経ってからを言うのかしら??」
「おや。なんのことやら。 私はハナキの調子が万全になってからお知らせしただけのこと」
「……万全に、ねえ。乱しまくっていたのはどこのどいつだか」
「ん゛ふっ!」
カナタとミズキの笑顔で殴り合う舌戦さえわたる中、ボソッと突っ込むリュートの言葉に私は口の中のものを吹き出しそうになる。
「ふふ。図星」
リュートが生暖かい眼差しで見てくるのだがやめてほしい。切実に。
私を巻き込まないでほしい。
「わたくしにその手の隠し事は通用しないの、ご存知ないのでしょうか??
わたくし、先読みの巫女ですけど?」
キャンキャン口々に飛び出す非難の声もしれっと聞き流し、ニコニコと表情を変えずにティーカップに口をつけるカナタの心臓は、鋼鉄でできているに違いない。
(い、いたたまれない……)
隣に座る私は消えてしまいたい気持ちで小さくなってお菓子を齧っているというのに。
(やっぱり、宮廷お菓子美味しい♪)
少々現実逃避したくなっても責められないと思うのよ。
私が目覚めてから、カナタはまるっと1週間くらいはほぼ部屋から出してくれないし離してくれなかった。
(1週間くらい……だよね?)
正直時間の感覚も麻痺してたよね。
何をするにも……
は、恥ずかしい……
身体が悲鳴をあげそうです。
季節一つ以上を寝て過ごしたのも手伝い、しばらくはまともに動けませんでした。
私が金鷲との縁を無くしたので、
カナタの魔力で眠くなる事象はなくなった。
「やっと、魔力を注いでも意識を保ってくださるんですね。
もう遠慮はいりませんね?
途中で止めることはできませんのでご了承ください。
では、意識が飛ぶまで、私を感じて下さいね」
「優しく溶かしますので、
あなたはただ、私に溺れて下さい」
うわぁあ……思い出すと死ぬほど恥ずかしい。
我慢に我慢を重ねた変態紳士が火を吹きます。
薄暗い部屋の中で、声も枯れて
意識も飛び飛びで、自分が正気でいれたのかも定かじゃない。
真面目に壊れるかと思った。心身ともに。
涼しい顔してとんでもない絶り……んんっ。
優しくするっていったのに。
嘘つきめ。
(おかげで、大体の記憶はもどったわ……)
すん、と冷静に戻る。
魔力の過剰供給です。
玻璃の花の状態が変わった以上、
もうすでに染まっていたのだろうが
私は完全にカナタのものになってしまった。ようだ。
全てを放棄して私を最優先した結果、
私が目覚めた報告も後回しにしたらしく、ミズキとリュートはおかんむりだ。
報告後即招集を受けて渋々、カナタは私を連れて王都へ戻ることとなり、今に至る。
そのため、大変ご機嫌は斜めである。
「まだ早くおしらせしたほうですよ。
しばらくは2人きりでこもりたいくらいですし」
「いや、私は2人に会いたかったよ……?」
カナタは私を抱き殺す気かな。
「積年の想いを遂げられたんですよ、お預けの年数を思えば全く足りないです。
私としてはもっとずっとあなたと触れ合いたいし、誰にもハナキとの蜜月を邪魔されたくないですよ」
「言い方が卑猥!」
ピク、と片眉を上げて扇を少し広げ口元を隠すミズキ。
「……従来なら婚前交渉なんてもってのほかなんですけど。 前々からですけどわたくしのハナキに無体を強いるなんて本当、けだものぉ……」
「……ミズキ、心の声が出てるよ、落ち着いて」
表面上優雅さを失わない令嬢の鑑だったが、姉馬鹿も手伝い心の中はとんでもないことになっているようで、リュートは静かに宥めにかかる。
「……仲が良いのは結構ですけど、まだあなた方は正式な夫婦ではありませんので、それなりには謹んでくださいね、カナタ様?」
こめかみをヒクつかせながらも笑顔は絶やさず、ミズキは特大の釘を刺しにかかる。
「私は対外的なものは気にしませんけどね、ハナキが困るのは困るし、まあ。善処しますね」
「する気ないやつがする返事ー」
鋼鉄の心臓を貫ける釘ではなかったようで、リュートもやれやれと言った様子だ。
「……ハナキはまだ非公式ですが侯爵令嬢です。
ハナキの令嬢としての体面も考えてくださいね?
未婚の令嬢が! 親族でもない男性の屋敷に滞在してるってだけで
世間からアバズレの疵物扱いされますからね?」
「それは僥倖。 責任は喜んで取りますのでご安心ください。
ね、ハナキ」
いきなり私に振り返り、話を振ってくるカナタに、応戦んする姿勢は崩さないミズキだ。
カナタと互角でやり合えるなんて。
頼もしかっこいい私の片割れだと惚れ惚れしちゃう。
「これからハナキは嫌でもお役目や社交もあるんですから、
カナタ様のせいで変な外聞がたったらたまりません。 生家ですもの、今日からノルン侯爵家にお戻りになりませんか?
ね、お姉様?」
「えーと、うん」
(板挟みだよ……)
とりあえず、話を逸らそう。
「私の方がお姉さんだったんだね、
だから『ハナミズキ』か」
ミズキの方がよっぽどお姉さんぽいのにね。
先に出ただけの姉のようです。私は。
「ええ、ハナミズキの花言葉に、『永遠の絆』という意味もあるそうよ。わたくしたちにぴったりね」
ふふん、とカナタに挑戦的な視線を送りつつ、ミズキは正面に座る私の手を握る。
カナタは笑みを崩さないが、黒いオーラが放出して見える。
カナタとミズキの間に冷たーい火花が散っている、ような……
虎と龍が笑顔で殴り合う、そんな光景が浮かんでくる。
「みんな、仲良くしよ……」
「ほっとけばいいーの。 2人ともハナちゃんが好きすぎるってだけだから。 慣れるよそのうち」
紅茶を運ぶ仕草も優雅に静観を決め込むが、
2人を見るリュートの目が優しい。
(ミズキ、元気そうだもんね)
ミズキも長い眠りについていたが、起きたら体調は今まで生きてきた中で1番良い、らしく溌剌と過ごせているそうで。
カナタとの舌戦が絶好調なのも頷ける。
私と力をあわせると互いの代償が軽くなるのでほっとする。
「うん、ないねー。こっちの気持ちガン無視ー!」
非難ごうごうでカナタを責め立てるのは息のあったいつものロイヤルカップルだ。
私には一生縁がないと思われた場所の、紫と銀を基調にした調度品が素敵な客間で。
大層大怒りな様子の2人と、暖簾に腕押しなカナタを眺めながらのお茶会が開催されている。
「そんなこと言われましても、火急的速やかにお知らせしましたし?」
「火急的って何かしら!? カナタ様の速やかは10日近く経ってからを言うのかしら??」
「おや。なんのことやら。 私はハナキの調子が万全になってからお知らせしただけのこと」
「……万全に、ねえ。乱しまくっていたのはどこのどいつだか」
「ん゛ふっ!」
カナタとミズキの笑顔で殴り合う舌戦さえわたる中、ボソッと突っ込むリュートの言葉に私は口の中のものを吹き出しそうになる。
「ふふ。図星」
リュートが生暖かい眼差しで見てくるのだがやめてほしい。切実に。
私を巻き込まないでほしい。
「わたくしにその手の隠し事は通用しないの、ご存知ないのでしょうか??
わたくし、先読みの巫女ですけど?」
キャンキャン口々に飛び出す非難の声もしれっと聞き流し、ニコニコと表情を変えずにティーカップに口をつけるカナタの心臓は、鋼鉄でできているに違いない。
(い、いたたまれない……)
隣に座る私は消えてしまいたい気持ちで小さくなってお菓子を齧っているというのに。
(やっぱり、宮廷お菓子美味しい♪)
少々現実逃避したくなっても責められないと思うのよ。
私が目覚めてから、カナタはまるっと1週間くらいはほぼ部屋から出してくれないし離してくれなかった。
(1週間くらい……だよね?)
正直時間の感覚も麻痺してたよね。
何をするにも……
は、恥ずかしい……
身体が悲鳴をあげそうです。
季節一つ以上を寝て過ごしたのも手伝い、しばらくはまともに動けませんでした。
私が金鷲との縁を無くしたので、
カナタの魔力で眠くなる事象はなくなった。
「やっと、魔力を注いでも意識を保ってくださるんですね。
もう遠慮はいりませんね?
途中で止めることはできませんのでご了承ください。
では、意識が飛ぶまで、私を感じて下さいね」
「優しく溶かしますので、
あなたはただ、私に溺れて下さい」
うわぁあ……思い出すと死ぬほど恥ずかしい。
我慢に我慢を重ねた変態紳士が火を吹きます。
薄暗い部屋の中で、声も枯れて
意識も飛び飛びで、自分が正気でいれたのかも定かじゃない。
真面目に壊れるかと思った。心身ともに。
涼しい顔してとんでもない絶り……んんっ。
優しくするっていったのに。
嘘つきめ。
(おかげで、大体の記憶はもどったわ……)
すん、と冷静に戻る。
魔力の過剰供給です。
玻璃の花の状態が変わった以上、
もうすでに染まっていたのだろうが
私は完全にカナタのものになってしまった。ようだ。
全てを放棄して私を最優先した結果、
私が目覚めた報告も後回しにしたらしく、ミズキとリュートはおかんむりだ。
報告後即招集を受けて渋々、カナタは私を連れて王都へ戻ることとなり、今に至る。
そのため、大変ご機嫌は斜めである。
「まだ早くおしらせしたほうですよ。
しばらくは2人きりでこもりたいくらいですし」
「いや、私は2人に会いたかったよ……?」
カナタは私を抱き殺す気かな。
「積年の想いを遂げられたんですよ、お預けの年数を思えば全く足りないです。
私としてはもっとずっとあなたと触れ合いたいし、誰にもハナキとの蜜月を邪魔されたくないですよ」
「言い方が卑猥!」
ピク、と片眉を上げて扇を少し広げ口元を隠すミズキ。
「……従来なら婚前交渉なんてもってのほかなんですけど。 前々からですけどわたくしのハナキに無体を強いるなんて本当、けだものぉ……」
「……ミズキ、心の声が出てるよ、落ち着いて」
表面上優雅さを失わない令嬢の鑑だったが、姉馬鹿も手伝い心の中はとんでもないことになっているようで、リュートは静かに宥めにかかる。
「……仲が良いのは結構ですけど、まだあなた方は正式な夫婦ではありませんので、それなりには謹んでくださいね、カナタ様?」
こめかみをヒクつかせながらも笑顔は絶やさず、ミズキは特大の釘を刺しにかかる。
「私は対外的なものは気にしませんけどね、ハナキが困るのは困るし、まあ。善処しますね」
「する気ないやつがする返事ー」
鋼鉄の心臓を貫ける釘ではなかったようで、リュートもやれやれと言った様子だ。
「……ハナキはまだ非公式ですが侯爵令嬢です。
ハナキの令嬢としての体面も考えてくださいね?
未婚の令嬢が! 親族でもない男性の屋敷に滞在してるってだけで
世間からアバズレの疵物扱いされますからね?」
「それは僥倖。 責任は喜んで取りますのでご安心ください。
ね、ハナキ」
いきなり私に振り返り、話を振ってくるカナタに、応戦んする姿勢は崩さないミズキだ。
カナタと互角でやり合えるなんて。
頼もしかっこいい私の片割れだと惚れ惚れしちゃう。
「これからハナキは嫌でもお役目や社交もあるんですから、
カナタ様のせいで変な外聞がたったらたまりません。 生家ですもの、今日からノルン侯爵家にお戻りになりませんか?
ね、お姉様?」
「えーと、うん」
(板挟みだよ……)
とりあえず、話を逸らそう。
「私の方がお姉さんだったんだね、
だから『ハナミズキ』か」
ミズキの方がよっぽどお姉さんぽいのにね。
先に出ただけの姉のようです。私は。
「ええ、ハナミズキの花言葉に、『永遠の絆』という意味もあるそうよ。わたくしたちにぴったりね」
ふふん、とカナタに挑戦的な視線を送りつつ、ミズキは正面に座る私の手を握る。
カナタは笑みを崩さないが、黒いオーラが放出して見える。
カナタとミズキの間に冷たーい火花が散っている、ような……
虎と龍が笑顔で殴り合う、そんな光景が浮かんでくる。
「みんな、仲良くしよ……」
「ほっとけばいいーの。 2人ともハナちゃんが好きすぎるってだけだから。 慣れるよそのうち」
紅茶を運ぶ仕草も優雅に静観を決め込むが、
2人を見るリュートの目が優しい。
(ミズキ、元気そうだもんね)
ミズキも長い眠りについていたが、起きたら体調は今まで生きてきた中で1番良い、らしく溌剌と過ごせているそうで。
カナタとの舌戦が絶好調なのも頷ける。
私と力をあわせると互いの代償が軽くなるのでほっとする。
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