181 / 207
皇帝、自称祖父とは相いれないと知る
4
しおりを挟む
ハロルドにしてみれば、メルシェイラの事は抜きにしても、教皇のことを偉大で人徳ある宗教家だとは思っていなかった。
実は、物心ついたころに一度だけ会ったことがある。おそらくだが、異母弟の聖別式だったように思う。弟はその時まだ乳飲み子で、妃としては階位の低い母親の腕に抱かれ泣いていた。その腕から異母弟を受け取って、額に指で聖印を描いた教皇ポラリスその人が、まるで人さらいのように見えたのだ。
教皇の方は、隅にいたおとなしい子供のことなど覚えていないだろう。しかし、幼少期に刻み込まれた印象は、大人になっても消えずに残った。あの時から全く容姿が変わらない教皇を目にするたびに、人ひとりから時を奪う神の采配に畏怖するよりも、あの人さらいかと一歩引いて警戒してしまう。
もちろんそれを公言したりはしない。世界最大規模の信者を抱える中央神殿を敵に回しても、いいことなど何もないからだ。
絵姿でも、実際にも、常に微笑みを絶やすことのない慈愛の人。……世の誰もが、教皇の事をそんな風に思っている。
三十年も中央神殿という魔窟を支配してきた男が、ただのお綺麗で慈悲深いだけの人間なわけがないのに。
「……ひっ」
まだこの場に居座っていて、教皇と距離の近かったリリアーナ嬢が小さく悲鳴を上げた。
叔父ロバート・ハーデスの太い腕に華奢な手で縋り付き、自身のあげた不躾な声を取り繕うこともできずに震えている。
彼女だけではない。
常時笑顔が標準装備だった美貌の教皇が、その顔から笑みを消した。……言葉にすればただそれだけのことだが、実際にその瞬間を見てしまったほとんどの者が感じたのは、おそらくは恐怖だ。
「ああ、怖がらせてこめんね」
当の本人にも自覚があるのか、その真顔はすぐにもとの笑みに隠された。
「怖いから笑っていろといつも言われているのだけれど」
失敗失敗と、軽く舌先を噛んで微笑む仕草は、まるで無邪気な少年のよう。
しかし、直接笑みが失せた顔を見たわけではない神殿騎士たちを含め、そこにいた誰もが凍り付いたように動かなかった。
教皇の青みがかった灰色の目が、ひたとハロルドを見つめた。
顔は笑っていても、目の奥にあるのはそんな穏やかなものではない。
「あの子は今どこに?」
「タロスの離宮だ」
ハロルドは同じように冷えた目で相手を見据え、ことさらにゆっくりと足を組み替えた。
「襲われる可能性が高いから場所までは言えないが」
教皇は口角を緩やかに持ち上げたまま、その唇の隙間からため息を漏らした。
「駆け引きをしに来たわけじゃないんだよ」
「駆け引き? いや、違うな。メルシェイラを傷つけ、我が手の内から奪っていこうとする者を近づけたくないだけだ」
「あの子を殺そうとしているのは君の方だろう?」
その言葉を聞いた瞬間、目の前が赤く染まった。「ははは」と乾いた笑みを吐き出し、もういっそ不快なものは消してしまおうと、テーブルに立てかけていた剣を掴む。
「陛下!」
誰かの声が制止するのを聞いた。しかし、止める意味を感じなかった。
シャリンと鋼が鞘から滑り落ちる音がする。何百人もの命を奪ってきた剣が、生々しくその刃をきらめかせる。
「この先もずっと、君の寵愛だけを頼りに、大勢のお妃たちの中で暮らさせるの?」
抜身の剣を突きつけても、教皇の表情は変わらなかった。
「あんな悪意にあふれる場所にいたら、いつかきっと心が死んでしまうよ」
まるで子共に言い聞かせるような口調だった。
腹立たしい事にそれが事実の一部であると分かっていても、認めるつもりはなかった。
ハロルドは、左手に握っていた鞘をぽいとその場に投げ捨てた。
小石の多い地面を跳ね、場違いな青いドレスに当たって止まる。
「わたしなら守れる。これ以上傷つけることなく、心穏やかな日々を送らせてあげられる」
「……神殿の奥深くでか?」
「それの何がいけない? 後宮よりはましだろう?」
保護という名目で神殿に押し込め、無理強いいはしないと言いつつも、二度と俗世に返す気はないのだろう。
ハロルドは教皇の喉元に剣の切っ先を突き付けた。殺意を隠しもしなかった。
メルシェイラの心を踏みにじり、殺そうとしたのは誰だ。その柔らかな部分に傷をつけ、涙を流させたのは、目の前にいる自称祖父ではないのか。
「すぐにその舌を切り捨て二度と喋れなくしてやろう」
もうこれ以上この男の言葉を聞いていたくなかった。
ぬるりとした刃が陽光を弾き、切っ先を立てると眩く反射した。
迷いはなかった。ただ、目の前ですまし顔をしているこの男を排除したくてたまらなかった。
「……君は、中央神殿を敵に回すのがどういうことなのか、理解しているのかな」
「愛し合う夫婦を引き裂くような者が神の寵児のはずはない。偽物を成敗してやろうというのだ、感謝されるのではないか?」
「そう」
うっとりと、歌うように教皇ポラリスは頷いた。
「君の選択をあの子はどう思うかな」
「……なに?」
意味ありげなその台詞に問い返そうとした瞬間、ゴッ!!……と深く、強く、地面が揺れる音を聞いた。
「うわ、ゆ揺れてる」
「地震か?!」
ハロルドと共に余多の戦場をかけ抜けた先鋭たちですらも、大地が割れるようなその揺れに成すすべもなく浮足立った。
水不足以外の天災がほとんどないこの国の者にとっては、軽い地震であっても、人生で数回経験する程度のものなのだ。
それが今、まっすぐ立っているのも難しいほどの大きな揺れに見舞われて、当のハロルドですら肝を冷やした。
「何が……」
「陛下が教皇猊下に剣を突きつけた瞬間に揺れたよな」
「えっ、それって」
「見ろ!!」
地面の揺れが続く中、誰もが大きな声を上げて叫んでいた。
彼らが指さすのは帝都。
見慣れたその街の上に、黒々とした巨大なものが複数蠢いている。
「何だあれは」
訓練が行き届いているはずの上級騎士たちですら、顔から血の気を失せさせ呆然としていた。
「……竜? 竜じゃないかあれ?!」
「いったい何頭いるんだ?」
互いの長い尾を追う様にして帝都の上空を飛び回るのは、ハーデス公爵領で討伐した巨大竜と同じか、それよりも大きな竜たちだった。
実は、物心ついたころに一度だけ会ったことがある。おそらくだが、異母弟の聖別式だったように思う。弟はその時まだ乳飲み子で、妃としては階位の低い母親の腕に抱かれ泣いていた。その腕から異母弟を受け取って、額に指で聖印を描いた教皇ポラリスその人が、まるで人さらいのように見えたのだ。
教皇の方は、隅にいたおとなしい子供のことなど覚えていないだろう。しかし、幼少期に刻み込まれた印象は、大人になっても消えずに残った。あの時から全く容姿が変わらない教皇を目にするたびに、人ひとりから時を奪う神の采配に畏怖するよりも、あの人さらいかと一歩引いて警戒してしまう。
もちろんそれを公言したりはしない。世界最大規模の信者を抱える中央神殿を敵に回しても、いいことなど何もないからだ。
絵姿でも、実際にも、常に微笑みを絶やすことのない慈愛の人。……世の誰もが、教皇の事をそんな風に思っている。
三十年も中央神殿という魔窟を支配してきた男が、ただのお綺麗で慈悲深いだけの人間なわけがないのに。
「……ひっ」
まだこの場に居座っていて、教皇と距離の近かったリリアーナ嬢が小さく悲鳴を上げた。
叔父ロバート・ハーデスの太い腕に華奢な手で縋り付き、自身のあげた不躾な声を取り繕うこともできずに震えている。
彼女だけではない。
常時笑顔が標準装備だった美貌の教皇が、その顔から笑みを消した。……言葉にすればただそれだけのことだが、実際にその瞬間を見てしまったほとんどの者が感じたのは、おそらくは恐怖だ。
「ああ、怖がらせてこめんね」
当の本人にも自覚があるのか、その真顔はすぐにもとの笑みに隠された。
「怖いから笑っていろといつも言われているのだけれど」
失敗失敗と、軽く舌先を噛んで微笑む仕草は、まるで無邪気な少年のよう。
しかし、直接笑みが失せた顔を見たわけではない神殿騎士たちを含め、そこにいた誰もが凍り付いたように動かなかった。
教皇の青みがかった灰色の目が、ひたとハロルドを見つめた。
顔は笑っていても、目の奥にあるのはそんな穏やかなものではない。
「あの子は今どこに?」
「タロスの離宮だ」
ハロルドは同じように冷えた目で相手を見据え、ことさらにゆっくりと足を組み替えた。
「襲われる可能性が高いから場所までは言えないが」
教皇は口角を緩やかに持ち上げたまま、その唇の隙間からため息を漏らした。
「駆け引きをしに来たわけじゃないんだよ」
「駆け引き? いや、違うな。メルシェイラを傷つけ、我が手の内から奪っていこうとする者を近づけたくないだけだ」
「あの子を殺そうとしているのは君の方だろう?」
その言葉を聞いた瞬間、目の前が赤く染まった。「ははは」と乾いた笑みを吐き出し、もういっそ不快なものは消してしまおうと、テーブルに立てかけていた剣を掴む。
「陛下!」
誰かの声が制止するのを聞いた。しかし、止める意味を感じなかった。
シャリンと鋼が鞘から滑り落ちる音がする。何百人もの命を奪ってきた剣が、生々しくその刃をきらめかせる。
「この先もずっと、君の寵愛だけを頼りに、大勢のお妃たちの中で暮らさせるの?」
抜身の剣を突きつけても、教皇の表情は変わらなかった。
「あんな悪意にあふれる場所にいたら、いつかきっと心が死んでしまうよ」
まるで子共に言い聞かせるような口調だった。
腹立たしい事にそれが事実の一部であると分かっていても、認めるつもりはなかった。
ハロルドは、左手に握っていた鞘をぽいとその場に投げ捨てた。
小石の多い地面を跳ね、場違いな青いドレスに当たって止まる。
「わたしなら守れる。これ以上傷つけることなく、心穏やかな日々を送らせてあげられる」
「……神殿の奥深くでか?」
「それの何がいけない? 後宮よりはましだろう?」
保護という名目で神殿に押し込め、無理強いいはしないと言いつつも、二度と俗世に返す気はないのだろう。
ハロルドは教皇の喉元に剣の切っ先を突き付けた。殺意を隠しもしなかった。
メルシェイラの心を踏みにじり、殺そうとしたのは誰だ。その柔らかな部分に傷をつけ、涙を流させたのは、目の前にいる自称祖父ではないのか。
「すぐにその舌を切り捨て二度と喋れなくしてやろう」
もうこれ以上この男の言葉を聞いていたくなかった。
ぬるりとした刃が陽光を弾き、切っ先を立てると眩く反射した。
迷いはなかった。ただ、目の前ですまし顔をしているこの男を排除したくてたまらなかった。
「……君は、中央神殿を敵に回すのがどういうことなのか、理解しているのかな」
「愛し合う夫婦を引き裂くような者が神の寵児のはずはない。偽物を成敗してやろうというのだ、感謝されるのではないか?」
「そう」
うっとりと、歌うように教皇ポラリスは頷いた。
「君の選択をあの子はどう思うかな」
「……なに?」
意味ありげなその台詞に問い返そうとした瞬間、ゴッ!!……と深く、強く、地面が揺れる音を聞いた。
「うわ、ゆ揺れてる」
「地震か?!」
ハロルドと共に余多の戦場をかけ抜けた先鋭たちですらも、大地が割れるようなその揺れに成すすべもなく浮足立った。
水不足以外の天災がほとんどないこの国の者にとっては、軽い地震であっても、人生で数回経験する程度のものなのだ。
それが今、まっすぐ立っているのも難しいほどの大きな揺れに見舞われて、当のハロルドですら肝を冷やした。
「何が……」
「陛下が教皇猊下に剣を突きつけた瞬間に揺れたよな」
「えっ、それって」
「見ろ!!」
地面の揺れが続く中、誰もが大きな声を上げて叫んでいた。
彼らが指さすのは帝都。
見慣れたその街の上に、黒々とした巨大なものが複数蠢いている。
「何だあれは」
訓練が行き届いているはずの上級騎士たちですら、顔から血の気を失せさせ呆然としていた。
「……竜? 竜じゃないかあれ?!」
「いったい何頭いるんだ?」
互いの長い尾を追う様にして帝都の上空を飛び回るのは、ハーデス公爵領で討伐した巨大竜と同じか、それよりも大きな竜たちだった。
0
お気に入りに追加
656
あなたにおすすめの小説
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
私はただ一度の暴言が許せない
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
厳かな結婚式だった。
花婿が花嫁のベールを上げるまでは。
ベールを上げ、その日初めて花嫁の顔を見た花婿マティアスは暴言を吐いた。
「私の花嫁は花のようなスカーレットだ!お前ではない!」と。
そして花嫁の父に向かって怒鳴った。
「騙したな!スカーレットではなく別人をよこすとは!
この婚姻はなしだ!訴えてやるから覚悟しろ!」と。
そこから始まる物語。
作者独自の世界観です。
短編予定。
のちのち、ちょこちょこ続編を書くかもしれません。
話が進むにつれ、ヒロイン・スカーレットの印象が変わっていくと思いますが。
楽しんでいただけると嬉しいです。
※9/10 13話公開後、ミスに気づいて何度か文を訂正、追加しました。申し訳ありません。
※9/20 最終回予定でしたが、訂正終わりませんでした!すみません!明日最終です!
※9/21 本編完結いたしました。ヒロインの夢がどうなったか、のところまでです。
ヒロインが誰を選んだのか?は読者の皆様に想像していただく終わり方となっております。
今後、番外編として別視点から見た物語など数話ののち、
ヒロインが誰と、どうしているかまでを書いたエピローグを公開する予定です。
よろしくお願いします。
※9/27 番外編を公開させていただきました。
※10/3 お話の一部(暴言部分1話、4話、6話)を訂正させていただきました。
※10/23 お話の一部(14話、番外編11ー1話)を訂正させていただきました。
※10/25 完結しました。
ここまでお読みくださった皆様。導いてくださった皆様にお礼申し上げます。
たくさんの方から感想をいただきました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、
今後はいただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきます。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
旦那様の様子がおかしいのでそろそろ離婚を切り出されるみたいです。
バナナマヨネーズ
恋愛
とある王国の北部を治める公爵夫婦は、すべての領民に愛されていた。
しかし、公爵夫人である、ギネヴィアは、旦那様であるアルトラーディの様子がおかしいことに気が付く。
最近、旦那様の様子がおかしい気がする……。
わたしの顔を見て、何か言いたそうにするけれど、結局何も言わない旦那様。
旦那様と結婚して十年の月日が経過したわ。
当時、十歳になったばかりの幼い旦那様と、見た目十歳くらいのわたし。
とある事情で荒れ果てた北部を治めることとなった旦那様を支える為、結婚と同時に北部へ住処を移した。
それから十年。
なるほど、とうとうその時が来たのね。
大丈夫よ。旦那様。ちゃんと離婚してあげますから、安心してください。
一人の女性を心から愛する旦那様(超絶妻ラブ)と幼い旦那様を立派な紳士へと育て上げた一人の女性(合法ロリ)の二人が紡ぐ、勘違いから始まり、運命的な恋に気が付き、真実の愛に至るまでの物語。
全36話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる