とある冒険者セルジュ

相伽

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変化編

61 そして二人は。

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「オラオラ系タチの駄犬を躾けるドSのタチって、何なの?」

 夕飯後に今日言われたことを話したら、ラウリーが困惑していた。

「そもそもオラオラ系の駄犬って、両立するものか?」

「そこはあまり掘り下げないで? 俺がただの馬鹿みたいになる。市場での話が色々と混ざって、俺がラウに反省を促されているってなったらしい」

「意味がわからないんだけど……」

 セルジュはもう一つ、言うか言うまいか悩んでいたことを言った。もう躊躇って後悔はしたくない。
 今回は挽回出来たが、次も必ず挽回出来るとは限らない。

「我儘だとわかってるけど、スノウの部屋に行くのをやめられない? それと陥落させたもう一人のタチって誰?」

「あー、もう一人? 誰だ? スノウは今かなり弱ってるんだよなぁ」

 ラウリーはスノウに関して上手く言える気がしなかった。
 スノウの恩人の話もモナカの気持ちも話さないで、事情をセルジュに伝えるのは難易度が高過ぎた。

 今は互いにラウリーを挟むことで嫉妬心を煽りあっている状態。
 今までならふざけるな案件だが、二人に関してはまぁいいかと思えるので素直に利用されている。

 スノウはやきもちを焼いているようだし、間もなく料理の提供はモナカに代わるだろう。
 状況が変わるのにそう長くはかからないと思うし、スノウからの求婚はすぐに終わると思っている。

 セルジュは急に見捨てられないとやんわり伝えられ、しばらく見逃して欲しいとラウリーに頭を下げられた。
 ラウリーが優しいことはわかっているし、何か事情があるのはわかる。納得はしたが、もやもやはする。

 しばらく考え込むように黙っていたラウリーだったが、立ち上がってセルジュの手を取った。
 多分何か言いたいが、上手く言葉に出来ないし言えないのだろう。ラウリーは優しいが口下手だ。

 手を導かれた先は腰布の中の尻。言葉は諦めて、肉体言語に切り替えるつもりらしい。

「恋人えっち、しようぜ」

 それは明確過ぎる素敵なお誘いで、もやもやしながらでは勿体ないと気持ちを切り替えた。
 楽しみしかないと思ったら、わくわくが止まらずぎゅんとした。

「恋人としての初えっち。滾るわ」

「……死なない程度にしてくれよ?」

 怯えるラウリーが可愛くて、セルジュはにやりとしてしまった。



「ふっ、うっ」

 座っているセルジュに跨ったラウリーは、セルジュにアナルを優しく弄られている。
 口づけは今まで以上に甘く深くて、今は遠慮せずにセルジュの肩から首にかけてをかぷかぷしている。

 自身から溢れて来る感覚はもちろんあるが、ふとした時に聞こえる音で濡れているのを実感させられる。
 もう指が何本入れられているのかわからない。指だけでも十分に気持ちが良くて、腰が揺れてしまう。

「んんっ」
 
 セルジュが指を抜き、それをラウリーに見せつけて来た。閉じた指はぬらぬらと光り、指を開くと糸を引いた。

「希望の体位はある?」

「ぎゅっとしながらがいい……」

 考えるまでもなく答えた。ぎゅっとされていると、一番心が満たされる。
 押し倒されて、ゆっくりと足を開かれる。この瞬間はいつだってドキドキするが、今日は特にだ。

 いつもギラギラとした捕食者だったセルジュの顔に、はっきりと愛情も浮かんでいるのが愛おしい。
 膝裏を持たれ、セルジュの温かい体が近付いて来る。ラウリーも手を広げて迎え入れた。

 セルジュの陰茎が確かめるようにアナルを数度撫でて、ゆっくりと挿入が始まった。

「ふぅっ……」

 時間をかけてゆっくりと濡らされたせいか、徐々に受け入れているだけで体に甘い痺れが走った。

「軽くイったな?」

 ラウリーは恥ずかしくてただ無言で頷いた。セルジュは直ぐに奥には入らず、優しく動き始めた。
 抜かれて入れられて少しずつ挿入が深くなる。抜かれる度にいちいち縁にカリが引っかかるので、気持ちがいい。

「ヤバっ……弁を擦られただけでまたイくかも……」

「何度でもイって。見たい」

 セルジュが愛おしそうに、ラウリーの首や耳を舐めてくる。
 いつもならラウリーを強く感じさせるためにあれこれ弄るのに、今日は触れてこない。

 セルジュもいつもとは違うえっちを望んでいるのがよくわかる。
 セルジュの陰茎がついに弁に辿り着いた時、甘い痺れが全身にゆったりと広がってイった。

「あっ、ぁあぁぁ……」

「何度もイこうな?」

 言いながらセルジュは、ゆっくりと緩やかなストロークを繰り返す。

「ふぅ、うっ」

 弁を擦られじわじわと快感を与えられて、高められていく。

「あっ、はぁあぁぁ……」

 奥にセルジュの陰茎が到達するまでに、何度もイった。

「モロ感、マジでいいわ」

「うるせっ」

「入り口、捏ねるぞ?」

「あっ、あ゛、うぅぅぅん……」

 いつもと違って静かに。けれどとても大きな快感に、ラウリーの体がビクビクと何度も痙攣する。
 いつもとは違って、ラウリーはその快感に完全に身を任せた。もう何も気にする必要は無い。
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