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修道女、にっちもさっちもいかなくなる
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いつのまにか意識を失っていたらしい。
次に目を開けた時、そこはぬくぬくとしたベッドの中だった。
フラッシュバックするようにあの真っ暗な闇の中を思い出してしまったが、強張った身体を包むのは分厚い掛布だ。後宮にあるような高価なものではないが、分厚さのわりに軽いので、かなりいいものだとわかる。
室内は薄暗いが外は昼間のようで、カーテン越しに滲む日差しは高そうだった。
「……お目覚めですか」
低い女性の声がした。他人の気配にまったく気づいていなかったので、ビクリと全身が跳ね上がる。
「ここは危険ですので、大声を上げるのはお控えください」
悲鳴を上げそうになったのを必死に堪え、両手で口を塞いでこくこくと頷く。
ベッドの脇で、濃い茶色の髪の女性が片膝をついてこちらを覗き込んでいた。メイラが彼女を認識したことを見てとって、ほっと安堵の息を吐き、立てていたもう片方の膝も床に下ろす。
「私のこと、覚えておいででしょうか」
「……はい」
早朝に後宮の部屋まで送り届けてくれた時には、髪をきっちり編み込み後宮近衛の騎士服を着ていた彼女は、今はふわりと髪を背中に長し、旅人のような、冒険者のような服装をしている。
「マローとお呼びください。本名ではありませんが、冒険者としてその名前で登録しております」
後宮近衛という職の傍らに冒険者をしている、というわけではないのだろう。身分をやつし、いわゆる密偵的役割を担っているのだと思う。
そもそも彼女は近衛騎士ではないのかもしれない。想像だが、憲兵師団に所属しているのではないだろうか。
「ここは帝都ではありません。南に百五十キロほど離れたサッハートという港町です。移民が多く住み、ダンジョンが近いので冒険者も多い。恐れながらメルシェイラさまにはしばし御不自由をおかけしますが、お許しください」
「サッハート……」
「古くから皇室の直轄地となっていた街ですので、複数の転移門がいまだ稼働可能な状態で存在しています。おそらくメルシェイラさまが誘拐された際にもそれを用いられたのだと思います」
転移などの魔駆動のシステムは便利なのだが、今ではその技術はほとんど伝わっていない。その手の太古の技術は大量の魔力を必要とするので、世代を経るごとにヒト族の魔力保持量が減ってきている昨今、稼働させるだけの能力者がそもそも少ないからだ。かなり大掛かりな施設が必要で、かつ現在の知識では復元不可能な技術ということもあり、今ではほとんど利用されていないと聞く。
「ゆ、誘拐……あっ、ユリウスさまは」
「さまを付けるような男ではありませんよ。メルシェイラさまが知る必要のない裏方の人間ですので、お気になさらず」
「……ご無事ですか?」
最後の歪んだ表情がどうしても気に掛かり、おずおずと尋ねると、マローはほんの少し表情を緩め、唇の端を持ち上げた。
「敵陣の只中からお救いするためとはいえ、百回……いや千回死んでお詫びせねばならぬような事をしでかしたのは同僚として慙愧に耐えません。地べたに頭を擦り付けて誠心誠意謝罪しろと申しつけておきましたので、なんとしてでも生き延びるでしょう」
「地べたってそんな」
助けてもらったのだ、あの暗闇から。救い出してくれたのだ、命をつなぐギリギリのタイミングで。たとえ……少々とは絶対に言えない破廉恥な真似をされたのだとしても。
「お美しい御髪でしたのに。ドレスや下着を破いたのもあ奴だと聞いています。後日素っ裸にして逆さに吊り下げてやります」
内容はとんでもないが、彼女の表情は落ち着いていた。むしろ、微笑んですらいた。
メイラは冗談じみたその口調に頬を緩めようとしたが、強張った表情筋がひくりと引きつっただけだった。マローが本心でものすごく怒っているのだと気づいたからだ。
「申し訳ございませんが、私がお身体を清めさせていただきました。下着まで少々その……破かれてはおりましたが、乱暴されずによくぞご無事で」
「……っ」
ひゅっと息を吸い込み、震えながら自身の身体を抱きしめる。
あの暗闇の記憶は、まるで地獄を垣間見たかのような感覚だった。深い闇や寒さのことはもとより、ユリウスに抑え込まれ、両足を開かれた時のことをまざまざと思い出し、ぶるりと大きく唇を震わせる。
「これまで何人かがメルシェイラさまと同様に後宮から行方不明になっていました。ほとんどがメイドで、女官が何人かです。それらしき者の遺体が複数遺棄されているという情報を得て、この街で内偵を続けているところでした。恐れ多くも陛下のお妃さまがこのような目に遭われるなど……多少強引でももっと早くに事件の調査を進めておくべきでした」
「その、ゆ、行方不明になっている者たちは?」
「救えたのは、最後の何人かだけです。メルシェイラさまと同様の手口で救出して、今は身を潜めさせています。あの建物内にいる騎士とは名ばかりの連中の相手をさせられて、ほとんどが精神に異変をきたし、まともに言葉をかわせる状態ではありません。顔に焼きごてを当てられたものがいます。凍傷で手足の指を失った者もいます。……ひとりは孕まされてもおりました」
小部屋の外にいた編み上げブーツの男たちのことを思い出す。一人や二人ではなかった。十人以上は確実にいた。
メイラはガタガタと全身を細かく振るわせて、ぎゅっと奥歯をかみしめた。
少しでも助けの手が遅ければ、彼女もまたあの男たちにレイプされていたかもしれないのだ。
「あの者の機転でなんとか救出が間に合い、本当にようございました。ゴロツキどもの汚らしい手に触れられるなど、あってはならない事です」
マローの声は、女性にしては低い。それが更に地を這うような低音となって、心得のないメイラにはよくわからないが、殺気のようなものを漂わせている。
「それにしても下着まで破くとはやり過ぎです。あとでしっかり躾けておきます」
し、躾けるんだ。
メイラはフルフルと震えながらマローを見上げ、小さく首を上下した。
ドロワーズ越しに股間を擦りつけられるという、文字面だけでも悲鳴を上げて逃げ出したくなるようなアレのことは、胸の内に収めておいた方がいいだろう。
なんとなくユリウスは報告していないのではないかと想像する。そんな時間はなかったということもあるが、ものすごい迫力で激怒しているマローに正直に告白などできそうにない。
「今は敵が多くて動けません。ですが、ここに長く居るのも危険です。機会をうかがってからですが、早々に移動しなくてはなりません」
「敵、ですか?」
ここは直轄領、つまり陛下の御領地だ。領兵や憲兵が配備されているのであれば、その保護下に入ってしまえば安全なのではないか?
「現在この地を差配しているのは、陛下の従兄弟にあたる方です」
「御身内ですね」
「ええ、陛下に万が一の事があった場合、次期皇帝に名乗りをあげてもおかしくない血筋の方です」
メイラはじっとマローの顔を見上げた。
時として、同族であるほうが恐ろしい敵になりうるのだと、身につまされて知っている。
皇族などその最たるものだろう。
しかし、何故後宮でメイドや女官を攫う? 何故ただの妾妃を拐かす?
「……その先は、わたくしが聴いてもいい内容ですか?」
真顔で尋ねると、怖いことになっていたマローの表情がふっと緩んだ。
「いいえ。メルシェイラさまを煩わせる事ではありません。些事は我らにお任せを。必ず陛下の御元へお帰しいたしますので」
正直なところ、深入りしたくはなかった。えてして家族の問題はこじれればドロドロしているものが多く、皇位を狙える位置にいる者たちの暗躍など、ろくなものは無さそうだからだ。
「さあ、今はもう少しお眠りください。解熱剤は効いているようですが、そのぶんお寒いのでは? 暖炉の火を強めましょう」
あの石造りの小部屋に比べれば十分に温かいが、それを口に出しては言わなかった。甲斐甲斐しくベッドを整え、暖炉に薪をくべに行ったマローの表情は柔らかく、また先ほどのように怖い顔に戻ってほしくない。
メイラはまっすぐに伸びた彼女の背中を目で追いながら、深く肺から息を吐きだした。
少なくとも今は安全な場所に居て、暖かい布団に包まれていて、信用できる相手が傍にいてくれる。
緊張がほぐれてくると、すぐに睡魔が押し寄せてきた。
まだ聞きたいことがあるのに、室内の温度が上がってくるとともに、とろとろと意識が溶け始める。
「……マローさん」
「はい」
メイラはほとんど落ちかけた意識で、なんとか言葉を紡いだ。
「ユリウスさんが無事に戻ったら……教えてください」
「……お休みなさいませ」
返答は、深く眠り込んでしまったせいでよく聞こえなかった。
次に目を開けた時、そこはぬくぬくとしたベッドの中だった。
フラッシュバックするようにあの真っ暗な闇の中を思い出してしまったが、強張った身体を包むのは分厚い掛布だ。後宮にあるような高価なものではないが、分厚さのわりに軽いので、かなりいいものだとわかる。
室内は薄暗いが外は昼間のようで、カーテン越しに滲む日差しは高そうだった。
「……お目覚めですか」
低い女性の声がした。他人の気配にまったく気づいていなかったので、ビクリと全身が跳ね上がる。
「ここは危険ですので、大声を上げるのはお控えください」
悲鳴を上げそうになったのを必死に堪え、両手で口を塞いでこくこくと頷く。
ベッドの脇で、濃い茶色の髪の女性が片膝をついてこちらを覗き込んでいた。メイラが彼女を認識したことを見てとって、ほっと安堵の息を吐き、立てていたもう片方の膝も床に下ろす。
「私のこと、覚えておいででしょうか」
「……はい」
早朝に後宮の部屋まで送り届けてくれた時には、髪をきっちり編み込み後宮近衛の騎士服を着ていた彼女は、今はふわりと髪を背中に長し、旅人のような、冒険者のような服装をしている。
「マローとお呼びください。本名ではありませんが、冒険者としてその名前で登録しております」
後宮近衛という職の傍らに冒険者をしている、というわけではないのだろう。身分をやつし、いわゆる密偵的役割を担っているのだと思う。
そもそも彼女は近衛騎士ではないのかもしれない。想像だが、憲兵師団に所属しているのではないだろうか。
「ここは帝都ではありません。南に百五十キロほど離れたサッハートという港町です。移民が多く住み、ダンジョンが近いので冒険者も多い。恐れながらメルシェイラさまにはしばし御不自由をおかけしますが、お許しください」
「サッハート……」
「古くから皇室の直轄地となっていた街ですので、複数の転移門がいまだ稼働可能な状態で存在しています。おそらくメルシェイラさまが誘拐された際にもそれを用いられたのだと思います」
転移などの魔駆動のシステムは便利なのだが、今ではその技術はほとんど伝わっていない。その手の太古の技術は大量の魔力を必要とするので、世代を経るごとにヒト族の魔力保持量が減ってきている昨今、稼働させるだけの能力者がそもそも少ないからだ。かなり大掛かりな施設が必要で、かつ現在の知識では復元不可能な技術ということもあり、今ではほとんど利用されていないと聞く。
「ゆ、誘拐……あっ、ユリウスさまは」
「さまを付けるような男ではありませんよ。メルシェイラさまが知る必要のない裏方の人間ですので、お気になさらず」
「……ご無事ですか?」
最後の歪んだ表情がどうしても気に掛かり、おずおずと尋ねると、マローはほんの少し表情を緩め、唇の端を持ち上げた。
「敵陣の只中からお救いするためとはいえ、百回……いや千回死んでお詫びせねばならぬような事をしでかしたのは同僚として慙愧に耐えません。地べたに頭を擦り付けて誠心誠意謝罪しろと申しつけておきましたので、なんとしてでも生き延びるでしょう」
「地べたってそんな」
助けてもらったのだ、あの暗闇から。救い出してくれたのだ、命をつなぐギリギリのタイミングで。たとえ……少々とは絶対に言えない破廉恥な真似をされたのだとしても。
「お美しい御髪でしたのに。ドレスや下着を破いたのもあ奴だと聞いています。後日素っ裸にして逆さに吊り下げてやります」
内容はとんでもないが、彼女の表情は落ち着いていた。むしろ、微笑んですらいた。
メイラは冗談じみたその口調に頬を緩めようとしたが、強張った表情筋がひくりと引きつっただけだった。マローが本心でものすごく怒っているのだと気づいたからだ。
「申し訳ございませんが、私がお身体を清めさせていただきました。下着まで少々その……破かれてはおりましたが、乱暴されずによくぞご無事で」
「……っ」
ひゅっと息を吸い込み、震えながら自身の身体を抱きしめる。
あの暗闇の記憶は、まるで地獄を垣間見たかのような感覚だった。深い闇や寒さのことはもとより、ユリウスに抑え込まれ、両足を開かれた時のことをまざまざと思い出し、ぶるりと大きく唇を震わせる。
「これまで何人かがメルシェイラさまと同様に後宮から行方不明になっていました。ほとんどがメイドで、女官が何人かです。それらしき者の遺体が複数遺棄されているという情報を得て、この街で内偵を続けているところでした。恐れ多くも陛下のお妃さまがこのような目に遭われるなど……多少強引でももっと早くに事件の調査を進めておくべきでした」
「その、ゆ、行方不明になっている者たちは?」
「救えたのは、最後の何人かだけです。メルシェイラさまと同様の手口で救出して、今は身を潜めさせています。あの建物内にいる騎士とは名ばかりの連中の相手をさせられて、ほとんどが精神に異変をきたし、まともに言葉をかわせる状態ではありません。顔に焼きごてを当てられたものがいます。凍傷で手足の指を失った者もいます。……ひとりは孕まされてもおりました」
小部屋の外にいた編み上げブーツの男たちのことを思い出す。一人や二人ではなかった。十人以上は確実にいた。
メイラはガタガタと全身を細かく振るわせて、ぎゅっと奥歯をかみしめた。
少しでも助けの手が遅ければ、彼女もまたあの男たちにレイプされていたかもしれないのだ。
「あの者の機転でなんとか救出が間に合い、本当にようございました。ゴロツキどもの汚らしい手に触れられるなど、あってはならない事です」
マローの声は、女性にしては低い。それが更に地を這うような低音となって、心得のないメイラにはよくわからないが、殺気のようなものを漂わせている。
「それにしても下着まで破くとはやり過ぎです。あとでしっかり躾けておきます」
し、躾けるんだ。
メイラはフルフルと震えながらマローを見上げ、小さく首を上下した。
ドロワーズ越しに股間を擦りつけられるという、文字面だけでも悲鳴を上げて逃げ出したくなるようなアレのことは、胸の内に収めておいた方がいいだろう。
なんとなくユリウスは報告していないのではないかと想像する。そんな時間はなかったということもあるが、ものすごい迫力で激怒しているマローに正直に告白などできそうにない。
「今は敵が多くて動けません。ですが、ここに長く居るのも危険です。機会をうかがってからですが、早々に移動しなくてはなりません」
「敵、ですか?」
ここは直轄領、つまり陛下の御領地だ。領兵や憲兵が配備されているのであれば、その保護下に入ってしまえば安全なのではないか?
「現在この地を差配しているのは、陛下の従兄弟にあたる方です」
「御身内ですね」
「ええ、陛下に万が一の事があった場合、次期皇帝に名乗りをあげてもおかしくない血筋の方です」
メイラはじっとマローの顔を見上げた。
時として、同族であるほうが恐ろしい敵になりうるのだと、身につまされて知っている。
皇族などその最たるものだろう。
しかし、何故後宮でメイドや女官を攫う? 何故ただの妾妃を拐かす?
「……その先は、わたくしが聴いてもいい内容ですか?」
真顔で尋ねると、怖いことになっていたマローの表情がふっと緩んだ。
「いいえ。メルシェイラさまを煩わせる事ではありません。些事は我らにお任せを。必ず陛下の御元へお帰しいたしますので」
正直なところ、深入りしたくはなかった。えてして家族の問題はこじれればドロドロしているものが多く、皇位を狙える位置にいる者たちの暗躍など、ろくなものは無さそうだからだ。
「さあ、今はもう少しお眠りください。解熱剤は効いているようですが、そのぶんお寒いのでは? 暖炉の火を強めましょう」
あの石造りの小部屋に比べれば十分に温かいが、それを口に出しては言わなかった。甲斐甲斐しくベッドを整え、暖炉に薪をくべに行ったマローの表情は柔らかく、また先ほどのように怖い顔に戻ってほしくない。
メイラはまっすぐに伸びた彼女の背中を目で追いながら、深く肺から息を吐きだした。
少なくとも今は安全な場所に居て、暖かい布団に包まれていて、信用できる相手が傍にいてくれる。
緊張がほぐれてくると、すぐに睡魔が押し寄せてきた。
まだ聞きたいことがあるのに、室内の温度が上がってくるとともに、とろとろと意識が溶け始める。
「……マローさん」
「はい」
メイラはほとんど落ちかけた意識で、なんとか言葉を紡いだ。
「ユリウスさんが無事に戻ったら……教えてください」
「……お休みなさいませ」
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