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その後
72 嫉妬の嵐。
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「だったら前の拠点に恋人がいるんじゃないの? 堕としたんでしょ?」
クルトが引き取ってくれるようなので、ラウリーとスノウはクルトの後ろに下がった。変態は怖い。
「ただの発散目的ですから、拠点を移れば関係は終わりです。オイデンに辿り着いたなら抱いてやるかもしれませんが、まぁ彼では無理でしょうね」
「君、下種だね」
クルトの冷た過ぎる笑顔にスノウと一緒に震えた。いつも優しいクルトが怖い。
それから変態は、猛烈なアプローチをスノウに開始した。ついでとばかりにラウリーにも。
同時進行でタチをネコに出来るのかとも思うが、本人的にはいけると思っているらしい。
何かとクルトに助けてもらっていたが、今後の為に自らあしらえるようになる必要がある。
だがそれは二人の性格的に難しかった。クルトからもその都度助言をもらっているが、上手くいかない。
更に他に二人ネコらしきがいるのだが、一緒に来た恋人っぽいタチを放置してこちらをロックオンしていた。
スノウはロイに指導されているが、一人がやたらとベタベタして来て指導がままならない状態。
しかもそこに恋人らしいタチが割り込んで来るので、毎回修羅場のような状態になっている。
もう一人はクルトかラウリーを狙っているようで、わざと魔法が出来ないフリをして寄って来る。
スノウもラウリーも練習どころではなかった。
「また上手く出来なかったんでぇ、魔法教えて下さぁい」
出来るものを教える気はクルトにもラウリーにもないが、諦めないのでいちいち長い中断になる。
こちらのネコとペアだったタチは割り込まない代わりに既に目が死んでいて、別の意味で心配になる。
さらにあの屈服系がどちらにも混ざって来るので、正直カオスだ。
「どうも彼らは発散相手なだけだったみたいだよ」
「……面倒な」
クルトが誰かから聞いたらしい。
「ね。特にスノウ狙いの方のタチはネコにベタ惚れみたいだから、スノウの苦労は続きそう」
「あっ」
態とらしくまた魔法を失敗したネコに、クルトと二人でうんざりした。会話も出来やしない。
「あの子も普通にウザいよね。ラウリーの練習台にならないし」
「私はモテないな……」
声が聞こえて二人で振り返ると、地味にロイまでダメージを受けていた。
ギルドに戻ってからも新人が絡んで来る。そうすると他の人も参戦して来るので常に休まらない。
ラウリーは日々セルジュに癒してもらえるが、スノウがストレスでか痩せて来てしまっていた。
新人指導がこんな状態なので、セルジュがとても気にしているのだ。
「今日の共同依頼はどうだった?」
セルジュは詳しく話を聞きたがる。隠すことは何もないので、全て話している。
「今日もいつも通り。ロイさんとクルトさんでも大分困ってる。スノウがストレスで痩せて来たように思う」
西と東側からだから普通の人たちだろうとラウリーは思っていたのだが、そうでもなかった。
たまたまラウリーの同期がいい感じ過ぎたのだとクルトに言われた。言われてみれば、すぐに見かけなくなる冒険者はそれなりにいた。
今日はセルジュにも助けを求めて、二人でスノウの部屋に来た。料理はセルジュと二人で作った。
モナカは残念ながら泊まりで共闘に出ていていない。今頃咽び泣いているだろう。
「俺、クルトさんみたいに上手く出来なくて、ネコはともかくタチが寄って来たら殴りそうになる」
スノウがどん底に落ち込んでいて、セルジュが慰めている。指導中の新人に暴力を振るうのはご法度だ。
「そういう奴は何故か自分に自信満々だからなぁ。ちんこは? スノウよりでかいか?」
「まだポロリは見てねぇな」
スノウが顔を見て来たのでラウリーも頷いた。
「スノウの方がでかけりゃ、鼻で嗤ってへし折れるのにな」
「ちんこでそんな簡単に片付くの?」
思わずラウリーは尋ねた。むしろネコも変態も喜びそうな気がする。
「そういうタチは大体ちんこで穏便に解決できるぞ。ネコを取られると思っているタチをへこませることが出来るし、変態は俺より貧相なちんこで俺を抱く? はんって雰囲気で鼻で嗤ってやればいいんだよ」
「でもそれだとネコが……。変態も変態だから盛り上がりそうな……」
スノウもラウリーと同じ考えだったらしい。
「三人同時に来るから面倒なんだ。だからまずは、人数を減らすことから考えたらいいかなって。ネコは抱かなければどうとでもなるだろ」
「「なるほどなぁ」」
スノウと二人で納得していたら、セルジュがじっとりした目で見ていた。
スノウとどうやって新人にポロリさせるかを話し合っていた二人は、その視線に気付かなかった。
部屋に戻ったら、すぐにセルジュに口づけされて押し倒された。スノウとシンクロしたのが駄目だったらしい。
本当にただの偶然だったのだが。ノリノリで受け入れたが。明日も朝から予定があり、時間をたっぷり取れなかったのだけが惜しい。
クルトが引き取ってくれるようなので、ラウリーとスノウはクルトの後ろに下がった。変態は怖い。
「ただの発散目的ですから、拠点を移れば関係は終わりです。オイデンに辿り着いたなら抱いてやるかもしれませんが、まぁ彼では無理でしょうね」
「君、下種だね」
クルトの冷た過ぎる笑顔にスノウと一緒に震えた。いつも優しいクルトが怖い。
それから変態は、猛烈なアプローチをスノウに開始した。ついでとばかりにラウリーにも。
同時進行でタチをネコに出来るのかとも思うが、本人的にはいけると思っているらしい。
何かとクルトに助けてもらっていたが、今後の為に自らあしらえるようになる必要がある。
だがそれは二人の性格的に難しかった。クルトからもその都度助言をもらっているが、上手くいかない。
更に他に二人ネコらしきがいるのだが、一緒に来た恋人っぽいタチを放置してこちらをロックオンしていた。
スノウはロイに指導されているが、一人がやたらとベタベタして来て指導がままならない状態。
しかもそこに恋人らしいタチが割り込んで来るので、毎回修羅場のような状態になっている。
もう一人はクルトかラウリーを狙っているようで、わざと魔法が出来ないフリをして寄って来る。
スノウもラウリーも練習どころではなかった。
「また上手く出来なかったんでぇ、魔法教えて下さぁい」
出来るものを教える気はクルトにもラウリーにもないが、諦めないのでいちいち長い中断になる。
こちらのネコとペアだったタチは割り込まない代わりに既に目が死んでいて、別の意味で心配になる。
さらにあの屈服系がどちらにも混ざって来るので、正直カオスだ。
「どうも彼らは発散相手なだけだったみたいだよ」
「……面倒な」
クルトが誰かから聞いたらしい。
「ね。特にスノウ狙いの方のタチはネコにベタ惚れみたいだから、スノウの苦労は続きそう」
「あっ」
態とらしくまた魔法を失敗したネコに、クルトと二人でうんざりした。会話も出来やしない。
「あの子も普通にウザいよね。ラウリーの練習台にならないし」
「私はモテないな……」
声が聞こえて二人で振り返ると、地味にロイまでダメージを受けていた。
ギルドに戻ってからも新人が絡んで来る。そうすると他の人も参戦して来るので常に休まらない。
ラウリーは日々セルジュに癒してもらえるが、スノウがストレスでか痩せて来てしまっていた。
新人指導がこんな状態なので、セルジュがとても気にしているのだ。
「今日の共同依頼はどうだった?」
セルジュは詳しく話を聞きたがる。隠すことは何もないので、全て話している。
「今日もいつも通り。ロイさんとクルトさんでも大分困ってる。スノウがストレスで痩せて来たように思う」
西と東側からだから普通の人たちだろうとラウリーは思っていたのだが、そうでもなかった。
たまたまラウリーの同期がいい感じ過ぎたのだとクルトに言われた。言われてみれば、すぐに見かけなくなる冒険者はそれなりにいた。
今日はセルジュにも助けを求めて、二人でスノウの部屋に来た。料理はセルジュと二人で作った。
モナカは残念ながら泊まりで共闘に出ていていない。今頃咽び泣いているだろう。
「俺、クルトさんみたいに上手く出来なくて、ネコはともかくタチが寄って来たら殴りそうになる」
スノウがどん底に落ち込んでいて、セルジュが慰めている。指導中の新人に暴力を振るうのはご法度だ。
「そういう奴は何故か自分に自信満々だからなぁ。ちんこは? スノウよりでかいか?」
「まだポロリは見てねぇな」
スノウが顔を見て来たのでラウリーも頷いた。
「スノウの方がでかけりゃ、鼻で嗤ってへし折れるのにな」
「ちんこでそんな簡単に片付くの?」
思わずラウリーは尋ねた。むしろネコも変態も喜びそうな気がする。
「そういうタチは大体ちんこで穏便に解決できるぞ。ネコを取られると思っているタチをへこませることが出来るし、変態は俺より貧相なちんこで俺を抱く? はんって雰囲気で鼻で嗤ってやればいいんだよ」
「でもそれだとネコが……。変態も変態だから盛り上がりそうな……」
スノウもラウリーと同じ考えだったらしい。
「三人同時に来るから面倒なんだ。だからまずは、人数を減らすことから考えたらいいかなって。ネコは抱かなければどうとでもなるだろ」
「「なるほどなぁ」」
スノウと二人で納得していたら、セルジュがじっとりした目で見ていた。
スノウとどうやって新人にポロリさせるかを話し合っていた二人は、その視線に気付かなかった。
部屋に戻ったら、すぐにセルジュに口づけされて押し倒された。スノウとシンクロしたのが駄目だったらしい。
本当にただの偶然だったのだが。ノリノリで受け入れたが。明日も朝から予定があり、時間をたっぷり取れなかったのだけが惜しい。
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