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その後
81 案外上手くいく会話。
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セルジュが悲壮な顔でロイに首根っこを掴まれて、テントに引きずり込まれていった。
手を伸ばされたが助ける気はない。ラウリーもちょっとロイと同じテントは遠慮したかった。丸出し怖い。
セルジュはラウリーと一緒が良かったのだと思いたいが、多分ロイと寝ると思い出すからだろうなぁと思った。
ラウリーとしてはセルジュとクルトは何もなくても一緒に寝て欲しくないので、尊い犠牲だと思うことにした。
「僕たちも寝ようか?」
「そうですね」
二人用のテントは思っていたよりも広かった。多分きっと、あちらは狭いのだろうけれど。
荷物から毛布を出すとセルジュの香りがふわりと広がった。
「あれ? セルジュの毛布だ。まぁいいか」
間違って入れたのか。けれど今あのテントにセルジュと毛布が違うよと持っていく勇気はない。
それに別にセルジュの毛布で構わない。むしろ安心感があるので、セルジュの毛布で良かったかも知れない。
「あれ、セルジュの毛布なのにそのまま寝るの?」
「あっ、はい。あっちのテントを訪ねる勇気ないです」
「あはは、確かに」
セルジュも来なかったので、ラウリーは頭からすっぽりと毛布をかぶりセルジュの香りに包まれながら寝た。
無防備に横になりすぐに寝てしまったラウリーを、クルトが見ているのには気が付かなかった。
「信頼、されているねぇ? 僕はそんなにイイ男じゃないのに」
「あ゛づ、い゛ーーーー!!!!」
セルジュの叫び声で目が覚めた。明るいからもう朝かと思っていたら。
何故かとんでもないことになっていて、上目遣いのクルトと目が合った。ラウリーは何故かクルトを抱き締めて寝ていた。焦って手を離した。
「おぉう、すみません……」
「積極的だね? ラウリーくんは」
「すすすすみません」
最近はいつもセルジュに抱き込まれて寝ていたから、手持ち無沙汰だったのかもしれない? え?
混乱しつつも毛布からするセルジュの香りや、普段のセルジュのせいにして心を落ち着かせた。
何故なら引き寄せるように抱きしめていた手を離したのに、クルトが動いてくれないのだ。
ラウリーはずりずりと体を後ろにずらして離れてから起きた。焦りで心臓がバクバクする。無表情だが。
クルトも起き上がったが、何だかエロい雰囲気を漂わせている。
「ねぇ、ラウリーさぁ、この依頼の後にお兄さんを抱かない?」
明確なお誘いだった。
「あー、すみません。もう決めているので」
「その決まっているネコの中に混ぜてって、言ってるんだよ。僕も悪くないと思うよ?」
クルトがつぅーと人差し指をラウリーのお腹に滑らせる。無表情だが内心誘い方にそわそわした。
「あっ、いえ。もう一人だけなので。言わないで下さいね? 詮索されると面倒なので」
クルトが少し驚いた顔をした。
「へぇ? 恋人ってこと?」
「はい」
「ふ~ん。なら浮気は駄目だね。僕を抱き締めて寝たことは、秘密にしてあげるね?」
「っお願いします」
脅しか何かなのだろうか。ラウリーは怖いと思ったが無表情だった。
ラウリーがトイレを済ませ陰茎から尿をきっていると、クルトに後ろから覗き込まれた。
「なっ!? ちょ、」
「ラウリーくん、イイの持ってるんだね。凄く隠しているから、そうじゃないんだと思ってた」
ラウリーは慌てて陰茎を洗浄して服の中にしまった。恋人がいるのに抱き締めてしまった報復だろうか。
そのままクルトがラウリーの肩に体重をかけて、のしかかってくる。
「ねぇ、結腸にはハメられるの?」
ラウリーはセルジュに、大体の相手にはハメられると言われたことを思い出して答えた。
「はぁ、大体は」
「ふ~ん。ハメられてるんだぁ」
「そう、ですね」
クルトがラウリーが恋人にハメていると思っているのはわかっていたが、どちらにもとれる言い方なので素直にそのまま答えた。
バレた時を思うと、嘘は出来るだけ付きたくない。
「イかせてるんだね」
「まぁ、それなりには」
セルジュはラウリーにイかせられているとよく言うので、これも嘘は言っていない。
「あれ? 満足させている自信がないの?」
「イってるのと満足しているのかは、別でしょう?」
セルジュもイきまくってはいるが、いつも気遣って加減してくれている。セルジュの気が済むまで付き合うと、ラウリーはもたないだろう。
だから本当に満足しているかというと、どうかと思う。一度耐久チャレンジをしてみた方がいいのだろうか。
「へぇ?」
クルトは満足したのか、ラウリーの頭を撫でてから離れて行った。何故撫でるかな?
チラッとクルトが去ったのと反対側を見ると、セルジュが凄い顔で下唇を噛みしめていた。
「あぁ、うん。そんな気してた」
見られていないといいなと思う場面ほど、見られているものだ。
帰りのテントはセルジュの必死の訴えにより、ラウリーと同じテントになった。
セルジュがやきもちを焼いているのはわかっていたので、しがみついて来るのをそのままにして寝た。
朝、早く起きたクルトがいたずら心から二人のテントを覗いた。
「ふっ、本当にドSに躾けられている駄犬、なのかな?」
がっつりしがみつかれて寝たラウリーは、途中で暑くなってセルジュを押し退けていた。
だからクルトが見た光景は、真ん中で大の字になって寝るセルジュが邪魔だと言わんばかりに、手と足でセルジュの顔と体を押し退けているラウリーだった。
手を伸ばされたが助ける気はない。ラウリーもちょっとロイと同じテントは遠慮したかった。丸出し怖い。
セルジュはラウリーと一緒が良かったのだと思いたいが、多分ロイと寝ると思い出すからだろうなぁと思った。
ラウリーとしてはセルジュとクルトは何もなくても一緒に寝て欲しくないので、尊い犠牲だと思うことにした。
「僕たちも寝ようか?」
「そうですね」
二人用のテントは思っていたよりも広かった。多分きっと、あちらは狭いのだろうけれど。
荷物から毛布を出すとセルジュの香りがふわりと広がった。
「あれ? セルジュの毛布だ。まぁいいか」
間違って入れたのか。けれど今あのテントにセルジュと毛布が違うよと持っていく勇気はない。
それに別にセルジュの毛布で構わない。むしろ安心感があるので、セルジュの毛布で良かったかも知れない。
「あれ、セルジュの毛布なのにそのまま寝るの?」
「あっ、はい。あっちのテントを訪ねる勇気ないです」
「あはは、確かに」
セルジュも来なかったので、ラウリーは頭からすっぽりと毛布をかぶりセルジュの香りに包まれながら寝た。
無防備に横になりすぐに寝てしまったラウリーを、クルトが見ているのには気が付かなかった。
「信頼、されているねぇ? 僕はそんなにイイ男じゃないのに」
「あ゛づ、い゛ーーーー!!!!」
セルジュの叫び声で目が覚めた。明るいからもう朝かと思っていたら。
何故かとんでもないことになっていて、上目遣いのクルトと目が合った。ラウリーは何故かクルトを抱き締めて寝ていた。焦って手を離した。
「おぉう、すみません……」
「積極的だね? ラウリーくんは」
「すすすすみません」
最近はいつもセルジュに抱き込まれて寝ていたから、手持ち無沙汰だったのかもしれない? え?
混乱しつつも毛布からするセルジュの香りや、普段のセルジュのせいにして心を落ち着かせた。
何故なら引き寄せるように抱きしめていた手を離したのに、クルトが動いてくれないのだ。
ラウリーはずりずりと体を後ろにずらして離れてから起きた。焦りで心臓がバクバクする。無表情だが。
クルトも起き上がったが、何だかエロい雰囲気を漂わせている。
「ねぇ、ラウリーさぁ、この依頼の後にお兄さんを抱かない?」
明確なお誘いだった。
「あー、すみません。もう決めているので」
「その決まっているネコの中に混ぜてって、言ってるんだよ。僕も悪くないと思うよ?」
クルトがつぅーと人差し指をラウリーのお腹に滑らせる。無表情だが内心誘い方にそわそわした。
「あっ、いえ。もう一人だけなので。言わないで下さいね? 詮索されると面倒なので」
クルトが少し驚いた顔をした。
「へぇ? 恋人ってこと?」
「はい」
「ふ~ん。なら浮気は駄目だね。僕を抱き締めて寝たことは、秘密にしてあげるね?」
「っお願いします」
脅しか何かなのだろうか。ラウリーは怖いと思ったが無表情だった。
ラウリーがトイレを済ませ陰茎から尿をきっていると、クルトに後ろから覗き込まれた。
「なっ!? ちょ、」
「ラウリーくん、イイの持ってるんだね。凄く隠しているから、そうじゃないんだと思ってた」
ラウリーは慌てて陰茎を洗浄して服の中にしまった。恋人がいるのに抱き締めてしまった報復だろうか。
そのままクルトがラウリーの肩に体重をかけて、のしかかってくる。
「ねぇ、結腸にはハメられるの?」
ラウリーはセルジュに、大体の相手にはハメられると言われたことを思い出して答えた。
「はぁ、大体は」
「ふ~ん。ハメられてるんだぁ」
「そう、ですね」
クルトがラウリーが恋人にハメていると思っているのはわかっていたが、どちらにもとれる言い方なので素直にそのまま答えた。
バレた時を思うと、嘘は出来るだけ付きたくない。
「イかせてるんだね」
「まぁ、それなりには」
セルジュはラウリーにイかせられているとよく言うので、これも嘘は言っていない。
「あれ? 満足させている自信がないの?」
「イってるのと満足しているのかは、別でしょう?」
セルジュもイきまくってはいるが、いつも気遣って加減してくれている。セルジュの気が済むまで付き合うと、ラウリーはもたないだろう。
だから本当に満足しているかというと、どうかと思う。一度耐久チャレンジをしてみた方がいいのだろうか。
「へぇ?」
クルトは満足したのか、ラウリーの頭を撫でてから離れて行った。何故撫でるかな?
チラッとクルトが去ったのと反対側を見ると、セルジュが凄い顔で下唇を噛みしめていた。
「あぁ、うん。そんな気してた」
見られていないといいなと思う場面ほど、見られているものだ。
帰りのテントはセルジュの必死の訴えにより、ラウリーと同じテントになった。
セルジュがやきもちを焼いているのはわかっていたので、しがみついて来るのをそのままにして寝た。
朝、早く起きたクルトがいたずら心から二人のテントを覗いた。
「ふっ、本当にドSに躾けられている駄犬、なのかな?」
がっつりしがみつかれて寝たラウリーは、途中で暑くなってセルジュを押し退けていた。
だからクルトが見た光景は、真ん中で大の字になって寝るセルジュが邪魔だと言わんばかりに、手と足でセルジュの顔と体を押し退けているラウリーだった。
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