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はあ、はあ、 ……。
き、きつい……。
結構段数あったような……。
決意新たに勢い良く進み出たものの、ドーンと立ちふさがる階段に早くも心が折れそうになった。
ゼエハアと息を切らし、こんなことならもうちょっと体力つけときゃよかったな、と今更な後悔をしつつ、何とか頂上まで登り切って、眼前にそびえ立つ大きな城門をくぐる。
登り切った達成感と共に満足げに顔を上げれば、そこには想像以上の光景が広がっていて時を忘れたように見入ってしまった――。
(うわぁ、すごい素敵。ここ、天国とかじゃないよね?)
目の前に広がるのは、まるで絵本の中の一ページを切り取って貼り付けたかのようなおとぎの国の世界のような光景。
赤や黄やピンクなどのたくさんの花や緑に囲まれた中心では、真っ白いお城が天に向かって高く伸び、そびえ立っている。
近くの噴水では水瓶を持った女神の銅像が真ん中で立っており、その周りでは鳥のような、でも鳥ではない、小天使? のような生き物がフヨフヨと飛んでいた。
また見たことない生き物がいたよ。
あれも聖獣なのかな?
鳥みたいだけど猫のような耳があって、細い尻尾も生えている。
羽根は天使みたいにフサフサとしていて手触りよさそう。
うちの聖獣様であるチョコと仲良くなれそうかな?
そのチョコはと言えば、”一番についたご褒美を頂戴” と言わんばかりにブンブンと尻尾を振って、キラキラとした大きな真ん丸の目でずっと見つめてきている。
”完全に餌付けされてるな” と苦笑交じりに、ポケットからクッキーを取り出してチョコに差し出した。
さらに高速尻尾フリフリになって勢いよくクッキーに噛り付く姿に、なんだか可笑しくなって笑いが込み上げてくる。
おいおい、そんなんでいいのか聖獣様。
しばらくその様子を微笑ましく眺めていたが、ふと、思いだした。
(あっ! そういえば……。チョコ~~!! 自分は羽根が生えてるからって、空飛んでラクしたでしょ~~!!
なんでこの前みたいに咥えて上まで連れて行ってくれなかったのよ~~!!)
急に思いだし、思わずジトーっと、恨みがましく見ていたら、私の視線に何か気まずいものを感じたのだろう。
尻尾を股の間に挟んで「きゅむ~~」 っと、かわいらしく小首をかしげた。
若干目がウルウルして庇護欲を誘われる。
どこでそんな芸を覚えてきた……。
ふむ、そうか、かわいらしさに訴える作戦か。
でもその手には乗るもんか!! とさらに目力を籠め、ビームが出る勢いでジーっと見つめ続けた。
「……」
「……」
「……」
「……」
あっ、逃げた。
あっさりと負けを認めたチョコは尻尾を挟んだままジーク様の後ろにサッと隠れた。
二人のやり取りを微笑ましく見ていたジークがやや困ったように笑い、チョコを肩に乗せてゆっくりと歩き始める。
「さて、ユナさま、そろそろまいりましょうか」
そのへんでもう許してあげては? という意味も込められているのだろう。
2人と一匹はそれぞれいろんな思いを抱えつつ、王宮の中へと入っていく。
振り返り私を見るチョコはあからさまにホッとした顔をしていたが……。
むむ~~!
午後のおやつは抜きだからね!
き、きつい……。
結構段数あったような……。
決意新たに勢い良く進み出たものの、ドーンと立ちふさがる階段に早くも心が折れそうになった。
ゼエハアと息を切らし、こんなことならもうちょっと体力つけときゃよかったな、と今更な後悔をしつつ、何とか頂上まで登り切って、眼前にそびえ立つ大きな城門をくぐる。
登り切った達成感と共に満足げに顔を上げれば、そこには想像以上の光景が広がっていて時を忘れたように見入ってしまった――。
(うわぁ、すごい素敵。ここ、天国とかじゃないよね?)
目の前に広がるのは、まるで絵本の中の一ページを切り取って貼り付けたかのようなおとぎの国の世界のような光景。
赤や黄やピンクなどのたくさんの花や緑に囲まれた中心では、真っ白いお城が天に向かって高く伸び、そびえ立っている。
近くの噴水では水瓶を持った女神の銅像が真ん中で立っており、その周りでは鳥のような、でも鳥ではない、小天使? のような生き物がフヨフヨと飛んでいた。
また見たことない生き物がいたよ。
あれも聖獣なのかな?
鳥みたいだけど猫のような耳があって、細い尻尾も生えている。
羽根は天使みたいにフサフサとしていて手触りよさそう。
うちの聖獣様であるチョコと仲良くなれそうかな?
そのチョコはと言えば、”一番についたご褒美を頂戴” と言わんばかりにブンブンと尻尾を振って、キラキラとした大きな真ん丸の目でずっと見つめてきている。
”完全に餌付けされてるな” と苦笑交じりに、ポケットからクッキーを取り出してチョコに差し出した。
さらに高速尻尾フリフリになって勢いよくクッキーに噛り付く姿に、なんだか可笑しくなって笑いが込み上げてくる。
おいおい、そんなんでいいのか聖獣様。
しばらくその様子を微笑ましく眺めていたが、ふと、思いだした。
(あっ! そういえば……。チョコ~~!! 自分は羽根が生えてるからって、空飛んでラクしたでしょ~~!!
なんでこの前みたいに咥えて上まで連れて行ってくれなかったのよ~~!!)
急に思いだし、思わずジトーっと、恨みがましく見ていたら、私の視線に何か気まずいものを感じたのだろう。
尻尾を股の間に挟んで「きゅむ~~」 っと、かわいらしく小首をかしげた。
若干目がウルウルして庇護欲を誘われる。
どこでそんな芸を覚えてきた……。
ふむ、そうか、かわいらしさに訴える作戦か。
でもその手には乗るもんか!! とさらに目力を籠め、ビームが出る勢いでジーっと見つめ続けた。
「……」
「……」
「……」
「……」
あっ、逃げた。
あっさりと負けを認めたチョコは尻尾を挟んだままジーク様の後ろにサッと隠れた。
二人のやり取りを微笑ましく見ていたジークがやや困ったように笑い、チョコを肩に乗せてゆっくりと歩き始める。
「さて、ユナさま、そろそろまいりましょうか」
そのへんでもう許してあげては? という意味も込められているのだろう。
2人と一匹はそれぞれいろんな思いを抱えつつ、王宮の中へと入っていく。
振り返り私を見るチョコはあからさまにホッとした顔をしていたが……。
むむ~~!
午後のおやつは抜きだからね!
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