『2次元の彼R《リターンズ》~天才理系女子(りけじょ)「里景如志(さとかげ・しし)のAI恋愛事情~』

あらお☆ひろ

文字の大きさ
32 / 36
第2話「2次元の彼R《リターンズ》」

⑧「怪しい電話」

しおりを挟む
⑧「怪しい電話」

翌週、門真署の「半グレ」グループ摘発案件を受け、さらなる依頼が舞い込んできた。今度はより積極的に「まとまった金が必要です。高収入ならどんな仕事でもやります。人脈あります。」等、架空アバターによる書き込みを行い、「闇バイト業者」のスカウトを引っ張り出したいとの事だった。如志と弾嗣は事務長と一緒に門真署を訪れた。

「「お小遣いが足りましぇーん(泣)。高収入のお仕事斡旋してくれる人募集中でーす!」と書き込みの架空キャラは、女子中学生から女子高生をうたい「未成年闇売春組織」を炙り出したいですし、「多少危ない仕事でも、高収入の仕事を探しています。「K(※「殺し」、「KILL」の隠語)」以外なら何でもOK!当方、格闘技の経験あり。」との男性の書き込みは「強盗目的」の「闇バイト」を行うグループを積極的に探したいということなんです。」
と里相野から説明があった。
 例によって、事務長はノリノリで「里景先生、チャチャっとやっちゃってくださいよ!善良な府民、いや国民への奉仕活動ですよ。」と軽く如志に言ってくる。
「…はい、わかりました…。」と渋々依頼を受けた如志の気持ちは重かった。

 なぜなら、昨日の取り締まりの最中に職務質問をした警察官が大型ナイフで切りつけられた事件があったとニュースで見ていたからだった。如志は、里相野からその警察官は「軽傷」であったことを聞いたものの、「半グレ」の恐ろしさを知ってしまったことには変わりがなかった。
 (「反社」みたいに「ピストル」は持ってなくても、ナイフや包丁で刺されたら、刺しどころが悪けりゃ人は死んじゃうのよね…。)と思うと体が震えた。

 そこに巴がやってきて言った。
「この間お貸ししたスマホですけど、ちょっと貸してもらえますか?今後の連絡を取るに際して、毎回、留守番電話を確認してもらうのも大変でしょうから、メッセージアプリも使えるようにしておきますんで。」
 如志はスマホを巴に渡すと、里相野が丁寧に頭を下げた。
「何かとご面倒をおかけしますが、里景先生のおかげで成果が上がり、警視庁でも採用されれば、被害者もグッと減らすことができると思われます。我々「警察」ではとてもできないシステムを短期で仕上げていただけたことに感謝いたします。今しばらく、お付き合いいただけますようよろしくお願いしますね。」
「いやいや、私は大したことはしていません。システム応用の殆どは祖父斗先生がやってくれたことですので…。」
如志が恐縮して返事をすると、巴がスマホを持って戻ってきた。

 如志と弾嗣が大阪CPTSに戻ると、舞久利が「ちょっと、如志ちゃん、こっち来て!」と手招きして女子トイレに連れ込まれた。
「今日ね、学校の受付に「里景先生に取材をお願いしたいんですけど。」って男が来たんだけど、それがどう見ても「業界くん」じゃなく、「いかつい男」なんよ。絶対あれは「堅気」やあれへん。そいつが事務員に如志ちゃんの連絡先や住所をしつこく尋ねるんよ。
 事務員も困ってたから私が出て「個人情報は教えられへんから学校を通じて面談を申し込んでんか!」って言うて帰らせたんやけどな。
 「ストーカー」って感じでもあれへんかったな…。まあ、如志ちゃんはテレビにも出てるから「変なファン」がついてるってことも考えられるけど、今、警察絡みの仕事してるやろ?なんかややこしいことに巻き込まれてへん?」
 まくしたてる様に話す舞久利に押されてる如志のスマホが鳴った。電話番号だけが表示されている。

「舞久利さん、ちょっと待って下さいね。」と断りを入れ、電話に出た。
「すみません。佐山急便ですけど、里景如志さんの携帯でお間違いありませんか?本日、お届けのお荷物があったんですけど、誠に申し訳ございませんが、送り状が水性インクで書かれていたようで、文字が滲んで読めないんです。化粧品メーカーのサンプルのようなんですけど、ご住所とご在宅のお時間を確認させていただけませんか?」
と言われ、(あれ?化粧品のサンプルなんか頼んだかしら?以前に頼んだメーカーの新商品か何かかしら?)と、何の疑問もなく答えてしまった。
 舞久利が「何?今の電話?住所答えてたけど、変な電話とちゃうやろな?」と尋ねるが「いや、化粧品のサンプルの宅配便ですよ。送り状の字が滲んで読まれないからって、確認の電話でしたよ。」と答えるも、舞久利は納得しない様子だった。
「うーん、送り状をメーカーが水性インクで印刷するか?なんか怪しいもんを感じるな…。如志ちゃん、今日、私泊まりに行ったろか?何か、いやな予感がするねん…。」

 「いや、そんなの気にしすぎですよ。まあ、弾嗣君もいますし、大丈夫でしょ。」
如志は丁寧に舞久利に断りを入れ、教員室に戻った。午後の講義の予定を終え、ワゴンRに乗り込み帰宅すると、舞久利から電話があった。
「如志ちゃん、あんたデスクにスマホ忘れてんで。仕事用のスマホとちゃうの?今日の宅配屋の電話も気になるから届けに行こか?」
と心配してくれたが、(今日は、「YTS」のプログラム修正のフローも作りたいし…。舞久利先輩来ちゃうと飲み会になるから断らないとね…。)と思い、気を遣いながら返事をした。
「あぁ、今日は持ち帰りの仕事がありますし、そのスマホは無くても大丈夫なんで電源を落としておいてもらっていいですか?」

 「ただいまー。スーパーでお肉が半額になってたんで買ってきましたよー!今日は、ポークソテーにしませんか?フライパン出してもらっていいですか?」
弾嗣がエコバッグを持って、楽しそうに帰ってきた。
「へぇ半額肉か…。じゃあ、下ごしらえをするから弾嗣君は先にお風呂に入ったら?」
とエコバッグを受け取ると如志はフライパンを取り出した。



今日の快撥&弾嗣!






※ふざけて快撥に「キャラT」着せてみた(笑)!





しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

お茶をしましょう、若菜さん。〜強面自衛官、スイーツと君の笑顔を守ります〜

ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
陸上自衛隊衛生科所属の安達四季陸曹長は、見た目がどうもヤのつく人ににていて怖い。 「だって顔に大きな傷があるんだもん!」 体力徽章もレンジャー徽章も持った看護官は、鬼神のように荒野を走る。 実は怖いのは顔だけで、本当はとても優しくて怒鳴ったりイライラしたりしない自衛官。 寺の住職になった方が良いのでは?そう思うくらいに懐が大きく、上官からも部下からも慕われ頼りにされている。 スイーツ大好き、奥さん大好きな安達陸曹長の若かりし日々を振り返るお話です。 ※フィクションです。 ※カクヨム、小説家になろうにも公開しています。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

白衣の下 第一章 悪魔的破天荒な医者と超真面目な女子大生の愛情物語り。先生無茶振りはやめてください‼️

高野マキ
ライト文芸
弟の主治医と女子大生の甘くて切ない愛情物語り。こんなに溺愛する相手にめぐり会う事は二度と無い。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

月弥総合病院

僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

処理中です...