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四章 二体目ですよ
六十三話
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「おはよう」
「おはようございます」
「ちぅ!」
「おはようっス」
「ウッス!」
朝、それぞれ学食で朝ご飯を食べた後、部室で俺達は一旦集合した。
目的の店の開店時間までまで時間がまだあるからね。雑談でもしながら暇潰しをしようって感じだ。
「この後、九時に出発して国鉄に乗ってドーム球場の横のショッピングモールに先ずは行くで良いかな?」
「大丈夫です」
「そこで昼飯も食べるんだよな?」
金屋先輩は既に昼ご飯が気になってるようだ。さっき食べたばっかりなのにね。
「何食べるっス?」
「そうだな。ガッツリしたものが食べたいな」
食いしん坊はもう一人いた。吉根はスマホでご飯やさんを検索しながら、金屋先輩とあーでもないこーでもないと言い合っている。
実に楽しそうだ。
俺と川上先輩は次に行く場所の確認だ。
「昼食を食べ終わったら、地下鉄で移動するんですよね?」
「そうそう。観音商店街に行くんだよ」
「あそこなら、昔のキットを置いてある店もありますもんね」
頭の中で地図を開いて、候補の店をいくつかピックアップする。
商店街から北に行けば百貨店があって、その中にある家電量販店にもプラモデルが売っていたな。
「そういえば、あそこは唐揚げとか有名だったよな」
「あと、台湾ラーメンも旨そうっス」
食いしん坊コンビが話に入ってきた。そして、また食べ物の話だ。
「昼食はショッピングモールで食べるんでしょ?それとも夕飯?門限は19時だから、そんなに遅くまではいられないよ?」
「何言ってるんだよ、マサシ。オヤツに決まってるだろ」
「そっスよ。唐揚げ食べ比べしなきゃ」
やはり普段から身体を使うだけあって、食欲が凄いんだな。
きっと、これだけ食べても寮に帰ってきたらまた食べるつもりなんだろう。
「そういえば、大盛チャレンジメニューやってるカツ屋さんがあるらしいっスよ?」
「お、良いなぁ。そこも行ってみるか!」
スマホ片手に盛り上がる二人を見て、俺と川上先輩は肩を竦める。
「この二人は何しに行くつもりなんだろうね」
「本当ですね」
「あ、そういえばツクモちゃんはどうするつもり?」
「あ、リュックの中に入ってもらいますよ」
「ちぅ」
自分の話題になったのが分かったツクモは「何?」というように首を傾げた。可愛かったから、頭を撫でておく。
「大丈夫?苦しくない?」
「多分、大丈夫だと思いますよ。ツクモ、リュックに入って」
「ちぅ!」
リュックの中にはタオルケットと小さなクッションが入れてあり、居心地は悪くないはずだ。
排泄はしないから、匂いの心配もない。
満員電車ならともかく、そんなに混んでない時間帯のはずだから、潰される心配もあまりないだろう。
本当は寮に置いていくのが一番良いんだろうけど、やっぱり留守番させるには心配だしね。
一応、法律上では従魔だと分かるようになっていれば町中を連れていても問題無いらしい。
ツクモはみんなで作った装備を身に付けているから大丈夫だと大屋敷先生が教えてくれた。
ただ、後は感情的な問題もあるから、ツクモには隠れてもらうけどね。
「それなら大丈夫だね。ってもうこんな時間か。皆、そろそろ行こうか」
「了解っス」
「はい」
「お、そんな時間か」
戸締まりをして部室を出ると、俺達は駅に行く為に自転車置場へ向かうのだった。
「おはようございます」
「ちぅ!」
「おはようっス」
「ウッス!」
朝、それぞれ学食で朝ご飯を食べた後、部室で俺達は一旦集合した。
目的の店の開店時間までまで時間がまだあるからね。雑談でもしながら暇潰しをしようって感じだ。
「この後、九時に出発して国鉄に乗ってドーム球場の横のショッピングモールに先ずは行くで良いかな?」
「大丈夫です」
「そこで昼飯も食べるんだよな?」
金屋先輩は既に昼ご飯が気になってるようだ。さっき食べたばっかりなのにね。
「何食べるっス?」
「そうだな。ガッツリしたものが食べたいな」
食いしん坊はもう一人いた。吉根はスマホでご飯やさんを検索しながら、金屋先輩とあーでもないこーでもないと言い合っている。
実に楽しそうだ。
俺と川上先輩は次に行く場所の確認だ。
「昼食を食べ終わったら、地下鉄で移動するんですよね?」
「そうそう。観音商店街に行くんだよ」
「あそこなら、昔のキットを置いてある店もありますもんね」
頭の中で地図を開いて、候補の店をいくつかピックアップする。
商店街から北に行けば百貨店があって、その中にある家電量販店にもプラモデルが売っていたな。
「そういえば、あそこは唐揚げとか有名だったよな」
「あと、台湾ラーメンも旨そうっス」
食いしん坊コンビが話に入ってきた。そして、また食べ物の話だ。
「昼食はショッピングモールで食べるんでしょ?それとも夕飯?門限は19時だから、そんなに遅くまではいられないよ?」
「何言ってるんだよ、マサシ。オヤツに決まってるだろ」
「そっスよ。唐揚げ食べ比べしなきゃ」
やはり普段から身体を使うだけあって、食欲が凄いんだな。
きっと、これだけ食べても寮に帰ってきたらまた食べるつもりなんだろう。
「そういえば、大盛チャレンジメニューやってるカツ屋さんがあるらしいっスよ?」
「お、良いなぁ。そこも行ってみるか!」
スマホ片手に盛り上がる二人を見て、俺と川上先輩は肩を竦める。
「この二人は何しに行くつもりなんだろうね」
「本当ですね」
「あ、そういえばツクモちゃんはどうするつもり?」
「あ、リュックの中に入ってもらいますよ」
「ちぅ」
自分の話題になったのが分かったツクモは「何?」というように首を傾げた。可愛かったから、頭を撫でておく。
「大丈夫?苦しくない?」
「多分、大丈夫だと思いますよ。ツクモ、リュックに入って」
「ちぅ!」
リュックの中にはタオルケットと小さなクッションが入れてあり、居心地は悪くないはずだ。
排泄はしないから、匂いの心配もない。
満員電車ならともかく、そんなに混んでない時間帯のはずだから、潰される心配もあまりないだろう。
本当は寮に置いていくのが一番良いんだろうけど、やっぱり留守番させるには心配だしね。
一応、法律上では従魔だと分かるようになっていれば町中を連れていても問題無いらしい。
ツクモはみんなで作った装備を身に付けているから大丈夫だと大屋敷先生が教えてくれた。
ただ、後は感情的な問題もあるから、ツクモには隠れてもらうけどね。
「それなら大丈夫だね。ってもうこんな時間か。皆、そろそろ行こうか」
「了解っス」
「はい」
「お、そんな時間か」
戸締まりをして部室を出ると、俺達は駅に行く為に自転車置場へ向かうのだった。
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