この世界で 生きていく

星花こぼれ話その二十のおまけ ～師匠と弟子～

茶道部茶葉基金についての会話をさせてみました
何時も以上に気を楽～にして読んでいただけると幸いです

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「蓮子、中等部高等部の六年間で一人アタマ7200円徴収される訳なんだけれど、中等部一年4月から高等部三年3月までずっと部活にいる人、……って結構少ないのは解るわね？」
「あ、さっきのお話です？　はい～うちらの代も結構抜けましたからねぇー」
「うん。私達の世代は特に抜けが多かったからね。よーくわかる」
「では生田おねーさま？　実際は一人頭6……いや、5000円くらいで考えた方がいい？　という事でしょうか？」
「いや、逆ね」
「逆ですか」
「一回500円出したり1000円札お釣り無しでとかはザラだし、一年分1200円の端数めんどいからって2000円で払ったりする娘も多いのよ」
「あ～流石お嬢様学園だぁわーい♪」
「あんたもお嬢様でしょ。まぁ小銭管理がめんどい、ポロポロ落とす、なんて事の防止というのもあるけれど、どうせ落とすなら茶道部に落として茶菓子の質でも上げてやれ的な感覚もあるんでしょうね」
「なるほどなるほど。確かにそうですね！」
「実際折角青春を謳歌する間中滞在する部活なんだから、少量の投資で質が格段に上がるなら、そっちへの課金選んじゃうわけよ」
「あ、思い出しました。確かに私も一ヶ月ごとがめんどいから、中3の時一括で10000円札で払ってますね」
「そういうトコなんだよおめーらはよー100円でいいって言ってるでしょ！！」
「おかねをはらっておこられるとは！！　あ、でも生田お姉さま好きですからいいかも！！　金を払って生田お姉さまに怒られよう！！　この企画いけますかね！！」
「蓮子も変態体質だいぶ板についてきたわね。採用」
「えへへ、茶道部員ですから」

「さておき、島津先輩の予定ではひと月100円予定だったのだけれど、まとめると一人アタマ平均すると月に600円前後払ってるみたい」
「6倍だ！　すごい！！」
「そして、一年平均で7200円」
「一年で六年分払ってる……だと……あれ？　我が部活バカ？」
「お茶バカよねー　まぁひと月600円くらいの出費でも、一、二日分のお菓子代が消える程度に考えてるのかもしれないわ」
「えーじゃあじゃあ四方お姉さま提案の高級路線って本当は出来るわけではないですか？」
「ええ、そこについては次の次の次くらいで話すわね」
「次の次の次ってなんですか」

「で、次に、実際に部活で使う茶葉ってそんなに多くないわよね？」
「確かに、飲まない日も飲めない日もありますし」
「でだ、7200円Ｘ部員数35人分＝259000円……六年間で26万円もカンパだけで出されちゃ最高級品50グラムがぽんぽん買えちゃう」
「一杯で、大凡一人2グラムですからねーそんなに使わないし最高級品なんてそんなに買わないですし」
「ええ、その上みんなが好きな銘柄を持ち寄るのもあるから、この分も実質タダになる」
「その上で緑茶葉から生産までしてる……」
「安上がり自己生産もお手の物と。結果が部費で購入する茶葉、基金で購入する茶葉、持ち寄り茶葉、生産茶葉でお茶で埋もれそうな我が部活の誕生！　というわけだ。追い打ちで、茶道部だから使うでしょー？って学友たち先輩たち後輩たちの好意でありがたく茶葉が増えるぞ！　やったね！！」
「うおお……おかげで飲む日はおなかたぷたぷですぅー」
「動いて消費しろー！　なんか動のイベントも増やしとくのよ！！」
「ええー茶道部なのに運動を要請されるとは！？」

「そして普段使っているのは中級やや高級な100グラム5000円～7000円くらいのやつと」
「やっすい100グラム1500円級のやつですね。中間くらいの100グラム3500円前後くらいのも使ってますね」
「中の三年達が作ってる抹茶も使ってるわね。香りが強くて苦味が強いのが特徴だわ」
「挽きたてって私がやった時もそうなんですけど甘みが出ないものなんでしょうか？」
「本気で抹茶にしたい場合は、適温適湿度の部屋で密室作業的にやるしかないわ」
「あくまで香り重視ですからしゃーないですか。……ねぇねぇ生田おねーさま？　そういう滅菌ルームとか作りません？」
「茶道部であってお茶工場じゃないっての」
「楽しそうなのに～」

「こうして集めた抹茶のどれを使うかだけれど……実際に部活動でお茶を点てるだけならその実どれでもいい。但し、甘みが欲しい場合は迷わず高級路線へGO！」
「逆にやっすいやつや挽きたては、苦味はともかく渋みがあるので、甘めのお茶菓子やサッパリしたお茶菓子を添えるといいのですよね？」
「そう……ソコよ蓮子」
「はい？」
「渋みを好む人もいるし、渋みがあって初めて活きる茶道の空間というのもある。更に爽やかな甘みが引き立つ高級品だと合わない茶菓子も場面も出てくる。爽やかな甘味は全てを包み込んではくれないのよ。だからこそ、高級路線だけじゃあ、茶道は道が決まってしまい、行き詰まる」
「………･･････　なるほど……四方お姉さまが　いっその事、ではなく　やけくそ、と言った意味、わかりました」
「ええ。何事も適材適所。だから最高級茶葉だけの部活、というのはやることはないのよ。そして、陥ってもいけない」
「納得致しました」
「それでこそ蓮子」
「えへへ♪」

「そういうわけで、お安いやつは通常用としても練習用としてもお菓子用としても重宝するから、実際は幾らあっても余ることはないのよ」
「高級品も高級品で、当然あるに越したことはありませんね」
「こうして振り返ってみたら、そりゃーみんな支払い100円止まりで終わらす娘は居ないわな」
「そりゃ美味しいおやつタイムが一ヶ月間手に入るんですよ？　払った分だけより反映されて。それじゃやりますよー」
「デスヨネー」
「着物の修復代とかもその御蔭で正規の部費を多めに使えますしね」
「まーそんなわけでお茶余りまくるでしょうから頑張って解決しといて？」
「やっぱりまるなげだー！？」
「や、だって実際私達あと三ヶ月しかないし？」
「わーんやっぱり人殺しメガネ委員長腋丸出し巫女だぁー！！」
「じゃー人殺しらしく体育館裏行きましょうか！　あーなんだかすぽーつをしたくなってきたなー！！」
「すいませんごめんなさいなまいきいいましたゆるしてくださいなんでもします」