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空間がキラキラしている
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フークモバの中央広場。
マリタ、カミロ、フィネそして俺たち4人。
マリタが調査結果を報告する。
中央広場にいる理由は、広いしマリタの店の前だから。
「カミロとフィネはそちらに」とマリタ。
俺たちから少し離れた。
「カミロ、結界を張ってみて。2人を防いで」とマリタ。
カミロが2人の周囲に結界を張った。
ジーヌが結界に何かを撒いた。
暫く見ている。
「空間にヒビが入った」とフィネが指した。
俺たちは結界が見えるから、かえって分かりづらいようだ。
結界が結晶化した感じになった。
その部分だけ結界では無く、物として見える。
「フィネ、どんな感じ?」
「空間がキラキラしている」
「俺にも見える」とカミロ。
ジーヌは、指されたその場所を剣でつついた。
結界に穴が空いた。
「報告された現象と同じだ」とカミロ。
「何を撒いたの?」とフィネ。
ロンメイが魔気に触れた時に魔気は分解される。
その際ほんの僅かな時間だけ、魔気が不完全に分解された別の気体ができる。
それを特殊な水に溶かしたもの。
「特殊な水?」とフィネ。
「物の状態を保つ効果を持った水。私の店で販売しているから」とマリタ。
「その気体はなぜ、・・・」とカミロが言いかけた。
「それはわからない。でもロンメイが結晶化したものは?」とマリタ。
「キューブだ」
「キューブがどうやってできるかもハッキリとわかっていない」
マリタは、結晶化の核についての研究報告書、資料や古文書を集めた。
その中で、核の候補の一つが不完全に分解された魔気だった。
「それは研究所にまかせましょう。マリタは現象を再現してくれた」とフィネ。
「その気体は簡単に手に入るのか?」とカミロ。
「短時間で分解してしまう。術式と空間スキルを使って、瞬間的にとりだしたもの。結構難しいわよ」とマリタ。
マリタがカミロに瓶を3本手渡した。
それで全部らしい。
「結晶化というのが鍵」とマリタ。
「たしかに。いきなり結界が消えたのではなくて、穴が空いたからな」とカミロ。
「そうなる理由があると考えるのが自然ね」とフィネ。
「結界が張れなくなったのは?」とカミロ。
「それは、発見された石板のせいじゃないかと思う」とマリタ。
「カミロ、もう一度結界を張ってみて」
カミロが試す。
「無理だ。何をした」
少し笑える。
実は、リリアナが横から術式を発動しているのが見える。
カミロも気がついたようだ。
「リリアナか」とカミロ。
「そうよ。結界の術式の発動を停止しているの」とマリタ。
最初に結界を覚えた時、術式を使った。
あれが体に発動させているらしい。
結界はスキルのようだが、もともとは術式発動だ。
俺が苦手のヤツだ。
だから結界を覚えるのも遅かった。
今でも結界は得意じゃない。
「石板が何か所かに置かれていて、一定範囲の結界発動を停止している」とリリアナ。
「どうしたら良いか考えるのは俺の仕事だが、ついでに教えてくれ」とカミロ。
「結界の張り方を変える。1人にひとつ。できれば複数が良い」とマリタ。
「複数結界か。全員ができるわけではないな」とカミロ。
「できればね」
「結界はお互いが触れるくらいに、キレイにならべて。隣に移れるように」とジーヌ。
「逃げ道か?」とカミロ。
「それもあるけど。結界の中からライフィスの顔に矢を撃ち込み、最初に数を減らすため」
「これを使ってみて」とジーヌがカミロに渡した。
組み木のようなものだ。
「どう使う?」とカミロ。
「それを持って結界を張ればいいだけ」とジーヌ。
「もう一度、結界を張って」とマリタ。
リリアナが横で術式を発動しているが、今度は結界が張られた。
「もともと結界は物に術式を付与して、空間の境目を作るものなの。体を使った術式発動は便利だから今はスキルのように扱われているけど。それが本来よ」とマリタ。
結界をできるだけ沢山張る。
中からライフィスを倒す。
他の結界に移って、ライフィスを倒す。
結界が無くなりそうになったら、もう一度張る。
「さすがの亜人族もめげるだろうな」とエルネス。
「上手く行けばね。でもまだ試してないから」
と言ってリリアナが、カミロに分厚い報告書を手渡した。
「今まで説明したことは全部書いてある。後は、実際に試してみてまた考える」
とマリタ。
マリタ、カミロ、フィネそして俺たち4人。
マリタが調査結果を報告する。
中央広場にいる理由は、広いしマリタの店の前だから。
「カミロとフィネはそちらに」とマリタ。
俺たちから少し離れた。
「カミロ、結界を張ってみて。2人を防いで」とマリタ。
カミロが2人の周囲に結界を張った。
ジーヌが結界に何かを撒いた。
暫く見ている。
「空間にヒビが入った」とフィネが指した。
俺たちは結界が見えるから、かえって分かりづらいようだ。
結界が結晶化した感じになった。
その部分だけ結界では無く、物として見える。
「フィネ、どんな感じ?」
「空間がキラキラしている」
「俺にも見える」とカミロ。
ジーヌは、指されたその場所を剣でつついた。
結界に穴が空いた。
「報告された現象と同じだ」とカミロ。
「何を撒いたの?」とフィネ。
ロンメイが魔気に触れた時に魔気は分解される。
その際ほんの僅かな時間だけ、魔気が不完全に分解された別の気体ができる。
それを特殊な水に溶かしたもの。
「特殊な水?」とフィネ。
「物の状態を保つ効果を持った水。私の店で販売しているから」とマリタ。
「その気体はなぜ、・・・」とカミロが言いかけた。
「それはわからない。でもロンメイが結晶化したものは?」とマリタ。
「キューブだ」
「キューブがどうやってできるかもハッキリとわかっていない」
マリタは、結晶化の核についての研究報告書、資料や古文書を集めた。
その中で、核の候補の一つが不完全に分解された魔気だった。
「それは研究所にまかせましょう。マリタは現象を再現してくれた」とフィネ。
「その気体は簡単に手に入るのか?」とカミロ。
「短時間で分解してしまう。術式と空間スキルを使って、瞬間的にとりだしたもの。結構難しいわよ」とマリタ。
マリタがカミロに瓶を3本手渡した。
それで全部らしい。
「結晶化というのが鍵」とマリタ。
「たしかに。いきなり結界が消えたのではなくて、穴が空いたからな」とカミロ。
「そうなる理由があると考えるのが自然ね」とフィネ。
「結界が張れなくなったのは?」とカミロ。
「それは、発見された石板のせいじゃないかと思う」とマリタ。
「カミロ、もう一度結界を張ってみて」
カミロが試す。
「無理だ。何をした」
少し笑える。
実は、リリアナが横から術式を発動しているのが見える。
カミロも気がついたようだ。
「リリアナか」とカミロ。
「そうよ。結界の術式の発動を停止しているの」とマリタ。
最初に結界を覚えた時、術式を使った。
あれが体に発動させているらしい。
結界はスキルのようだが、もともとは術式発動だ。
俺が苦手のヤツだ。
だから結界を覚えるのも遅かった。
今でも結界は得意じゃない。
「石板が何か所かに置かれていて、一定範囲の結界発動を停止している」とリリアナ。
「どうしたら良いか考えるのは俺の仕事だが、ついでに教えてくれ」とカミロ。
「結界の張り方を変える。1人にひとつ。できれば複数が良い」とマリタ。
「複数結界か。全員ができるわけではないな」とカミロ。
「できればね」
「結界はお互いが触れるくらいに、キレイにならべて。隣に移れるように」とジーヌ。
「逃げ道か?」とカミロ。
「それもあるけど。結界の中からライフィスの顔に矢を撃ち込み、最初に数を減らすため」
「これを使ってみて」とジーヌがカミロに渡した。
組み木のようなものだ。
「どう使う?」とカミロ。
「それを持って結界を張ればいいだけ」とジーヌ。
「もう一度、結界を張って」とマリタ。
リリアナが横で術式を発動しているが、今度は結界が張られた。
「もともと結界は物に術式を付与して、空間の境目を作るものなの。体を使った術式発動は便利だから今はスキルのように扱われているけど。それが本来よ」とマリタ。
結界をできるだけ沢山張る。
中からライフィスを倒す。
他の結界に移って、ライフィスを倒す。
結界が無くなりそうになったら、もう一度張る。
「さすがの亜人族もめげるだろうな」とエルネス。
「上手く行けばね。でもまだ試してないから」
と言ってリリアナが、カミロに分厚い報告書を手渡した。
「今まで説明したことは全部書いてある。後は、実際に試してみてまた考える」
とマリタ。
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