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変化編
59 返事。
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赤くなるという事は、脈ありだという事だと感じた。多分ラウリーは直接的な言葉は言ってくれない。
セルジュにとっては簡単だが、ラウリーにとってはとても難しいことなのだとセルジュはもう知っている。
けれどいつだって、セルジュの前でラウリーの体は素直だった。嬉しければ耳が赤くなるし、照れれば顔が真っ赤になる。
外に出ると無表情になって、赤くなる体の反応まで抑えられるって凄いと思うくらい違う。
トんだ後は言動だってとても素直になる。言葉が欲しければ、その時にこっそり? 聞けばいい。
告白前に聞かなかったのは、卑怯な気がしたのと本音で振られたら耐えられなかったからだ。
ラウリーのおねだりを思い出して、見上げて言ったら目を逸らされた。これも恥ずかしい時の反応。
垂れていた鼻と涙を無言で優しく拭かれた。これはセルジュが情けなさ過ぎて辛い。
「いいけど……」
「けど、何!?」
「……いいよ」
目を合わせてはくれなかったが、耳が赤かったので許そうと思う。
ラウリーはセルジュに告白されて、単純に嬉しかった。そう思っている自分に驚いたが、納得もした。
発散もする友人という仲で甘えては駄目だと思っていたが、ラウリーは今の関係を壊したくなかった。
壊れる予感を勝手にして、前にも何処にも進みたくなかった。だから理由を付けて逃げていた。
幾らセルジュがあけすけでも、告白に躊躇わないはずがない。それらも丸っと気付かないほど動揺していた。
ラウリーが一歩踏み込めないところを、セルジュはいつも恐れずに踏み込んで来てくれる。
セルジュでなければ、親しかった関係性も失われていた可能性も高い。結局は自分のせいで、望まない方向に関係性が変わるところだった。
後でとても後悔したと思う。先のことはわからないけれど、それでも今は一緒にいたいと思えた。
セルジュも今はラウリーに甘えることにしたようで、食後はずっとベッドでラウリーの腹を抱きかかえていた。
ラウリーもそんなセルジュの頭を撫で続けた。
心を許して好きなだけ甘えてもいい人がいると思うだけで、これだけ心が落ち着いて満たされるのかと思った。
「もう俺の。離さないから、逃げないでね?」
「逃げないけど、風呂には入りたい」
「俺も入る」
「えー、いいけど。暑がりなのに?」
「離れたくない」
足を伸ばせる広さの浴槽だが、セルジュが入るとギリギリだった。セルジュを背もたれにするべく、ラウリーも浴槽に入った。
「ふいぃー」
「美形なのに、おっさんくさいな」
「つい出るんだよ」
少し温めの湯にしたが、セルジュの体温で充分に温かく感じた。がっしりとセルジュの腕に囲われた。
狭さが気にならないくらいには、心地が良かった。
「……」
「ラウ、風呂で寝るなよ」
うとうとしてしまっていたラウリーは、セルジュの声にハッとした。
「ヤベ。出るわ」
タオルで体を拭いてラウリーは半袖シャツとズボンを着たが、セルジュは全裸のままだった。
そのまま水を飲んで、ベッドへ向かう。ラウリーはもう眠かった。
「セルジュの部屋着も買うか……」
「……暑いからいらない」
そう断わりはしたが、セルジュはラウリーの変化ににやにやしそうになった。今までなら絶対に言わない。
「見せつけられるとなぁ」
ラウリーは意識せずにじっと熱い視線を、隣に入って来るセルジュの股間へ注いだ。
セルジュが布団に入ると何もなかったようにセルジュにくっついて、すぐにラウリーは寝た。
「えっ、嫌がらせ……?」
しばらく起きていたセルジュも、幸せに浸りながら寝た。
翌朝、ラウリーはすっきりと目覚めた。久しぶりに熟睡した気がした。
今日のラウリーは打ち合わせ後の共闘で出発が遅いが、セルジュは早いと聞いている。
朝飯の準備でもするかと立ち上がろうとすると、後ろから腕が伸びて来てまたベッドに座ってしまった。
「うぉ、びっくりした」
セルジュの片腕は腹に回され、もう片方の手はベッドとラウリーの間に滑り込んでいた。
セルジュが尻にすり寄って来て頬ずりしながら、手を動かしてくっくっとアナルを指で弄ってきた。
「二人共明日は休みだから、今夜は恋人の初えっちをしような?」
ラウリーは無言でセルジュを殴ったが、耳は赤くなっていた。セルジュは了承したと受け取った。
セルジュも起きて服を着ると、朝飯の準備を手伝った。
「今夜は潤滑剤を使わずに、ラウリーを濡らしてヤりたいな」
食べながら言うとラウリーに冷たい目で見られたが、気にならなかった。
「飯を食え、そして狩りに行け」
「行くけど、そのつもりでいて。ラウも気を付けてよ。戻ったらすぐ部屋に来るから」
「わかった。セルジュも気を付けて」
見送りしてくれたラウリーに濃厚な口づけをしてから、出かけた。
ほわっとした笑顔で送り出されて、幸せしかない。勇気を出して本当に良かったと思う。
部屋の中でラウリーは今夜のことを想像してしまい、アナルが濡れて来たことを感じていた。
セルジュにとっては簡単だが、ラウリーにとってはとても難しいことなのだとセルジュはもう知っている。
けれどいつだって、セルジュの前でラウリーの体は素直だった。嬉しければ耳が赤くなるし、照れれば顔が真っ赤になる。
外に出ると無表情になって、赤くなる体の反応まで抑えられるって凄いと思うくらい違う。
トんだ後は言動だってとても素直になる。言葉が欲しければ、その時にこっそり? 聞けばいい。
告白前に聞かなかったのは、卑怯な気がしたのと本音で振られたら耐えられなかったからだ。
ラウリーのおねだりを思い出して、見上げて言ったら目を逸らされた。これも恥ずかしい時の反応。
垂れていた鼻と涙を無言で優しく拭かれた。これはセルジュが情けなさ過ぎて辛い。
「いいけど……」
「けど、何!?」
「……いいよ」
目を合わせてはくれなかったが、耳が赤かったので許そうと思う。
ラウリーはセルジュに告白されて、単純に嬉しかった。そう思っている自分に驚いたが、納得もした。
発散もする友人という仲で甘えては駄目だと思っていたが、ラウリーは今の関係を壊したくなかった。
壊れる予感を勝手にして、前にも何処にも進みたくなかった。だから理由を付けて逃げていた。
幾らセルジュがあけすけでも、告白に躊躇わないはずがない。それらも丸っと気付かないほど動揺していた。
ラウリーが一歩踏み込めないところを、セルジュはいつも恐れずに踏み込んで来てくれる。
セルジュでなければ、親しかった関係性も失われていた可能性も高い。結局は自分のせいで、望まない方向に関係性が変わるところだった。
後でとても後悔したと思う。先のことはわからないけれど、それでも今は一緒にいたいと思えた。
セルジュも今はラウリーに甘えることにしたようで、食後はずっとベッドでラウリーの腹を抱きかかえていた。
ラウリーもそんなセルジュの頭を撫で続けた。
心を許して好きなだけ甘えてもいい人がいると思うだけで、これだけ心が落ち着いて満たされるのかと思った。
「もう俺の。離さないから、逃げないでね?」
「逃げないけど、風呂には入りたい」
「俺も入る」
「えー、いいけど。暑がりなのに?」
「離れたくない」
足を伸ばせる広さの浴槽だが、セルジュが入るとギリギリだった。セルジュを背もたれにするべく、ラウリーも浴槽に入った。
「ふいぃー」
「美形なのに、おっさんくさいな」
「つい出るんだよ」
少し温めの湯にしたが、セルジュの体温で充分に温かく感じた。がっしりとセルジュの腕に囲われた。
狭さが気にならないくらいには、心地が良かった。
「……」
「ラウ、風呂で寝るなよ」
うとうとしてしまっていたラウリーは、セルジュの声にハッとした。
「ヤベ。出るわ」
タオルで体を拭いてラウリーは半袖シャツとズボンを着たが、セルジュは全裸のままだった。
そのまま水を飲んで、ベッドへ向かう。ラウリーはもう眠かった。
「セルジュの部屋着も買うか……」
「……暑いからいらない」
そう断わりはしたが、セルジュはラウリーの変化ににやにやしそうになった。今までなら絶対に言わない。
「見せつけられるとなぁ」
ラウリーは意識せずにじっと熱い視線を、隣に入って来るセルジュの股間へ注いだ。
セルジュが布団に入ると何もなかったようにセルジュにくっついて、すぐにラウリーは寝た。
「えっ、嫌がらせ……?」
しばらく起きていたセルジュも、幸せに浸りながら寝た。
翌朝、ラウリーはすっきりと目覚めた。久しぶりに熟睡した気がした。
今日のラウリーは打ち合わせ後の共闘で出発が遅いが、セルジュは早いと聞いている。
朝飯の準備でもするかと立ち上がろうとすると、後ろから腕が伸びて来てまたベッドに座ってしまった。
「うぉ、びっくりした」
セルジュの片腕は腹に回され、もう片方の手はベッドとラウリーの間に滑り込んでいた。
セルジュが尻にすり寄って来て頬ずりしながら、手を動かしてくっくっとアナルを指で弄ってきた。
「二人共明日は休みだから、今夜は恋人の初えっちをしような?」
ラウリーは無言でセルジュを殴ったが、耳は赤くなっていた。セルジュは了承したと受け取った。
セルジュも起きて服を着ると、朝飯の準備を手伝った。
「今夜は潤滑剤を使わずに、ラウリーを濡らしてヤりたいな」
食べながら言うとラウリーに冷たい目で見られたが、気にならなかった。
「飯を食え、そして狩りに行け」
「行くけど、そのつもりでいて。ラウも気を付けてよ。戻ったらすぐ部屋に来るから」
「わかった。セルジュも気を付けて」
見送りしてくれたラウリーに濃厚な口づけをしてから、出かけた。
ほわっとした笑顔で送り出されて、幸せしかない。勇気を出して本当に良かったと思う。
部屋の中でラウリーは今夜のことを想像してしまい、アナルが濡れて来たことを感じていた。
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