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*3-2 ライル
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「ライル! ライルはいるか! ちょっと今から追いかけっこしてくるから後は頼んだぞ!」
嬉しそうに、今日もまたミリアリアさんを追いかけに転移魔方陣を起動させる上司。
そしてあっという間に目の前から消えた。
「仕事、残ってんすけど……」
はぁ、と机に乗った仕事の山を見てため息をつく僕。
「まあまあ、師長があんなにも楽しそうにしているんだからさっ。俺も半分、手伝ってやるから」
一期下の同僚が僕の肩をポンッと軽く叩いて、仕事を半分持って行ってくれた。
他にも三人ほど半分に減った書類の山から、紙の束を持って行ってくれる。
なんていうか、ミリアリアさんが来てから、俺たちに、より結束感が生まれたような。
まあ、これはこれでいいのか。
僕以外はみんな幸せそうにしているし……。
でも……、本音を言うと……。
いいなぁ。僕も彼女ほしいな……。
彼女いない歴22年。
毎日幸せそうに追いかけっこをする上司を思いだし、”あ~あ、全くやってらんないよな” と思ったのであった。
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