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「ぎゃー!!いたいっ」
「んー!!もうだめっ」
「何を言っているんですか。まだまだいけますよ。ほら、力を抜いて」
「そんなこといわれても、苦しくて、できないっ」
「力みすぎです。もしかして、初めてですか?」
「初めてですっ!」
あたり前でしょう! コルセットなんて、今までつけたことありません!
しかも、侍女さんたちに絞殺されるのではないかと思うほどにギチギチに締め上げられています。
「ぐえっ!」
もう、これ以上は本当に無理です。
口からなにかでそうです。
勘弁してください。
「はあ、ならば仕方ありませんね。あなた方、女神はこの通り、ややふくよかな方なので、これ以上は無理だそうです。用意してあった服のサイズを上の部分と下の部分の大幅な調節を急いでしてきて下さい」
「はい、かしこまりました」
侍女さん達はあっさりと引き下がっていった。
……。無理なものに時間をかけるのは無駄だと悟ったのだろう……。
「以前、花びらを確認した時、もしかしたらとは思っていたのですが、絞れば何とかなるとも思っていたんですよ。でも私の勘違いでした。どんだけ絞ってもダメなものはダメなんですね。私も勉強になりました」
薄ら笑いを浮かべながら、私のお腹を見ないでください。
みなさーん、ここに、女性の敵がいますよー。
「どうやったら、そんなに肉が付くんですかね。ああ、一日十食ほど食べてるんですか? 食事、やめたほうがいいのではないですか?」
早速侍女に伝えておきましょうか、と綺麗な顔して言っているこの目の前の男。
おまえは、鬼か!!
私から食事の楽しみを奪ったら、絶対に噛みついてやる!!
そもそも、なんで私がこんな拷問まがいなコルセットをつけることになっているのかというと、
一週間後に行われる儀式は、国にとって重要な儀式になるので、当然厳戒態勢を敷き、国王陛下を始め、王子たち、国の重鎮達が、みんな儀礼用の正装で集まる。
そんな場に普段着で気楽に出向く勇気は私にはない。
で、わたしは女神の正装でいくのだが、用意されている歴代女神のデザインがこれまたすごかった。
まさにボン・キュッ・ボンのドレスである。
ちなみに、先ほどの通り、侍女さん方に手伝ってもらい、限界まで閉めてもらったのだが、ウエスト部分が入らなかった。
おまけに、いわずもがな、胸の部分は逆に詰め物をしなくてはいけないくらいのスカスカのあら様である。
それがさっきエルストさんが言っていた、上の部分と下の部分である。
歴代の女神様たち、本当に人間か?
ありえないと思う、あの細さ。
決して私が太いわけではないと思う!
でも、少しだけ、甘いものは控えたほうがいいのかな……?
いや、甘いものは脳の活性化に役に立ち、勉強がより捗ると思う!
こぶしを握り締め、エルストさんを振り返る。
「大丈夫ですよ、とりあえず、あなたのやることは、一週間後までその体型をキープしておいてください。それ以上になられたら、非常に困りますので。」
はあ、とため息交じりに出て行った。
ああ、なんだか 疲れた……。
甘いものが食べたいな……。
「んー!!もうだめっ」
「何を言っているんですか。まだまだいけますよ。ほら、力を抜いて」
「そんなこといわれても、苦しくて、できないっ」
「力みすぎです。もしかして、初めてですか?」
「初めてですっ!」
あたり前でしょう! コルセットなんて、今までつけたことありません!
しかも、侍女さんたちに絞殺されるのではないかと思うほどにギチギチに締め上げられています。
「ぐえっ!」
もう、これ以上は本当に無理です。
口からなにかでそうです。
勘弁してください。
「はあ、ならば仕方ありませんね。あなた方、女神はこの通り、ややふくよかな方なので、これ以上は無理だそうです。用意してあった服のサイズを上の部分と下の部分の大幅な調節を急いでしてきて下さい」
「はい、かしこまりました」
侍女さん達はあっさりと引き下がっていった。
……。無理なものに時間をかけるのは無駄だと悟ったのだろう……。
「以前、花びらを確認した時、もしかしたらとは思っていたのですが、絞れば何とかなるとも思っていたんですよ。でも私の勘違いでした。どんだけ絞ってもダメなものはダメなんですね。私も勉強になりました」
薄ら笑いを浮かべながら、私のお腹を見ないでください。
みなさーん、ここに、女性の敵がいますよー。
「どうやったら、そんなに肉が付くんですかね。ああ、一日十食ほど食べてるんですか? 食事、やめたほうがいいのではないですか?」
早速侍女に伝えておきましょうか、と綺麗な顔して言っているこの目の前の男。
おまえは、鬼か!!
私から食事の楽しみを奪ったら、絶対に噛みついてやる!!
そもそも、なんで私がこんな拷問まがいなコルセットをつけることになっているのかというと、
一週間後に行われる儀式は、国にとって重要な儀式になるので、当然厳戒態勢を敷き、国王陛下を始め、王子たち、国の重鎮達が、みんな儀礼用の正装で集まる。
そんな場に普段着で気楽に出向く勇気は私にはない。
で、わたしは女神の正装でいくのだが、用意されている歴代女神のデザインがこれまたすごかった。
まさにボン・キュッ・ボンのドレスである。
ちなみに、先ほどの通り、侍女さん方に手伝ってもらい、限界まで閉めてもらったのだが、ウエスト部分が入らなかった。
おまけに、いわずもがな、胸の部分は逆に詰め物をしなくてはいけないくらいのスカスカのあら様である。
それがさっきエルストさんが言っていた、上の部分と下の部分である。
歴代の女神様たち、本当に人間か?
ありえないと思う、あの細さ。
決して私が太いわけではないと思う!
でも、少しだけ、甘いものは控えたほうがいいのかな……?
いや、甘いものは脳の活性化に役に立ち、勉強がより捗ると思う!
こぶしを握り締め、エルストさんを振り返る。
「大丈夫ですよ、とりあえず、あなたのやることは、一週間後までその体型をキープしておいてください。それ以上になられたら、非常に困りますので。」
はあ、とため息交じりに出て行った。
ああ、なんだか 疲れた……。
甘いものが食べたいな……。
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