60 / 91
四章 二体目ですよ
五十九話
しおりを挟む
「はい、案の定エネミーネストでした」
部屋の真ん中まで進んだら扉が勝手に閉まってエネミーがゴソッと湧き出した。
出てきたのはゴブリンとイグアーノ、巨大な蝙蝠にブッシュスネークだ。後はその上位種らしきエネミーもいるな。
ざっと数えて40体くらいか。
「悠長な事を言ってる場合じゃないっスよ!」
「それもそうだね。ツクモ、とりあえず【突風】!」
「ちぅ!」
即座に吉根が剣を抜き放ち、ツクモが魔法を放つ。
ツクモの【突風】は複数のゴブリンを巻き込んで吹き飛ばす。吉根は弱ったゴブリンに止めを刺していく。
市場君は出入口付近で泉ヶ丘さんと天子田さんを守りながらエネミーを駆除していく。
市場君達とは分断されてる形だけど、今のところはなんとか上手いことやれているな。
「足元に罠が出現しているから気を付けて!」
「ムチャっス」
エネミーが湧き出す前はなんの反応も無かった場所から、【危険察知】の反応がある。
試しに棒で叩いてみたら、トラバサミがバチンと音がして閉じた。
「コワッ!?」
トラバサミを見て驚く吉根。市場君達はエネミーが邪魔で見えなかったみたいだけど、俺の声は届いていたみたいだな。
みんな少し足元を気にするようになっていた。
罠がある場所はほんのり色が違っているから、注意深く観察してれば分かるけど、戦闘中にこなすのはなかなか難しい。
「ゴブッ!」
「むっ」
言ってる内にもゴブリンが襲いかかってくる。
棒を突きだし、ゴブリンの胸板を打つ。しかし、一撃で仕留める事は出来ず、ゴブリンを少しよろめいただけだった。
「ゴブッ!」
棒を引き戻そうとした時、横合いから別のゴブリンが棒に抱き付いた。
「うわっ!?」
数体のゴブリンが更に棒を引っ張ることで、俺は思わず体勢を崩してしまう。
踏ん張ろうとしたところにブッシュスネークが這い寄り、上からジャイアントバットが急降下してくる。
「ツクモ!」
「ちぅ!」
ツクモは俺の指示をくみ取り、ジャイアントバットに【突風】放つ。
俺は俺で左手に魔力を送り、憑魔の力を借りて棒のお尻を押し下げる。テコの原理も働いて、ゴブリンを持ち上げる事に成功すると、そのまま床に叩きつけた。
「おっ、パワフルっスね」
「ちょっと、俺はまだピンチなんだけど」
「近寄ってくるのは受け持つっスから、その蛇の処理は自分でお願いするっス」
「はいはい。そっちのは頼んだよ」
そう、ジャイアントバットとゴブリンはなんとか凌いだけど、おれは三匹のブッシュスネークに噛みつかれていた。
幸い、HPで守られているから痛みとかは無いけど、なにせ蛇が噛みついてぶら下がっているというビジュアルがヤバい。
吉根にカバーしてもらいながら、一匹ずつ引き剥がしては踏み潰していく。
吉根は上手く盾と大蛇剣を使ってエネミーを次々と駆除していっている。
たまに抱き付こうと特攻してくるゴブリンがいるけど、足払いをかけたり逆に強くぶつかったりして上手くいなしている。なかなか隙がなく手堅い戦いかたをしている印象だ。
【鋭斬】は使わずにMPを温存しているから、この状況でもまだ余裕があるみたいだな。流石は戦闘科だ。
それにしても、かなりの数のエネミーを駆除したけど、なかなか減った気がしないなぁ。
部屋の真ん中まで進んだら扉が勝手に閉まってエネミーがゴソッと湧き出した。
出てきたのはゴブリンとイグアーノ、巨大な蝙蝠にブッシュスネークだ。後はその上位種らしきエネミーもいるな。
ざっと数えて40体くらいか。
「悠長な事を言ってる場合じゃないっスよ!」
「それもそうだね。ツクモ、とりあえず【突風】!」
「ちぅ!」
即座に吉根が剣を抜き放ち、ツクモが魔法を放つ。
ツクモの【突風】は複数のゴブリンを巻き込んで吹き飛ばす。吉根は弱ったゴブリンに止めを刺していく。
市場君は出入口付近で泉ヶ丘さんと天子田さんを守りながらエネミーを駆除していく。
市場君達とは分断されてる形だけど、今のところはなんとか上手いことやれているな。
「足元に罠が出現しているから気を付けて!」
「ムチャっス」
エネミーが湧き出す前はなんの反応も無かった場所から、【危険察知】の反応がある。
試しに棒で叩いてみたら、トラバサミがバチンと音がして閉じた。
「コワッ!?」
トラバサミを見て驚く吉根。市場君達はエネミーが邪魔で見えなかったみたいだけど、俺の声は届いていたみたいだな。
みんな少し足元を気にするようになっていた。
罠がある場所はほんのり色が違っているから、注意深く観察してれば分かるけど、戦闘中にこなすのはなかなか難しい。
「ゴブッ!」
「むっ」
言ってる内にもゴブリンが襲いかかってくる。
棒を突きだし、ゴブリンの胸板を打つ。しかし、一撃で仕留める事は出来ず、ゴブリンを少しよろめいただけだった。
「ゴブッ!」
棒を引き戻そうとした時、横合いから別のゴブリンが棒に抱き付いた。
「うわっ!?」
数体のゴブリンが更に棒を引っ張ることで、俺は思わず体勢を崩してしまう。
踏ん張ろうとしたところにブッシュスネークが這い寄り、上からジャイアントバットが急降下してくる。
「ツクモ!」
「ちぅ!」
ツクモは俺の指示をくみ取り、ジャイアントバットに【突風】放つ。
俺は俺で左手に魔力を送り、憑魔の力を借りて棒のお尻を押し下げる。テコの原理も働いて、ゴブリンを持ち上げる事に成功すると、そのまま床に叩きつけた。
「おっ、パワフルっスね」
「ちょっと、俺はまだピンチなんだけど」
「近寄ってくるのは受け持つっスから、その蛇の処理は自分でお願いするっス」
「はいはい。そっちのは頼んだよ」
そう、ジャイアントバットとゴブリンはなんとか凌いだけど、おれは三匹のブッシュスネークに噛みつかれていた。
幸い、HPで守られているから痛みとかは無いけど、なにせ蛇が噛みついてぶら下がっているというビジュアルがヤバい。
吉根にカバーしてもらいながら、一匹ずつ引き剥がしては踏み潰していく。
吉根は上手く盾と大蛇剣を使ってエネミーを次々と駆除していっている。
たまに抱き付こうと特攻してくるゴブリンがいるけど、足払いをかけたり逆に強くぶつかったりして上手くいなしている。なかなか隙がなく手堅い戦いかたをしている印象だ。
【鋭斬】は使わずにMPを温存しているから、この状況でもまだ余裕があるみたいだな。流石は戦闘科だ。
それにしても、かなりの数のエネミーを駆除したけど、なかなか減った気がしないなぁ。
10
お気に入りに追加
189
あなたにおすすめの小説
強制無人島生活
デンヒロ
ファンタジー
主人公の名前は高松 真。
修学旅行中に乗っていたクルーズ船が事故に遭い、
救命いかだで脱出するも無人島に漂着してしまう。
更に一緒に流れ着いた者たちに追放された挙げ句に取り残されてしまった。
だが、助けた女の子たちと共に無人島でスローライフな日々を過ごすことに……
果たして彼は無事に日本へ帰ることができるのか?
注意
この作品は作者のモチベーション維持のために少しずつ投稿します。
1話あたり300~1000文字くらいです。
ご了承のほどよろしくお願いします。
超文明日本
点P
ファンタジー
2030年の日本は、憲法改正により国防軍を保有していた。海軍は艦名を漢字表記に変更し、正規空母、原子力潜水艦を保有した。空軍はステルス爆撃機を保有。さらにアメリカからの要求で核兵器も保有していた。世界で1、2を争うほどの軍事力を有する。
そんな日本はある日、列島全域が突如として謎の光に包まれる。光が消えると他国と連絡が取れなくなっていた。
異世界転移ネタなんて何番煎じかわかりませんがとりあえず書きます。この話はフィクションです。実在の人物、団体、地名等とは一切関係ありません。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
白花の咲く頃に
夕立
ファンタジー
命を狙われ、七歳で国を出奔した《シレジア》の王子ゼフィール。通りすがりの商隊に拾われ、平民の子として育てられた彼だが、成長するにしたがって一つの願いに駆られるようになった。
《シレジア》に帰りたい、と。
一七になった彼は帰郷を決意し商隊に別れを告げた。そして、《シレジア》へ入国しようと関所を訪れたのだが、入国を断られてしまう。
これは、そんな彼の旅と成長の物語。
※小説になろうでも公開しています(完結済)。
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる