25 / 36
第2話「2次元の彼R《リターンズ》」
①「プロローグ」
しおりを挟む
『2次元の彼R~天才理系女子「|里景如志」のVR恋愛事情~』
① 「プロローグ」
門真の古い住宅地の狭い道を走る軽自動車ワゴンRのハンドルを握る女がバックミラーを見ながら興奮気味に助手席の男に尋ねた。
「どう?「半グレ」のベンツはついて来てる?さっき、追突してきたときは反対車線に飛び出て死ぬかと思ったわ!」
助手席の男は、思い切り体を捻り、リアウインドー越しに後ろを見た。
「いや、さっきの通りからこの住宅地に入る際の鉄柱の車止めの幅が1.5メートル程だったんで、3ナンバーのAMGベンツは入れなかったんでしょう。まあ、軽自動車でもギリギリの幅でしたもんね。なんとかうまく逃げ切れたようですね。この住宅地で転回して奴らの裏をかいて、もう一度「南」に抜けて国道163号線に戻り、門真警察に飛び込みましょう。」
女はほっと一息つくと狭い住宅地の中の道をカーナビの地図を頼りに南に戻るようにワゴンRギリギリの幅の生活道路を右折した。
「そうね、ここに入ったことであいつらは私たちが「北」に逃げたと思ってるだろうから、裏をかいて「南」に戻るのね。」
慎重にハンドル操作を行い、ゆっくりと住宅地を抜けていく間に、助手席に座っている「梨継弾嗣」は「半グレ」グループの「闇バイト組織」摘発に協力した際に若手刑事の「巴史利《ともえ・ふみとし》」から預かったスマホを取り出すと、ベテラン刑事の「里相野丈史」に電話を入れた。
3度のコールで里相野が電話に出た。
「もしもし、里景先生の助手の梨継です。先日、摘発された「半グレ」グループの幹部3名が今日、里景先生のマンションに来たんです。大きなサバイバルナイフを持って襲いに来たんです。
何とかその場は逃げ切ったんですけど、今度は車で追われてます。今、門真警察の2キロほど東の住宅地なんですけど、里相野刑事は今、署の方に居られますか?
明らかに先生が乗っているとわかって、車をぶつけてきました。ドラレコに相手の車もナンバーも映ってるはずですから至急、犯人確保の手配をお願いします。」
弾嗣が予想外に落ち着いて里相野刑事に連絡を入れているのを横で聞き、運転者の「里景如志」は頼もしく思った。
数百メートル、狭い住宅内の道路を走り、国道163号線に出ようとしたところ、2本先の国道の信号の向こうに先ほどまで追跡を受けていたフロントバンパーがへこんだAMGベンツが止まっているのが見えた。
「ダメ、待ち伏せされてる!住宅街に戻るわ!」
如志は急ブレーキを踏むと、国道に出る2本手前の狭い道を東に曲がった。何度もAMGベンツをまこうと方向転換を繰り返した。北に抜けようと西に出ようと毎回、「半グレ」の乗るAMGベンツが先回りしている。
「いったいなんで私たちがこんな目に合わなきゃいけないのよ。それにしても何故、先回りができるの?ドローンで追跡されてる様子は無いし、もう訳がわかんないわよ…。」
4度の先回りで頭がパニくり、冷静に判断できなくなった如志に弾嗣は努めて冷静に応対を続ける中、一つの名案が閃いた。
「如志さん、「AI快撥」に聞いてみましょう。状況を「AI快撥」に尋ねることで何か解決策が見つかるかもしれないじゃないですか!」
弾嗣は、タブレットをカバンから取り出すと電源を入れ、ホーム画面にある「AIチャット」のアイコンをタップした。
「如志さん、起動パスワードは「KAIHATSU」で良かったですよね。「AI快撥」を立ち上げさせてもらいますよ。」
運転席で如志が頷くのを確認すると、弾嗣はパスワードを入力すると「音声チャット」を選択した。
タブレットの中に、イケメン3Dキャラクターが映し出された。
「あれ、如志じゃなく、弾嗣君?如志は一緒なの?如志がいないところで勝手に僕を呼び出すのはルール違反だからね。如志の声を聞かせてくれる?」
生成AIキャラクターはいたってまともな事を言ってきた。
「AI快撥」は、如志が昨年1年間を費やしてプログラミングした生成AIによる自動会話プログラムで如志が学生時代の「恩師」であり「大先輩」プログラマーで「初恋の人」である「祖父斗快撥」名を取り、見た目もそっくりに作成したキャラクターである。「快撥」と名付けられた3Dアバターは画面の中で返事を待っている。
弾嗣はタブレットのカメラを如志に向けた。
「快撥先生、私です。今、車の運転中なんで弾嗣君にアクセスしてもらってます。ちょっと困った状況なんで、お知恵を貸してもらえませんか?」
如志がタブレットのカメラに向かって話すと、さわやかに3Dアバターは答えた。
「オッケー!オッケー!如志がいいと言うならこっちは大丈夫!いったい何を困ってるんだい?」
「あの、状況を簡単に説明すると…。」弾嗣がタブレットにむかって、事の次第を話し始めた。
5分後、生成AIの「AI快撥」は一つの仮説を如志と弾嗣に伝えた。
あらお☆ひろでーす!
今日から「不定期」ですが、「2次元の彼R」の連載を始めまーす!
赤井先生が作ってくれたチャプターを元に書いていきますので「RBFC」の方も読んでやってくださいねー!
皆さんの感想お待ちしてますねー!
よーろーしーくーねー!
(⋈◍>◡<◍)。✧♡
① 「プロローグ」
門真の古い住宅地の狭い道を走る軽自動車ワゴンRのハンドルを握る女がバックミラーを見ながら興奮気味に助手席の男に尋ねた。
「どう?「半グレ」のベンツはついて来てる?さっき、追突してきたときは反対車線に飛び出て死ぬかと思ったわ!」
助手席の男は、思い切り体を捻り、リアウインドー越しに後ろを見た。
「いや、さっきの通りからこの住宅地に入る際の鉄柱の車止めの幅が1.5メートル程だったんで、3ナンバーのAMGベンツは入れなかったんでしょう。まあ、軽自動車でもギリギリの幅でしたもんね。なんとかうまく逃げ切れたようですね。この住宅地で転回して奴らの裏をかいて、もう一度「南」に抜けて国道163号線に戻り、門真警察に飛び込みましょう。」
女はほっと一息つくと狭い住宅地の中の道をカーナビの地図を頼りに南に戻るようにワゴンRギリギリの幅の生活道路を右折した。
「そうね、ここに入ったことであいつらは私たちが「北」に逃げたと思ってるだろうから、裏をかいて「南」に戻るのね。」
慎重にハンドル操作を行い、ゆっくりと住宅地を抜けていく間に、助手席に座っている「梨継弾嗣」は「半グレ」グループの「闇バイト組織」摘発に協力した際に若手刑事の「巴史利《ともえ・ふみとし》」から預かったスマホを取り出すと、ベテラン刑事の「里相野丈史」に電話を入れた。
3度のコールで里相野が電話に出た。
「もしもし、里景先生の助手の梨継です。先日、摘発された「半グレ」グループの幹部3名が今日、里景先生のマンションに来たんです。大きなサバイバルナイフを持って襲いに来たんです。
何とかその場は逃げ切ったんですけど、今度は車で追われてます。今、門真警察の2キロほど東の住宅地なんですけど、里相野刑事は今、署の方に居られますか?
明らかに先生が乗っているとわかって、車をぶつけてきました。ドラレコに相手の車もナンバーも映ってるはずですから至急、犯人確保の手配をお願いします。」
弾嗣が予想外に落ち着いて里相野刑事に連絡を入れているのを横で聞き、運転者の「里景如志」は頼もしく思った。
数百メートル、狭い住宅内の道路を走り、国道163号線に出ようとしたところ、2本先の国道の信号の向こうに先ほどまで追跡を受けていたフロントバンパーがへこんだAMGベンツが止まっているのが見えた。
「ダメ、待ち伏せされてる!住宅街に戻るわ!」
如志は急ブレーキを踏むと、国道に出る2本手前の狭い道を東に曲がった。何度もAMGベンツをまこうと方向転換を繰り返した。北に抜けようと西に出ようと毎回、「半グレ」の乗るAMGベンツが先回りしている。
「いったいなんで私たちがこんな目に合わなきゃいけないのよ。それにしても何故、先回りができるの?ドローンで追跡されてる様子は無いし、もう訳がわかんないわよ…。」
4度の先回りで頭がパニくり、冷静に判断できなくなった如志に弾嗣は努めて冷静に応対を続ける中、一つの名案が閃いた。
「如志さん、「AI快撥」に聞いてみましょう。状況を「AI快撥」に尋ねることで何か解決策が見つかるかもしれないじゃないですか!」
弾嗣は、タブレットをカバンから取り出すと電源を入れ、ホーム画面にある「AIチャット」のアイコンをタップした。
「如志さん、起動パスワードは「KAIHATSU」で良かったですよね。「AI快撥」を立ち上げさせてもらいますよ。」
運転席で如志が頷くのを確認すると、弾嗣はパスワードを入力すると「音声チャット」を選択した。
タブレットの中に、イケメン3Dキャラクターが映し出された。
「あれ、如志じゃなく、弾嗣君?如志は一緒なの?如志がいないところで勝手に僕を呼び出すのはルール違反だからね。如志の声を聞かせてくれる?」
生成AIキャラクターはいたってまともな事を言ってきた。
「AI快撥」は、如志が昨年1年間を費やしてプログラミングした生成AIによる自動会話プログラムで如志が学生時代の「恩師」であり「大先輩」プログラマーで「初恋の人」である「祖父斗快撥」名を取り、見た目もそっくりに作成したキャラクターである。「快撥」と名付けられた3Dアバターは画面の中で返事を待っている。
弾嗣はタブレットのカメラを如志に向けた。
「快撥先生、私です。今、車の運転中なんで弾嗣君にアクセスしてもらってます。ちょっと困った状況なんで、お知恵を貸してもらえませんか?」
如志がタブレットのカメラに向かって話すと、さわやかに3Dアバターは答えた。
「オッケー!オッケー!如志がいいと言うならこっちは大丈夫!いったい何を困ってるんだい?」
「あの、状況を簡単に説明すると…。」弾嗣がタブレットにむかって、事の次第を話し始めた。
5分後、生成AIの「AI快撥」は一つの仮説を如志と弾嗣に伝えた。
あらお☆ひろでーす!
今日から「不定期」ですが、「2次元の彼R」の連載を始めまーす!
赤井先生が作ってくれたチャプターを元に書いていきますので「RBFC」の方も読んでやってくださいねー!
皆さんの感想お待ちしてますねー!
よーろーしーくーねー!
(⋈◍>◡<◍)。✧♡
31
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
【完結】イケメンイスラエル大使館員と古代ユダヤの「アーク探し」の5日間の某国特殊部隊相手の大激戦!なっちゃん恋愛小説シリーズ第1弾!』
あらお☆ひろ
キャラ文芸
「なつ&陽菜コンビ」にニコニコ商店街・ニコニコプロレスのメンバーが再集結の第1弾!
もちろん、「なっちゃん」の恋愛小説シリーズ第1弾でもあります!
ニコニコ商店街・ニコニコポロレスのメンバーが再集結。
稀世・三郎夫婦に3歳になったひまわりに直とまりあ。
もちろん夏子&陽菜のコンビも健在。
今作の主人公は「夏子」?
淡路島イザナギ神社で知り合ったイケメン大使館員の「MK」も加わり10人の旅が始まる。
ホテルの庭で偶然拾った二つの「古代ユダヤ支族の紋章の入った指輪」をきっかけに、古来ユダヤの巫女と化した夏子は「部屋荒らし」、「ひったくり」そして「追跡」と謎の外人に追われる!
古代ユダヤの支族が日本に持ち込んだとされる「ソロモンの秘宝」と「アーク(聖櫃)」に入れられた「三種の神器」の隠し場所を夏子のお告げと客観的歴史事実を基に淡路、徳島、京都、長野、能登、伊勢とアークの追跡が始まる。
もちろん最後はお決まりの「ドンパチ」の格闘戦!
アークと夏子とMKの恋の行方をお時間のある人はゆるーく一緒に見守ってあげてください!
では、よろひこー (⋈◍>◡<◍)。✧♡!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お茶をしましょう、若菜さん。〜強面自衛官、スイーツと君の笑顔を守ります〜
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
陸上自衛隊衛生科所属の安達四季陸曹長は、見た目がどうもヤのつく人ににていて怖い。
「だって顔に大きな傷があるんだもん!」
体力徽章もレンジャー徽章も持った看護官は、鬼神のように荒野を走る。
実は怖いのは顔だけで、本当はとても優しくて怒鳴ったりイライラしたりしない自衛官。
寺の住職になった方が良いのでは?そう思うくらいに懐が大きく、上官からも部下からも慕われ頼りにされている。
スイーツ大好き、奥さん大好きな安達陸曹長の若かりし日々を振り返るお話です。
※フィクションです。
※カクヨム、小説家になろうにも公開しています。

『 ゆりかご 』 ◉諸事情で非公開予定ですが読んでくださる方がいらっしゃるのでもう少しこのままにしておきます。
設樂理沙
ライト文芸
皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。
最初2/10に非公開の予告文を書いていたのですが読んで
くださる方が増えましたので2/20頃に変更しました。
古い作品ですが、有難いことです。😇
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
・・・・・・・・・・
💛イラストはAI生成画像自作
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
完結『相思相愛ADと目指せミリオネラ突如出演の激闘20日間!ウクライナ、ソマリア、メキシコ、LA大激戦!なっちゃん恋愛小説シリーズ第3弾!』
あらお☆ひろ
キャラ文芸
「なつ&陽菜コンビ」にニコニコ商店街・ニコニコプロレスのメンバーが再集結の第3弾!
もちろん、「なっちゃん」の恋愛小説シリーズ第3弾!
今度こそは「ハッピーエンド」!?
はい、「ハッピーエンド」です(※あー、言いきっちゃった(笑)!)!
もちろん、稀世・三郎夫婦に直とまりあ。もちろん夏子&陽菜のコンビも健在。
今作も主人公も「夏子」!
今回の敵は「ウクライナのロシア軍」、「ソマリアの海賊」、「メキシカン・マフィア」と難敵ぞろい。
アメリカの人気テレビ番組「目指せ!ミリオネラ!」にチャレンジすることになってしまった夏子と陽菜は稀世・直・舩阪・羽藤たちの協力を得て次々と「難題」にチャレンジ!
「ウクライナ」では「傭兵」としてロシア軍の情報・指令車の鹵獲に挑戦。
「ソマリア」では「海賊退治」に加えて「クロマグロ」を求めてはえ縄漁へ。
「メキシコ・トルカ」ではマフィア相手に誘拐された人たちの解放する「ネゴシエーター」をすることに。
もちろん最後はドンパチ!
夏子の今度の「恋」の相手は、なぜか夏子に一目ぼれしたサウジアラビア生まれのイケメンアメリカ人アシスタントディレクター!
シリーズ完結作として、「ハッピーエンド」なんでよろしくお願いしまーす!
(⋈◍>◡<◍)。✧♡
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる