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ルウォーの悩み
しおりを挟むタロと暮らし始めてからというもの毎日が幸せで満ち足りているのだが、そんな日々の中にも悩みはあるもので。
ヒトの飼い方について書かれた本をぱたりと閉じて、俺は深い溜息を吐いた。
このところ俺の頭を悩ませているのは、タロとのセックスについてだ。
タロがどうにも可愛くて、週に3回、多ければ5回は抱いているのだが、タロと俺にはどうしようもない体格差があって、受け入れる負担からかセックスの後タロが時折体調を崩すことが、俺の頭を悩ませていた。
異星生物保護法の観点から、ペットの身体に負担をかけることは固く禁じられている。にも関わらずタロに負担を強いている俺は飼い主失格だ。
最初の頃はタロに負担をかけまいと色々と気遣ってはいたのだが、最近タロの可愛さが増してきたのか欲望が理性を軽々超えてしまい、気づけばタロが俺の下で意識を失っていることがあり、それに気づくたび後悔の念に苛まれるのに、次の日にはまたもやタロを抱き潰してしまうのだから自分で自分が手に負えない。
前の彼女と付き合っている時はこんな風ではなかった。どちらかというと淡白な方で、月に2・3回、一発で終了が標準だったのに、タロとだったら毎日三発はしたいと思うのだから、改めて知る自分の性欲の強さに驚いた。そもそもタロが可愛すぎるのが駄目だ。
小さい体で一生懸命に俺を受け入れようとする姿も、俺にご奉仕しようと懸命に舐める姿も、俺が舐めると抑えがちな声で鳴くところも、真っ赤な顔に浮かぶそばかすも、ちょっとへちゃりとした鼻も、とにかく余すところなくタロが可愛いすぎるのがいけない。
体調を崩してベッドで眠るタロを見るたび申し訳なくて可哀想でしばらく禁欲生活をと思うのに、元気になったタロが当たり前に俺のベッドで眠ろうと擦り寄ってくるだけで、俺の理性はあっという間に銀河の彼方へと飛んでいく。
このことを友人に話したら流石に引いた目をしていた。
「……そんなに性欲が有り余ってたのか」
「こんなはずじゃなかったんだ……!タロがとにかく可愛くて俺は一体どうしたら」
人様の性事情など聞きたくもないだろうに、引いた顔をしながらも話に耳を傾けてくれる友人には感謝しかない。
俺は友人の優しさに甘えて、さらにもう一つ悩みを吐露することにした。
「それに、その、タロはたぶんそこまで気持ち良くなれてないと思うんだ」
「お前ヘタクソなのか」
「いや、そんなことはないと思うんだが!……前の彼女とかは回数は少なくても満足してた、とは思うし。とにかく体格差がありすぎて、俺のをタロのナカに入れようとするとどうにもキツくて」
俺はそのキツさがたまらなく気持ち良いのだが、タロは違う。可愛い鳴き声を上げてはいるが、俺のモノが入る瞬間は、いつも苦しそうに眉間に皺を寄せ耐えるように息を止めているのを俺は知っている。
「そりゃまあヒトと俺たちとじゃ身体の大きさがまるで違うからな。快感よりも痛みが先にくるのはどうしようもないだろ」
「でも俺はタロにも気持ちよくなってもらいたい」
タロには痛みなんて与えず、これ以上ない快感を与えてあげたい。そして可愛く鳴いてる姿を映像におさめたい。未来永劫その姿を残したい。
友人は一つ息を吐いてから、カバンの中から一冊の本を取り出した。
「叔父の友人の異星生物学者から借りた。ヒトの生態や身体のつくりなどを記してある、一般には出回っていない本だ。これを読み込めば少しは改善策が分かるんじゃないか」
友人に百の感謝の言葉と手持ちの金を全部渡そうとしたら、さらに引かれた。金はいらん感謝の言葉だけ受け取っておく、とだけ言われたので今度食事を奢ることを約束した。
家に帰ってから、俺はその本を読み込んだ。
真剣な眼差しで本を読む俺を気遣ってか、タロは離れたところでこの前あげたニホンジン専用のおもちゃで大人しく遊んでいる。
やはりタロは惑星一賢いペットだ。
タロに気持ちよくなってもらうために、俺は必死で本に書かれた文字を目で追った。
その日の夜、俺はさっそく本で得た知識を活用することにした。
食事を終え風呂に入り髪や尻尾を乾かし歯磨きを終え、タロと一緒にベッドに入る。
タロが当然のように俺のそばに寄ってきたので、それをぎゅっと抱きしめてから、タロの上に跨った。
何度もこのベッドの上で抱かれているからか、タロもこれから何をされるのか分かっているようで少し頰を赤くして俺を見上げていた。
軽いキスを落としてから、タロの服に手をかけた。
いつものようにタロの胸や首や耳を舐めれば、甘く可愛い鳴き声がタロの口から漏れた。何度やっても恥ずかしいのか、顔を隠すように腕を交差させるタロは文句なしに可愛い。タロの動作全部が可愛いのだが、ベッドの上で羞恥に顔や身体を赤くさせるタロは宇宙一の可愛さだ。
ペットの可愛さ自慢大会に出たらぶっちぎりで優勝する。間違いない。タロの可愛さを満喫するのは俺一人だけでいいので大会に出る予定は今のところないが。
ひとしきりタロの身体を舐めてから、ぐいっと足を持ち上げた。それにタロが少し身体を揺らす。何度も入れてきたが、まだ慣れないんだろう。安心しろ、タロ。今日の俺は一味違う。きっと気持ちよくさせてみせるからな。
タロの穴を何度も舐めてほぐして柔くしてから、俺はまず指を一本突っ込んだ。タロの指よりは何倍も太いけれど、いつも突っ込んでいるモノよりかは細いので痛みはそれほどないはずだ。
タロは指が入ってきたことに驚いたのか、身体を起こして目をぱちぱちとさせていた。安心させるようにタロの額にキスをしてから、一度指を抜き、ころりとタロの身体を転がした。うつ伏せになったところで、もう一度タロの穴に指をいれる。
ぐにぐにと入り口付近で指を動かしてから、ゆっくりと奥へ進んでいく。
本によると、ヒトの身体にはゼンリツセンなるものがあり、そこを刺激すればあまりの気持ちの良さに前を弄らなくてもイケるようになるらしい。
ただそのゼンリツセンがどこにあるかは指でひたすらナカを探って、ヒトの反応を見て確認するしかないのだそうだ。
ここだろうか、それともこっちか。
タロの様子を見ながら指を動かしていると、何やら他とは違う感触のする部分があって、そこを軽く押してみた。
するとタロの薄い背中がひくりと跳ねる。
ここか、と何度かそこを擦ったり押したりを繰り返せば、その度にタロの身体がびくびくと跳ねた。どうやら当たりらしい。
タロをより気持ちよくさせようと指を増やそうとしたら、タロが何かを言いながら俺の下から逃げようとずりずりと身体を動かす。
おそらく初めての快感にびっくりしたんだろう。戸惑うタロが可哀想だが、これもすべてタロのためだ。
逃げようとするタロを優しい力で押さえつけて、指を二本に増やした。
二本の指でゼンリツセンを押したり引っ掻いたり、時折柔く撫でたりすれば、タロが高い声で鳴く。大丈夫だ、と安心させるように何度もタロのうなじに唇を落とした。
しばらくタロのナカを弄って、ゼンリツセンがぷくりと膨れたような感触になったのを確認してから指を抜いた。
タロの様子を伺えば、顔は真っ赤で口からは涎が垂れていた。気持ちいいとかもっととか、そんな言葉がなくともタロが快感に酔っていることは明らかだった。こんなにも蕩けた顔のタロを見たのは初めてだった。
タロの初めての顔に俺のオレが物凄い勢いで元気になる。
勢いよく入れたくなるが、ここは我慢だ。
今日はとにかくタロに気持ちよくなってもらうのが一番なのだから。
がくがくと身体を震わせるタロの尻を掴み、持ち上げる。腕の力が入らないからか、タロはへたりと顔をベッドにつけて荒い息を吐いていた。
そのまま穴に舌を這わせて、今度は舌でナカを刺激する。先程とは違う、熱い舌の感触にタロがびくんと背中をしならせた。
か細い鳴き声を上げながら、またも俺から、快感から逃げようと枕の方へ手を伸ばすタロを引き戻し、大丈夫だから逃げないでくれと言葉をかけてキスを落とした。
舌でナカを十分に解してから、タロを仰向けに戻し、ぴたりと穴に俺のモノを添わせる。ゆっくりとナカに入っていけば、タロは小さい鳴き声を上げたが、顔が苦痛に歪むことはない。そのままぐっとナカに入り込めば、いつものキツさが少し緩んでいて、けれどモノを包み込む熱がたまらなく気持ちいい。
タロのナカに入ったまま、しばらく動かずその気持ち良さを堪能する。タロも少しすると慣れてきたのか、俺の首に手を回して小さく息を零していた。
そろそろ動いてもいいだろうかと少し腰を動かせば、先ほど指で刺激したゼンリツセンがぷくりとその姿を主張しているのが分かった。
そこを押すように腰を打ち付ければ、タロの口から甲高い悲鳴めいた鳴き声が漏れる。
痛かったかと慌ててタロの顔を見れば、タロは目をぱちりと見開いて口をはくはくと動かしていた。どう見ても痛みに驚いた顔ではなかった。
もう一度腰を動かして、ゼンリツセンを重点的に押せばタロが小刻みに鳴き声を漏らす。
それが可愛くてたまらなくてタロも気持ちよさを感じてくれているんだと思うと嬉しくて、俺は何度もタロにキスをした。
最後にタロのナカに熱を放てば、同時にタロの前からもとろりと快感の証が溢れていて、俺はそれが嬉しくてタロを一等強く抱きしめた。
次の日、タロが体調を崩すことはなかったのだが、目が覚めていきなり顔を真っ赤にして何かを叫んだ後、枕を思いっきり投げつけられた。
まさか昨日のアレがお気に召さなかったのか、あんなに気持ち良さそうにしてたけどダメだったのかと落ち込んでいたら、タロがむっとした顔のまま抱きついてきてくれた。それが可愛くて可愛くて、落ち込んでいたことなんてあっという間に何処かへ飛んでいった。
どうやらあの枕投げは照れ隠しだったらしい。最近は俺もタロの考えることが分かってきたのだ。
タロに気持ちよくなってもらうためにもまだまだ頑張らないとと、タロを抱きしめながら俺は気合を入れた。
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