70 / 83
その後
70 新しい日常。
しおりを挟む
セルジュはラウリーと本当の意味で結ばれてからは、毎日が幸せ一杯で絶好調だった。
外では今まで通り。会う頻度がセルジュがむらむらしていた時と変わりないくらいなのが少し不満なくらい。
けれど仕事の関係で毎日会うのには無理があるし、それ以外も毎日二人だけでいるのは仕事に影響する。
互いに命を預ける訳だから、やはり人間関係を円滑にする為の付き合いというのは重要になる。
合鍵をもらえたので、会う約束がある日はセルジュ一人でも先にラウリーの部屋に行くようになった。
致せる日ではなくても一緒に居たいから部屋に行く。今日は明日からラウリーが泊まりの狩りなので致さない。
先に帰った方が夕飯を作ることになったので、先に帰ったセルジュが夕飯を作り始めた。
途中で帰って来たラウリーと一緒に夕飯を作り終え、今日の話をしながら夕飯を食べる。
ラウリーはその後風呂に行き、セルジュは部屋で魔法の練習をする。
風呂上がりのラウリーはセルジュに必ず寄り添うように座る。
そのまま少し話をしてから寝るのだが、布団に入るとどちらからともなくぴったりとくっつく。
ただそれだけで、とても幸せな気持ちになれる。
「なんかセルジュと寝ると、熟睡出来るんだよなぁ。安心感……かな?」
「ならよかった」
ラウリーは寝ている間も探索が出来るから、元々眠りが浅い人なのだとセルジュは思っていた。
けれど恋人になってからは、朝起きるのがセルジュより遅い日の方が多くなった。
探索は変わらずしているが、無関係な人の動きがあまり気にならなくなったらしい。
ラウリーが早起きだったのは、周囲の人が動き出していたからだった。
それは多分ラウリーが言うように、セルジュがいると安心するからなのだと思うとにやにやしてしまう。
ぎゅっと抱きしめると、ラウリーもぎゅっとしてくれた。安心して眠って欲しい。
今日もセルジュが先に目覚めた。ラウリーはぴったりと寄り添ったまますやすやと眠っている。
愛おしさが爆発しそう。このままラウリーを堪能していたいが、セルジュは起きるようにしている。
発散だけの関係の時は朝飯はラウリーに任せきりだった。セルジュの方が食べるのに、いつも用意してもらっていた申し訳なさが凄い。
朝飯を作ろうと体を起こすと、ラウリーが無意識なのかしがみついて来た。愛おしさが爆発した気がする。
「んーっ?」
「まだ寝てろよ。朝飯出来たら起こすから」
まだ眠くて目を開けられないラウリーのこめかみに口づけをして、離れるのがとても辛いが起きた。
湯を沸かしつつ昨日の残りのスープを温め、パンを焼く。おかずも用意するがほとんどセルジュの分だ。
準備が整うとラウリーを起こしにいくが、大抵セルジュの枕を抱っこして寝ている。可愛いが爆発しそうだ。
「ラウ、起きろ」
「うーん?」
なかなか起きないラウリーが本来の姿かと思うと、可愛さが爆発した。朝から唇を食む。
「んんうっ、起きる」
ぐっと押されてしまった。
ちょっとショックを受けていると、これ以上はヤりたくなるから駄目と言われたので気分が持ち直した。
ラウリーも起きて服を着替え──堂々とした生着替えにちょっとムラっとはしたが、一緒に食卓につく。
「朝飯、ありがと」
「どういたしまして」
「セルジュってさ、こんなに尽くすタイプだったの?」
ラウリーの世話をするのが楽しくて意識していなかったが、そう言われて思わず目を逸らした。
今までの自分はそういう深い関係の人がいなかったのもあるが、絶対に尽くすタイプではなかった。
「違うのか?」
「……」
まだ寝起きのぽわぽわした感じで、首を傾げるラウリーが可愛い。
追求からは逃れられなかった。何も言われなかったが、目が追及している気がしたのだ。
「今まで発散相手とは持ちつ持たれつだろって思っていたし、ヤるだけで他はドライな関係でございました」
「何その口調?」
後ろめたい訳ではないが、何故だかこうなった。何と言えばいいかわからない感情だが、恥ずかしいようなそんな感じ。
「別に無理に話して欲しいなんて思ってないけど?」
「いや、ちゃんと話しておこうかと。ラウリーの世話は、焼きたくて焼きたくて仕方が無いんです」
「そうなの?」
宣言しておいた方が、何となく色々とお世話させてくれる気がした。
「うん。本当は全ての飯を手ずから食べさせたいし、全ての移動を抱きかかえて行いたいです」
「いや、それはどうなの?」
「わかってはいるから我慢してる。でもさせてもらった時の幸福感が凄い」
「……」
ラウリーはセルジュの言葉に耐えられなくて、目を逸らした。お世話されるのは腰が砕けた時だけだ。
でもそれはそうした責任が、少なからずあるからだと思っていた。
だから元からセルジュは甘やかしたい人なのだと思っていたが、どうもそうではないらしい。
ただそれだけのことでセルジュの好きという気持ちを感じて、幸せな気持ちになる。
「待って? 発散相手じゃなくて今までの恋人とはどうだったの?」
「……恋人はラウリーが初めてです」
「……うっ、マジか」
ラウリーの反応が可愛いので恥ずかしいような気持ちが消し飛んだセルジュは聞いた。
「ラウは?」
「俺も、初めて」
セルジュはやっぱり今から押し倒したいなと思うくらい、嬉しい気持ちが溢れた。
外では今まで通り。会う頻度がセルジュがむらむらしていた時と変わりないくらいなのが少し不満なくらい。
けれど仕事の関係で毎日会うのには無理があるし、それ以外も毎日二人だけでいるのは仕事に影響する。
互いに命を預ける訳だから、やはり人間関係を円滑にする為の付き合いというのは重要になる。
合鍵をもらえたので、会う約束がある日はセルジュ一人でも先にラウリーの部屋に行くようになった。
致せる日ではなくても一緒に居たいから部屋に行く。今日は明日からラウリーが泊まりの狩りなので致さない。
先に帰った方が夕飯を作ることになったので、先に帰ったセルジュが夕飯を作り始めた。
途中で帰って来たラウリーと一緒に夕飯を作り終え、今日の話をしながら夕飯を食べる。
ラウリーはその後風呂に行き、セルジュは部屋で魔法の練習をする。
風呂上がりのラウリーはセルジュに必ず寄り添うように座る。
そのまま少し話をしてから寝るのだが、布団に入るとどちらからともなくぴったりとくっつく。
ただそれだけで、とても幸せな気持ちになれる。
「なんかセルジュと寝ると、熟睡出来るんだよなぁ。安心感……かな?」
「ならよかった」
ラウリーは寝ている間も探索が出来るから、元々眠りが浅い人なのだとセルジュは思っていた。
けれど恋人になってからは、朝起きるのがセルジュより遅い日の方が多くなった。
探索は変わらずしているが、無関係な人の動きがあまり気にならなくなったらしい。
ラウリーが早起きだったのは、周囲の人が動き出していたからだった。
それは多分ラウリーが言うように、セルジュがいると安心するからなのだと思うとにやにやしてしまう。
ぎゅっと抱きしめると、ラウリーもぎゅっとしてくれた。安心して眠って欲しい。
今日もセルジュが先に目覚めた。ラウリーはぴったりと寄り添ったまますやすやと眠っている。
愛おしさが爆発しそう。このままラウリーを堪能していたいが、セルジュは起きるようにしている。
発散だけの関係の時は朝飯はラウリーに任せきりだった。セルジュの方が食べるのに、いつも用意してもらっていた申し訳なさが凄い。
朝飯を作ろうと体を起こすと、ラウリーが無意識なのかしがみついて来た。愛おしさが爆発した気がする。
「んーっ?」
「まだ寝てろよ。朝飯出来たら起こすから」
まだ眠くて目を開けられないラウリーのこめかみに口づけをして、離れるのがとても辛いが起きた。
湯を沸かしつつ昨日の残りのスープを温め、パンを焼く。おかずも用意するがほとんどセルジュの分だ。
準備が整うとラウリーを起こしにいくが、大抵セルジュの枕を抱っこして寝ている。可愛いが爆発しそうだ。
「ラウ、起きろ」
「うーん?」
なかなか起きないラウリーが本来の姿かと思うと、可愛さが爆発した。朝から唇を食む。
「んんうっ、起きる」
ぐっと押されてしまった。
ちょっとショックを受けていると、これ以上はヤりたくなるから駄目と言われたので気分が持ち直した。
ラウリーも起きて服を着替え──堂々とした生着替えにちょっとムラっとはしたが、一緒に食卓につく。
「朝飯、ありがと」
「どういたしまして」
「セルジュってさ、こんなに尽くすタイプだったの?」
ラウリーの世話をするのが楽しくて意識していなかったが、そう言われて思わず目を逸らした。
今までの自分はそういう深い関係の人がいなかったのもあるが、絶対に尽くすタイプではなかった。
「違うのか?」
「……」
まだ寝起きのぽわぽわした感じで、首を傾げるラウリーが可愛い。
追求からは逃れられなかった。何も言われなかったが、目が追及している気がしたのだ。
「今まで発散相手とは持ちつ持たれつだろって思っていたし、ヤるだけで他はドライな関係でございました」
「何その口調?」
後ろめたい訳ではないが、何故だかこうなった。何と言えばいいかわからない感情だが、恥ずかしいようなそんな感じ。
「別に無理に話して欲しいなんて思ってないけど?」
「いや、ちゃんと話しておこうかと。ラウリーの世話は、焼きたくて焼きたくて仕方が無いんです」
「そうなの?」
宣言しておいた方が、何となく色々とお世話させてくれる気がした。
「うん。本当は全ての飯を手ずから食べさせたいし、全ての移動を抱きかかえて行いたいです」
「いや、それはどうなの?」
「わかってはいるから我慢してる。でもさせてもらった時の幸福感が凄い」
「……」
ラウリーはセルジュの言葉に耐えられなくて、目を逸らした。お世話されるのは腰が砕けた時だけだ。
でもそれはそうした責任が、少なからずあるからだと思っていた。
だから元からセルジュは甘やかしたい人なのだと思っていたが、どうもそうではないらしい。
ただそれだけのことでセルジュの好きという気持ちを感じて、幸せな気持ちになる。
「待って? 発散相手じゃなくて今までの恋人とはどうだったの?」
「……恋人はラウリーが初めてです」
「……うっ、マジか」
ラウリーの反応が可愛いので恥ずかしいような気持ちが消し飛んだセルジュは聞いた。
「ラウは?」
「俺も、初めて」
セルジュはやっぱり今から押し倒したいなと思うくらい、嬉しい気持ちが溢れた。
1
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
変態村♂〜俺、やられます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。
そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。
暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。
必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。
その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。
果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?
童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった
なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。
ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…
召喚された美人サラリーマンは性欲悪魔兄弟達にイカされる
KUMA
BL
朱刃音碧(あかばねあおい)30歳。
ある有名な大人の玩具の開発部門で、働くサラリーマン。
ある日暇をモテ余す悪魔達に、逆召喚され混乱する余裕もなく悪魔達にセックスされる。
性欲悪魔(8人攻め)×人間
エロいリーマンに悪魔達は釘付け…『お前は俺達のもの。』
珍しい魔物に孕まされた男の子が培養槽で出産までお世話される話
楢山コウ
BL
目が覚めると、少年ダリオは培養槽の中にいた。研究者達の話によると、魔物の子を孕んだらしい。
立派なママになるまで、培養槽でお世話されることに。
母の再婚で魔王が義父になりまして~淫魔なお兄ちゃんに執着溺愛されてます~
トモモト ヨシユキ
BL
母が魔王と再婚したルルシアは、義兄であるアーキライトが大の苦手。しかもどうやら義兄には、嫌われている。
しかし、ある事件をきっかけに義兄から溺愛されるようになり…エブリスタとフジョッシーにも掲載しています。
【R18】絶倫にイかされ逝きました
桜 ちひろ
恋愛
性欲と金銭的に満たされるからという理由で風俗店で働いていた。
いつもと変わらず仕事をこなすだけ。と思っていたが
巨根、絶倫、執着攻め気味なお客さんとのプレイに夢中になり、ぐずぐずにされてしまう。
隣の部屋にいるキャストにも聞こえるくらい喘ぎ、仕事を忘れてイきまくる。
1日貸切でプレイしたのにも関わらず、勤務外にも続きを求めてアフターまでセックスしまくるお話です。
巨根、絶倫、連続絶頂、潮吹き、カーセックス、中出しあり。
【R18】奴隷に堕ちた騎士
蒼い月
BL
気持ちはR25くらい。妖精族の騎士の美青年が①野盗に捕らえられて調教され②闇オークションにかけられて輪姦され③落札したご主人様に毎日めちゃくちゃに犯され④奴隷品評会で他の奴隷たちの特殊プレイを尻目に乱交し⑤縁あって一緒に自由の身になった両性具有の奴隷少年とよしよし百合セックスをしながらそっと暮らす話。9割は愛のないスケベですが、1割は救済用ラブ。サブヒロインは主人公とくっ付くまで大分可哀想な感じなので、地雷の気配を感じた方は読み飛ばしてください。
※主人公は9割突っ込まれてアンアン言わされる側ですが、終盤1割は突っ込む側なので、攻守逆転が苦手な方はご注意ください。
誤字報告は近況ボードにお願いします。無理やり何となくハピエンですが、不幸な方が抜けたり萌えたりする方は3章くらいまでをおススメします。
※無事に完結しました!
ゆるふわメスお兄さんを寝ている間に俺のチンポに完全屈服させる話
さくた
BL
攻め:浩介(こうすけ)
奏音とは大学の先輩後輩関係
受け:奏音(かなと)
同性と付き合うのは浩介が初めて
いつも以上に孕むだのなんだの言いまくってるし攻めのセリフにも♡がつく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる