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その後
73 疲弊する日常。
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あの気色悪い屈服させたい系タチの変態が、何故か突然ラウリーに狙いを変えて来た。
「あれ、君はスノウ狙いじゃなかったの?」
不気味に思っていたら、クルトがすかさず聞いてくれた。
「スノウさんはラウリーさんにだけはネコだと聞いたので。既に誰かに屈服しているタチには興味ないんです」
「……」
なるほどなとラウリーは思った。
「俺もクルトさんにだけネコだけど」
手をセルジュにするみたいにいやらしく絡めてみた。勘の良いクルトもすぐに乗って来てくれたのだが。
「流石に騙されませんよ」
何故か新人はそう言って、ラウリー狙いを変えてはくれなかった。
「何故だ……」
「流石に僕も無理があるなぁとは思ったよ。どうする? 本当に僕に抱かれてみる?」
「いえ」
何故かクルトに誘われた。ラウリーはそもそもネコなのだが。セルジュのネコだと言えば信憑性は上がる?
真実だから信憑性も何もないが、真実を話しても信じてもらえる気がしないのは何故だろう。
その日もラウリーの部屋に帰って来たセルジュに、早急に押し倒された。
誰かがギルドで、ラウリーとクルトのやり取りを話していたらしい。
「クルトさんにいやらしく手を絡めたって聞いた!」
「うん。クルトさんのネコだって言えば、あの気色の悪いタチが諦めるかなって思って」
「いやらしく……!」
引っかかっていたのはそこかと思って、ラウリーは言い直した。
「ちゃんとそれっぽく見せようと思って、セルジュに手を絡める時を思い出して絡めてみた」
「……っ!」
セルジュの脳内が忙しそうだったが、追い打ちをかけようと思った。
「なぁ、もう同棲しないか?」
「……っ! ……っ!」
セルジュがラウリーの部屋に帰って来たがるので、節約にもなるし同棲を提案しようと少し前から考えていた。
セルジュの存在で日々の疲れも癒されているし、セルジュが通ってくれないとラウリーはもう嫌だった。
でもそれだとセルジュの負担になるのはわかっていたので、妥当な提案だと思うのだが。
「喜んで!」
言葉と共に押し倒されて、同棲の話は翌日に持ち越された。
「スノウと飯を作って食う時は、同棲中の部屋にして欲しい。俺がいる日だとなおいい」
「え? 部屋は逆に嫌じゃない?」
ラウリーはここに、セルジュがネコを連れ込むのは嫌だった。
「ラウが相手のテリトリーに入っている方がイヤ」
「ふぅん?」
狩りで急な泊まりはそれなりにあるから、セルジュが帰って来ないかもしれないことは言わないでおいた。
申し訳ない気持ちはあるが、今は別の意味でも弱っているスノウを放置は危ない気がしていた。
モナカとの入れ替わりは、モナカが狩りに回されて泊まりが多くて上手くいっていないのだ。
互いに荷物は少ないので、それぞれの個室と共有スペースがある部屋を休みを合わせて探しに行った。
以前セルジュが見た時にいいなと思っていた部屋を見せられ、ラウリーもいいなと思って内見して決めた。
家賃は折半で、よく食べるセルジュが食費は多めに払うことも決めた。
今の部屋の解約手続きもして、一度部屋に戻って昼飯を食べていた。
「でっかいベッド買おう?」
「いいよ。でも俺、今のベッドもそのまま持ってくよ」
「何で!?」
「お互いに泊まりで仕事するじゃん」
「えっ、居なくても二人のベッドで寝てて欲しい」
「ヤダ」
皆まで言わなかったが、セルジュの匂いがするベッドで一人で静かに寝るとか寂しいとラウリーは思った。
少し寂しそうに目を逸らすラウリーを見たセルジュは、何となくラウリーの気持ちを察した。
「えーじゃあ俺は、一人の日はラウのベッドで寝ようかなぁ?」
「部屋に鍵をかけとく」
「酷い!」
お金を出し合い、セルジュが選んだスプリングがいいベッドを購入した。
二人は普通に同棲を始めたのだが、周囲には何も言わなくても同居を始めたと思われた。
しかもあの変態除けだと思われた。変態がラウリーの部屋を突き止めたのかと、何人もの人に心配された。
そうではないが、確かに押し掛けられる危険性はあったなと思った。
絶対に部屋に入れる気は無いが、扉の前で粘られるのも嫌だ。部屋の出入りが面倒になる。
「今のところは大丈夫だけれど、予防策的な? 後は単純に節約で」
「あいつ面倒そうだしなぁ。ラウにはその方が良さそう」
スノウに普通に納得された。魔法で対処すると殺してしまうから、セルジュの物理に説得力があるらしい。
ラウリーの腰に引っ付いたまま会話に入って来るのはやめて欲しいが。
「セルジュが泊まりの日は、俺が泊まりに行こうか?」
「バレてないうちは大丈夫」
「バレた瞬間が面倒じゃないか?」
親切心なのはわかるが、それこそセルジュに嫌な思いをさせてしまう。それからモナカの目が怖い。
スノウからの求婚は収まったものの、あの変態の登場で抱き着きが止まらなくなっている。
スノウ自身が変態が怖いのもあると思うが、変態からラウリーを守る為でもあるのは何となくわかる。
純粋な力だけで考えると、ラウリーより変態の方が強い。
モナカからも自分のせいで変態を押してけてしまったと、スノウが気にしているとも聞いている。
「そういう優しいとこが好きなんだけど、わざわざ抱き着かなくてもよくない!?」とも言われたが。
セルジュにも「守るにしても抱き着く必要なくない!?」と言われたが。
ラウリーもそう思うが、スノウの力が強過ぎて引き剥がせないでいた。
「あれ、君はスノウ狙いじゃなかったの?」
不気味に思っていたら、クルトがすかさず聞いてくれた。
「スノウさんはラウリーさんにだけはネコだと聞いたので。既に誰かに屈服しているタチには興味ないんです」
「……」
なるほどなとラウリーは思った。
「俺もクルトさんにだけネコだけど」
手をセルジュにするみたいにいやらしく絡めてみた。勘の良いクルトもすぐに乗って来てくれたのだが。
「流石に騙されませんよ」
何故か新人はそう言って、ラウリー狙いを変えてはくれなかった。
「何故だ……」
「流石に僕も無理があるなぁとは思ったよ。どうする? 本当に僕に抱かれてみる?」
「いえ」
何故かクルトに誘われた。ラウリーはそもそもネコなのだが。セルジュのネコだと言えば信憑性は上がる?
真実だから信憑性も何もないが、真実を話しても信じてもらえる気がしないのは何故だろう。
その日もラウリーの部屋に帰って来たセルジュに、早急に押し倒された。
誰かがギルドで、ラウリーとクルトのやり取りを話していたらしい。
「クルトさんにいやらしく手を絡めたって聞いた!」
「うん。クルトさんのネコだって言えば、あの気色の悪いタチが諦めるかなって思って」
「いやらしく……!」
引っかかっていたのはそこかと思って、ラウリーは言い直した。
「ちゃんとそれっぽく見せようと思って、セルジュに手を絡める時を思い出して絡めてみた」
「……っ!」
セルジュの脳内が忙しそうだったが、追い打ちをかけようと思った。
「なぁ、もう同棲しないか?」
「……っ! ……っ!」
セルジュがラウリーの部屋に帰って来たがるので、節約にもなるし同棲を提案しようと少し前から考えていた。
セルジュの存在で日々の疲れも癒されているし、セルジュが通ってくれないとラウリーはもう嫌だった。
でもそれだとセルジュの負担になるのはわかっていたので、妥当な提案だと思うのだが。
「喜んで!」
言葉と共に押し倒されて、同棲の話は翌日に持ち越された。
「スノウと飯を作って食う時は、同棲中の部屋にして欲しい。俺がいる日だとなおいい」
「え? 部屋は逆に嫌じゃない?」
ラウリーはここに、セルジュがネコを連れ込むのは嫌だった。
「ラウが相手のテリトリーに入っている方がイヤ」
「ふぅん?」
狩りで急な泊まりはそれなりにあるから、セルジュが帰って来ないかもしれないことは言わないでおいた。
申し訳ない気持ちはあるが、今は別の意味でも弱っているスノウを放置は危ない気がしていた。
モナカとの入れ替わりは、モナカが狩りに回されて泊まりが多くて上手くいっていないのだ。
互いに荷物は少ないので、それぞれの個室と共有スペースがある部屋を休みを合わせて探しに行った。
以前セルジュが見た時にいいなと思っていた部屋を見せられ、ラウリーもいいなと思って内見して決めた。
家賃は折半で、よく食べるセルジュが食費は多めに払うことも決めた。
今の部屋の解約手続きもして、一度部屋に戻って昼飯を食べていた。
「でっかいベッド買おう?」
「いいよ。でも俺、今のベッドもそのまま持ってくよ」
「何で!?」
「お互いに泊まりで仕事するじゃん」
「えっ、居なくても二人のベッドで寝てて欲しい」
「ヤダ」
皆まで言わなかったが、セルジュの匂いがするベッドで一人で静かに寝るとか寂しいとラウリーは思った。
少し寂しそうに目を逸らすラウリーを見たセルジュは、何となくラウリーの気持ちを察した。
「えーじゃあ俺は、一人の日はラウのベッドで寝ようかなぁ?」
「部屋に鍵をかけとく」
「酷い!」
お金を出し合い、セルジュが選んだスプリングがいいベッドを購入した。
二人は普通に同棲を始めたのだが、周囲には何も言わなくても同居を始めたと思われた。
しかもあの変態除けだと思われた。変態がラウリーの部屋を突き止めたのかと、何人もの人に心配された。
そうではないが、確かに押し掛けられる危険性はあったなと思った。
絶対に部屋に入れる気は無いが、扉の前で粘られるのも嫌だ。部屋の出入りが面倒になる。
「今のところは大丈夫だけれど、予防策的な? 後は単純に節約で」
「あいつ面倒そうだしなぁ。ラウにはその方が良さそう」
スノウに普通に納得された。魔法で対処すると殺してしまうから、セルジュの物理に説得力があるらしい。
ラウリーの腰に引っ付いたまま会話に入って来るのはやめて欲しいが。
「セルジュが泊まりの日は、俺が泊まりに行こうか?」
「バレてないうちは大丈夫」
「バレた瞬間が面倒じゃないか?」
親切心なのはわかるが、それこそセルジュに嫌な思いをさせてしまう。それからモナカの目が怖い。
スノウからの求婚は収まったものの、あの変態の登場で抱き着きが止まらなくなっている。
スノウ自身が変態が怖いのもあると思うが、変態からラウリーを守る為でもあるのは何となくわかる。
純粋な力だけで考えると、ラウリーより変態の方が強い。
モナカからも自分のせいで変態を押してけてしまったと、スノウが気にしているとも聞いている。
「そういう優しいとこが好きなんだけど、わざわざ抱き着かなくてもよくない!?」とも言われたが。
セルジュにも「守るにしても抱き着く必要なくない!?」と言われたが。
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